スペクトルマン

スペクトルマン

同タイトルの特撮ヒーロー番組をベースにコミカライズされた作品。しかし漫画版オリジナルの怪獣が登場するエピソードが8本も存在し、また公害を中心とした社会問題もより濃密に描かれるなど、独自の解釈や表現も多く見られる。さらに最終話も、実写版とは異なるストーリーが描かれた。なお、連載時のタイトルは、実写版に合わせて『宇宙猿人ゴリ』、『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』、そして『スペクトルマン』へと変更されている。

正式名称
スペクトルマン
ふりがな
すぺくとるまん
作者
原作
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

高度な科学力を持つE惑星で、猿人ラーは社会秩序を乱す存在として宇宙永久追放の刑に処された。しかし、それを不服としたラーは破壊の限りを尽くす。そして、その様子を見ていた天才科学者・ゴリは、平和で無気力になった支配者たちよりも、欲望のままに暴れるラーこそが正しい姿であると思い至り、彼を連れてE惑星を脱出。

そして美しい緑の星・地球を手中にするべく、次々と怪獣を送り込む。だが地球には、ネビュラ星からサイボーグのエージェント・スペクトルマンが派遣されていた。普段は蒲生譲二として活動するスペクトルマンは、ネビュラ星から指令を受けて侵略怪獣たちの前に立ちはだかる。

登場人物・キャラクター

蒲生 譲二 (がもう じょうじ)

その正体は、ネビュラ星(人工遊星ネビュラ71)から地球防衛の使命を帯びて派遣されたサイボーグ・エージェントであるスペクトルマン。通常は公害Gメンの一員として活動しているが、ネビュラ星から指令、もしくは許可がくだると、巨大ヒーロー・スペクトルマンに変身して怪獣と戦う。 なお、正体はあくまで秘密となっており、一般市民に見られる恐れのある場合は変身の許可がおりないこともある。スペクトルマンとなってからの必殺技は、主に両手を組んで発射されるスペクトルフラッシュ。他にスペクトルカッター、ネビュラスライス、スペクトルビッグバックルなどの技も持っている。

ゴリ

『スペクトルマン』に登場するキャラクター。スペクトルマンや地球人の敵。高度な文明を持つ猿人の星・E惑星出身の天才科学者で、IQ300の頭脳を誇る。凶暴な猿人ラーと共に、長く続く平和のために堕落したE惑星を脱出。そして地球侵略を目指し、次々と怪獣を送り込む。なお、開始当初は作品タイトルが『宇宙猿人ゴリ』であり、悪の側ながら主役という扱いだった。

ラー

『スペクトルマン』に登場するキャラクター。スペクトルマンや地球人の敵。ゴリの指令を受け、破壊活動や侵略怪獣のサポートを実行する忠実な部下。知能は低いが、すさまじい怪力を誇る。ときには、子供たちを扇動するために太陽マスクなる人物に成りすますなど、変装をすることもある。なお、ラー2号とラー3号の存在も触れられてはいるが、本作中での活動はほとんど見られない。

倉田室長 (くらたしつちょう)

東京都公害局の管轄下にある公害研究所(通称・公害Gメン)の室長。蒲生譲二の上司。彼の正体がスペクトルマンであることに、うすうす気がついている様子も見られる。

加賀 信吉 (かが しんきち)

公害Gメンのメンバー。現場で指揮を取ることも多い。購入したマイホームがシロ蟻怪獣バクラーの巣であったという被害を受けたこともある。

遠藤 理恵 (えんどう りえ)

公害Gメンに所属する初代女性メンバー。金髪のショートカットに、頭に乗せたサングラスという、公務員らしからぬファッションが特徴。実写版のキャスト事情に連動して、初期の数話のみの登場となっている。

立花 みね子 (たちばな みねこ)

公害Gメンに所属する二代目女性メンバー。進という名の弟がいる。蒲生譲二と何度もぶつかったことで火薬怪獣マンモスラーを倒すヒントを与えるなど、思わぬ活躍も見せる。父親はトロール船「立花丸」の船長だが、クジラ怪獣サンダーゲイの襲撃によって死亡。ただし、本作中では立花船長の娘であるという描写は登場していない。

ヘドロン

『スペクトルマン』に登場する怪獣。第1話「ヘドロ怪獣ヘドロン」に登場。ゴリが地球にやってきて最初に作った怪獣。地球のヘドロを利用して生み出された。口から吐くガスに触れた物質を一瞬にして腐食させてしまい、富士ノ浦一帯を砂漠と化した。最後はスペクトルマンのスペクトルフラッシュを受け真っ二つにされる。

ダストマン

『スペクトルマン』に登場する怪獣。第3話「ゴミ怪獣ダストマン」に登場。公害によって体を蝕まれた男・岡田をラーが誘拐し、ゴリが体を作り変えて誕生した。始めは人間と同じぐらいの大きさだったが、ゴミを食べて無限に成長。夢の島のゴミ処理場へ到達したことでスペクトルマンの数倍もある体格にまで巨大化した。 火には弱く、一度は燃やされて腕だけとなるが、さらにそこから再生。しかし、ダストマンが自分の父親であると気付いた息子の太郎の呼びかけによって自分の意志を取り戻し、死を覚悟して受けたスペクトルフラッシュを奇跡的に耐えぬいて元の姿に戻った。

三ツ首竜 (みつくびりゅう)

『スペクトルマン』に登場する怪獣。第15話「油怪獣三ツ首竜」に登場。スペクトルマンを一度は倒す強敵。もとは300万年前に地球に生息していた怪獣の王者。絶滅したと思われていたがゴリの科学力によって地底に眠っているところを発見され、強力な電流によって覚醒。地球の文明を滅ぼすため、石油を食べ続けるように作り変えられた。 鎧のように硬い体でスペクトルマンの攻撃を受けつけないが、ある石油工場の社長の苦渋の決断によってエネルギーの供給が絶たれ弱体化。そしてスペクトルフラッシュを受けて粉々に砕け散った。

ムーンサンダー

『スペクトルマン』に登場する怪獣。第19話「月世界怪獣ムーンサンダー」に登場。ゴリの策略によって、月面着陸した地球人に卵を貴重な鉱物と誤認されて持ち去られてしまう。それを追って地球へ飛来するが、スペクトルマンとの戦いで鎧を破壊されて月へ戻れなくなってしまう。全てを知ったスペクトルマンは責任を感じるが、地球を守るためにやむを得ず、共に火山の火口に身を投じて姿を消す。 しかし孵化した子供たちは、無事に月へと帰っていった。この戦いでスペクトルマンが一時的に行方不明となったことが、怪獣Gメンの設立に繋がる。

メディアドン

『スペクトルマン』に登場する怪獣。最終話「さようならスペクトルマン」に登場。実写版には登場しない、本作オリジナルのキャラクター。両親を公害によって失った少年・野村大三の復讐心をゴリが利用し、思い描いた工場を破壊するロボット怪獣を具現化。予知能力を持ち、スペクトルマンの攻撃をすべて防いでしまう。 しかしスペクトルマンの心を無にしてからの攻撃によって爆散。エネルギーを送っていたゴリの円盤にも重大なダメージが及ぶ。

集団・組織

公害Gメン (こうがいじーめん)

『スペクトルマン』に登場するチームの名称。蒲生譲二が所属する。作中では東京都公害局の管轄下にある公害研究所のメンバーを指す通称となっている。もともとは公害被害の調査のための組織だが、ゴリが地球の公害に着目し、それを拡大させる怪獣を作り出すことが多いため、結果的に怪獣と戦う機会が多い。そして第19話『月世界怪獣ムーンサンダー』のエピソードにおいてスペクトルマンが一時的に消息不明となったため、より怪獣に対抗するために装備などを特化した怪獣Gメンへと組織が変更された。

場所

E惑星 (いーわくせい)

『スペクトルマン』に登場する惑星。ゴリとラーの出身地。高度な文明を誇り、猿人が支配している。平均IQは150と、地球人よりもかなり知能指数は高い。平和と秩序を重んじる社会を形成しており、それを良しとしないゴリとラーは異端の存在である。なお、実写版では「惑星E」と呼称される。

ネビュラ星 (ねびゅらせい、じんこうゆうせいねびゅら71)

『スペクトルマン』に登場する星の名称。スペクトルマンを地球に派遣し、地球防衛のための指令を送る。蒲生譲二は、ネビュラ星からの許可を得なければスペクトルマンに変身することができず、時にはスペクトルマンの正体を守るために厳しい決断を下すこともある。なお、正式名称は「人工遊星ネビュラ71」だが、作中の多くの場面では「ネビュラ星」と呼称されている。 初期の表記は「ネヴィラ'71遊星」となっていた。

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