鈴木先生

鈴木先生

生徒からの人気も高く、同僚教師からも信頼の厚い中学校教師鈴木先生が、教室内で起こる小さな出来事から浮かび上がる生徒達の悩み、考え方などに真摯に取り組みつつ、自らの悩みや矛盾に苦悩しながら成長していく、中学校を舞台にした教育ヒューマンドラマである。給食時におけるマナー問題をはじめ、性教育、同僚教師たちとの諍い、生徒同士のいざこざなどを詳細にかつ執拗に描いた表現手法が大きな特徴となっている。作品内でしばし登場する学級会議などにおける生徒同士の討論シーンはまさに裁判の様を呈しており、それぞれの立場からの見解の違いなどを述べるシーンが延々と続く手法はこれまでの教師が主人公の漫画とは一線を画した作品である。同時に中学生特有の利己主義な人物も多く登場し、子供特有の狡猾さも巧みに表現されている。

正式名称
鈴木先生
ふりがな
すずきせんせい
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

生徒からの人気も高く、同僚教師からも信頼の厚い中学校教師鈴木先生は、生徒の謎の問題行動、給食メニューへの投票など小さな問題から、果ては小学生との性交渉、同僚教師たちの乱心など学校を揺るがす大きな事件に、自らの意思と信念をもって、真摯に取り組みつつ解決していくも、精神的にも肉体的にも常に疲労困憊。そんな彼の癒しは恋人である秦麻美と、生徒の一人である孤高の美少女、小川蘇美であった。

登場人物・キャラクター

鈴木先生 (すずきせんせい)

2年A組担任で担当教科は国語。メガネとループタイがトレードマーク。大学卒業後にすぐに教師になったわけではなく、無職期間があり、その間に自分なりに教師になった際の問題を予測しながら解決方法を模索していた。そのため問題処理能力は高く、校長先生からの信頼も厚く生徒からの人気も高い。しかし、卒業生からの一部からは優等生ばかりをひいきしていた、と言われたり、体育教師の山崎先生からもその人気を妬まれていた。 秦麻美という恋人がいるが、生徒である小川蘇美に何故か惹かれており、心の中で彼女を神格化している。自分の処理能力が容量オーバーになると汗を大量にかき、冷静さを失う事がある。

秦 麻美 (はた あさみ)

鈴木先生の恋人。年齢は鈴木先生の1つ下で、兄弟に妹・弟がいる。鈴木先生の同僚である山崎先生主催の合コンで知合った。学校であった出来事や悩み事を相談しており、鈴木先生の癒し的存在。祖母から引き継ぐ特殊な能力を持つらしく、鈴木先生が見た夢などを言い当てたり、生霊などをとばすなどする。 それが原因でしばしば情緒不安定になる事もあり、会えない期間もたまにあるが、関係は良好でありその後妊娠をきっかけに結婚する事となる。

小川 蘇美 (おがわ そみ)

鈴木先生の担当する2年A組の生徒の一人。黒髪のボブヘアの美少女。あまり言葉は発しないがしっかりとした自分の意思を持つ。目立つ存在ではないが、同級生にもファンは多く主人公である鈴木先生も密かに恋心に近い物を持っており、あらぬ想像をしたりする存在。家族も仲が良く母親からのいいつけどおりに、小学生が着るようなレインコートと長靴を着用して登校したり、家では両親を「父ちゃん」「母ちゃん」と呼んでいたりギャップが多く、それがまた男性を萌えさせる要因の一つとなっているようだ。

出水 正 (いずみ ただし)

鈴木先生の担当する2年A組の生徒の一人。意思の強そうな目と太い眉が特徴的。両親は学者で、教育やしつけが大変行き届いている家庭で本人の成績も良くきちんとした生徒であるにも関わらず、給食中に「げりみそ」なる言葉を発するなど問題行動を起こす。

中村 加奈 (なかむら かな)

鈴木先生の担当する2年A組の生徒の一人。黒髪のツインテール。勝ち気でおてんば、教師の立場からすると少々厄介な存在ではあるが、正義感が強く女子のリーダー的存在。顔立ちもかわいいので男子からもモテるようであるが、恋愛にはいまいち鈍感なようで、告白されるまで気づかない。鈴木先生を男性として好意を持っていたようだ。

樺山 あきら (かばやま あきら)

鈴木先生の担当する2年A組の生徒の一人。少々太め体系の女子で給食のおかわりを同級生男子の横関と競い合う。少々がさつな性格なのにも関わらず、なぜか小川蘇美とウマが合うらしく仲が良い。酢豚が大好きで、給食の献立から廃止される事に反対していた。

横関 (よこぜき)

鈴木先生の担当する2年A組の生徒の一人。樺山あきらと共に給食のおかわりを競い合っている。小川蘇美に片思いしており、告白するもふられた経験を鈴木先生に打ち明ける。

岬 勇気 (みさき ゆうき)

鈴木先生の担当する2年A組の生徒の一人。鈴木先生も驚愕するほど、大人びた言動をする早熟した雰囲気の男子。親友である遠野涼介の妹である、小学四年生の遠野真名と一年近く付き合った末に性的関係を結ぶが、遠野真名の母親にバレ、問題となる。

河辺 彩香 (かわべ あやか)

鈴木先生の担当する2年A組の生徒の一人。声が小川蘇美にそっくり。中学一年生の時に岬勇気と付き合い処女を捧げたが、その後破局。性的に奔放で、様々な男性と性的関係を持つ。女子生徒から嫌われていた山崎先生から優しくされる事にさえ、うれしく感じていたほど、男性に対して甘い。男性交際に関しては時期がかぶってさえいなければ良い、というポリシーを持っている。 風俗店につとめる姉がおり、母親自身も奔放で放任主義。

神田 マリ (かんだ まり)

鈴木先生が担当する2年A組の隣の、2年B組の生徒の一人。女子バレー部所属。潔癖な性格で、男性嫌いの傾向がある。河辺彩香の親友であったが、自由奔放に男性との交際を重ねる河辺と徐々に価値観が合わなくなり、山崎先生を人気投票により辞職に追い込んだ事が原因で、完全に絶交状態となる。他人をおとしめるために同級生を利用し隠しカメラを設置したり、狡猾で、悪知恵が働く。

平良 (たいら)

鈴木先生が担当する2年A組の隣の、2年B組の生徒の一人。女子バレー部所属。一年時に担任であった鈴木先生を今でも慕っており、何かと相談をしてくる。もっさりしていて地味な存在ではあるが、周りに流されず客観的かつ良識的な判断ができる生徒であり、人への思いやりもある優しい性格で鈴木先生が信頼を寄せる生徒の一人。

竹地 公彦 (たけち きみひこ)

鈴木先生が担当する2年A組生徒の一人。メガネを着用しており成績も良くクラス委員長を努める。自尊心が高く、利己主義。激昂すると興奮のあまり周りが見えなくなる。からかってきた中村加奈と口論となりはずみで怪我をさせてしまう。小川蘇美に片思いしている男子の中の一人であったが、その後河辺彩香と交際を始める。

入江 沙季 (いりえさき)

鈴木先生が担当する2年A組生徒の一人。ショートカットで、ボーイッシュな性格。中村加奈の腹心の友であったが、急速に仲が良くなっていく二人に嫉妬し、その後中村とは険悪な仲になっていく委員会を通して親しくなった神田マリと一時的に同性愛的な関係になる。新任教師である続木先生の熱烈なファン。

堀の内 (ほりのうち)

鈴木先生が担当する2年A組生徒の一人。保険委員で女子バレー部所属。一年の時に小川蘇美と同じクラスで小川の事を密かに尊敬していた。クラス内裁判で激昂した竹地公彦が吐いた吐瀉物を自ら率先して片付けるなど、人の嫌がる行為を率先して行う。それを手伝った小川蘇美と急速に仲良くなっていく。

桃井先生 (ももいせんせい)

鈴木先生の同僚教師。一年前鈴木先生とある生徒との事でもめており、その際は女性特有のヒステリックな対応で鈴木先生や周りを疲弊させていたが、現在は彼氏ができてから柔らかい態度で鈴木先生にすすんで協力するようになったり、疲れている鈴木先生ジュースを差し出すなどする。鈴木先生がなにかと頼りにし、相談する良き同僚。

山崎先生

鈴木先生の同僚教師。担当教科は体育で女子バレー部顧問。ジャージ姿がトレードマーク。職員室では鈴木先生と隣の席同士で仲が良い。カラっとした明るい性格に見えていたが女子生徒からはセクハラ教師として見られており、女子生徒たちが行った人気投票ではワースト1になるなどし、ショックのあまり鈴木先生への暴言を吐き連ねた。 その後、風俗店に入り浸っている事が発覚し依願退職。

岡田先生 (おかだせんせい)

鈴木先生の同僚教師。担当教科は体育。角刈りで黒色の半袖シャツを着用している。清潔感ある爽やかな雰囲気で、女子生徒からの人気も高く、問題児の相談を受ける事が多いため、卒業した男子生徒からも信頼が厚いが、教育指導方針の違いから桃井先生を苛つかせる存在。

足子先生 (たるこせんせい)

鈴木先生の同僚教師。担当教科は家庭科。演劇部顧問。当初は冷静な意見を言う、しごくまともな教師であったが回が進むごとに言動が異常になりヒステリーを起こすようになる。岡田先生に一方的に想いを寄せており、鈴木先生が人気投票で岡田先生を上回った事が原因で、一方的に嫌い始める。その後、何かと鈴木先生と対立するように。

続木先生 (つづきせんせい)

一年前に教育実習で来た経験のある新任教師。鈴木先生曰く、さわやかなのにギリギリで嫌みにはならない絶妙のバランスの、気持ちのいい人物で女子生徒からも男子生徒からも人気が高い。小川蘇美とは幼なじみで、同じ空手教室に通っていた。鈴木先生と同じく小川蘇美を神格化しており、彼女の事を心の中で「のんのん様」と呼んでいる。

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