SLAM DUNK

SLAM DUNK

井上雄彦の代表作。不良少年の高校生桜木花道が、一目惚れをきっかけにバスケットボール部に入部。生まれ持った才能を開花させ、チームメイトや他校のライバルたちと切磋琢磨し、活躍していくさまを描いたスポーツ漫画。第40回「小学館漫画賞」少年部門を受賞し、2006年度「日本のメディア芸術100選」にてマンガ部門で1位に選ばれた。集英社「週刊少年ジャンプ」1990年42号から1996年27号まで連載。1993年10月テレビアニメ化。

正式名称
SLAM DUNK
ふりがな
すらむ だんく
作者
ジャンル
バスケットボール
レーベル
ジャンプコミックス(集英社) / 愛蔵版コミックス(集英社) / 集英社ムック(集英社)
関連商品
Amazon 楽天

世界観

舞台は神奈川県にある湘北高校バスケットボール部。部員6人の無名のチームである。決して強いチームではなかったが、キャプテンの赤木剛憲が掲げるのは「全国制覇」という大きな目標だった。そこに中学時代にスタープレーヤーとして活躍した流川楓が入部してくる。さらに身体能力は高いが中学時代はケンカに明け暮れていた主人公の桜木花道も入部。ふたりの入部で部の実力強化がされてゆく。

神奈川県内の高校バスケットボール界は、絶対的王者・海南大附属高校と、それに並ぶ強豪・翔陽高校の2強がある。さらに頭角を現してきた陵南高校がその牙城に食い込む様相を見せる。

基本的には1990年代の一般的な日本の高校の日常を背景にしており、ファンタジーなどの要素は含まれていない。

作品が描かれた背景

連載開始の1990年はアメリカプロバスケットボールリーグNBAが日本でも放送され人気を博していた。特に、シカゴ・ブルズのマイケル・ジョーダンや、ロサンゼルス・レイカーズのマジック・ジョンソンなどのスター選手の全盛期であった。1992年のオリンピックからはプロ選手の参加が認められ、アメリカのチームは当時のスーパースターを集めた「ドリームチーム」として世界を震撼させた。

ナイキからは「エア・ジョーダン」というバスケットシューズが発売されており、プレミアムが付くほどの人気シューズだった。『SLAM DUNK』の物語の中でも桜木花道が最初に履いたバスケットシューズとして「エア・ジョーダン6」が描かれている。

「週刊少年ジャンプ」では、『ドラゴンボール』がフリーザ編を迎え、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』、『ろくでなしBLUES』などが好評を博していた。同年の新連載には『花の慶次-雲のかなたに-』『幽☆遊☆白書』などビッグタイトルがある。また「週刊少年ジャンプ」の発行部数は530万を超える勢いであった。

作品構成

スポーツ漫画では定番の内容が2つ盛り込まれている。1つは未経験者が練習と経験で力をつけ、強敵に立ち向かってゆく点。これはバスケットボールのルールすら知らない主人公桜木花道の姿である。もう1つは弱小チームが天才的な選手の加入によって勝利を重ねてゆく点。これは桜木花道のチームメイトでライバル的存在流川楓の姿である。

ストーリーの流れは、練習などの準備から始まり、試合を展開するといったシンプルなもの。ただし準備期間には多くのコメディ要素が盛り込まれ、試合ではシリアスなシーンが多く描かれている。

あらすじ

湘北高校に入学した桜木花道は、中学時代は近隣に名を轟かせる不良少年だった。入学後、同じ高校に通う赤木晴子にバスケット部への入部を勧められる。それまではバスケットボールに興味のなかった花道だったが、晴子の関心を得るためバスケットボール部に入部をする。湘北高校はバスケットボール界では無名だったが、才能を持ったキャプテンで晴子の兄でもある赤木剛憲がいた。また、中学時代に名を上げた流川楓が入部してくる。休部していたメンバーも加わり、湘北高校バスケットボール部は高校バスケットボール界で最も権威のあるインターハイを目指し動き出すのだった。

主な物語に関しては以下を参照。

入部編

中学時代に近隣に悪名を知られた桜木花道湘北高校に入学する。校内で出会った赤木晴子から「バスケットはお好きですか?」と声をかけられる。晴子に恋心をいだいた花道は、全く経験のないバスケットボールを好きだと答えてしまう。放課後の体育館で花道晴子に言われるがままダンクシュートを試みる。シュートは失敗するものの花道の才能をかいま見た晴子はバスケットボール部への入部を勧める。

湘北高校バスケットボール部は、晴子の兄・赤木剛憲がキャプテンを務めていた。バスケットボールを馬鹿にされた赤木花道にバスケットボールの厳しさを教えるべく勝負を持ちかける。勝負は花道の勝利(と花道自身は思っている)に終わり、花道は入部を決意する。

時を同じくし、中学時代にスタープレーヤーとして活躍した流川楓が入部する。ライバル心をむき出しにする花道だが、初心者のため皆とは別の基礎練習を積み重ねることになるのだった。

陵南高校練習試合編

新入生の入部で活気を増す湘北高校バスケットボール部に、同じ県内で力をつけてきている陵南高校との練習試合の話が舞い込む。陵南高校とは前年の試合で大敗を喫していたが、陵南高校のキャプテン魚住は赤木をライバル視していた。赤木との特訓で新しい武器・リバウンドを身につけた花道は陵南に挑んでゆく。そこには天才プレーヤー・仙道彰という大きな壁が立ちふさがるのだった。

宮城リョータと三井寿編

陵南戦に惜敗し落ち込む花道は、晴子に誘われバスケットシューズを買いにゆく。ニューシューズを手に入れ一層気合の入る花道の前に、休部していた2年生の宮城リョータが現れる。誤解によるケンカもあったが、恋愛という共通の悩みでふたりは意気投合する。

インターハイを目標に活気を増していくバスケットボール部だったが、そこに暗雲が立ち込める。宮城リョータと対立する3年生不良グループが練習中に乗り込んできたのだ。チームの為にトラブルを避けようとするリョータだったが、不良グループのひとり・三井寿が執拗に絡んでくる。その裏にはかつて三井がバスケットボール部員であったという因縁がひそんでた。

インターハイ県予選トーナメント編

不良グループとのトラブルを切り抜け、湘北高校バスケットボール部はインターハイに向け練習に励む。そこには改心し不良グループから抜けた三井の姿もあった。

そしてインターハイ県予選が始まる。キャプテン赤木の攻守にわたる強力なゴール下に加え、三井の3ポイントシュートという長距離からの得点力、リョータのスピードとパスワーク、流川の爆発的な得点力で湘北高校は順調に勝ち進んでゆく。しかしその中で花道はファウルによる退場を繰り返し苦悩する。そしてトーナメント最大の山場である神奈川県の2強のひとつ翔陽高校との試合の幕が切って落とされる。圧倒的な翔陽高校優勢の下馬評の中、試合の前半、湘北は前評判を覆す活躍をみせ、控えに回ってた翔陽高校のキャプテン・藤真を引きずり出すが、藤真の出場とともに点差を広げられハーフタイムを迎える。後半開始早々、藤真の後押しにより活気づく翔陽はリードを広げてゆく。湘北の勝利のカギを握るのは三井のスリーポイントシュートと花道のリバウンドだった。

インターハイ県予選決勝リーグ編

決勝リーグまで駒を進めた湘北高校バスケットボール部は、1回戦で「神奈川の王者」海南大附属高校と対戦。前半は、赤木の怪我などもありリードされる湘北高校だったが、流川の大活躍により同点に追いつき前半が終了。後半、怪我から復帰した赤木を加え善戦するも、「神奈川県No.1プレイヤー」と言われる牧の攻撃に押され、海南]]大付属リードで試合終盤を迎える。残り時間10秒、2点差の場面、起死回生をかけた三井の3Pが外れてしまうが、驚異的な粘りでリバウンドをもぎ取る花道。しかし、まさかのパスミスにより、相手にボールを渡してしまいそのまま試合終了。湘北は海南に敗れてしまう。

1回戦の負けの責任を感じ、頭を丸めた花道は、自身の課題のひとつでもあるゴール下のシュート練習に取り組む。試合当日の朝も練習をしていたせいで、武里高校との2回戦に遅刻し、試合に出場できなかった花道であったが、試合自体は湘北が圧勝。全国大会出場へと望みをつなぐ。 最終戦の直前、花道のシュート練習を見ていた監督の安西が突然倒れてしまう。花道の迅速な処置によって大事には至らなかったものの、検査のため入院。最終戦、湘北は安西抜きで戦うこととなる。

3戦目は、エース・仙道を擁する陵南との戦い。1勝1敗同士で勝ったほうが全国大会への切符を手にする、両校ともに負けられない一戦。安西の不在や赤木の不調などもあり、湘北は試合序盤に点差を広げられてしまう。花道の頭突きをきっかけに赤木は調子を取り戻し、三井の3Pなども決まり、なんとか陵南に食らいて前半を終える。後半、それまで鳴りを潜めていた流川が大爆発、次々に得点を重ね、ついに逆転に成功する。その後、点差を広げ試合を優位にすすめる湘北だったが、三井が疲労により倒れてしまい木暮と交代、1点差まで追い上げられてしまう。しかし、海南]]大付属のディフェンスが流川に集中する中、ノーマークとなった木暮が3Pが決め、チームのピンチを救う。その後、仙道にゴールを決められ2点差とされるも、最後は花道がダンクを決め試合終了。湘北が全国大会への出場を決める。

インターハイへの準備編

県大会が終わって1週間後、花道は海南の牧に誘われ、愛知県予選の決勝戦を見に行くことに。全国の強豪を目の当たりにし、気合の入る花道。一方、流川はバスケのアメリカ留学を安西に相談するも反対されてしまう。安西には、期待をかけ厳しく育てていた教え子が、自分の実力を過信し、相談もなく渡米するも挫折、さらには命をも落としてしまうという過去があったのだ。その事実を知った流川は「日本一の高校生になりなさい」という安西の言葉に従い、日本にとどまり全国大会に備え合宿に臨む。その後、静岡での合同合宿へ向かう湘北バスケ部だが、花道だけは湘北高校にとどまり、安西のもと基礎であるジャンプシュートの練習に励む。安西の言いつけ通り、2万本のジャンプシュートの練習を終え、飛躍的に成長した花道のもとへ、静岡での合宿を終えた湘北メンバーが戻ってくる。そして、湘北高校バスケットボール部は全国の舞台へと乗りこんでいくのであった。

インターハイ1回戦 対豊玉高校編

ついに全国大会の舞台へとたどり着いた湘北。1回戦、豊玉高校との試合が始まる。豊玉の挑発的なプレーでペースを乱されてしまう湘北は、徐々に点差を広げられてしまう。特にペースのつかめなかった花道は、そうそうに安田と交代を告げられる。安田が加わり、ペースダウンを図った湘北は、徐々に冷静さを取り戻し、赤木や流川の活躍で逆転に成功。しかし、「エースキラー」と呼ばれる豊玉の南の故意のファールにより、流川が目を負傷してしまい治療のため交代。試合は荒れた展開となり、再び冷静さを失った湘北は、リードされて前半を終える。ハーフタイム、安西のアドバイスにより冷静さを取り戻す湘北の選手たち、治療を終えた流川も加わり後半戦が始まる。負傷で左目が見えない状態でも得点を重ねていく流川。再び、故意のファールを仕掛ける南だが、逆に自身が負傷してしまう。治療中に自分本来のプレーを思い出した南の活躍で、猛追を見せる豊玉だったが、花道らの活躍で逃げ切り、一回戦を勝利する。

インターハイ2回戦 対山王高校編

1回戦に勝利した湘北の次の相手は、高校バスケットボール界の頂点に君臨する山王工業高校だった。前年の試合ビデオを見て対策を練る湘北のメンバーだったが、圧倒的な強さに意気消沈してしまう。湘北の監督・安西は全国制覇をするのであれば断固たる決意が必要であると告げる。

そして試合当日、山王の試合を見ようと大勢の観客が集まる中で緊張の解けないメンバーに、安西は個々にハッパをかける。花道たちはプレッシャーをはねのけ試合が始まる。

試合開始直後、花道とリョータは奇襲に成功し先制点を奪い、ペースを握ったまま前半を2点先行して折り返す。

しかし後半に入りシステムを変え攻勢に出てきた山王に、湘北は一気に20点を超える点差をつけられてしまう。周囲が山王の勝利を確信する中、花道は安西のアドバイスを受けて奮起し、赤木も自分を取り戻しプレイに集中する。

ふたりの再起と三井のスリーポイントシュートにより、傾きかけた試合が大きく動き出す。そしてさらに、流川と山王・沢北の両エースの争いが始まり、試合は激戦の様相を見せ終盤を迎える。

誰もが逆転不可能と考えた試合はついに5点差まで縮むが、そんな中で花道が負傷してしまう。しかし「断固たる決意」を持った花道は怪我を押しコートへ立つ。残り1秒1点差のその時、流川から花道へのパスが通り試合が決する。

特殊背景

本作は連載開始の1990年代の高校バスケットボールを背景に描かれている。作中に出てくるルールは1994年当時の設定になっているため、ファールなどの呼称に現在とは違うものがある。また、試合中、花道を始め数多くの選手がダンクシュートを決めるが、実際の高校生の試合では確実性の高いレイアップシュートが多い。これは作品をより面白くするための演出であると考えられる。

花道の通う高校にはモデルとなった実在の高校があるが、その高校の所在地は神奈川県ではなく埼玉県である。また、作中でインターハイが行われたのは広島県だったが、1990年代には同県で行われていない。ちなみに、湘北高校がインターハイに出場した際に宿泊した「ちどり荘」は広島県に実在したが、現在は営業されていない。

SLAM DUNK』とファッション

作中で登場したチームのユニフォームが再現され発売されていた。

漫画連載が終了した後もファンからの人気は根強く、2014年にはNIKEジョーダンシリーズのバスケットシューズとスラムダンクの限定コラボレーション企画が展開された。

派生作品

SLAM DUNK』関連作品の多くは連載終了後に作られている。そんな中で小説版『スラムダンク』は、劇場アニメの内容が描かれている。

作者本人の手によるものとしては、漫画の作中から選んだイラストと書下ろし作品を収録した『INOUE TAKEHIKO ILLUSTRATIONS』が連載終了の翌年1997年に出版された。さらに1998年には、湘北高校バスケ部員・宮城リョータの少年時代を描いた『ピアス』を発表。

また、2004年12月に行われた「スラムダンク一億冊感謝記念・ファイナルイベント」で神奈川県の高校の23枚の黒板に描き下ろされた漫画『あれから10日後―』を収録したフォトブックがある。

メディアミックス

テレビアニメ

連載開始から3年後の1993年10月からテレビ朝日系列で放送が始まる。漫画連載の終了した1996年にアニメも終了。アニメではインターハイ全国大会は描かれず終わった。

基本的には漫画に準じたストーリー展開であるが、アニメオリジナルの物語が展開されることもあった。特にインターハイ出場を決めた後から、インターハイへの出発までの物語のほとんどはアニメオリジナルの展開であった。

映画

1994年から1995年にかけて4作品が公開。いずれも完全オリジナル作品である。『SLAM DUNK』の漫画やアニメの人気の高さを受け、各年の春と夏に公開さた。

2022年12月3日、作者・井上雄彦自身が脚本・監督を務めた『THE FIRST SLAM DUNK』が公開。

ゲーム

スーパーファミコンやゲームボーイなどで発売された。『スラムダンク』というタイトルがすでに商標登録されていたため、『テレビアニメ』などがタイトルの前につけられている。

ゲームの内容はバスケットボールのシュミレーションゲームで、マンガやアニメに登場したチームを選択し、キャラクターを操り試合をするものである。

登場人物・キャラクター

桜木 花道 (さくらぎ はなみち)

湘北高校バスケットボール部に所属する一年生。ポジションはパワーフォワード。髪を赤く染めた不良で、傍若無人な性格をした問題児。当初はリーゼントだったが、ある試合でのミスのケジメに坊主頭となった。赤木春子に一目ぼれし、彼女の薦めるままにバスケットボール部に入部した。 赤木春子が恋心を寄せるチームメイトの流川楓をライバル視しており、ことあるごとに衝突している。高身長に加え、天才的な運動神経と抜群のセンスを持っており、湘北高校のスタメンを担う。シュートを苦手としており、技術面では劣るものの、運動量と動きの多さで格上の相手も翻弄し、特にリバウンドでは優れた働きを見せる。 また努力家であり、基礎練習を積み重ね、バスケ歴四ヶ月にして全国区の選手へと成長した。自意識過剰なために、ミスやファウルが多いものの、要所でチームに流れを引き込むプレイをする。勉強は非常に苦手で、定期考査の際には赤点が7つもあった。ライバルの流川楓が、アメリカでのプレイを希望していることを知ると、自身もアメリカ行きを意識するようになる。

赤木 晴子

湘北高校一年生。バスケットボール部主将、赤木剛憲の妹。いかつい兄に似ていない可憐な少女で、桜木花道から思いを寄せられている。花道の身長と運動神経を見て、バスケットボール部への入部を薦めた。流川楓に思いを寄せており、花道の気持ちには気づいていないものの、何かと花道のことを気にかけて励ましている。

流川 楓 (るかわ かえで)

湘北高校バスケットボール部に所属する一年生。ポジションはスモールフォワード。中学生の時から活躍をしていた天才選手で、数々の高校から声がかかっていたものの、家が近いという理由から湘北高校に入学した。流れるようなプレイスタイルと整った顔立ちから女性ファンが多い。インサイドからもアウトサイドからも点が取れる選手で、好調の時には一人で試合を支配することもある。 その才能ゆえ、ワンマンプレイに陥りなのが欠点だったが、後にパスワークも重視するようになり、全日本高校選抜のメンバーに選ばれる。バスケットボールには熱いものの、その他のことへはほぼ無関心で、寝ていることが多い。

赤木 剛憲 (あかぎ たけのり)

湘北高校バスケットボール部キャプテン。赤木春子の兄。ポジションはセンター。大柄な体と強面、パワーを重視するプレイスタイルからゴリラと形容される。小学生のころから全国制覇の夢を持ち、地道な練習を重ねて実力を付けていくもチームメイトに恵まれずにいた。しかし、最後のインターハイ予選ではな優れたチームメイトを得て、本戦への出場を果たした。 成績優秀で礼儀正しく、教師や同級生からの信頼が厚いが、同時に熱血漢でもありバスケットボールへの情熱は人一倍強い。持ち前のパワーを活かして、強引にゴールを決めに行くゴリラダンクや、相手のシュートをバレーのスパイクのように弾くハエタタキなどの豪快な技を使う。

三井 寿 (みつい ひさし)

湘北高校バスケットボール部二年生。ポジションはシューティングガード、もしくはガードフォワード。中学生の時に、神奈川県最優秀選手に選ばれたこともある天才プレイヤー。安西光義に憧れて、湘北高校へと進学するも、怪我をしてしまい一時離脱。その間、同級生の赤木剛憲らの活躍を見るに連れて自暴自棄に陥り、不良仲間とつるむようになる。 さらにはバスケットボール部を逆恨みし始めてしまう。三年時に、桜木花道と宮城リョータと些細なことから確執が生じ、仲間を連れてバスケットボール部を襲撃。しかし、桜木軍団によって返り討ちに遭い、その場に現れた安西に自らのバスケットボールへの思いを告げ、復帰を果たした。 二年間のブランクのせいで、スタミナが不足気味で調子のムラも激しいが、抜群のセンスを持ち、特にスリーポイントシュートを得意とする。

宮城 リョータ (みやぎ りょーた)

湘北高校バスケットボール部所属の二年生。ポジションはポイントガード。小柄ながらジャンプ力と速さを持ち、速攻を中心としたゲームメイクを得意とする。小学校のころからバスケットボールをしており、実力は指折り。安西光義に憧れ、湘北高校へと進学した。ある時、バスケットボール部を逆恨みする三井寿によりリンチに遭い怪我をしてしまい、しばらくの間入院生活を送っていた。 綾子に思いを寄せており、幾度と無くアタックをするも体よくあしらわれいる。桜木花道とは、お互い女にモテないことから気が合っている。

木暮 公延 (こぐれ きみのぶ)

湘北高校バスケットボール部三年、副部長。眼鏡をかけており桜木花道からメガネ君と呼ばれている。ポジションはスモールフォワード。赤木剛憲とは中学からの付き合いで、彼のことを一番よく理解している。穏やかな性格をしており、自他共に厳しい赤木の対となり、バスケットボール部を支えている。 実力では他のメンバーに劣るものの、堅実なプレイでチームに貢献する。

安田 靖春 (やすだ やすはる)

湘北高校バスケットボール部二年。ポジションはポイントガード。湘北高校のスタメンとは実力で大きな差を付けられているものの、要所で活躍を見せる。三井寿ら不良たちバスケットボール部を襲撃した際は、面と向かって抗議するなど、度胸が据わっている。

綾子 (あやこ)

湘北高校に通う二年生。バスケットボール部のマネージャーを務める。サバサバとした性格の大人っぽい雰囲気した女性で、桜木花道が敬語を使う数少ない相手。クラスメイトの宮城リョータに思いを寄せられるも、体よくあしらっている。

安西 光義 (あんざい みつよし)

湘北高校バスケットボール部の監督。選手を見る目、人心掌握術、的確な指示と監督として極めて有能であり、慕ってくる選手も多い。白髪でふくよかな体型。穏やかな性格をしており、桜木花道に二重あごを触られても優しい笑みを浮かべる。その容姿と人柄からホワイトヘアードブッダ(白髪仏)と渾名されている。 大学監督時代は気性が激しく、ホワイトヘアードデビル(白髪鬼)と呼ばれ恐れられていた。しかし、目にかけていた教え子と対立し、その教え子が事故死してからは気性も穏やかになった。元全日本選手でもあり、高齢になった今でもシュート技術はそれほど衰えていない。

水戸 洋平 (みと ようへい)

桜木花道とは中学からの付き合いで、一番の親友。バスケットボールにのめり込んでいく花道をからかいながらも暖かく見守っている。喧嘩はかなり強く、入学当初から校内に名前が知れ渡っている。

魚住 純 (うおずみ じゅん)

陵南高校バスケットボール部主将。身長二メートルを越す巨体の持ち主で、ポジションはセンター。湘北高校の赤木剛憲をライバル視している。体格の良さから期待されてバスケットボール部に入るも、基礎練習すらついていけず、監督田岡茂一からの厳しい叱責の嵐から一時退部を決意する。 しかし田岡から期待されていることを知ると心機一転、徐々に力を発揮していく。熱しやすく冷静さに欠けるところはあるものの、コート上で圧倒的な存在感を持ちパワープレイを得意とする。バスケットボール部引退後は板前の修行を始めており、赤木が試合中に自己を見失った際には、コート上で大根のかつらむきを見せて赤木を諭し、立ち直るきっかけを作った。

仙道 彰 (せんどう あきら)

陵南高校バスケットボール部所属の二年。巧みな技術を持ち、あらゆるポジションを熟すオールラウンダー。ゲームメイキングにも長け、ポイントガードを務めた際には海南大付属高校を追い詰めた。気分屋でやる気にムラがあるものの、チームメイトからの信頼が厚く、コート上でチームメイトを引っ張る。 マイペースだが他人を思いやる気持ちもあり、流川楓が悩んでいた際にはアドバイスを送ったこともある。魚住純の引退後は陵南のキャプテンを受け継いでいる。

福田 吉兆 (ふくだ きっちょう)

陵南高校バスケットボール部所属の二年。ポジションはパワーフォワード。口数が少なく、表情が少ないため理解されにくいが、高い自尊心の持ち主で褒められて伸びるタイプ。田岡茂一監督には厳しく指導されており、ある日耐えかねて田岡監督に手を上げ、無期限部活禁止処分となってしまう。 バスケ歴は浅いものの、驚異的な成長力を持ち、陵南高校のスコアラーとなっている。粘り強いプレイが持ち味だが、ディフェンスは苦手。

相田 彦一 (あいだ ひこいち)

陵南高校バスケットボール部所属の一年生。週刊バスケットボールの記者をしている姉を持ち、自身も多くの選手のデータを集めている。湘北高校へ偵察をした際に、驚異的なジャンプ力を見せ自信満々の桜木花道を湘北高校のエースと思い込み注目するようになる。大阪出身であり、関西弁で話す。 口癖は「要チェックや」。

牧 伸一 (まき しんいち)

海南大付属高校バスケットボール部のキャプテン。広い視野とスピード、パワーを併せ持ち、神奈川県一のプレイヤーと称されている。勝利への意欲はとても強く、相手の弱みを徹底的に攻めることもいとわず、最後まで試合を諦めない執念の持ち主。自分の老け顔を気にしている。

清田 信長 (きよた のぶなが)

海南大付属高校バスケットボール部に所属。一年生ながらも強豪海南大付属でスターティングメンバーに選ばれた大物ルーキー。礼儀知らずの自惚れ屋で、共通点の多い桜木花道と対立することが多い。

神 宗一朗 (じん そういちろう)

海南大付属バスケットボール部所属の二年生。穏やかで温厚的な選手。美しいフォームから放たれる正確なシュートを得意としており、特にスリーポイントシュートには定評がある。元のポジションはセンターだったが、体が細いためベンチ入りを果たせなかった。しかし、一日に500本のシュート練習を始めてからは、シューターとしての才能を開花させ、インターハイ予選では得点王に輝いている。

藤真 健司 (ふじま けんじ)

翔陽高校バスケットボール部キャプテン、並びに監督を兼任する選手。神奈川県では、牧紳一と並ぶ選手とされているが、パワーで劣っているためナンバー2と評されている。負けず嫌いであり、牧をライバル視している。普段は監督としてチームに冷静な指示を出すが、選手としてコートに出た時には積極的なプレーをする。

花形 透 (はながた とおる)

翔陽高校バスケットボール部所属の三年生。ポジションはセンター。素早い状況判断能力と巧みな技術を持ち、柔のセンターと評価される翔陽高校のゴール下の要。

岸本 実理 (きしもと みのり)

豊玉高校バスケットボール部キャプテン。口が悪く、非常に短気で喧嘩っ早い性格。激戦区大阪で、得点ランキング二位を取った実力者だが、ラフプレーをいとわない所もある。

南 烈 (みなみ つよし)

豊玉高校バスケットボール部所属の三年生。豊玉高校バスケ部前監督の北野に憧れて入学。しかし、成績不振により北野は首にされてしまい、彼を再び監督に戻すことを目標に、北野から教わったラン&ガンで優勝することに固執している。クイックモーションからのスリーポイントシュートを得意とし、大阪府の予選で得点王に輝く。 ファウルに見せかけて相手チームのエースに肘打ちを食らわせることがあり、エースキラーの異名を持つ。

深津 一成 (ふかつ かずなり)

山王高校バスケットボール部キャプテン。冷静で広い視野を持つ選手で、ゲームを巧妙に支配する。言葉の語尾に何かを付けることに凝っており、アクの強い性格。

沢北 英治 (さわきた えいじ)

山王高校バスケットボール部所属の二年生。一年次から山王高校のスターティングメンバーとして活躍し、連覇へと導いたスタープレーヤー。ワンマンプレイに陥りがちではあるものの、見るものを圧倒する技術を持つ。バスケ狂の父親により、産まれた時からバスケットボールを与えられ、四歳から既に父親との1on1をしていた。 自分が日本高校バスケで一番の選手だと確信している。

河田 雅史 (かわた まさし)

山王高校バスケットボール部所属の三年生。大柄ながらパワーだけでなくスピードにも長け、またスリーポイントシュートをも決めるオールラウンダー。日本高校最強のセンターとされている。入学当初は小柄だったが、その後急速に成長、その過程で様々なポジションを経験していたため、あらゆる状況に強い。

集団・組織

桜木軍団 (さくらぎぐんだん)

『SLAM DUNK』に登場する集団。和光中学を卒業した湘北高校の一年で構成された不良集団。桜木花道を中心に、水戸洋平、高宮望、野間忠一郎、大楠雄二の五人がいる。不良ながら卑怯な手段を好まず、喧嘩も滅法強い。花道がバスケットボールを始めてからは、からかいつつも応援しており、全国大会の際には広島まで駆けつけた。

湘北高校 (しょうほくこうこう)

『SLAM DUNK』に登場する学校。桜木花道らが通う、神奈川県立の高校。元全日本代表選手であり、他校の監督からも一目置かれている安西光義が指導に当たっている。無名校ながら全国区の選手が集まり、インターハイ本戦出場を果たす。選手の層が非常に薄く、また試合の立ち上がりに不安があるとされている。

陵南高校 (りょうなんこうこう)

『SLAM DUNK』に登場する学校。ビック・ジョンの異名を取るセンターの魚住純を中心に、天才と呼ばれる仙道彰や、ディフェンスに定評のある池上らを加えて、神奈川県でも有数の実力を持つ公立高校。インターハイへの出場経験は無いものの、インターハイ予選では神奈川県の覇者、海南大付属高校と並んで優勝候補と目されていた。

翔陽高校 (しょうようこうこう)

『SLAM DUNK』に登場する学校。バスケットボールの名門校で、数多くの部員を抱える神奈川県の高校。正規の監督は不在だが、主将の藤真建司の指示の元、海南大付属高校に次ぐ強豪校と言われている。センターの花形透を中心に、高身長の選手が揃う。

海南大付属高校 (かいなんだいふぞくこうこう)

『SLAM DUNK』に登場する学校。神奈川の王者と呼ばれる、インターハイの常連校。神奈川ナンバー1プレイヤーの牧紳一を中心に、全国クラスの選手が集まる。練習は極めてきつく、新入生のほとんどが一年で辞めていくほど。

豊玉高校 (とよたまこうこう)

『SLAM DUNK』に登場する学校。インターハイ予選大阪府大会を二位で通過し、本戦出場を果たした強豪校。湘北高校のインターハイ初戦の相手。「ラン&ガン」に特化した、非常に攻撃的なチーム。キャプテンの岸本実理、エースキラーの南烈など全国区の選手が集う。選手を含めてあまりガラの良い学校ではなく、応援にもヤジと暴言が飛び交う。

山王工業高校 (さんのうこうぎょうこうこう)

『SLAM DUNK』に登場する学校。インターハイ山形県代表。高校バスケの頂点に存在する高校で、インターハイ三連覇をも達成している。圧倒的な力量を持ちながらも慢心することなく、格下の相手であろうとも対策を怠らない。

アニメ

SLAM DUNK

不良で赤毛の桜木花道は、湘北高校に入学後、同級生の赤木晴子に一目惚れし、彼女の言うとおりにバスケットボール部に入部する。湘北高校は1回戦敗退が常だったが、晴子の兄、赤木剛憲や同級生の流川楓、2年のブラ... 関連ページ:SLAM DUNK

書誌情報

SLAM DUNK 全31巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(1991-02-08発行、 978-4088716114)

第31巻

(1996-10-03発行、 978-4088718392)

SLAM DUNK<新装再編版> 1巻 集英社〈愛蔵版コミックス〉

第1巻

(2018-06-01発行、 978-4087925319)

『SLAM DUNK』ジャンプ 集英社〈集英社ムック〉

(2022-11-08発行、 978-4081024162)

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