実験人形ダミー・オスカー

実験人形ダミー・オスカー

自動車事故の実験に使うダミー人形作りでは一級の腕を持つ主人公は一見冴えない青年。だが、裏の顔は多くの美女たちを手玉に取る筋肉隆々のヒーローだった。世界を股にかけ、数々の事件を解決するが、時に気弱な性格に戻ってしまう。主人公が本当の自分を見いだしていくセクシーバイオレンスストーリー。原作は、小池一夫。

正式名称
実験人形ダミー・オスカー
ふりがな
じっけんにんぎょうだみーおすかー
原作
作画
ジャンル
裏社会・アングラ
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概要・あらすじ

日本人青年の渡胸俊介は、本物と見まがう人形を作る一級の人形師。普段は小心者で冴えない男性で、女性への関心もほとんどない。実力を見込まれ、ドイツの自動車会社フォルクスワーゲン社に勤務することになるが、隠れた人格が発現。激しい痛みを受けたり、精神を追いつめられると、筋肉隆々で巨大な男性性器を持つ超人間のダミー・オスカーに変貌する。

二つの真逆の人格に悩む俊介は、さまざまな女性たちとの関係や、精密な人形制作を通して、生身の人間を撃てない婦人警官たちに標的となる練習用ダミー人形を作ったり、一目をひく人間そっくりのディスプレイ用人形や、マフィアのボスを罠にはめるための人形作りなど、数々の事件、トラブルを解決し、本来の人格を取り戻して行く。

登場人物・キャラクター

渡胸 俊介 (ときょう しゅんすけ)

黒髪の天然パーマで冴えない青年。精密な人形を作る腕は一流で、「人形を人間として扱ってほしい」「ダミーと言えども命がある」が口癖。自動車会社に勤務し、自動車事故実験用のダミー人形を制作している。誠実で正義感がある一方で気弱な性格だが、興奮したり、強い痛みを感じると、筋骨隆々で破天荒な性格のダミー・オスカーという別人格に変わる。 シリーズ前半は、オスカーになっている時の記憶がなく、周囲の人間も主人公の見た目や人格の格差にとまどいを隠せない。事故を起こし勤めていた自動車会社を追放され、人形師として世界各地を転々とするうちに、命を狙われている依頼人から自身のダミー人形作りを依頼されたり、困っている女性を助けるため、ディスプレイ用のダミー人形を作るなど、トラブルや事件を解決するようになる。 中盤から後半にかけてはダミー・オスカーになっている時の記憶が残るようになり、離人症を発症し、人格の入れ替わりに悩むようになるものの、幼い時に両親に捨てられたというトラウマや信頼していた女性に裏切られたことが別人格が出てくる原因とわかり、徐々にダミー・オスカーの人格と一つになっていく。

ダミー・オスカー

主人公渡胸俊介の隠れた人格。黒髪で天然パーマである点は変わらないが、肉体は筋骨隆々になり、男性性器も飛躍的に大きくなる。性格も破天荒で傲慢なものへと変化する。荒事と女性を好む。何事も消極的なもう一人の自分である渡胸俊介を嫌っているが、正義感もあり、義理堅い。 渡胸俊介にアドバイスし続けているうちに徐々に二人の性格は一つになっていく。

パサータのヘルガ

主人公渡胸俊介が勤めることになったフォルクスワーゲン本社のテスト・ドライバーで、金髪の美女。「パサータ」は風の意。渡胸俊介と結ばれた夜にダミー・オスカーに変貌した彼に興味を持ち、ドライブ中の行為を求め、運転操作を誤り事故死する。

レーバー刑事 (れーばーけいじ)

ヘルガの事故死を調べている刑事。入院中の渡胸俊介を嘘発見機にかけ、誘導尋問を重ねる。尋問中に、渡胸俊介がダミー・オスカーに変貌したため、十数年来の知人である精神科医のエヴァに相談する。

エヴァ

独身の美人精神科医。渡胸俊介の行動を観し彼が二重人格と見抜く。研究材料にするため、主人公と同棲するうちに惹かれていくが、肉体より心の優しさを取り、変貌前の渡胸俊介と結婚しようとする。別名「フォルコメンハイトのエヴァ」。「フォルコメンハイト」は完璧の意。

ケイト・カニンガム (けいとかにんがむ)

LA郡警察イーストロスアンジェルス分署に勤務するスワット女子隊員。身長180センチ超。スワットの要請でロスで人形制作に取り組むダミー・オスカーの警護兼ニセの恋人役としてコンビを組む。

外山 裕子 (そとやま ゆうこ)

警視庁外事2課所属。財団法人夢記念館の依頼を受け、ケイトの遺骨をもって帰国した渡胸俊介を空港に迎えにいく。日本人の肌感覚を取り戻したいという渡胸俊介の思いに共感し、惹かれていく。裕子との出会いは、渡胸俊介とダミー・オスカーの性格が一つになり、別人格へと変化を遂げるきっかけとなった。

ローズマリィ

女性人形師で爆弾テロの犯人。カナダの民宿で、ダミー・オスカーと対決するが、ダミー・オスカーを愛してしまう。ダミー・オスカーもローズマリィの純粋な心に触れ、逃亡の手助けをする。本名、バーバラ・メイヨ。

朝隅 尚子 (あさずみ なおこ)

日本造形工業大学の教授、人間構造学の権威。渡胸俊介の研究室勤務時代の上司で、彼が二重人格になる原因を作った女性。俊介の発明を、自分の名前で特許出願。この頃より、俊介の精神が昏迷しはじめている。心臓に持病があり、発作が起きた時のために、ニトログリセリンを持ち歩いている。

善覚 (ぜんがく)

渡胸俊介が預けられた新井浜にある禅寺の僧で、俊介の兄弟子にあたる。

陳 朱玉 (ちん じゅうゆう)

サンフランシスコのチャイナタウン在住。中国系の難民で、ホテルのキャッシャーとして働いている。日本国籍を得るために渡胸俊介と結婚し、日本で暮らす。

久美子 (くみこ)

ストリップ小屋の振り付け師。実家がマネキン工場を営んでおり、渡胸俊介は、そこで人形作りを学んだ。朝隅尚子が工場を訪れた際、俊介が、尚子の研究室で助手として働くきっかけを作った。

場所

フォルクスワーゲン本社 (ふぉるくすわーげんほんしゃ)

主人公渡胸俊介が、その腕を買われて勤めることになった企業。西ドイツ・ウォルフスブルグにある。モデルは、自動車会社「VOLSWAGEN本社」で、本作品は同社の協力を得て制作されている。

エーラ・レシエン実験場 (えーら・れしえんじっけんじょう)

フォルクスワーゲン本社から20キロ離れたヒース草原地帯にある、自動車の走行テスト場。面積1,100万平方メートルの中に21キロの高速サーキット、傾斜面がある人造丘陵、全長100キロのテスト・トラックなどがある。

財団法人夢記念館 (ざいだんほうじんゆめきねんかん)

館主の吉田ときが作った人形が屋敷の各部屋に飾られている。人形のモデルは、かつてこの屋敷に実際に住んでいた館主の家族、使用人たちで、今は性人形として、館主の夫への復讐のために使われている。

渡胸外科医院 (ときょうげかいいん)

渡胸俊介の実家。父親が医師で母親が看護婦だったため、俊介は寂しい少年時代を過ごした。ある日、両親が本当の親でないことを知り、16歳で家を出てからは、帰郷していない。両親の他界後、自宅跡地はコンビニエンスストアになっている。

その他キーワード

人形 (にんぎょう)

渡胸俊介と、彼の別人格のダミー・オスカーが作る人形。本物の人間から型をとり、人工皮膚、人工関節を持ち、心を入れれば、涙を流すようになる。血管もあり人口血液を注入することで、事故の際には出血するようになり、本物の人間のように装える、極めて精密な作りをしている。

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