ルナハイツ

ルナハイツ

婚約者に逃げられた南條隼人が結婚後に住むはずだった新居に、4人の女性が転がり込んで来る。突如始まった奇妙な共同生活に翻弄される南條と、4人の同居人が繰り広げる騒動を描いたラブコメディ。「ビッグコミックスペリオール」2003年9号から2004年22号にかけて連載された作品。

正式名称
ルナハイツ
ふりがな
るなはいつ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

南條隼人は真面目な堅物で、何事にも一生懸命な熱い性格をしている。そんな南條は、結婚を間近に控えて幸せいっぱいだったはずが、婚約者の松浦友美に突然逃げられ、新築の家に1人きりで住むことになった。淋しくてたまらない南條は、上司の課長に飲み会で慰めてもらい、帰る途中で家へと招く。新築だがガランとした家を見た課長は、南條の家を、廃寮となった女子寮の代替物件にすることを提案。

酔った勢いでOKした南條だったが、現実に立ち返ると、若い女性4人との共同生活には戸惑うことばかり。こうして、古風で前時代的な考えを持つ南條と、遠慮せずに伸び伸びやろうとする女性たちの間にはしばしば諍いが発生するのだった。だが、共同生活者として互いに歩み寄り、新しいルールを決めていくうちに、ともに暮らす女子寮「ルナハイツ」の住人たちの間には、確かな絆が生まれつつあった。

登場人物・キャラクター

南條 隼人 (なんじょう はやと)

盟王製紙株式会社の総務課に勤務する男性。真面目で一本気だが、融通がきかない性格をしている。結婚のために家を購入したばかりだったが、婚約者の松浦友美から一方的に婚約解消されてしまう。失意でうらぶれ、課長を相手に酒を飲みに行った結果、彼の提案を受けて新築の家を会社の女子寮「ルナハイツ」として提供することになってしまう。 合気道をたしなんでおり、夜の街でからんできたヤクザを一捻りするなど、その腕前は確か。

大月 窓明 (おおつき まどり)

盟王製紙株式会社の商品開発課に勤務する女性で、生理用ナプキンの開発をしている。そのため、社内では白衣を着ていることが多い。女子寮「ルナハイツ」の住人の1人。美人だが、これまで男性に対してときめいたことがない。一方でフレンドリーな性格のため相手との距離感が近く、男性に勘違いをさせてしまうことがよくある。南條隼人ともすぐに打ち解けたが、恋愛には発展しない微妙な関係にある。 日高りん、茅ヶ崎裕子、土屋重子とは廃寮になる以前の寮の時から一緒ということもあり、仲が良い。生理の初日にはイライラしてしまい、行動がおかしくなることもある。

日高 りん (ひだか りん)

盟王製紙株式会社の営業課に勤務する女性で、女子寮「ルナハイツ」の住人の1人。童顔だが巨乳の持ち主。趣味はパソコンとインターネットオークションでのぬいぐるみ蒐集。そのため職場のデスクも自宅も、ぬいぐるみであふれかえっている。大月窓明、茅ヶ崎裕子、土屋重子とは廃寮になる以前の寮の時から一緒ということもあり、仲が良い。 恋愛は苦手だが、日高りんが夜の街でヤクザにからまれた時、スマートに倒したうえに偉ぶらない南條隼人の態度に惹かれ、彼に想いを寄せるようになる。

茅ヶ崎 裕子 (ちがさき ゆうこ)

盟王製紙株式会社の秘書課に勤務する女性で、ルナハイツの住人の1人。趣味は自ら企画した合コンでカップルを成立させること。大月窓明、日高りん、土屋重子とは廃寮になる以前の寮の時から一緒ということもあり、仲が良い。学生の頃はバレーボール部に所属しており、現在もその腕はなまっておらず、社内のバレーボール大会で活躍している。 実は田所部長と不倫関係にある。

土屋 重子 (つちや しげこ)

盟王製紙株式会社の経理課に勤務する女性で、ルナハイツの住人の1人。非常に無口でめったに口を開かず、時として筆談で会話することもあるほど。時おり、偉人の名や文学の格言をぼそりとつぶやく不思議なところもある。いつも自分の部屋にこもっており、食事も1人だけ自分の部屋で済ませ、風呂も洗濯も夜中にこっそり行っている。

松浦 友美 (まつうら ともみ)

南條隼人の婚約者だった女性で、控えめな良妻賢母タイプ。新築の家が建ち、招待状もすべて出し終えて結婚を目前に控えながら、南條に対し電話で一方的に別れを告げた。涙もろく、流されやすいか弱い女性で、有森研二の強引なアプローチを受け、心変わりした。一方で、有森のことはしっかり支えていこうと決心している。

有森 研二 (ありもり けんじ)

安田精機で働いている男性。以前から松浦友美に想いを寄せており、結婚前に迷いが生じていた友美に猛アタックをし、身体の関係を持ったとたんに妊娠させてしまった。こうして南條隼人から友美を奪ったものの、自分に自信がないため友美と入籍もしようとせず、仕事での失敗と上司からの叱責を苦に、友美の前から行方をくらましてしまう。

大久保 雅春

盟王製紙株式会社に新入社員として入社して来た男性。きれいな顔立ちで、女性人気が非常に高い。大久保雅春自身もそのことを理解しており、女友達を多数はべらせている。大月窓明に想いを寄せ、それを公言してはばからないうえになれなれしい態度を取るため、南條隼人を苛立たせることとなる。

田所部長 (たどころぶちょう)

盟王製紙株式会社で部長を務める中年の男性で、南條隼人の家を女子寮にすることに決めた人物。常に威圧感を漂わせており、誰も逆らうことは許されないのだが、実は茅ヶ崎裕子と不倫関係にあり、裕子には頭が上がらない。

課長 (かちょう)

盟王製紙株式会社の総務課の課長を務める壮年の男性。南條隼人の直属の上司。賃貸の団地に住んでいるが、家族とともに温かい家庭を築いている。南條の愚痴を聞いたり、酒に酔った南條に失礼なことを言われても笑顔で受け流す懐の広い人物。せっかくの新築の家に1人きりで淋しいという南條の愚痴を聞き、彼の家を女子寮にすることを提案する。

岸辺 次郎 (きしべ じろう)

岸辺あんなの父親で、土屋重子の部屋に内緒で居候している中年の男性。以前はきちんと仕事をしており、マイホームも持っていたらしいが、現在は仕事をしておらず、生活能力がない。子供もろとも内緒で居候しているという現状に対してあまり危機感を抱いていない、無責任な人物。

岸辺 あんな (きしべ あんな)

岸辺次郎の娘で、年齢は3歳。土屋重子の部屋に内緒で居候している。利発で性格もおとなしく、部屋の中でじっと静かに過ごしていられるため、以前の寮でも「ルナハイツ」でも存在を隠し通してきた。だが、トイレトレーニングのために部屋とトイレを行き来する回数が増え、おもらしして泣き出したことで住人たちにばれてしまった。

田代 (たしろ)

盟王製紙株式会社の総務課に勤務する男性で、南條隼人とは同僚にして同期の仲。付き合っていた女性に振られてしまい、南條を相手にヤケ酒を飲み、むりやり南條の家に押しかけて来た。南條の家が女子寮になっており、複数の女性たちと同居しているという事実に嫉妬し、会社に暴露して寮をなくそうと試みるが、田所部長に睨まれて諦める。

大崎 (おおさき)

盟王製紙株式会社に3年前まで勤務していた女性で、南條隼人にとっては先輩にあたる。「ルナハイツ」以前の女子寮に住んでいたので、大月窓明、日高りん、茅ヶ崎裕子、土屋重子らとは同僚であるだけでなく、プライベートなこともよく知っている。口が軽く、裕子と田所部長が不倫しているということを窓明、りん、重子、南條にうっかり漏らしてしまう。

場所

盟王製紙株式会社 (めいおうせいしかぶしきがいしゃ)

南條隼人、大月窓明らが勤務する製紙会社。主に新聞用紙、印刷出版用紙、情報用紙を扱っているが、他にも段ボールや家庭で扱われるティッシュ、トイレットペーパー、キッチンタオル、紙おむつ、女性用の生理用品など、多岐に渡る商品の製造・販売もしている。

ルナハイツ

大月窓明が名付けた、盟王製紙株式会社の女子寮としての南條隼人の自宅。以前代官山にあった女子寮が廃寮になり、代わりに結婚予定が流れて新築3階建てながらに空き部屋だらけの南條の自宅があてがわれることになった。窓明、日高りん、茅ヶ崎裕子、土屋重子が住んでいる。実は密かに、居候として重子の部屋に岸辺次郎、岸辺あんなも住んでいる。

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