本気!

本気!

少年誌連載作品でありながら、ヤクザを主人公に据えた極道漫画。主人公白銀本気は正義感の強い、もの静かな好人物となっている。ノミ行為や風俗、花代、恐喝などヤクザの不法行為も描かれている。続編や番外編、世界観を共有作品など関連作画が多く描かれた。

正式名称
本気!
ふりがな
まじ
作者
ジャンル
マフィア・ギャング・ヤクザ
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概要・あらすじ

渚組の構成員白銀本気は、シマを守るべく毎日奔走する。教会に礼拝に来る少女本城久美子に影響され、一般人や弱い人を守り、争い事を嫌うヤクザへと成長する。しかし組織の分裂や、他組織の介入を解決するうちに多くの名声を得、その名声が彼の敵を増やしてしまう。やがて本気彼を慕う者が増え、風組を割る抗争へと発展してしまう。

登場人物・キャラクター

白銀 本気 (しろがね もとき)

『本気!』に登場する、パンチパーマで黒スーツ姿の物静かな青年ヤクザ。北海道・帯広出身。渚組の平河内公平に拾われ、構成員となる。争い事を嫌うが、喧嘩が強く、博打運にも恵まれている。風岡翔に目をかけられ、No.13の草書バッジを授けられる。多くの男たちに慕われ、風岡翔に比類するカリスマへと成長していく。 白血病を患い、最後の発作が起きた後に五社谷組の五郎(五朗)に刺された。そのまま漁船に乗って渚の海に消える。

風岡 翔 (かぜおか しょう)

『本気!』に登場する風組の総長。穏やかな性格の男性だが、威圧する力が強い。学生時代に機動隊と安保学生の衝突をたったの一声で止めたという逸話がある。白銀本気シンパの若者たちを弾圧。本気と風組の抗争という構図を作り、自分が討たれることで極道の浄化を図るとともに、本気に自分の跡を継がせる算段だった。

望月 健次 (もちづき けんじ)

『本気!』の登場人物で、No.1の草書バッヂを持つ、望月組の組長。風組の若頭でもあり、風岡翔の腹心。主なシノギは金融。

長野 正 (ながの ただし)

『本気!』の登場人物で、No.2の草書バッヂを持つ野心家のヤクザ。風岡翔の跡目を狙っている。跡目のバッヂといわれるNo.13の草書バッヂを持つ白銀本気を潰すべく、配下の組織や他の草書バッヂを持つ幹部を焚き付け、ぶつけようと画策する。

平河内 公平 (ひらかわち こうへい)

『本気!』の登場人物で、初代渚組組長の死後、渚組2代目組長となる人物。禿頭で普段は温厚な巨漢だが、ことがあると激高し若い頃の好戦的な性格に立ち返る。街のしろうとからも好かれていたが、集優会の刺客に撃たれ重傷を負い、引退。伊豆の病院に転院し、治療することになる。No.3の草書バッヂを持っている。

渚 音次 (なぎさ おとじ)

『本気!』に登場する渚組の初代組長。大正生まれの老人で、侠客として名の通った人物。白銀本気に子の盃を渡すが、その直後に糖尿病で入院。透析が外れるという事故が元で死去する。

久里林 力 (くりばやし りき)

『本気!』に登場する、渚組の3代目組長。線の細い男性で、性格も穏当。平河内公平が引退する時に一緒に退き、白銀本気を3代目にしようとする。本気に固辞されたために、4代目を本気が受けるという約束で組長に就任する。

錦 匠一郎 (にしき しょういちろう)

『本気!』の登場人物で、No.7の草書バッヂを持つ経済ヤクザ。長野正にそそのかされ、白銀本気を狙うようになる。配下の組員を使い、渚町にシャブを流したり、不法入国をしたヒットマンをヒットマンに仕立てたりするが、いずれの策も失敗。草書を外され、最後には長野正に裏切られてシマすらも失う。

紅花 備前 (べにばな びぜん)

『本気!』の登場人物で、No.8の草書バッヂを持つ武闘派のヤクザ。風組最強軍団を率いており、銃器や防弾を施したワゴン車などを保有する。風組の敵を排除し、反旗を翻したものを粛清する役割を担っている。

赤目 新山 (あかめ しんざん)

『本気!』に登場する、No.9の草書バッヂを持つヤクザ。赤目組の組長。短気で強面、敵や反逆者を処断することを厭わない性格。行儀見習いとして白銀本気を預かっていたこともあり、本気のことを高く評価している。本気組が決起した時には、立ち場の違いから対立する羽目になる。その抗争の最中、銃で撃たれ死亡する。

広崎 太一 (ひろさき たいち)

『本気!』に登場する、No.10の草書バッヂを持つヤクザ。広地会会長。白銀本気が風組のまとめ役として木曜会と雨組の争いに介入したのをきっかけとし、敵対関係になる。しかし阿比留次郎が彼の子供を踏切事故から守ったことが縁で和解。以降、味方となる。

菊地 (きくち)

『本気!』に登場する、渚組の構成員。渚組2代目組長の座を狙い、兄貴分の平河内公平を追い落とそうとした。しかし渚音二郎の跡目願いの書状があったために失敗。組に居ずらくなって独立する。シマを巡って渚組と抗争を繰り広げるが、白銀本気の年上の弟分・吉村喜八に撃たれ、死亡する。

車谷 新二 (くるまたに しんじ)

『本気!』に登場する、渚組の構成員。菊池の配下だったたが、白銀本気に惚れて移籍する。ヤクザになる前は大工で、英語も流暢に話せる。商売にも目が効き、細かいことに気が付くため留守居役として重用される。巨大なイチモツを持ち、スケベだが実直な性格で周囲からの信頼は高い。本気が白血病を患っていると知った後、足を洗い骨髄バンクのドナーを探すキャラバンに参加する。

矢印 (やじるし)

『本気!』に登場する、渚組の構成員。モヒカンの髪型と頭につけた矢印がトレードマーク。新二とともに菊池の配下になっていたが、白銀本気に惚れ、彼の下に移動する。後の子組の創立メンバー。腕っぷしは本気と同じぐらい強い。

阿比留 次郎 (あびる じろう)

『本気!』に登場する、白銀本気の相棒役ともいえるヤクザの青年。元は赤目組のチンピラだったが、組の金を持ち逃げしようとして追われる羽目に。本気の仲裁で救われ、以降兄貴と慕うようになる。銃の取り扱いと車の運転が得意。また商才もあり、土地転がしから、人足手配、飲食店の経営など幅広く行っている。

忘木 伊三郎 (わすれぎ いさぶろう)

『本気!』に登場する渚組の構成員。坂上幹部の下で、長いこと刑務所にいた。坂上に焚き付けられ、名が売れている白銀本気と張り合う。本気が自分を狙う銃撃の盾になったことから和解する。怪力でゴロマキが得意。彼に殴られると、「頭がパアになって物忘れがひどくなる」というところから「忘れの伊三郎」とも呼ばれる。 地童組とのいざこざで散弾銃で撃たれ、足に障害を負う。

染夜 壮志 (そめや そうし)

『本気!』に登場する、白銀本気のライバル的なヤクザの青年。集優会を破門され、菊池組に移り、その後自らの組織・ソメヤ・エンタープライズを設立した。金融業の会社として動きながらも、シマの取り合いなどのヤクザ的な行為も行う。本気とは菊池組時代から、時には敵、時には味方として関わり合いを持ってきた。

図譜 猪佐男 (ずふ いさお)

『本気!』に登場する、初老のヤクザ。極地天道会理事長補佐にして図譜組組長。白銀本気が一時期身を寄せていた天組と対立した。本気の欲のない行動に感銘し、肩入れするようになる。

福島 雪美 (ふくしま ゆきみ)

『本気!』に登場する、東北に勢力を持つ雪見会の会頭。風岡翔が仲を取り持てない時などに、度々仲裁人としてお呼びがかかる。痩せ細ったかなりの高齢の老人だが、静かな迫力を持つ。

本城 久美子 (ほんじょう くみこ)

『本気!』に登場する、渚橋に住む社長令嬢。可憐で清楚な学生。孤児院を営む教会に出入りし、ボランティアで子供の世話をしていた。白銀本気と両想いの関係になるが、身分違いの恋だと常に本気が身を引いた形で付き合い続けた。白血病を患い、一時足を洗った本気と結婚。短いながらも幸福な記憶と共に、天に召される。

すずめ

『本気!』に登場する、渚橋にある孤児院にいる少女。活発でやんちゃ。白銀本気と本城久美子を兄姉、もしくは親のように慕う。時と共に成長し、久美子と同じS女子高等学校に通うようになる。

市川 (いちかわ)

『本気!』に登場する、渚橋に診療所を構える医者。腕は確かで難しい手術もこなす名医。しかし、人体実験に近い治療をしたことが原因で医師会から睨まれ保険医の看板をはく奪。そのため、診療所を訪れる者は少ない。ヤクザの表にできないような怪我でも手当をしてくれるが、お灸を据える意味で麻酔無しということが多い。本城久美子の主治医を務めた。

(なつ)

『本気!』に登場する孤児の少年。同い年の銀二とつるんでいることが多い。捨てられたときに持っていたお守りから諏訪地方の出身だと思われる。成長して、渚高に進学。一本気で強い正義感から、上級生や東高の不良と諍いをおこしている。

銀次 (ぎんじ)

『本気!』に登場する孤児の少年。同い年の夏と一緒にいることが多い。食いしん坊だが、何故か背があまり伸びず、チビなことを気にかけている。成績も夏より劣っていたため、不良の多い渚東高(略称は東高)に進学せざるえなかった。

石神 (いしがみ)

『本気!』に登場する渚橋警察署・暴力団対策課の警部補。暴力団の構成員、動向に詳しい。白銀本気に目をつけ逮捕しようとするが、彼の男気に触れその行動を認めるようになった。庶民派の刑事で、本庁からくるエリートとはあまり折り合いが良くなく、よく衝突する。

集団・組織

風組 (かぜぐみ)

『本気!』の中で関東に本拠を置く日本最大の極道組織。70年代に岡組を継いだ風岡翔が各地に散らばる極道をまとめて作り上げた。

渚組 (なぎさぐみ)

『本気!』において白銀本気が所属している暴力団。千葉県・渚橋一帯が組のシマになっている。関東に一大勢力を持つ風組に所属している。主な商売は渚競馬場(渚橋競馬場)のコーチ屋やノミ行為、周辺歓楽街の花代など。

子組 (こぐみ)

『本気!』で白銀本気が渚組から分家して作った組織。ダルマ組との抗争で、戦争を小さく収めるために新たに立ち上げた。阿比留次郎、矢印、車谷新二、夢作が立ち上げから参加。後に新二が抜けた後、渚組の石本喜八が舎弟頭として移籍している。

気志団 (きしだん)

『本気!』に登場する組織。白銀本気に共感した九州・鍾馗塾の松根が作った、本気のシンパによる組織。団長は阿比留次郎になっているが、実質は松根が指揮している。本気のガードや敵対組織の切り崩しを行っている。

集優会 (しゅうゆうかい)

『本気!』に登場する風組傘下の組織。集優会本部のシマは海に面していないため、隣接する渚組にシマにちょっかいを出してくる。後に風組を抜け、四国・潮紋会の舟組をバックにして敵対するようになる。下部組織には更草組、蟹里会などがある。

極地天道会 (ごくちてんどうかい)

『本気!』に登場する西日本に勢力を持つ暴力団組織。下部組織には白銀本気が組長を務める天組、図譜組、春町組、泉微組などがある。

場所

渚市 (なぎさし)

『本気!』の中で、白銀本気のシマとなる渚組及び子組がある港町。「渚橋」、「渚町」、もしくは単に「渚」とも呼ばれる。活気ある港町だが、初代渚組組長が無理な開発や地上げを行わなかったため、周囲の街より開発の手が入っていない。もし開発することになれば一兆円の利権があるとまでいわれている。 千葉県にある船橋がモデル。

その他キーワード

草書 (そうしょ)

『本気!』の中で、風組の幹部が付ける金色のバッジ。転じて草書のバッジを身に着けた、風組幹部をのこと。草書体で「風」の文字を意匠にデザインされており、裏にはナンバリングが入っている。バッジはNo.1からNo.13の13個がある。No.13は「風」のハネの部分に切れ目が無く、風岡翔の跡を継ぐ者が身に着ける物というウワサがある。

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