世界忍者大会記録

世界忍者大会記録

ごくふつうの女子高校生のもとに、世界忍者大会の優勝を目指して次々と現れる個性的かつ変態チックなイケメン忍者達。そんな忍者の魔の手から、平凡な生活を取り戻すために奮闘する女子高校生の姿を描いたシニカルでシュールなギャグ作品。「B's-LOG COMIC」2015 May.Vol28から2017 May.Vol52にかけて掲載された。

正式名称
世界忍者大会記録
ふりがな
せかいにんじゃたいかいきろく
原作者
芝村 裕吏
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
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あらすじ

第1巻

神社の娘である女子高校生の八重坂竜子のもとに、突如として謎のアメリカン忍者、ロジャー・サスケが現れた。12年に1度開かれる世界忍者大会へ参加するために、来日したというサスケの言葉を一度は無視する竜子だったが、幼なじみの忍者の裕介がサスケと戦っている姿を目撃してしまう。竜子は自宅の竹林を荒らされた怒りで、二人を叩きのめす。彼女をほかの男性に渡したくないという裕介の思惑で、幼い頃から自分でも気が付かないうちに忍者の修行をさせられていた竜子は、並の忍者をはるかに上回る力を身につけていたのだ。そのあとも変態忍者の襲撃は止まず、学校ではフランス出身の忍者、ジョルジュ・オチリキスと遭遇する竜子。裕介とサスケの攻撃によってジョルジュは撃退されるが、サスケは竜子が世界忍者大会のターゲットとして勘違いされている事実を彼女に伝える。竜子の身の安全と引き換えに、自分がすべての忍者を殺す事を約束するサスケだったが、竜子は彼の申し出を断り、すべての忍者を自身の手で倒す事を決意するのだった。そのあと強引に竜子の家を訪問し、彼女の母親といっしょに夕飯を楽しんでいたサスケだったが、その場で竜子の母親が正体を現し、自分が実は竜子の父親であるという衝撃の事実を明かす。夕飯にしびれ薬を盛っていた竜子の父親は、サスケを動けなくする事に成功するのだった。

第2巻

八重坂竜子は、次から次へと現れる新手の変態忍者に心身共に疲れ果てていた。竜子はなじみのカレー屋に逃げ込むが、そこにもフランス忍者のジョルジュ・オチリキスが乱入して来る。しかも、カレー屋の店主であるマサ犬太郎が、実は「マサ・ガガーリン」というロシアのくのいちである事が判明。争う二人を「狙撃中の術」で容赦なく殺害したロジャー・サスケに激怒した竜子は、世界忍者大会が何なのかをサスケに問い質すが、「知らない方がいい」という言葉ではぐらかされてしまう。一向に埒が明かない事に苛立ちを覚えた竜子は、帰宅後に竜子の父親から世界忍者大会の真相を聞き出そうとするが、サスケの妨害によって答えを聞く事はできない。そのあと、街でアメリカ・南部・イガ代表の忍者、アロンに遭遇した竜子は、彼の忍術「忍者スナッチ」によって誘拐されてしまう。アロンに世界忍者大会の真相を問い質した竜子は、表向きは忍者の武闘大会とされている世界忍者大会が、大規模な忍者の親睦会すぎないという衝撃の事実を知ってしまう。なにもかもがバカバカしくなった竜子は、すべてを終わらせ、平凡な生活を取り戻すためにサスケに勝負を挑む。

登場人物・キャラクター

八重坂 竜子 (やえさか たつこ)

実家が神社である女子高校生。平凡な学生生活を送っていたが、ある日を境に世界忍者大会のターゲットと勘違いされ、世界中から集まった忍者達に付け狙われるようになる。幼なじみの忍者の裕介のスカートめくりから懸命に逃げ回っていた事で心身が鍛えられ、身体能力が常人をはるかに上回るレベルにまで成長している。戦闘能力も高く、その強さは忍者である裕介ですらかなわないほど。八重坂竜子本人はふつうの少女のつもりだが、自宅の庭で争っていたロジャー・サスケと裕介を二人まとめてぶちのめしたり、変態忍者に悩まされていた際に、ついつい「殺すか…」などという物騒な言葉が出てしまうなど、意外と武闘派タイプ。その一方でプライドが高く、高潔な面があり、世界忍者大会に参加するために来日したアメリカン忍者のサスケから、自由と引き換えに竜子を狙う忍者をすべて殺す事を提案された際は、「魂が腐りそう」という理由で断っている。それ以降は、ふつうの女子高校生としての暮らしを取り戻すため、自らの力ですべての忍者を倒そうとしていた。容姿がよくて賢く、運動力が高い男性が好み。

ロジャー・サスケ

スーツが似合う金髪碧眼のイケメンの男性。「USA伊賀」出身の忍者。クールで、忍者として優れた腕を持つ。その実力は、大統領の勅命で麻薬密売組織のアジトに単身で乗り込み、やすやすと壊滅させられるほど。12年に1度行われる世界忍者大会に参加するために来日し、大会のターゲットとされている八重坂竜子のもとを訪れた。竜子に対し、彼女が勘違いで世界の忍者に襲撃されているという事実を伝えている。竜子の自由を保障する代わりに、彼女のもとに集う忍者をすべて殺し、大会で優勝する事を目論んでいた。「忍法二挺拳銃」「狙撃銃の術」など、銃による射撃にも忍法的な名前を付けて使用している。

裕介 (ゆうすけ)

かわいらしい男子高校生。八重坂竜子の幼なじみ。高校生にもなって、竜子のスカートめくりをしているなど、若干幼稚な性格をしている。実は伊賀の忍者で、かなりの実力の持ち主。竜子に思いを寄せており、ほかの誰にも渡したくないという理由で、幼い頃から竜子を追いかけ回してスカートめくりをしている。しかし、それが密かに彼女の脚力やジャンプ力を鍛える事となる。そのため、今では10回に1回竜子に勝てるかどうか、というほど戦闘力に差がついている。他人の影に入り込んで尾行する事ができるなど、特殊な忍術を体得している。

ジョルジュ・オチリキス

整った顔立ちをした長身の中年男性。「フランス伊賀」出身の忍者。世界忍者大会に参加するため来日し、八重坂竜子の通う高校の新担任を務める。忍者としての正装が、ブリーフ一丁にシルクハットをかぶった姿という完全な変質者。つねに愛の言葉をささやいている変態紳士。すでに引退していた身だったが、「美しい夜のため」というよくわからない理由により現役復帰を果たした。ブリーフの中に爆発物をしまい込んで爆発させ、ショックを吸収するという特殊な能力を持つ。くのいちのマサ犬太郎とは旧知の仲。

マサ 犬太郎 (まさ けんたろう)

カレー屋を営んでいる非常に体格のいい男性。八重坂竜子の知人で、竜子の父親の古なじみ。正体はロシアのくのいちで、本名は「マサ・ガガーリン」。男性だがしゃべり方は女性っぽく、忍者ではなく、あくまでくのいちを自称している。ジョルジュ・オチリキスとはかつて愛し合った仲で、世界忍者大会に参加するために来日したジョルジュと再会を果たす。ジョルジュとの勝負中にロジャー・サスケに狙撃され、あっさりと殺害された。

アロン

アメリカ南部からやって来た「アメリカ・南部・イガ」出身の男性。ギターを背負い、陽気な性格をした長身の忍者。世界忍者大会に参加するため来日した。八重坂竜子をさらった際に、世界忍者大会が武闘大会を装った、忍者の親睦会という事実を伝えている。同じアメリカン忍者でも、北部出身のロジャー・サスケに対してはかなり反抗的で、南部は北部の言う事を聞けないという言葉をサスケに叩きつけていた。

竜子の父親 (たつこのちちおや)

八重坂竜子の父親。忍者の中年男性。忍法「影分身」を使う事で、長年にわたり一人二役で父親と母親を務めていた。自宅にやって来たロジャー・サスケにしびれ薬を盛り、亡き者にしようとした。正体が発覚したあとは、竜子から「お父さんお母さん」というよくわからない名前で呼ばれている。のちに「影分身」で無関係の人間を身代わりにして殺してしまい、竜子の通報によって警察に逮捕される。

その他キーワード

世界忍者大会 (せかいにんじゃたいかい)

世界中の忍者が集ってもっとも優れた忍者を決める武闘大会。12年に1度開催される。しかし、それは表向きの建前であり、本当は忍者同士による大規模な親睦会にすぎない。参加者の中にはロジャー・サスケのように建前を本気にしてしまう者もおり、そういった忍者同士が殺し合いを繰り返していた。八重坂竜子は勘違いによって世界の忍者からターゲットにされてしまう。1国につき一人しか出場できないといったルールが定められている。

クレジット

原作

芝村 裕吏

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