機械化人都市

機械化人都市

日本人が消滅し、変わり果てしまった故郷を行く最後の日本人モリ・シゲル。孤独とニヒリズムが覆う中、主人公の姿がお馴染みのド近眼キャラに変わるや独特なユーモア感覚も加わってくる。

正式名称
機械化人都市
ふりがな
ましんなーずしてぃ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
アクション
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概要・あらすじ

外宇宙から帰還した宇宙飛行士モリ・シゲル。彼が戻った故郷には日本人の姿は無く、外国人によって支配されていた。日本人消滅の原因を探るモリの命を狙う謎の集団。彼らを影で操る大和重造と名乗る人物こそ日本人を殲滅した張本人だったのだ。協力する生き残りの日本人が次々と殺される中、モリ大和重造への復讐の炎を燃やすのだった。

登場人物・キャラクター

モリ・シゲル

元日本航空宇宙省空間探索隊第66789号空間飛行隊員。星雲M99の高エネルギー二重星シリュウスから帰還するも、日本人は姿を消し、日本は諸外国と新人類ホモレズが支配していた。日本人の生き残りとして命を狙われるモリは、ド近眼の親友ヤスの顔に整形し、孤独な反撃を開始する。 空間探索隊の能力テストでは最下位だったが、持ち前の用心深さで敵の裏を掻いていく。モリと関係を持った女性はことごとく犠牲となっていくため、自らを「死神」とも自称する。日本人抹殺の張本人が大和重造と知ってからは、彼への復讐に執念を燃やす。だが、激戦の中、モリは欠損した肉体を機械のパーツと取り替え、次第に機械化人(マシンナーズ)となっていく。

大和 重造 (やまと じゅうぞう)

新人類ホモレズの首領。日本人の大量殺戮および奴隷化を敢行した張本人。諸外国に対し一時的に日本の租借権を認めるのを条件に、その協力を取り付け、絶対的な権力を握っている。普段は、黒い覆面とフードに身を包んでいる。

ヤス

空間探索隊の隊員でモリ・シゲルの親友。ド近眼で、どえらいロマンチスト。シリュウスにある6連星のひとつを探検中にクレーターへ落ちて死亡した。モリは暗殺者達の目を眩ますため整形手術で顔を変える際に、ヤスの顔をモデルにした。女に無縁のはずだったが、大和重造の娘、マヤが恋人だった。

ナレヤ

女医。日本人の生き残りで、本名は青山ナミ。整形手術のテクニックを認められて生きることを許されている。モリ・シゲルの暗殺を命じられるが拒否し、逆に彼の顔を別人へと整形し、潜伏の手助けをする。

マヤ

四次元屋敷に住む、大和重造の娘(その後の経緯を考えると義理の娘と考えられる)。モリ・シゲルの親友ヤスの恋人。外宇宙への長い旅に出た恋人を待つうちに、その気の遠くなるような退屈さの中、精神に異常を来す。四次元屋敷に忍び込んだ男達を残酷な方法で処刑し続けてきた。

美由 (みゆ)

生き残った日本人に許された最後の居住区と言われる類人猿都市に住んでいる。都市と言っても、反重力爆弾で穿たれたクレーターで、日本人は、そこへ武器も道具も与えられず、自然のまま放置されている。住人は厳しい環境に耐えるうちに原人のように退化してしまっている。美由だけは美しい外見を保ち、反抗作戦のための資金を調達するために銀行強盗を行うが、撃退され、逃亡中にモリ・シゲルに助けられる。

ラーラ

天才的な女性科学者であり哲学者。世界でただ一人タイムマシンの開発に成功した。だが、タイムマシンによって日本人絶滅の真相を暴かれることを恐れた大和重造によって暗殺されてしまう。以前からラーラを慕っていたドクターゼニによって蘇生手術を施され復活するが、24時間以内に再手術を受けなければ絶命してしまう。

ユミ

大東京湖の畔に住む女性。大東京湖は、一昨年の大晦日に東京中心部に打ち込まれた無放射能反重力爆弾7発によって出来たクレーターに雨水が溜まって出来上がった。ユミの家は、爆発の相互作用により、無風状態の死角が出来たため無傷で残っていた。

シェス

一卵性双生児の姉妹で二人ともシェスと名乗っている。実は日本人で、姉は試験管培養による日本人再生技術を完成させた。大型培養施設は、大東京湖の中央にある島にあり、ここでモリ・シゲルの精子を用いて、大量の胎児を培養させる。胎児は6時間で促成培養、誕生後は3日と16時間で成人になる。

ナミ

大和重造の地底城に住む日本人の女奴隷。地底城に忍び込んだモリ・シゲルを手助けする。ホモレズは地下の暗部を好むが、通常の人間は太陽光線が無ければ変調を来す。そのため、ホモレズは日本人奴隷を永久に地底の中でも生きられるモグラのような人間に改造してしまった。 地底用に改造された人間は太陽光線を浴びると死んでしまう。

衿子 (えりこ)

父である医師ナカジマは、敵の襲撃で右手を失ったモリ・シゲルに精巧な義手を移植する。義手に慣れないモリの世話をすると共に、彼を日本人の生き残りが潜むという海底都市に連れて行こうとする。

ヒミコ

日本海溝の底、日本人が隠れ住む海底都市の女性。大和重造に撃退され四肢を失い、海に放棄されたモリ・シゲルを救い、機械化人(マシンナーズ)として再生させた。やはり生き残りの日本人、海底生物学の権威・沖博士による深海魚人計画により水棲人間に改造されてしまう。

泉 ネム (いずみ ねむ)

生き残っていた日本人の首相となったモリ・シゲルの副官。階級は大佐。日本海溝の底にある海底都市には100万人の日本人が隠れ住んでいた。モリは、泉ネムの補佐の下、日本を占領している各国軍隊を追い払い、ホモレズを殲滅する作戦を決行する。

集団・組織

ホモレズ

『機械化人都市』に登場する種族。突然変異の新人類。雌雄同体のため一人で生殖が可能。意思次第で自由に子供を産むことが出来る。横浜で集団発生し、その後、諸外国と結託して、旧人類である日本人を制圧する。太陽光線を嫌い、地下基地を築き、そこを根城に暗躍している。

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