ユメカゲロウ

ユメカゲロウ

藤子・F・不二雄によるSF短編の一作。民話に登場するユメカゲロウの実在を証明しようとした者たちの、幻想的な体験を描く。

正式名称
ユメカゲロウ
ふりがな
ゆめかげろう
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
ファンタジー
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概要・あらすじ

虫博士と呼ばれる少年・深山田精一とその友人の少女は、浅野を名乗る男と出会う。彼は日本各地の民話に登場するユメカゲロウという昆虫が実在すると信じ、ある無念を晴らすためにユメカゲロウの採取に人生を賭けていた。やがて浅野と自分の祖父に浅からぬ因縁があることを知った深山田精一は、自らもユメカゲロウの存在を信じて行動を共にするが、功を焦ったために山火事を起こしてしまう。

しかし命の危険にさらされた3人は、そこで奇跡のような体験をすることとなる。

登場人物・キャラクター

深山田 精一 (みやまだ せいいち)

虫博士とあだ名されるほど昆虫に詳しい少年。ユメカゲロウが実在すると言う浅野の話を当初は受け入れることができなかったが、数々の仮説と証拠を示され、自らもユメカゲロウの存在を信じるようになる。しかし、祖父の持つ山林が明日にもブルドーザーで開拓されてしまうことを知り、殺虫剤の使用を強行。 それが原因となって、山火事に巻き込まれてしまう。

精一のガールフレンド (せいいちのがーるふれんど)

作中に名前は登場しないが、本作のヒロイン。女の子にしては珍しく、昆虫に強い興味を持つ。セミの羽化が見たいと深山田精一に頼み込み、深夜に家を抜けだしてふたりで山中へと向かったことが、ユメカゲロウを追う浅野と出会うきっかけとなる。ユメカゲロウの話をあっさりと信じて浅野と親しくなるが、それが原因で深山田精一とは一時的に仲たがいをする。

浅野 (あさの)

ユメカゲロウを追う男。祖父が一度はユメカゲロウの捕獲に成功するが、人々の前で公開するはずだった標本が消滅。それが原因で人生の軌道が狂った祖父の無念を晴らすべく、ユメカゲロウの捕獲に執念を燃やす。

ユメカゲロウ

『ユメカゲロウ』に登場する架空の昆虫。浅野の祖父が残したスケッチによれば、体長は25〜30mm。薄紫色で透けた羽を持ち、触覚は糸状に長い。また、複眼は光沢のある黒色となっている。最も神秘的な能力として、人間の心に直接働きかけることができると考えられ、各地に伝わる民話では夢に現れてお礼や恨み言を伝えている。深山田精一たちもその不思議な能力を体験するとともに、ユメカゲロウを目撃することになる。

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