七つの海

七つの海

自分の祖父の「童心」と名乗る少年と出会ったことをきっかけに変化していく、大人になりたくなかった少年の心模様を描く。本作『七つの海』が表題作として収録されているのは、執筆した作品はすべて読み切りという寡作の作家、岩泉舞の唯一の短編集である。

正式名称
七つの海
ふりがな
ななつのうみ
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

大人になりたくなかったユージこと日野勇次と、子供の頃に戻りたかったじいちゃんこと日野泰造は、美しい「使者」が七つの海へ冒険の旅に誘う「七つの海」というテレビゲームの世界観を共有し合う間柄だった。ある日、ユージは日野泰造と名乗る少年に遊びに誘われる。泰造はユージのじいちゃんの名前だった。泰造は、自分はじいちゃんこと泰造の「童心」が形になって現れた姿なのだと言う。

だが、じいちゃんの「童心」と過ごすうち、ユージの中には「こんなのは現実ではない」という抵抗感が生まれはじめる。

登場人物・キャラクター

日野 勇次 (ひの ゆうじ)

11歳の少年。11歳の少年が美しい「使者」に誘われて冒険するテレビゲーム「七つの海」の世界に憧れていて、このまま子供でいたいという現実逃避の気持ちが強い。ある日、日野泰造の「童心」が形になって現れ、一緒に遊ぶようになるが、徐々に現実世界からの逃避に抵抗感を覚えていく。

日野 泰造 (ひの たいぞう)

日野勇次(ユージ)の祖父で、七つの海を冒険するテレビゲーム「七つの海」に夢中になっている。ある日、じいちゃんの「子供の頃に戻って遊びたい」という「童心」が少年の頃の姿となり、ユージの前に現れる。「童心」が出ている間は、現実の日野泰造は魂が抜けたようになってしまう。

杉山 (すぎやま)

日野勇次(ユージ)の小学校の保健の先生。テレビゲーム「七つの海」に登場する美しい「使者」に似ている。結婚して学校を辞めることをユージに告げ、「素敵な大人になって」とエールを送る。

エリ

日野勇次(ユージ)の小学校の同級生の女の子。ユージのことが気になっており、テストの点数が悪いユージに「たまにはいいとこ見せてよ」と奮起を促したり、人には見えない「童心」と話すユージを陰ながら心配している。

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