恐怖新聞

恐怖新聞

つのだじろうが得意とする心霊オカルト漫画で同氏の代表作の一つ。少年鬼形礼のもとに届く、「一日読むごとに寿命が百日ずつちぢまる」と言われる恐怖新聞を軸に、超常現象や不可思議な事件を描いた作品。2020年に実写ドラマ化された。

正式名称
恐怖新聞
ふりがな
きょうふしんぶん
作者
ジャンル
オカルト
関連商品
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概要・あらすじ

「自分が見ていないものは信じない」と豪語する少年鬼形礼は、心霊話に興じるクラスの女生徒を「ばかばかしい」と切り捨てたその深夜、奇妙な新聞を受け取る。恐怖新聞と書かれたその紙面には翌日の日付が印刷され、「中学教師 交通事故で即死」という見出し記事に事故の目撃者は自分鬼形であると報じられていた。翌朝、通学中に記事の中学教師東尾奈々子に出会い、昨夜の新聞を見せようと声をかける。

だが手渡した新聞は朝田新聞になっており、東尾先生は真面目に取り合わない。戯言と決めつけ道を渡ろうとした東尾先生は 鬼形の眼前で乗用車にはねられ、全身打撲で即死となる。記事が現実となった事に慄く鬼形。その様子を心配した佐藤先生により、知人である霊媒小泉を頼るも、逃れる事はできないと知った鬼形恐怖新聞を読み続ける覚悟を決めるのだった。

登場人物・キャラクター

鬼形 礼 (きがた れい)

私立石堂中学校に通う中学一年生の男子生徒。ある日突然「一日読むごとに寿命が百日ずつちぢまる」と言われる恐怖新聞が部屋に届く。恐怖新聞は拒否しても強引に配達され、読まされる。恐怖新聞を配達する霊を祓うことは難しいと言われた鬼形はやがて諦め受け入れるようになり、不可解な事件や霊の世界を知るようになる。 父の名は一、母の名は隆子で旧姓は磯辺。

ポルターガイスト

『恐怖新聞』に登場する霊。鬼形礼の憑依霊で、恐怖新聞の配達員。もと新聞配達夫。ポルターガイストとは「騒々しい霊」という意味を持つ。鬼形礼に新聞を読ませる為に手段は選ばない。

佐藤 (さとう)

『恐怖新聞』序章「真夜中に奇怪な新聞が来た」から登場。私立石堂中学校の男性教師。鬼形礼の話を聞き、恐怖新聞の存在を確認するため部屋に泊まりにいく。

エリナ松岡 (えりなまつおか)

『恐怖新聞』第二話「空に光る謎」より登場。テレパシーで宇宙人と会話ができる地球人であり、宇宙連合のコンタクトマン。空飛ぶ円盤から石堂神社境内へ降りてきて、鬼形礼と出会う。

理科の先生 (りかのせんせい)

『恐怖新聞』第二話「空に光る謎」より登場。私立石堂中学校の男性教師で理科を受け持つ。鬼形礼から空飛ぶ円盤についての話を聞く。理科の授業の1/2の時間を使い、UFOや宇宙についての解説をしたり、課外授業を行う事もある。

高橋 (たかはし)

私立石堂中学校に通う一年生の男子生徒で、野球部員。いつの間にか自分とそっくりな少年が野球部に紛れ込んでおり、その事実に気づいた瞬間、その少年の姿が消える。不思議な出来事に驚き、超常現象に詳しい鬼形礼を頼る。

山本 早穂 (やまもと さほ)

鬼形礼の叔父の友人の娘。鬼形達が予約していたロッジすずらん山荘に宿泊している。スキーの腕はかなりのもの。一緒に来ていた父は到着後に軽いネンザをし、偶然であった山仲間と共に列車で帰宅した。

中野 文江 (なかの ふみえ)

私立石堂中学校に通う女生徒で、鬼形礼のクラスメイト。鬼形を除くクラスの十名で百物語を開催する。

戸室 タカシ (とむろ たかし)

私立石堂中学校に通う男子生徒。議長をしており、鬼形礼のクラスメイト。石堂町で連続放火事件が毎日起こっており、五日目の火災現場で頬にヤケドを負う。

畠山 忠親 (はたけやま ただちか)

「こがね長者の黄金」を捜し求めていると言う老人。五年間ともに埋蔵金を探していた幼友達の日高老人は現在失踪しており、その行方を探しているという。

中岡 俊男 (なかおか としお)

私立石堂中学校に通う一年生の男子生徒で鬼形 礼のクラスメイト。世間の心霊ブームに煽られた女生徒達が鬼形をちやほやする状況を快く思わず、同クラスの高畑と鈴木の三人で新・不幸の手紙を五通でっちあげ、怖がりな女生徒を狙って送りつけた。

(あずま)

私立石堂中学校に通う女生徒。スペイン人である父・ラファエル神父が、十六年前にスペインで悪魔ばらいに参加したとき、ナタで叩き割り火へくべられたはずの像が、自宅から発見されたことを不気味に思う。心霊に詳しいと噂のある鬼形礼を頼る。

中川 緑子 (なかがわみどりこ)

『恐怖新聞』第十五話「名投手怪死」から登場。私立石堂中学校に通う一年生の女生徒であり、鬼形礼のクラスへの転入生。ニックネームはグリーン。転入初日に鬼形が読んだ恐怖新聞の予言を聞き、その内容を伝えた兄中川洋介と共にプロ野球の名選手・原田投手の怪死事件に巻き込まれる。事件の真相を解明するため鬼形の家を訪れた兄・洋介と恐怖新聞の配達を目撃し、鬼形と同様に紙面を読むことができた。

中川 洋介 (なかがわ ようすけ)

『恐怖新聞』第十五話「名投手怪死」から登場。日報新聞社に在籍する記者であり中川 緑子の兄。好奇心旺盛で行動力があり、鬼形礼のよき理解者の一人となる。妹・緑子と違い恐怖新聞を読むことはできない。柔道初段、空手二段。愛車はホンダのCB。

桐法大師 (とうほうだいし)

過去に出羽三山などで修行をつんだ徳の高い霊能者。65歳であり、現在は新潟県山中で仙人のような生活をしている。鬼形礼に憑りついたポルターガイストの除霊を頼まれる。

帆立 涼子 (ほたて りょうこ)

私立石堂中学校に通う三年生の女生徒。秋の音楽コンクールにピアノでの同校代表出場が決定していたが、恐怖新聞の予言通り、音楽室で亡くなる。その翌日より、誰もいない音楽室からピアノの音が聞こえるようになる。

鬼形 礼子 (きがた れいこ)

小学二年生の少女。ある日突然やってきて、鬼形礼の妹を名乗り、礼の家に上がり込む。両親の名前も母の旧姓もすべて礼と同じである。

大西 (おおにし)

私立石堂中学校に通う女生徒。急に背中が重くなったり、墓場でおばあさんを見るなどの怖い体験を鬼形礼に話す。

山岡 慎吾 (やまおか しんご)

佐山高校の野球部で投手。小さいころから東京ギャランツのファンで入団を切望している。突然現れた謎の老人に契約金の9割を払う条件で東京ギャランツに入れるようにしてやるといわれ、承諾する。

西条 (さいじょう)

居住区不明の男子生徒。「ふとんが重たく感じて目を覚ますと、おじいさんが乗っている」という恐ろしい夢を見る。

藤森 (ふじもり)

私立石堂中学校に転校してきた男子生徒。石堂町の隣町に古い家を買い、関西から引っ越してきた。自宅の風呂場で怪現象が起こるようになり、同じクラスの鬼形礼に相談を持ちかける。

木原 (きはら)

中川洋介の叔父夫妻が入っている、ある宗教団体の教祖で霊媒師。自宅で交霊による物理実験を行う。

鬼形 庄左エ門 勝豊 (きがた しょうさえもん かつとよ)

『恐怖新聞』第二十六話「他人の顔」に登場する霊。主人公・鬼形礼の先祖で主護霊。憑依霊に憑りつかれながらも諦めて、恐怖新聞を読み続ける礼に警鐘を鳴らす。

小泉 香具耶 (こいずみ かぐや)

四国のとある村在住。霊媒小泉の遠い親戚で、強力な霊能力を持つ。生まれつき体が小さく五~六歳にみえるが鬼形礼と同じ年齢。除霊のため、テレポートで鬼形を霊場に連れていき修行させる。

浜田 (はまだ)

私立石堂中学校に通う女生徒で鬼形礼のクラスメイト。音楽クラブ所属。鬼形が除霊に失敗して惨死したという内容の恐怖新聞を配達される。恐怖新聞を信じ、何事もなかったように登校してきた鬼形をいぶかしむ。

高見 光子 (たかみ みつこ)

坂元町中学二年C組の女生徒。地縛霊となり新たな配達人になった鬼形礼に恐怖新聞を配達される。

場所

石堂町 (いしどうちょう)

関東にある架空の町。かつてはその一帯が石堂村と呼ばれていた。鬼形礼の通う私立石堂中学校がある他、周辺には第三小学校・第六小学校や石堂総合病院などがある。第十五話に出る大西町の壁村神社は電車に乗って四駅ほどの距離。紫光山霊場は石堂中学校付近から一日かかる距離にある。

その他キーワード

恐怖新聞 (きょうふしんぶん)

『恐怖新聞』に登場する新聞。主人公・鬼形礼の部屋に毎日真夜中に届けられる新聞で、明日起こることや鬼形の周りで起こった奇怪な事件の解説などが書かれている。一日読めば寿命が百日縮むといわれるが、鍵をかけても強引に配達されるため、拒むことができない。新聞を配達するのはポルターガイストを名乗る憑依霊で元新聞配達員。

続編

恐怖新聞Ⅱ (きょうふしんぶんつー)

つのだじろうの『恐怖新聞』の続編。恐怖新聞を受け取った本堂幽子と謎の少年・田垣史人が超常現象や悪霊に立ち向かう姿を描いたホラーサスペンス。秋田書店「サスペリア」で1990年から1993年にかけて掲載さ... 関連ページ:恐怖新聞Ⅱ

関連

恐怖新聞 平成版 (きょうふしんぶん へいせいばん)

つのだじろうの代表作『恐怖新聞』の流れをくむ作品。ネットを介して広がる恐怖新聞の購読者に降りかかる、恐ろしい超常現象が描かれる。「読めば100日寿命が縮む」「逃げても無理やり読まされる」など、シリーズ... 関連ページ:恐怖新聞 平成版

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