ぷりぷり県

ぷりぷり県

ぷりぷり県から上京してきた新入社員のつとむが、東京へのコンプレックスを感じながらも郷土愛を強く意識し、他県出身者たちと郷土自慢をしながら関わり合う。架空の県であるぷりぷり県の奇妙な風習も頻繁に描写される。

正式名称
ぷりぷり県
ふりがな
ぷりぷりけん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

つとむぷりぷり県から上京して五郎商事に入社した若者。入社当時は出身県を秘密にしたがっていたが、次第に郷土愛が表に出て、他の都道府県へのライバル心を見せ始める。だが他県出身者たちも、それぞれ強い郷土愛の持ち主で、つとむは常にどこかの県の名物に関わることになる。また、ぷりぷり県から東京のつとむの元を訪れる県民も多数登場し、その特異性もつぶさに描写されていく。

登場人物・キャラクター

つとむ

ぷりぷり県から東京の五郎商事に入社した青年。ぷりぷり県民の郷土愛の証である「県ずきん」を常にかぶっている。入社直後は東京への敵対心を露にしつつも自分の出身を恥じて隠していたが、やがてぷりぷり県出身を誇るようになる。他県出身者との郷土自慢でムキになることが多い。家族構成は、祖父・勘三、父・幼次郎、母・マリ、長男・力男、次男・つとむ、三男・劣也、長女・功子、次女・加代の8人家族。

よし子 (よしこ)

つとむと同じ五郎商事の先輩OL。埼玉県出身。つとむにとっては憧れの女性だが、埼玉県に海がないことをからかわれるなど、心安い関係でもある。祖父の麦次郎もつとむと親しい。

イサム本部長 (いさむほんぶちょう)

つとむの上司で、五郎商事に勤務している男性。千葉県柏市出身。「む」を含む人名に強い思い入れがあり、入社直後のつとむをあからさまに贔屓していた。自分の息子にも「ズサム」「ゲサム」と命名している。その昔、会社の地下牢で牢名主をやっていたという過去がある。

アキラ係長 (あきらかかりちょう)

つとむの直接の上司で、五郎商事に勤務している男性。東京都出身。しばしばつとむの奇行やぷりぷり県の奇妙な風習に翻弄される。ぷりぷり県の祭が開催される日に出張で現地に行くことが多く、つとむには逆恨みされている。

静夫部長 (しずおぶちょう)

つとむの上司で、五郎商事に勤務している男性。静岡県出身。ぷりぷり県の場所はよく知らないが、ぷりぷり県の英雄・ケン一の絵物語は愛読していた。まじめで常識人との評判だが、うなぎを食べてセクハラ欲が高まるったり、夏休みの自由研究が「通勤途中のミニスカート率」であったり、軽くエッチな逸話が多い。

影丸 (かげまる)

三重県出身の青年。伊賀忍者の里に生まれたため、忍者頭巾を被っている。つとむの1年後に五郎商事に入社してきた後輩。しばしばつとむの使い走りとして扱われるが、根が素直なためよく従っている。

辰之進専務 (たつのしんせんむ)

つとむの上司で、五郎商事に勤務している男性。しょっちゅう妻が産気づくために、よく早退する。新入社員の入社式では司会を務める。愛車である高級外車に乗って会社に出勤している。

五郎社長 (ごろうしゃちょう)

つとむが勤める五郎商事の社長。北海道から上京して30年になる、野生的に育った逞しい壮年男性。京都の文化や、北海道にはなかった梅雨に憧れている。東京生まれの先代社長(現・会長)の娘と結婚し、婿入りして社長になった。北海道に対する郷土愛に溢れているため、しばしば会長と喧嘩している。

麦次郎 (むぎじろう)

よし子の祖父。名前に「む」が付くことから、五郎商事のイサム本部長に可愛がられる。最初は可愛がられることに戸惑っていたが、次第につとむのことを出し抜いてでもイサム本部長に可愛がられようとする。

ブルジョア

つとむの愛犬。つとむを慕って、実家から東京のアパートを訪ねてきた。「ぷりぷり犬」という中型日本犬で、長い首を持ち、人を吹き飛ばすほど強い息を吐く。しばらくつとむと暮らした後、実家に送り返される。

幼次郎 (ようじろう)

つとむの父。ぷりぷり県の伝統職である「腹出し師」であり、つとむに跡を継がせたいあまり、しばしば強引な行動に出る。つとむの兄である力男ではなく、つとむに跡を継がせたい理由は、つとむの腹に潜在的な能力を感じたためである。

たけし博士 (たけしはかせ)

中年の機械科学者。石川県出身。表面が輪島塗りで電気光線を発する「うちの奴」、自分をモデルにした金箔押しの「うちの奴2」、西郷隆盛をモデルにした小さな「西郷どん」などのロボットを製作している。息子のために能登半島の移動を計画した事もある。

ケン一 (けんいち)

ぷりぷり県の前身である「ぷ州」の礎を築いた、戦国時代の名将。幼名は「竜鳳丸」。武田信玄と仲がよかった。絵物語では、身分を隠して野武士などと戦う「シマシマ頭巾」として諸国を放浪していたと語られている。

集団・組織

五郎商事 (ごろうしょうじ)

商社であるが、具体的な業務は不明。日本各地に営業所を持つ。現社長である五郎社長は現会長の婿養子で、会長は社長時代のワンマンぶりをイサム本部長に諌められた過去を持っている。「新入社員は出身県を言わないとクビになる」「8月末までに自由研究の提出があり査定に影響する」「梅雨の間は会社の屋上が社長の貸し切りになる」など、変わった社風に満ちている。 なお、会社の地下には牢があり、悪いことをした社員はそこに投獄される。

三郎インターナショナル (さぶろういんたーなしょなる)

五郎商事のライバル会社。数人の社員は常に覆面で顔を隠している。つとむがぷりぷり県の自慢をすることが気に入らないらしく、何人もの人間を送り込んでつとむの心を折ろうとするが、あまり成功はしていない。

オシドリズ

五郎商事に勤務する鳥取県出身の砂男係長、長崎県出身の洋子課長、山形県出身の忠次で構成させる集まり。鳥取県、長崎県、山形県の県鳥がオシドリであることから結成された親睦会。つとむはこの会に勝負を挑むも、ぷりぷり県の県鳥がトリモドキという変な生き物であることから馬鹿にされた。

場所

ぷりぷり県 (ぷりぷりけん)

本作『ぷりぷり県』に登場する県で、つとむの出身地。どの地方にあるかは不明だが、東京から数百キロは離れており、四方を海に囲まれ、県南部には砂漠が存在する。県庁や大学の石像、山までもが地下に存在するという。奇妙な風習や言い伝えが多々あり、生息する生き物も県特有のものが多い。県民は皆、県民愛の証である「県ずきん」を被っている。 信号の色は通常の「止まれ」の赤、「進め」の青、「注意」の黄に加えて、「笑え」の紫がある。農業では、よく飼い慣らした「ぷりぷり大コウモリ」を背中にしょって、素早く飛びながら仕事を行う「コウモリ農業」というものがある。また、アフリカ以外で唯一シマウマが生息する地域で、シマウマは軍馬や農耕馬として用いられてきたが、近年は地方競馬「シマウマカップ」が有名。「舅 取っかえ小僧」や「舅 乙女 へんげ」という謎の妖怪伝説もある。

その他キーワード

トリモドキ

イカの仲間だが飛行能力を得て樹上に住み、ぷりぷり県の県鳥に指定されている。幼いうちはイカにそっくりな形状をしているが、成長するにつれ鳥のような形状に変化する。鳥取・長崎・山形出身の三人組「オシドリズ」に嘲笑された。

らんげんさま

ぷりぷり県で信仰される古代の邪教であり、ティラノサウルスを祀っている。司祭たちは地元を捨てた県民に厳しく、初詣に訪れたつとむには大神殿の門をくぐらせなかった。バラエティに富んだポスターなども販売している。

ゴーゴー川男花火大会 (ごーごーがわおとこはなびたいかい)

ぷりぷり県のゴーゴー川の河原で、毎年夏に開催される花火大会。屈強な男たちを空に打ち上げ、その男たちが上空で線香花火に火を付けるという、はかなくも勇壮なお祭り。

暗黒星人 (あんこくせいじん)

ぷりぷり県の郷土料理にも用いられる貝の仲間。しかし、その生態を調べようとすると、人間の記憶を数時間消してしまう謎の生き物。

腹出し師

腹力を駆使して様々なことができる職業。腹から出す光で人に望郷の念を起こさせたり、餅を遠赤外線で加熱することも可能。

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