はだしのゲン

はだしのゲン

原爆投下後の広島で、中岡元が様々な困難を経験し、戦争や原爆の悲惨さを目の当たりにしながらも、家族や仲間たちと支えあって成長していく姿を描く。

正式名称
はだしのゲン
ふりがな
はだしのげん
作者
ジャンル
サバイバル
 
第二次世界大戦
レーベル
汐文社 / 金の星社
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概要・あらすじ

昭和20年の広島で、貧しくも楽しく暮らしていた中岡元の生活は、アメリカの落とした原子爆弾によって奪われる。父と姉、弟を原爆投下時に失ったゲンは、生き残った母、原爆投下直後に産まれた妹と戦後の社会を暮らし始める。その後、広島から離れていたことで被害を免れたふたりの兄と再会し、弟の中岡進次に生き写しの戦災孤児近藤隆太とも出会うが、栄養失調で妹を失い、原爆症によって母も失う。

次々と立ちはだかる困難に負けず成長したゲンは、様々な出会いを経て画家を志すようになる。

登場人物・キャラクター

中岡 元 (なかおかげん)

物語冒頭では、国民小学校二年生。広島に住む中岡家の三男。原爆投下の際にも広島市の中心部にいたが、偶然塀の影にいたため熱線を免れて生き残る。倒壊した自宅で父中岡大吉、姉中岡英子、弟中岡進次を失う。生き残った母中岡君江と妹中岡友子、広島から離れていたことで被害を免れた兄の中岡浩二、中岡昭たちと、自宅の跡地にバラック小屋を建てて暮らし始める。 しかし、生活は困窮を極め、栄養失調で妹の友子は夭逝し、母の君江も原爆症によって失ってしまう。原爆症によってか、ゲン自身にも髪の毛が全て抜け落ちるといった症状が現れるが、後に髪は生え変わり、基本的には健康に暮らしている。 しかし、多くの人が原爆症で苦しむ姿を見て、自分にも原爆症が現れることを恐れている。大吉が絵付け職人であったことから絵を描くのが好きで、画家を志していた青年吉田政二や、洋画家天野星雅と出会ったこともあり、中学校を卒業してからは画家を志す。父親の影響と自分の経験から徹底した反戦思想の持ち主で、戦争を賛美する人間を憎んでいる。 戦争の原因は日本の天皇制と軍国主義にあると考え、批判を繰り返すが、アメリカに対しても原爆投下や戦後の進駐軍の振る舞いから嫌悪感を持っている。父親譲りの曲がったことが大嫌いな性格で、喧嘩の腕も立ち、不正や理不尽な振る舞いを目にすると、相手が大人であろうと立ち向かっていく。

中岡 昭 (なかおか あきら)

中岡家の次男で中岡元の兄。登場時は国民小学校三年生で、集団疎開で実家を離れ、田舎で暮らし始める。しかし、そこでは貧しい食事で畑仕事ばかりさせられ、近所の農家の子どもからはいじめられたため、一時は実家に逃げ帰ってきた。自分を思う両親の気持ちを知り、疎開先に戻ったために原爆の被害を免れる。 原爆投下後は自宅に戻り、学校に通いながら畑仕事をしている。ゲンと比べると現実的な性格で、成長したゲンのことを「だんだん頑固なとうちゃんに似てきた」と思うようになる。成長した後には、大阪で商人になることを志す。

中岡 大吉 (なかおか だいきち)

中岡元の父親。広島で下駄の絵付け職人として営業しているが、戦時中ということもあり生活は苦しい。戦争には反対の立場を取り、その姿勢を隠そうともしないため、町内では「戦争に協力しない非国民」と非難されている。踏まれることで茎を強くする麦が好きで、子どもたちに「ふまれてもふまれてもつよくまっすぐに伸びる麦のようになれ」と言って聞かせている。 原爆投下によって自宅の屋根の下敷きになり、ゲンに母と妹を支えて生き続けることを言い残し、焼死する。

中岡 浩二 (なかおか こうじ)

中岡家の長男で中岡元の兄。物語冒頭では17歳で、学徒動員として工場で働いていた。自分や家族が非国民として周囲から差別を受けることに耐え切れず、鹿児島海軍航空隊の予科練に志願入隊する。予科練では軍部の凄惨さを目の当たりにするが、広島から離れていたことで原爆の被害を免れる。家に帰ってすぐの頃は、家族の死にショックを受けて自暴自棄になりかけたが、母中岡君江の叱咤によって立ち直る。 その後は、家計を助けるために働き始め、出稼ぎに行った九州の炭坑で酒に溺れ、自堕落な生活を送ってしまうようになったが、君江の病状が悪化したことをきっかけに広島に戻り、更生する。弟達が自立したのを見届けると、恋人の広子と結婚して独立する。

中岡 君江 (なかおか きみえ)

中岡元の母親。夫の中岡大吉が戦争反対の立場をとっていることで、周囲からは非国民と呼ばれ虐げられるが、差別に負けず夫やゲンたち家族を支え続けた。原爆投下時には自宅におり、幸いにも怪我もなく生き残るが、倒壊した自宅から大吉たちを助けることができず、大吉たちが焼死するのを目の当たりにする。 物語冒頭から次女中岡君子を身ごもっており、原爆投下直後に出産する。息子たちを養うために働き続けてきたが、原爆投下後三年目にして放射能の影響で胃潰瘍にかかる。その後、ゲンや隆太の助けによって病院で治療を受けるが、病状が悪化して死亡してしまう。

中岡 英子 (なかおか えいこ)

中岡家の長女で中岡元の姉。物語冒頭では国民小学校五年生。国民小学校三年生以上の生徒は田舎への集団疎開が行われていたが、体が弱いため実家のある広島に留まっている。原爆投下によって自宅の屋根の下敷きになり、焼死する。

中岡 進次 (なかおか しんじ)

中岡家の四男で中岡元の弟。ゲンとは仲がよく、2人で戦災孤児のふりをして浪曲を歌い、通行人からお金を恵んで貰って家計を助けていた。原爆投下によって自宅の屋根の下敷きになり、焼死する。

鮫島 伝次郎 (さめじま でんじろう)

中岡元たちの住む町の町内会長。町内会長という立場から戦争を賛美し、戦争に反対の立場を表明する中岡大吉を忌み嫌っている。そのため、大吉を警察に密告したり、中岡家の麦畑を荒らすなど様々な嫌がらせを行う。原爆投下によって、息子の竜吉とともに倒壊した自宅の下敷きになるが、通りかかったゲンによって助けられる。 終戦後は一転して反戦思想を標榜し、広島市会議員に立候補するが、ゲンに見つかって非難されている。後に広島県議会議員となる。

鮫島 竜吉 (さめじま りゅうきち)

町内会長鮫島伝次郎の息子。中岡元と同じ国民小学校に通う。ゲンたちが運んでいた、商品の下駄を川に落としたり、中岡英子が学校で泥棒をしたと濡れ衣を着せるなど、父親の伝次郎と同様に様々な嫌がらせを中岡家に行う。

(ぼく)

中岡家の近所に住む朝鮮人。徴用のため家族を朝鮮半島に残し、一人で日本で暮らしている。朝鮮人ということで周囲から激しい差別を受けていたが、中岡家だけは分け隔てなく接していたことで交流を持つ。そのため町内から非国民として差別を受けていた中岡家にとっては、唯一好意的に接してくれた近所の住人。周囲に虐げられながらも一貫して戦争に反対する中岡大吉を尊敬している。 原爆投下を生き残るが、徴用されて日本に来ていた父親を失い、その際に朝鮮人だからという理由でろくな手当を受けられなかったことで、日本人に憎しみを抱くようになる。終戦後はヤミ米の転売で財産を築き、たびたびゲンたちのことを助けるようになる。

大原 夏江 (おおはら なつえ)

広島で母と住んでいたが、原爆投下によって戦災孤児となる。中岡元の姉中岡英子に後ろ姿が似ており、ゲンと出会った際には姉と間違えられている。踊り好きの母親に育てられたことで、踊り子を目指していた。原爆で顔にやけどを負ったショックで自殺しようとするが、ゲンに止められて生きることを選ぶ。 似島で療養し、田舎の親戚をたよって生活していたが、やけどのために差別を受け、広島に戻って再び自殺を試みた所でゲンと再会する。その後はムスビや勝子たちと一緒に暮らすようになり、自分よりひどい怪我を負いながらも働いている女性をゲンに見せられたことで奮起し、勝子とふたりで洋裁店を持つことを目標に働き始める。 しかし、洋裁の仕事が軌道に乗りつつあった時期に盲腸にかかり、原爆症から手術の傷口が塞がらないという症状に悩まされる。そのことで死期を悟り、自分の骨壷を作り始める。その後もゲンたちの励ましで生きる気力を取り戻したかに見えたが、病状の悪化により死亡してしまう。

近藤 隆太 (こんどう りゅうた)

原爆で両親を亡くし、戦災孤児となる。中岡元の弟中岡進次に生き写しで、ゲンや中岡君江と出会った際には進次と間違われている。防空壕で戦災孤児の仲間たちを引き連れて生活していたが、次第に生活が立ちゆかなくなり、江波で泥棒に入り、捕まっていた所をゲンに助けられたことで、ゲンのことを兄のように慕うようになる。 君江からも進次の生まれ変わりのように可愛がられ、いっしょに暮らすようになる。ゲンや自分を裏切った大場をピストルで射殺したことがきっかけでヤクザの岡内組と関わりを持つようになる。後に岡内組とは離別して、ムスビや勝子たちと暮らし始める。 胃潰瘍にかかった君江の治療費を稼ぐために賭場を荒らし、ヤクザから狙われるようになったため、島根の感化院に入所する。数ヶ月経ってほとぼりが冷めると脱獄し、家に戻る。そういった経験から仲間のために悪事を働くのは自分の役割という考えを持っている。普段はお調子者で、熱狂的な広島カープファン。

ムスビ

広島に住む戦災孤児。近藤隆太たちと共に焼け跡の防空壕で生活していたが、生活が立ちゆかなくなり、江波で泥棒に入った所を、カッチンたち他の戦災孤児といっしょに捕まって感化院へ収容される。しかし、隙をみて脱走して、大場の元に集まって生活していた。その後はまた隆太と生活するようになる。 成長してからは隆太と共に勝子の洋裁店を手伝い、集金などに精を出していたが、ヤクザに騙されて麻薬中毒になり、麻薬を買うために洋裁店の出店資金を使い込んでしまう。ヤクザの家に麻薬を探して忍び込んでいるところをヤクザ本人に見つかり、殴られたことが原因となって死亡する。

カッチン

広島に住む戦災孤児。原爆投下後から近藤隆太たちと共に焼け跡の防空壕で生活していた。生活が立ちゆかなくなり、江波で泥棒に入ったことで、ムスビやドングリたちといっしょに感化院へ収容されるが、隙をみて逃げ出す。その後は大場に匿われ、一人で食料を盗み出そうと進駐軍の施設に忍び込んだ際にMPに足を撃たれ、出血多量で死亡する。

ドングリ

広島に住む戦災孤児。原爆投下後から近藤隆太やムスビ、カッチンたちといっしょに生活していた。隆太と共に政と関わりを持つようになり、岡内組の鉄砲玉として利用された結果死亡する。

林 キヨ (はやし)

中岡君江の幼い時からの親友で、江波に住んでいる。原爆投下によって自宅を失った中岡君江たちを、自分の家に住まわせる。夫は戦争に出兵しており、姑とふたりの子どもといっしょに暮らしていたが、姑は君江たちのことを快く思わず、ことあるごとに追いだそうとする。最終的には君江をかばうことができなかった。

吉田 政二 (よしだ せいじ)

江波に住む青年。アマチュアの画家で県美展に何度も入選した経験を持ち、戦争が終わったら絵の勉強にパリに留学する予定だったが、広島で勤労奉仕の学徒動員に行った際、原爆を受け、全身にやけどを負ってしまう。江波にある兄の家で療養しているが、周囲の住人のみならず、いっしょに住む兄や兄嫁、姪たちからは、やけどによる外見を化け物のように見られ、原爆症で苦しんでいる姿も「ピカの毒が伝染る」と思われて、はれものを触るように扱われている。 そのせいで心を閉ざして周囲には冷たく当たり、介護に雇われた中岡元にも横暴に振る舞っていたが、自分と真剣に向き合ってくれたゲンには心を開いて行く。やけどのため諦めていた絵画を、口で絵筆をくわえることで再開しようとするが、原爆症で内蔵を侵され、発狂して死亡する。

大場 (おおば)

復員兵の男で、元ヤクザ。野良犬を屠殺して食料にするなど、生き残るすべに長ける。戦場で栄養失調から死んだ人間を多く見てきたために、中岡友子が栄養失調であることに最初に気づく。広島に帰ってきてからは、ムスビたち戦災孤児たちを手下のように使って生活していた。ヤクザの三次という弟分がおり、ふたりでヤミ市で縄張りを作ってのし上がろうと画策する。 中岡元や近藤隆太たちを利用して、進駐軍の施設から粉ミルクを盗みだすが、約束を破ってゲンたちには分け前を与えず、粉ミルクを売りさばいた。しかし、そのことで隆太の逆鱗に触れ、三次と共に隆太によって射殺される。

(まさ)

ヤミ市を取り仕切る岡内組幹部のヤクザで、警察からも怖れられている。大場と三次がヤミ市で荒稼ぎしていたことを不愉快に思っていた。大場たちを射殺した近藤隆太を目にかけ、岡内組に引き入れる。以降は隆太たちを手下のように使っていたが、ドングリが死亡したことで隆太たちから離反されている。

雨森 頑吉 (あまもり がんきち)

元川小学校二年生で、原爆投下後中岡元と同じクラスになる。ゲンの住むバラック小屋の隣で脱糞しようとしていたことから、ゲンに「クソ森」というあだ名を付けられる。ゲンと出会った当初は、当時髪の毛が抜けていたゲンを「ハゲ」とからかってよく喧嘩をしていた。中岡友子をさらった集落に住んでおり、そのためゲンとの対立は一層深くなったが、友子の命を救うために協力したことで、その後は友人となる。

中岡 友子 (なかおか ともこ)

中岡家の次女で中岡元の妹。原爆投下直後に産まれ、ゲンに取り上げられる。母中岡君江の栄養状態が悪かったことから母乳の出が悪く、米のとぎ汁などで育てられたため栄養失調に陥る。ゲンたちはヤミの粉ミルクなどを入手しようと奮闘するが、原爆で失った子どもの代わりとして、雨森頑吉のいる集落に誘拐されてしまう。 そこでは人々の心の支えとなり、大切に育てられていたが、ゲンが引きとりに現れた頃には病気が悪化し、生後一年目で死亡する。

勝子 (かつこ)

原爆で両親を無くした戦災孤児。顔と両手にひどいやけどを負い、昼間外にでると「お化け」とからかわれたために塞ぎがちな性格になる。学校に通うこともできず、近藤隆太たちとともに政にあてがわれた家で生活していたが、ドングリを失ったことがきっかけで岡内組から離れ、自分たちの家を建てて暮らすようになる。 その後出会った夏江とふたりで洋裁店を持つことを目標にしている。隆太に好意を抱いており、相思相愛の仲。

平山 松吉 (ひらやま まつきち)

原爆で家族を失った初老の男性。放射能の影響で「原爆ブラブラ病」と呼ばれる、うつ病のような病気にかかる。そのため何をするにもやる気が出ずに親類から嫌われて家を追い出され、働こうとしても長続きせずに途方に暮れていた。そんな時に中岡元たちと出会い、戦災孤児となっていた近藤隆太たちの父親代わりとしていっしょに暮らし始める。 そこでの生活によって前向きになり、原爆に関する記憶を小説として執筆する。小説を書き終え、ゲンや隆太たちの助けによって製本がなされるが、密かに進行していた原爆症によって死亡する。

太田 (おおた)

中岡元の通う中学校の教師で、ゲンのクラスの担任。肉親や親友を戦争で失った経験から反戦思想を持ち、朝鮮戦争が勃発する社会情勢に異を唱えて反戦デモに参加していた。しかし、そのことでGHQに目を付けられてしまい、教職を解雇されてしまう。自暴自棄になりかけていたが、生徒たちの人気は高く、ゲンたちに励まされることで再び教育の道を歩み始め、寺子屋塾を開く。

相原 勝男 (あいはら かつお)

中岡元と同じクラスの中学生男子。学校では戦争は必要悪と語り、ゲンと喧嘩をする。しかし、実はゲンと同じく戦争や原爆を激しく憎んでいる。原爆の影響で白血病にかかっており、人生を悲観してしまい、死に場所を探して誰かれ構わず喧嘩をふっかけている。野球が好きで、将来は野球選手になることが夢だったが、病気のために諦めようとしていた。 それらの事情を知ったゲンに励まされて、最終的には立ち直っている。

天野 星雅 (あまの せいが)

広島に住む洋画家。孫の天野達郎と一緒に暮らしていた。達郎が、大原夏江の骨壷を貴重品と思って盗んだことがきっかけで中岡元たちと知り合う。展覧会に出品するために絵を描き続けているが、生活が苦しく、絵の具が買えずに完成させられないでいた。生活のために絵の道を諦めかけるが、ゲンが看板屋の大月徹と諍いを起こしたことを仲裁するため、中尾工社の看板職人として働き始める。 それからはゲンに絵画の手ほどきをするようになり、ゲンにとっては絵の師匠的な存在となる。

大月 徹 (おおつき とおる)

広告デザイン会社中尾工社に雇われている看板職人。自尊心の高い性格で、「広島一の看板職人」と自負していたが、中岡元に「井の中の蛙」と言われたことで喧嘩になる。結果、作っていた看板は破れ、ゲンに右腕を折られてしまう。

中尾 重蔵 (なかお じゅうぞう)

広告デザイン会社中尾工社の社長。元軍人で、軍部の印刷インキを安く手に入れたことで看板屋を始めた。軍国主義に凝り固まった性格で、社員の大月徹や黒崎に対しては、徹底的に厳しく接しているが、戦争でひとり生き残った家族である中尾光子のことは溺愛している。従業員と諍いを起こした損害を賠償するという名目で天野星雅、中岡元のふたりを雇い入れるが、ふたりとは反りが合わず、短期間で解雇している。 娘の死をきっかけとしてゲンと和解する。

黒崎 (くろさき)

広告デザイン会社中尾工社に勤める若者。戦災孤児となり、悲惨な生活を送っていたが、紆余曲折を経て中尾工社で働き始める。先輩格であった大月徹が休業し、中岡元や天野星雅が中尾工社に出入りするようになって自分の居場所が奪われるように感じてしまい、また天野に教えられて絵の腕を上達させていくゲンに嫉妬心を抱く。 ゲンには友人たちを差し向けて襲わせるといった嫌がらせを行った。しかし、戦後の暮らしで自分がねじ曲がった性格になってしまったことがくやしいとも思っている。

中尾 光子 (なかお みつこ)

広島に住む女子学生。中学校を卒業した中岡元の初恋の相手。ゲンからは一目惚れされる形だったが、次第に相思相愛の仲になる。原爆によって母親と弟を失い、その後も苦しんで死んでいった人々を見てきたことで、医者になることを決意している。しかし、原爆症に侵されており、ゲンと知り合ってまもなく急死する。

書誌情報

愛蔵版はだしのゲン(10巻セット) 汐文社

(1999-01-01発行、 978-4811304083)

完全版 はだしのゲン (全7巻) 金の星社

(2020-04-01発行、 978-4323951256)

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