人間兇器

人間兇器

金と権力、暴力で人生を歩む野望を持った美影義人が空手の師匠大元烈山を何度となく裏切って、成り上がりを目指す物語。人間兇器を目指す美影義人は犯罪を重ね、世界的に警察や大元烈山に追われる身となる。原作:梶原一騎、作画:中野喜雄。

正式名称
人間兇器
ふりがな
にんげんきょうき
漫画
原作
ジャンル
空手
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あらすじ

育った家庭環境が複雑なため性格が歪んでしまった美影義人は実践空手空心会に入門し、人間兇器となることを目指す。心酔した師匠の神の手・大元烈山に見込まれ、アメリカ支部へ転属し、支部長へ昇格の野望を持つも、果たせず烈山と対立して犯罪を繰り返す。ハリウッド女優のリンダ・イザベラの政治力の援護を受け全米の最凶ボクサー達にカラテを仕込み、空心会に挑戦状を叩きつける。

戦いはマジソン・スクエア・ガーデンで7対7の勝負となり、美影は真紅の道着で統一した「ブラッディ・カラテ軍団」を率いて決戦に臨む。3人目までは、空心会の蹴りに対するディフェンスをマスターした美影側が強烈なパンチでKO勝ちする。残り一勝で美影の勝利までたどり着いたが、空心会の廻し蹴りによる反撃が始まる。この廻し蹴りは普通の回し蹴りではなく、ガードをかいくぐり足刀蹴りとなる変則蹴り秘伝の二段掛け蹴りだった。3勝3敗となり勝敗は大将戦までもつれ込む。「ブラッディ・カラテ軍団」側の美影に対する空心会側の大将は2Mを越える大男ウィラードだった。美影は二段掛け蹴りの脅威に押されまくりながらも蟹バサミで技有りを奪う。そのまま寝転びスタンドでの戦いを拒否しウィラードの蹴りを封じる。しかし、とうとう強烈なジャンピング・ニー・ドロップを浴び、勝敗は決してしまう。

美影はマジソン・スクエア・ガーデンから逃走し、リンダ・イザベラに助けを求めるが、スタンドでの戦いを拒否したことから見限られる。空心会だけではなくN.Y.市警やFBIにまで包囲網をしかれ、進退窮まった美影はウィラードの二段掛け蹴りでKOされ空心会に捕まってしまう。

美影は空心会の猛者たちにリンチされるが大元の指示により解放される。美影はフロリダ州のマイアミビーチに落ち延びていくが、そこで出会った大金持ちのセレブ令嬢に差別され暴力で返礼するが、警察に追われヨットを奪い洋上に脱出していく。

暴力と女に溺れて追われる身となった美影を幾度となく助けた烈山だが、美影はそれに反発して師の顔に泥を塗るような所行を繰り返す。やがて政治家の秘書となり、深く政治の世界に足を踏み入れ、悪事を重ねようと企てる美影をついに烈山は抹殺する決意を固める。政界への出馬を目論む美影を阻止しようと烈山と弟子達は美影を追い詰める。

烈山との和解を勧める妻の桜子の説得にも耳を貸さず、スポーツカーで逃亡しようとする美影。ところがそのスポーツカーに一人で乗っていた美影の子供がサイドブレーキを解除、車は崖へ向かって動き出す。子供の助けを呼ぶ声に気づいた美影は車に飛び乗ると、子供だけ外へ投げ出し、そのまま崖下へ転落していく。

登場人物・キャラクター

美影 義人 (みかげ よしと)

金と権力、女にしか興味がない、野望と利己主義の化身。男性器はまさに「凶器」と言わんばかりの大きさで、数々の女を虜にした。母親は座布団売春をしている居酒屋の女将。中学生の頃から暴力にあけくれ、特等少年院送りになる。出所後は日本空手道 空心会に入門して大元烈山の鉄砲玉として鹿児島入りし、対立組織の当主である朝日奈薫子に心を奪われる。 その後、薫子を強姦して自分のものとするが、彼女の妊娠を知ると逃げるように空心会アメリカ支部へ赴任。この地で組織に反旗を翻すも大元烈山に完敗する。その後はメキシコやキューバ、アメリカへと逃亡を繰り返してお尋ね者になる。1度は刑務所で烈山に助けられて空心会の刑務所内指導員となるが、早く外に出たい一心で脱走。 銀行強盗をするもCIAに捕らえられて工作員にされる。CIAの仕事が頓挫するとプロレス界に取り入り、彼らに烈山を抹殺させようと画策。さらにプロレス界のコミッショナーでもある大物悪徳政治家の秘書に転がり込んで政界進出も夢見るようになった。しかし、堪忍袋の緒が切れた烈山や薫子に包囲されてしまい、最後は暴走車に乗っていた息子を無意識で助け、そのまま自分は海に転落する。 気の強い女を強姦&浣腸して屈服させるのが好きで、その様子を写真に撮って脅迫するという卑怯な手も好んでいた。

大元 烈山 (おおもと れつざん)

日本空手道 空心会の総帥で、作中最強の存在。美影義人に「無の心」を見いだし、自ら稽古をつけるほどその力を買っていたが、自身の野望のために彼を鉄砲玉として使っているところもある。あちこちで美影や空心会がピンチに陥ると自ら出馬してピンチを救う。その余波で組織のさらなる拡大をも成し遂げる魔王のような存在で、美影をして「本物の人間兇器」と言わしめる存在。 一門でただ1人、美影だけを後継者と見込んでいたが、その美影の起こした数々の不祥事が原因で、全米の支部が閉鎖されるだけでなく日本の空手界から追放されて空心会そのものも畳まざるを得なくなる。しかし、それにもめげずに新団体ザ・格闘技を設立。 大物プロレスラーたちと死闘を繰り広げる。美影がどれだけ裏切ろうと、彼の資質に自分と似たものを感じており、何度となく悪行を見逃していたが、彼が悪徳政治家とつるんで政界に進出しようとすると堪忍袋の緒が切れて、ついにその手で討ち滅ぼそうとする。実在の人物大山倍達がモデル。

朝日奈 薫子 (あさひな かおるこ)

空手団体旭掌拳の当主である美女。桔梗十八郎とは幼なじみ。桔梗が旭掌拳を離れて空心会に入門し、それに激怒した薫子の父が刺客を放った。その際、桔梗をかばった薫子が刺客の硫酸攻撃を顔に浴びて失明してしまう。しかし盲人でありながら、旭掌拳の極意を会得しており、美影義人を始めとする相手の攻撃をものともしない。 人を憎もうとせず、その聖女のような心に美影も心を奪われた。鹿児島で美影と出会ったあと、九十九里浜で彼に処女を奪われ、そのまま妊娠してしまう。妊娠を知った美影が彼女を捨てて渡米したあと、沖縄の残波岬から身を投げようとするが、すんでのところで門弟に制止され、その後は彼の子、雅哉を産んだ。 どれだけ裏切られても美影のことを見捨てられず、彼のため地下プロレスでも表世界の女子プロレスでも進んで身を投じた。それでも、彼が悪徳政治家とつるむようになると、その危険性を悟って大元烈山と共に美影を討つ決意を固めた。

朝日奈 雅哉 (あさひな まさや)

美影義人と朝日奈薫の間に生まれた男の子。物心ついてからは母親に「父親は海外で立派な仕事をしている」と聞かされ、身近なところでは桔梗十八郎を父親のように慕っていた。美影が悪徳政治家の五木玉堂の秘書となって政界進出を目論んだ際、母や大元烈山たちが美影を討つため動いたが、その際に人質となる。 だが、雅哉は美影を父とは思わず、彼が女暴走族相手にいつものような悪行三昧を働いている隙に、居場所を母親たちに伝えた。その後、うっかり車のキーに手を出して、あわや車ごと海に落ちそうになるが、美影に助け出されて一命を取り留めた。

剣持 浩介 (けんもち こうすけ)

右翼団体の刺客として大物左翼政治家を暗殺した殺人犯。美影義人より先に武蔵野特等少年院に先に入っていた牢名主的な存在で、刑務官も手が出せない少年院のボス的存在。手下を使って入所したての美影をシメる。しかし、敬愛する姉を美影にレイプされたことで心が折れて、美影に逆にシメられてしまう。 ついには特等少年院を脱走してしまった。

桔梗 十八郎 (ききょう じゅうはちろう)

元々は旭掌拳の一門だったが、日本空手道空心会に入門して師範代まで上りつめた。その後は破門となり、暴力団の用心棒に身をやつしていた。旭掌拳当主の朝日奈薫子を慕っており、鹿児島では薫子に手を出した美影義人を袋だたきにするが、鹿児島入りした大元烈山との一騎討ちに敗れる。 その後、九十九里浜で美影と再度決闘するが、薫子が彼をかばった際の隙を突かれて敗北。その後、薫子を捨てた美影を追ってアメリカに渡った際は、MSGのリングでプロレスラーを倒してしまい、空手対プロレスの全面戦争を引き起こす。雑魚レスラーはものともしなかったがマイケル・ダグラスには完敗を喫した。 その後、日本に帰国して朝日奈薫子のそばで暮らすようになり、美影と薫子の間にできた子雅哉からは、かりそめだがおとうさんと呼ばれる仲になる。1度は破門された身だがその後は一門に戻り、烈山が新格闘技団体ザ・格闘技を設立するとその門下にはせ参じる。

天坊 豪 (てんぼう ごう)

空心会ニューヨーク支部長で「空心会の鬼」の異名を持つ。腹心の部下にグレゴリー、チャールズ、ジャックというアメリカ人門下生がおり、いずれもニューヨーク州警察の警官である。美影義人への歓迎パーティと称して、ぼったくりバーの女を彼に抱かせるなど、豪快な一面を持つ。かつては桔梗十八郎に稽古を付けてもらった身であり、彼のことを兄のように崇拝している。 ローラという現地で結婚した妻がいる。桔梗の乱入がきっかけで生じた空手対プロレスの全面戦争の結果、マイケル・ダグラスとの異種格闘技戦に臨んだが、ダグラスのコブラツイストに敗北する。女には目がなく、そこをつけ込まれてメキシコでは闇討ちに遭う。 大元烈山が空手界から追放されてからも彼のあとについて新団体ザ・格闘技に参加する。

マイケル・ダグラス (まいけるだぐらす)

東部プロレス界の帝王と称されるプロレスラー。ルー・テーズと並んで、全米プロレス界に君臨する不敗の帝王。他のプロレスラーたちも、彼には逆らえない。天坊豪との異種格闘技戦では、エアプレーンスピンからのコブラツイストで勝利する。試合中、顔面へのラフ攻撃に弱いという弱点があるように見えたが、それは観客を盛り上げるための演技であり、桔梗十八郎との対決では背中へのニードロップで完勝する。 しかし、アメリカ入りした大元烈山とトイレで行われた対決では、便器に顔を突っ込まされるという屈辱的な完敗を喫する。

リンダ・イザベラ (りんだいざべら)

アメリカを代表する美人女優。生まれは南部の大農場主で、18歳のときにミス・ルイジアナに選ばれて、そのままハリウッド入りする。スナイダー上院議員の愛人でもある。ニューヨークで強盗に遭い、教会で全裸写真を撮られたあと、美影義人に助けられる。だが、全裸写真のネガは美影が持っており、それをネタに色々と便宜を図るよう迫られる。 愛人先であるマフィアを使って美影を消そうとするが、彼の逆襲に遭って逆に愛人となってしまう。さらに大元烈山に反旗を翻した美影のために様々なサポートを尽くす。しかし、美影が空心会との対抗戦で無様に負けると、あっさり彼を見限ってしまう。

オルテガ

メキシコの有力なプロレスのプロモーター。モニカという一人娘がいるが、彼女は美影義人に処女を奪われた挙げ句、裸の写真も撮られて逆らえない身。メキシコに流れてきた美影を「ザ・カミカゼ」という空手ギミックのプロレスラーとして売り出す。大元烈山については、彼がプロレスラーに勝利してそれを売りにしていることが気に入らず、烈山がメキシコ入りしたのを機に彼を潰そうと画策する。

ドマノ

キューバ革命軍の将校で、拷問のスペシャリスト。ゲリラ時代にバティスタ政権下の高官の娘をさらい、1週間かけてなぶり殺してからは女に惚れなくなったと豪語するサディスト。チェ・ゲバラにその罪を咎められて銃殺刑にされた。

チェ・ゲバラ (ちぇげばら)

キューバ革命の指導者。美影義人の指導を受けた革命軍兵士が、上流階級にいた貴婦人たちを空手で拷問しているのを目撃し、乱暴を働いていた兵士たちを全員銃殺。美影は投獄する。だが、ドマノによってマフィアに引き渡された美影を単身乗り込んで救い出し、彼から残虐行為に明け暮れていたドマノの悪行を聞き出すと、彼を銃殺刑に処した。 その後、マフィアが反乱を起こした際には、相手の要求を聞いて美影を差し出すことに同意。美影をして「どうしようもねえ巨大な凶器」と恐怖せしめた。しかし、アメリカ大統領に美影の身柄をFBIで保護するよう親書を送る気遣いをみせ、その温情に美影は感謝の涙を流した。 実在の人物、チェ・ゲバラがモデル。

マチルダ・コーベット (まちるだこーべっと)

バティスタ政権とつるんでいたマフィア、ロッコ・サバラスの情婦で「マンハッタンの牝ヒョウ」と呼ばれていたクラブシンガー。バティスタの情婦でもあったが、革命後はマフィアのもとに戻る。アメリカに強制送還される途中、バティスタ政権の要人であるギャピランの夫人を強姦した美影義人に対して報復の拷問を加えるが、アメリカ到着後に美影の逆襲を受ける。 その際に彼の男根の虜となってしまい、マフィアを裏切ってギャピランが残した膨大な財産を美影といっしょにかっさらおうと画策する。しかし、すんでのところでマフィアに捕まり、激しい拷問を受ける。一命は取り留めたが、地下プロレスで死を求めるかのような闘いをし続け、最後は相手の絞首吊りをくらってそのまま死んだ。

ブルボン・バルチモア (ぶるぼんばるちもあ)

ビートルズ以上の人気を誇るロカビリーの帝王。愛称は頭文字由来の「B.B」。ハワイの無人島に城のような御殿を建てて、ハーレムを満喫している。白人の血が1/4、黒人の血が3/4という血筋で、黒人女に白人女を虐めさせるのを好む性癖がある。また、美女が性的暴虐を受ける様子をフィルムに収めたものを数多くコレクションしていた。 美影義人と彼の虜にされたスーザン・ハリソンの襲撃を受けて、ハーレムを蹂躙されてしまう。その際、美影は女たちに「おれをナメるなよッ もっともジュニアはナメられているが……」という最低の台詞を吐いている。長らくインポ状態だったが、妻が美影によって屈辱を味わわされているのを見て、再びいきり立つようになった。 その後、スーザンと結託して島を脱出。警官隊を島に呼び寄せた。美影逮捕後は再び我が世を謳歌していたが、FBIに過去の狼藉がバレてしまい、そのショックで急死した。

刑務所長 (けいむしょちょう)

ブルボン・バルチモアの城を占拠し、人質への暴行の罪で懲役20年を宣告された美影義人が収容された、ネバダ州の重犯罪刑務所の所長。ブルボン・バルチモア夫人の命を受けて美影抹殺に乗り出した殺し屋たちを、わざと放置していた。その後、刑務所を脱獄した美影に妻子の全裸写真を撮られ、その報復として彼をリンチにかける。 しかし、その写真のネガは大元烈山が美影から奪っており、これをもとにゆすられて刑務所内に空心会の支部を作らされることになった。

イブ・レスリー (いぶれすりー)

「反戦の女神」と称される美人フォークシンガー。その反戦活動を快く思わないCIAが美影義人を使って、日本へ向かう飛行機内で暗殺させようとするが美影による機内での暗殺は失敗。その後、ホテルのボーイに化けた美影の襲撃を受けて強姦されそうになる。その際、両尻と股間にドクロの刺青が彫られていることが判明。 その刺青はベトナム戦争への兵士慰問に行った際、彼女をレイプした兵士につけられたものだった。しかも重度の梅毒に冒されて残りわずかな命であることも判明。それを知った美影は彼女を殺すことも犯すこともできずに立ち去った。

ミゼラブル

元はヨーロッパで名の知れた強豪巨漢レスラーだったが、大日本プロレスでの試合に乱入した大元烈山に完敗して名誉失墜する。その後、烈山への復讐として大日本プロレスと結託。美影義人をトレーニングの相手として烈山へのリベンジを図る。男女両刀使いであり、美影も彼にオカマを掘られる。 東京体育館での烈山との再戦は、会場から「やめろ」コールが出るくらい凄惨な闘いになったが、最終的には路上での乱闘を経てドローとなる。その見た目から、実在のレスラーアンドレ・ザ・ジャイアントがモデルと思われる。

カール・イスタス (かーるいすたす)

大元烈山への刺客として来日したプロレスラー。額に「?」の文字が入った覆面を被っている。記者会見に乱入してきた天坊豪はあっさり返り討ちにした。烈山とは最初、金網デスマッチで闘い、相手の指をへし折るなど苦境に追いやったが、金網に足を突っ込んでしまい戦闘不能に。烈山の情けで金網から抜け出し、試合はドロー。 その後、覆面を脱いで正体を現した。イスタスとしては、過去にミゼラブルをジャーマン・スープレックスで投げたただ1人のレスラーとしても有名。再戦となるネール(釘板)デスマッチでは、正統派の顔をかなぐり捨てた悪党ファイトで烈山を追い詰めるが、逆に空手道着を被せられて視界を奪われた状態で空手チョップの連打を浴び、発狂してしまう。 その経歴と見た目から、実在のレスラーカール・ゴッチがモデルと思われる。

ヘレン・トロイ (へれんとろい)

アメリカの女子プロレス界を代表するスター選手で、太平洋チャンピオンとして来日。だが、両刀使いである男子プロレスラーのミゼラブルに美影義人とともに犯され、王座も日本のリル火野に敗れて失ってしまう。その後、美影と組んでリル火野を辱めるが、この1件が団体にバレてしまい、プロモーター筋の暴力団に陵辱されてしまう。

リル 火野 (りる ひの)

日本の女子プロレス界を代表するスター選手。シカゴ地区遠征し、無敗で帰国した。女子プロレスなので歌も歌う。その美貌から美影義人、そして彼と組んだアメリカの女子プロレスラーヘレン・トロイに襲われて辱めを受ける。そのショックで精神が錯乱し、最後の試合も興奮剤の注射で消化する始末だった。実は日本女子プロレス団体のオーナーとデキており、そのラインから美影たちの悪行がバレた。 この件の穴埋めとして美影は朝日奈薫子を覆面レスラーミス・桜として送り込んだ。

事務局長 (じむきょくちょう)

大日本プロレスの事務局長。プロレスにケンカを売ってきた大元烈山を潰すべく、あれこれと画策する。その際にお尋ね者になっていた美影義人を取り込み、プロレス団体の力で彼を国外脱出させてやるというエサをちらつかせて、大元烈山の弱点を探ろうとしていた。政治家の五木玉堂との懇意にしている。

五木 玉堂 (いつき ぎょくどう)

女子プロレスのコミッショナーでもあり、大臣も経験している大物政治家。政界きってのワル議員で妖怪とも呼ばれている。朝日奈薫子が扮しているミス・桜を気に入り、彼女を抱きたいと事務局長に働きかける。だが、彼が抱いたミス・桜は美影義人が用意したファッションモデルの偽者で、SEXしている写真を美影に撮られた彼は、美影を秘書兼ボディガードとして雇わざるを得なくなる。 だが、CIAルートで美影の正体とその弱みを握り、逆に政敵を潰すための鉄砲玉として彼を利用する。

集団・組織

空心会 (くうしんかい)

『人間兇器』に登場する空手団体。大元烈山が創始した、フルコンタクトの実戦空手をモットーとする。当初の肩書きは「日本空手道」だったが、のちに「国際空手道」という肩書きになっている。日本だけでなく、アメリカやメキシコにも支部がある。一門には美影義人や天坊豪、破門となった弟子に桔梗十八郎がいる。日本全土に支部があり、他の流派をしのぐ勢いを誇る。 だが旭掌拳のある鹿児島だけは勢力が届かず、美影が鉄砲玉として送り込まれた。アメリカでは美影の悪行が原因で全ての道場を閉鎖させられたが、大元烈山は全米の刑務所に空手を教えることに成功。だが、またしても美影が不祥事を起こして烈山は日本空手界から追放。空心会そのものが無くなることとなった。

ザ・格闘技 (ざかくとうぎ)

『人間兇器』に登場する格闘技団体。日本空手道空心会を解散した大元烈山が立ち上げた。それまでの空手と違い、3本ロープのリングで闘う。一門には天坊豪や桔梗十八郎がいる。設立当初からプロレスのプロモートをしている暴力団などから圧力をかけられていた。旗揚げ戦では全米マーシャルアーツとの対抗戦を行う。秘密兵器の跳び後ろ回し蹴り(いわゆるローリング・ソバット)で最初は優勢に闘うが、美影義人がそのことを相手にリークしたせいで不利になる。 最後は大元烈山がクレイジー・ガマールというインド系の大型選手と闘い、これに勝利した。

その他キーワード

旭掌拳 (きょくしょうけん)

『人間兇器』に登場する武術。古代・琉球拳法の流れをひく300年の歴史を持つ流派で、一門は黒い胴着を着用している。総本山は沖縄にあり、鹿児島では空心会の支部設立を許さずにいた。桔梗十八郎もかつては旭掌拳の一門であり、空心会を破門されてからは旭掌拳にその技術を伝えている。当主は盲目の美女朝日奈薫子。 美影義人が彼女を襲ったことで、桔梗は全勢力を集めて彼を追い詰めたが、あと一歩のところで大元烈山に敗れる。その後、鹿児島では空心会の存在を許すこととなったが組織は壊滅しておらず、沖縄に拠点を構えている。

二段がけ蹴り (にだんがけげり)

『人間兇器』に登場する空手の技。空心会の奥義とされている。回し蹴りと見せかけて、相手がその部分に防御を集中させたら、紙一重で足刀を反転。返す刀で、鼻や眉間、こめかみといった急所を蹴り込む。美影義人は大元烈山にその才能を認められていたが、いずれ裏切ると見抜かれておりこの技を教わっていなかった。しかし、美影はいわゆる「猪木アリ状態」と呼ばれるあお向けに倒れてからのローキック攻めで対抗した。 もっとも、その手も相手のニードロップを食らってダメになっている。

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