喧嘩稼業

喧嘩稼業

総合格闘家・田島彬が開催する、さまざまな格闘技の強者が一堂に会するノールールの異種格闘技大会・陰陽トーナメントに、古武術・富田流を学んでいる高校生の佐藤十兵衛が挑む異種格闘漫画。『喧嘩商売』が約3年の中断期間を挟んで再開されたものであり、直接の続編となる。

正式名称
喧嘩稼業
ふりがな
けんかかぎょう
作者
ジャンル
バトル
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
既刊13巻
関連商品
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概要・あらすじ

総合格闘家・田島彬がマカオで開催する、さまざまな格闘技の強者16人を集めて行われる異種格闘トーナメント大会・陰陽トーナメント。古武術・富田流を学ぶ佐藤十兵衛は、かつて自分が惨敗を喫した喧嘩屋・工藤優作と再び戦うのにふさわしい場はこのトーナメントだと思い、出場を決意。田島から招待されている身ではないため、参加が決定しているうちの一人であるボクサー・石橋強を野試合で倒し、代わりとして出場することを画策する。

登場人物・キャラクター

佐藤 十兵衛 (さとう じゅうべえ)

東京から行座宇都宮高校に転校してきた男子高校生。かつてはいじめられっ子だったが強さに憧れるようになり、古武術・富田流の伝承者である入江文学の指導を受けて喧嘩の腕を上げていった。工藤優作との戦いに敗北してからは、打倒工藤を目指して修行を続けている。自己中心的かつ傲岸不遜な性格で、勝つためには手段を選ばない。 頭脳も優秀で、対戦相手の思考を自分に有利な方へ誘導する話術や、場の地形などを利用する策略に長けており、純粋な格闘能力では後れを取る相手にも策を活かして勝利を収めていく。工藤との再戦の場として陰陽トーナメントに出場することを望み、参加者の一人・石橋強を野試合で倒して代わりに出場することを画策する。

入江 文学 (いりえ ぶんがく)

古武術・富田流の6代目継承者で、佐藤十兵衛の師匠である38歳男性。父・入江無一が田島彬によって昏睡状態に追いやられ、その後死亡したという経緯から、仇を討つために陰陽トーナメントへの出場を決める。1回戦での対戦相手は櫻井裕章。祖父の遺産だけで食べてきたため社会経験がなく、知らない人とのコミュニケーションも苦手であり、初対面の高野照久と二人きりになりそうになった時には泣いて嫌がって十兵衛を呆れさせた。 また、童貞であり、そのことをひどく気にしている。

高野 照久 (たかの てるひさ)

「光速後ろ回し蹴り」の異名をとった空手の天才である男子高校生だったが、佐藤十兵衛と試合をして敗れてからは、強さをより追い求めるために総合格闘技に転向する。陰陽トーナメントでは十兵衛のセコンドを務めている。十兵衛の策略によりブスなハーフの女子高生・ビクトリアと付き合う羽目になってしまい、嫌がりながらも性欲に流される日々を送ってしまっており、そこを十兵衛にいじられることも多い。

工藤 優作 (くどう ゆうさく)

上半身に刺青を入れた男性で、ヤクザの依頼により素手でターゲットを叩きのめす喧嘩屋。生まれてすぐに母親に捨てられたため戸籍はなく、工藤という名前はヤクザから買った戸籍のもの。神経伝達物質や脳内麻薬を自在に操れる特異体質であり、それにより、ビルから落とされても平気だったり、握力のみで相手の腕を折ったりといった、人間離れしたタフさとパワーを持っており、格闘技などの技術は一切ない素人だが、無敵の強さを持っている。 かつて佐藤十兵衛を喧嘩で敗北させ、十兵衛が強さをより求めるきっかけとなった。口癖は、強敵と出会った時の「燃えるぜ」と、勝負がついた後の「燃えたぜ」。陰陽トーナメント出場者の一人で、1回戦の相手は梶原修人。

田島 彬 (たじま あきら)

圧倒的な強さを誇る総合格闘家。元々は進道塾に所属する空手家だったが、19歳の時に進道塾塾長の山本陸や入江文学の父・無一を襲撃して重傷を負わせる。その後は海外に渡ってファイトマネー目当てでボクサーとなり、ヘビー級のチャンピオンにまでなるが、そのことを「アルバイト」と言ってのける。 帰国後、そのファイトマネーを元手に、入江文学、工藤優作ら国内の強者を集めた格闘大会「陰陽トーナメント」の開催を宣言する。海外の非合法格闘大会・アンダーグラウンドに参戦した際は、試合開始前に罠を張り、対戦相手が自らルールを破って主催者側に射殺されるように仕向けるなど、単純な戦闘力以外に頭脳も優れる。

石橋 強 (いしばし つよし)

WBO世界ランキング1位のヘビー級プロボクサーの男性で、主にアメリカで活動している。「不死身の石橋」「東洋のフランケンシュタイン」の異名を取るほどの耐久力を持ち、さらに打撃を受けて勃起・射精するほど極度のマゾヒストであるため、激しいダメージを受けると相手の行動を完璧に予測できるほどに集中力が高まる。 陰陽トーナメント出場者の一人であり、1回戦で佐川徳夫と戦う予定だったが、出場権の強奪を狙う佐藤十兵衛とトーナメント前に戦うこととなる。

上杉 均 (うえすぎ ひとし)

「喧嘩王」「捌きの達人」と称される進道塾門下の空手家で、実力も精神性も非常に優れており、慕う人間は数多い。かつて、進道塾の分裂を防ぐために自ら破門を申し出て塾を去った過去があるが、塾の危機に際し復帰、陰陽トーナメントに空手の代表として出場する。1回戦での対戦相手は芝原剛盛。

梶原 修人 (かじわら しゅうと)

戦国時代の兵法家・梶原長門を開祖とする古武術(忍術)・梶原柳剛流の伝承者。生まれて初めて握った真剣で燕を切り落としたほどの才能を持つ。父・隼人が入江文学の父・無一との真剣勝負に敗れて自害し、自身も文学との闘いに敗れ左手首を失った過去があるため、文学を倒すことを目標に陰陽トーナメントに出場する。 1回戦での対戦相手は工藤優作。様々な技に加え、「屍(かばね)」と呼ばれる毒を使用する。

関 修一郎 (せき しゅういちろう)

オリンピックで4大会連続金メダルを獲得し、国民栄誉賞を受賞した最強の男性柔道家で、階級は無差別級。芝原剛盛や金隆山を柔道技で倒すことを夢見て、陰陽トーナメント出場者となる。1回戦の対戦相手は佐川睦夫。講道館柔道だけでなく高専柔道も極めており、投技だけでなく寝技にも強い。その実力は入江文学をして「フィジカル、技の完成度、センス、どれも自分や佐藤十兵衛よりも上」と言わしめるほど。 と同時に、表の格闘技で戦い続けていたため、「命がけの戦い」に対する認識が甘いとも指摘されている。

川原 卓哉 (かわはら たくや)

元オリンピック無差別級金メダリストの男性柔道家であり、入江文学は高校の後輩に当たる。高校時代に柔道未経験だった文学に柔道で敗れてから親しい付き合いがあり、陰陽トーナメントでは文学のセコンドとして付き添っている。性格はかなりのナルシスト。

佐川 睦夫 (さがわ むつお)

軍隊格闘術の使い手で、傭兵として戦場で戦ってきた男性。陰陽トーナメント出場者の一人。日本拳法家・佐川雅夫の長男であり、父の期待に応えるため稽古に全てを捧げていた。しかし、中学時代に空手の試合で田島彬に敗れ、父にその才能を見限られる。それを期に精神を病んでしまい、無関係の人間を父親と思い込んで拉致監禁した挙句に父親としての振る舞いを強要したり、他人には意味不明なことを口走ったりと奇行が多い。 また、敵の血を飲むという癖もあり、傭兵仲間からは頼りにされると同時に気味悪がられていた。また、佐川徳夫は弟だが、拳法の才能があるとして自分よりも父から目をかけられていたという思いがあり、かなりの憎悪を示している。 1回戦の対戦相手は関修一郎。

佐川 徳夫 (さがわ のりお)

日本拳法家の男性で、陰陽トーナメント出場者の一人。日本拳法家・佐川雅夫の次男であり、同じく陰陽トーナメント出場者である佐川睦夫の弟だが、兄よりもはるかに拳法の才能があり、父からも後継者として期待されていた。しかし、父が何者かに惨殺されてから精神を病み、常に傍らに父がいる幻覚を見ており、何かと話しかけている。 日本拳法のみならず、ボクシングや野球にもその才能を見せ、野球未経験者でありながらプロの投手の球を打ってみせたことでドラフト指名されたこともある。1回戦の対戦相手は石橋強。

川口 夢斗 (かわぐち ゆめと)

キックボクシングのスター選手だった川口拳治の養子であるキックボクサーの男性で、ローキック・ハイキックを自ら封印した状態で格闘技トーナメント「立技」のヘビー級チャンピオンとなるほどの実力を持つ。本来の両親がバブル崩壊に伴う借金で苦しみ一家心中を図ったところを拳治に助けられ、借金の肩代わりと引き換えに子のいなかった拳治の養子となった。 陰陽トーナメント出場者の一人であり、1回戦の対戦相手は金隆山康隆。

金隆山 康隆 (こんりゅうざん やすたか)

通算843勝0敗0休という記録を持つ史上最強の力士(横綱)。本名は武田で、実家は製薬会社の創業家となっている。ミオスタチン関連筋肉肥大という特異体質のせいで常人の倍の筋肉量を持ち、突っ張り・張り手・閂・鯖折りを禁じ手とするハンデを自らに課してなお無敗を続けている。全力で戦える場を求めて陰陽トーナメントへの出場を決めた。 1回戦での対戦相手は川口夢斗。

芝原 剛盛 (しばはら ごうせい)

合気道の達人である伝説的な男性で、「形あるものなら真球でも倒すことができる」と豪語している。10年前、果たし合いを挑んできた田島彬との闘いを避けたことがあったが、それから9年後、末期癌に侵されて余命1年と診断された時にそのことを後悔し、息子に技のすべてを伝えて田島との勝負に備えさせようとしていた。 しかし、余命宣告からさらに半年後、田島から陰陽トーナメントの出場を要請されこれを受諾、1回戦で上杉均と対戦することになる。自分が末期癌であることを佐藤十兵衛が気がつくよう誘導し、それを公表させることで上杉が同情心を起こすように仕向けるなど、場外でも老獪さを見せる。

三代川 祐介 (みよかわ ゆうすけ)

召琳寺拳法家の男性で段位は六段。幼少時に父親が死去した後、祖父から召琳寺拳法を習っていたが、小学校の同級生に稽古を冷やかされたことが原因で一時稽古から離れ、引きこもりとなっていた。中学3年の時に祖父が死去し、遺された日記を読んで祖父がいかに自分のことを想ってくれていたかを知ると、以後15年間にわたって召琳寺拳法の稽古に明け暮れるようになる。 多重人格者であり、普段は「弱くはないが強くはない」と言われる程度の実力だが、父親の名前が付いた一人目の人格・清太が表に出た際は別人のような強さを見せた。召琳寺拳法代表として陰陽トーナメントに出場し、1回戦での対戦相手は反町隆広。

里見 賢治 (さとみ けんじ)

陰陽トーナメント出場者の一人である中国拳法家の男性。元々は田島彬と同時期に空手団体・進道塾に所属しており、「拳聖」と呼ばれたほどの実力者だったが、進道塾創設者・山本陸との組手で完敗し、空手では山本陸に勝てないと悟って中国へ渡った。その後、意拳と柔術と空手を組み合わせた独自の拳法・玉拳(ぎょくけん)の創始者となる。 1回戦での対戦相手はカブト。

反町 隆広

陰陽トーナメント出場者の一人である元総合格闘家の男性。元々は、ミスタープロレス・生野勘助に憧れ、高校を中退しカブトと同期で大和プロレスに入門したプロレスラーだったが、シナリオがある試合を嫌って総合格闘技に転向、ブラジリアン柔術選手に勝ち続けるなどスター選手として活躍していた。 しかし、生野からシナリオありの試合を持ちかけられたことがきっかけで総合も引退。大和プロレスに道場破りに入り、本気の生野によって絶命寸前まで追い詰められるも、生野の頚椎を折って逆転勝利し、その後は実家に帰って母親の年金で生活する傍らトレーニングを続けていた。生野の推薦で陰陽トーナメントにエントリーされ、当初は興味を見せていなかったが、カブトの出場を聞いて出場を決める。 1回戦での対戦相手は三代川祐介。「空気の読めない格闘家」の異名を取るような性格をしている。

櫻井 裕章 (さくらい ゆうしょう)

アメリカで開催されている非合法格闘技大会・アンダーグラウンドの格闘士である男性で、シラットの使い手。前向性健忘のため、中学生の頃以降の20年間の記憶がなく、新しい記憶も72時間しか保たない。そのため、24時間に1回メモ帳を見て大事なことを忘れないようにしており、また、自分以外の人間の言うことは100%信じない。 自身は覚えていないが、「サクライ・ヒロアキ」の名で、棒きれ一本を武器に中東の円形競技場でライオンと戦っていたという過去もある。田島彬の強さを見て陰陽トーナメント出場を決め、1回戦で入江文学と戦うことになる。

阿南 優太 (あなん ゆうた)

元大和プロレス所属のプロレスラーである男性で、陰陽トーナメント出場者の一人。素顔の阿南優太は、喫茶店のウエートレスを好きになるも、1年間通い続けて声をかけることさえできなかったほどの内気で恥ずかしがり屋の青年だが、マスクをかぶってプロレスラー・カブトとなると、ミスタープロレスと呼ばれたレスラー・生野勘助も認める最強のレスラーとなる。 しかし、人生の絶頂期に婚約者が中学生3人に強姦の後殺害されるという事件が起き、怒りから犯人を素手で殺害、無期懲役囚となっていた。15年後、生野の働きかけもあって仮釈放され、陰陽トーナメントに出場が決定、1回戦で里見賢治と戦うことになる。中学生3人の殺害時、阿南のことも殺そうと目論んでいた3人の罠によって濃硫酸を浴びており、顔の左半分が焼けただれている。

場所

陰陽トーナメント (いんやんとーなめんと)

『喧嘩稼業』の舞台となる、マカオにて開催の異種格闘大会。田島彬が、ボクシングの世界王者となって手に入れた2億ドルのファイトマネーを使って主催した。ノールールで、16人が参加するワンデイトーナメントの優勝者が後日(芝原剛盛が優勝した場合のみその日のうちに)田島と戦う。賞金は1試合につき勝者に2億円、優勝者に100億円、田島に勝つとさらに200億円となっている。

書誌情報

喧嘩稼業 13巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2014-04-04発行、 978-4063824582)

第2巻

(2014-09-05発行、 978-4063825046)

第3巻

(2015-01-06発行、 978-4063825527)

第4巻

(2015-06-05発行、 978-4063825909)

第5巻

(2016-02-05発行、 978-4063826852)

第6巻

(2016-04-06発行、 978-4063827729)

第7巻

(2016-06-06発行、 978-4063828061)

第8巻

(2017-04-06発行、 978-4063829259)

第9巻

(2017-11-20発行、 978-4065100905)

第10巻

(2018-04-06発行、 978-4065112632)

第11巻

(2018-09-06発行、 978-4065128855)

第12巻

(2019-11-06発行、 978-4065177389)

第13巻

(2020-04-06発行、 978-4065192160)

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