京都寺町三条のホームズ

京都寺町三条のホームズ

望月麻衣の同名小説のコミカライズ作品。京都府を舞台に、女子高校生・真城葵が、その優れた審美眼を骨董品店の若き店主・家頭清貴に見出され、共に働きながら、店に訪れる人々の抱える問題を解決していく姿を描く、はんなりミステリー。「月刊アクション」2017年12月号から連載の作品。

正式名称
京都寺町三条のホームズ
ふりがな
きょうとてらまちさんじょうのほーむず
原作者
望月 麻衣
作画
ジャンル
推理・ミステリー
レーベル
アクションコミックス(双葉社)
巻数
既刊12巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

高校2年生の真城葵は、半年前、恋人の克実を追いかけて埼玉県から京都府へやって来た。しかし、克実にはふられてしまったうえ、克実の新しい恋人は葵の親友である早苗であったと知り、裏切られた気分になる。ショックを受けた葵は埼玉県に戻るため、亡くなった祖父の遺品を盗み出し、売り払う事で旅費を得る事を考えつく。だが、売却のために訪れた骨董店「蔵」の店主・家頭清貴にはすぐに見抜かれてしまい、反省した葵は売却をやめるのであった。そこで葵の鑑定眼の鋭さに目をつけた清貴は、葵に「蔵」でアルバイトをする事で旅費を稼ぐのはどうかと提案する。その日から葵は、「蔵」に来店する人々が持って来た骨董品を鑑定しながら、その品にまつわるトラブルを清貴と共に解決する事になる。

第2巻

夏。真城葵は埼玉県には戻らず、このまま骨董品店「蔵」で家頭清貴の手伝いを続ける決意をした。そんなある日、葵は清貴の付き添いで、鞍馬山へ向かう事になる。3か月前に亡くなった作家の梶原が遺した三本の掛け軸が何者かによって燃やされてしまい、長男である梶原冬樹は、その犯人を見つけ出したいのだという。清貴はすぐさま、梶原の元秘書である倉科洋平を含めた梶原家の面々の話を聞き、即座に真実にたどり着く。梶原は三人の息子宛に遺した三本の掛け軸に、それぞれへのメッセージを隠していたのである。そのうち、冬樹と梶原秋人に対しては、二人の仕事に対するアドバイスであったが、梶原春彦へのものは、なんと春彦が梶原の実の息子でなく、妻の梶原綾子が洋平と不倫関係の結果生まれたという事を伝えるものであった。これに気づいた綾子は真実の漏洩を防ぐため、掛け軸を三本とも燃やしてしまったのである。綾子はすべてを認め、衝撃の事実を知った冬樹は、折を見て春彦に真実を伝える決意をする。こうして事件は解決し、葵はまたも清貴の素晴らしい推理力を目の当たりにするのだった。

メディアミックス

TVアニメ

2018年7月から、テレビ東京系列にてTVアニメ版が放送された。監督は佐々木勅嘉、シリーズ構成は山下憲一、キャラクターデザイン・総作画監督は伊藤陽祐が務め、真城葵役を富田美憂、家頭清貴役を石川界人が演じている。

登場人物・キャラクター

真城 葵 (ましろ あおい)

京都府立大木高校に通う2年生の女子。前髪を目の上で切り、胸の上まで伸ばした茶色のストレートロングヘアを、ハーフアップにしてまとめている。まじめで穏やかな性格。半年前、遠距離恋愛中の恋人・克実といっしょに過ごすために、埼玉県から京都府の高校に転校した。しかし、克実にはふられてしまったうえ、その後すぐに克実が真城葵の友人である早苗と交際を始めた事から、二人に同時に裏切られた気分になり深く傷つく。 そこで、埼玉県に戻るため、亡くなった祖父の遺品を勝手に持ち出し、売却する事で旅費を手に入れようと考える。しかし売却のため骨董店「蔵」を訪れたところ、店主である家頭清貴に、その目論見をあっさり見抜かれ、深く反省し売却をやめる。 だがその際、品質の高い骨董品を選んで持って来ていた事から、清貴にその鑑定眼を高く評価され「蔵」でアルバイトする事になる。そして清貴と共に骨董品の鑑定や、骨董品の持ち主が抱えるトラブルを解決していくうちに少しずつ前向きになり、京都府での生活を続ける決意をする。しかし、克実と早苗に裏切られた経験から自分に自信が持てなくなっており、自己評価がやや低い。

家頭 清貴 (やがしら きよたか)

京都大学大学院に通いながら、京都寺町三条にある骨董店「蔵」の店主を務める男性。年齢は22歳。「蔵」のオーナー・家頭誠司の孫で、小説家の家頭武史の息子でもある。専攻は文献文化学。前髪を目が隠れるほど伸ばした黒のストレートショートカットヘアにしている。苗字が「家頭」である事と、シャーロック・ホームズのような高い推理力を持つ事から、周囲からは「ホームズ」あるいは「京都寺町三条のホームズ」と呼ばれている。 容姿端麗、頭脳明晰に加え「国選鑑定人」として、伝説の鑑定士と評されるほどの審美眼を持つ。さらに洞察力にも優れ、初対面の相手であっても、その人が抱える問題や悩みをあっさり見抜くほどの力を持つ。ある日「蔵」へやって来た真城葵の高い鑑定眼にすぐさま気づき、葵をアルバイトとして雇う事にする。 性格は上品で物腰柔らかいが少し意地悪な一面もあり、葵にはそれを「いけず」と評されている。高校時代の恋人である和泉を、強引で俺様なタイプの男性に奪われた経験があり、そのためその男性と似た雰囲気の男性に対してコンプレックスがある。

家頭 武史 (やがしら たけし)

小説家として働きながら、骨董店「蔵」の店長として、息子の家頭清貴と交代で店番を務める中年の男性。家頭誠司の息子でもある。前髪を額が見えるほど短く切った髪型に眼鏡をかけ、顎ひげを生やしている。清貴とは交代で店にいるため、二人とも「店長」である。穏やかで落ち着いた性格だが、小説家としてはどろどろとした人間関係の描写を得意とする。 そのため、周囲には意外に思われている。幼い頃に両親が離婚し、多忙な誠司のもとを離れ、東京都で叔父夫婦と暮らす事になる。しかし、誠司の事は非常に尊敬しあこがれていたため、将来は誠司のように鑑定士になろうと考えていた。だがある日、自分は鑑定力に欠けると気づき、あきらめて出版社に就職し、結婚をして清貴をもうける。 清貴が2歳の時に妻が病気で亡くなり、また、これがきっかけで誠司が清貴の体調を非常に気にするようになり、つねにいっしょに行動するようになった。結果、清貴が鑑定士として開眼し、誠司に非常にかわいがられるようになった事から、清貴に対する複雑な思いを小説に昇華するようになった。小説はすべて手書きで原稿用紙に書いている。

家頭 誠司 (やがしら せいじ)

骨董店「蔵」のオーナーであり、「国選鑑定人」でもある年老いた男性。家頭武史の父親で、家頭清貴の祖父でもある。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪に眼鏡をかけ、口ひげを生やしている。自由奔放でマイペースな性格で、全国を駆け回っている。そのため、清貴達は振り回される事が多い。15歳の時に師匠に弟子入りし、やがて「国選鑑定人」となった。

岸谷 (きしたに)

人気漫画家の中年男性。前髪を額が見えるほど短く切った髪型をしている。若い頃、漫画家を志すが父親には反対され、家を飛び出すような形で東京都へ引っ越して、プロデビューした。その後、自分の書きたい作品ではなく、万人受けを意識した作品を描く事で人気漫画家となるが、本当に自分はこれでいいのかと悩んでいた。そんなある日、父親から野々村仁清の茶碗を贈られるが、これについて詳しく話す前に父親が亡くなってしまう。 結果、父親が茶碗に込めたというメッセージをどうしても読み取れないままに終わってしまい、困っていた。そこで知人を通じて家頭清貴に鑑定を依頼する事になる。そして清貴から、父親は自分に対して、たとえ本当に書きたいものではなくとも、万人受けする作品は決して悪いものではない。 なので、今後は万人受けする作品の中に、自分らしさを込めて書けばいいというメッセージを茶碗に込めて贈っていた事を知らされ、涙する。

宮下 佐織 (みやした さおり)

呉服店「宮下呉服店」の長女。女子大学生で、宮下香織の姉。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸の高さまで伸ばしたロングヘアをゆるく巻いて、ハーフアップにしてまとめている。「葵祭」の斎王代に選ばれるほどの知性、品性、家柄、美貌を持つお嬢様だが、性格はおっとりしており、細かな作業は苦手。高校時代までは友人の川瀬圭子と三上優子と親しく、三人で過ごす事が多かったが、いつからか二人に避けられるようになってしまい、非常に気に病んでいた。 そんなある日、自分が「葵祭」の斎王代に選ばれ、この件を二人が知れば、祝福してくれるのではないかと期待する。しかし結果は逆で、さらに嫌われるようになってしまい、そんな時に香織が使用をやめた怪文書のデータを発見する。 そこで、このデータを流用し、自分でも似たものを2通目として作って自分自身に送付し、脅されているふりをすれば、今度こそ圭子と裕子が同情してくれるのではないかと考える。しかし、事態を聞いてやって来た家頭清貴には、1通目と2通目ではつくりの丁寧さが違う事からすぐにすべてを見抜かれ、真実を打ち明けた。

宮下 香織 (みやした かおり)

呉服店「宮下呉服店」の次女で、宮下佐織の妹。真城葵と同じ、京都府立大木高校に通う2年生でもある。前髪を目の上で切り、顎の高さまで伸ばしたボブヘアにしている。気が強くしっかりとした性格で、器用で細かな作業が得意。中学時代、本来は佐織と同じ名門私立高校への進学を考えていたが「宮下呉服店」の東京進出が失敗し、経営が危ぶまれていた事から、友人と同じ高校に通いたいと嘘をついて大木高校に進学する。 さらにその後、高校2年生の夏、佐織が「葵祭」の斎王代に選ばれた事で、選ばれた家は準備に高額のお金を負担しなければならない事を案じる。そこで佐織に斎王代を辞退するように命じた怪文書を作成したが、送付前にこの計画は間違っていると判断し、中止。しかし、怪文書のデータを佐織が発見した事から、データを利用されてしまう。 そして事態を聞いてやって来た家頭清貴の推理により、佐織が悩んでいた事を知り、無理に川瀬圭子と三上優子の機嫌を取ろうとせず、斎王代にふさわしい女性として務めあげてほしいと自分の気持ちを打ち明けた。また、この件がきっかけで、葵と親しくなっていく。

川瀬 圭子 (かわせ けいこ)

先斗町にある割烹料亭の娘。女子大学生で、宮下佐織と三上優子の友人。前髪を目の上で切り、ロングヘアを頭の高い位置で一つのお団子にしてまとめている。高校時代までは佐織と優子と三人で仲がよかったが、片思いの男性を佐織に取られてしまうなど、自分と優子は佐織の引き立て役でしかないと思うようになり、次第に佐織を嫌うようになっていく。 そして大学生となった現在では、すっかり佐織を避けるようになってしまった。優子とは今でもなかよく、よく佐織の悪口を言って盛り上がっている。そのため怪文書を送り付けた犯人ではと疑われるが、真城葵と家頭清貴からは、圭子と裕子の性格であれば、このような回りくどい方法は取らないと判断され、容疑者から除外された。

三上 優子 (みかみ ゆうこ)

祇園にある老舗旅館の娘。女子大学生で、宮下佐織と川瀬圭子の友人。前髪を目の上で切り揃え、顎の高さまで伸ばした前下がりボブヘアにしている。高校時代までは佐織と圭子と三人で仲がよかったが、自分と圭子は佐織の引き立て役でしかない思うようになり、次第に佐織を嫌うようになっていく。そして大学生となった現在では、すっかり佐織を避けるようになってしまった。 圭子とは今でもなかよく、よく佐織の悪口を言って盛り上がっている。そのため怪文書を送り付けた犯人ではと疑われるが、真城葵と家頭清貴からは、圭子と裕子の性格であれば、このような回りくどい方法は取らないと判断され、容疑者から除外された。

梶原 (かじわら)

小説家の60歳の男性で故人。梶原綾子の夫で、梶原冬樹、梶原秋人、梶原春彦の父親だが、春彦とは血がつながっていない。明るく豪快で、気のいい人物。作家としては主に任侠ものを執筆しており、代表作は「権力抗争」「百花繚乱」「禁忌果実」。作家になる前は弁護士として働いており、この時の経験を活かして任侠ものを書くようになった。 また、秘書である倉科洋平とは弁護士時代にかかわった事件がきっかけで出会い、慕われるようになった。3か月前に病気で亡くなり、遺品として綾子にはアクアマリンの指輪、三人の息子には掛け軸を残していた。この四つの遺品には、まず綾子に送った指輪には、綾子に新しい人生を生きてほしい、つまり綾子と不倫関係にある倉科洋平と新しい関係を築いても構わないという思いが込められていた。 冬樹への掛け軸には、現状に油断せず、これからも気を引き締めて働いてほしいという思いを、秋人への掛け軸には、本気で役者を目指すならば、つねに上を目指す気持ちで挑み続けてほしいという思い込めた。そして春彦への掛け軸には、実の父親が秘書の倉科洋平である事を示唆した絵柄のものを渡していた。

梶原 冬樹 (かじわら ふゆき)

IT関連企業「ウエストジャパン」の経営者を務める男性。年齢は32歳。梶原と梶原綾子の息子で、梶原秋人の実兄。梶原春彦にとっては異父兄にあたる。前髪を上げて額を全開にした、癖のあるショートヘアにしている。穏やかで落ち着いた性格。東京大学の経済学部出身で、在学中に「ウエストジャパン」を立ち上げ、現在に至る。 現在会社の業績は順調であるが、梶原からは現状に驕ってほしくないと思われていた。そのため、梶原が亡くなった際、そういった思いが託された掛け軸を、遺品として受け取った。しかし、この掛け軸が何者かに燃やされてしまい、困っていたところを家頭清貴と真城葵に出会い、清貴によって事件は解決された。その際、綾子と倉科洋平の不倫関係について知る事となり、さらに春彦は綾子と洋平の息子である事も知る。 結果、折を見て春彦に真実を話す事を決意した。

梶原 秋人 (かじわら あきひと)

芸能事務所「akカンパニー」に所属する男性俳優。年齢は25歳。梶原と梶原綾子の息子で、梶原冬樹の実弟。梶原春彦にとっては異父兄にあたる。前髪を目の上で切った、ツンツンの茶色のショートヘアにしている。明るく親しみやすい性格。一見チャラチャラした雰囲気だが役者としては非常にまじめで、梶原の七光りには頼らず、自力で有名になろうと考えている。 梶原からはその姿勢を密かに評価されており、役者として頂点を目指すために、つねに技術を磨き続けてほしいと思われていた。そのため、梶原が亡くなった際、そういった思いが託された掛け軸を、遺品として受け取った。この掛け軸が何者かに燃やされてしまい、困っていたところを家頭清貴と真城葵に出会い、清貴によって事件は解決された。 その際に綾子と倉科洋平の不倫関係について知る事となり、さらに春彦は綾子と洋平の息子である事も知る。自分とは対照的な清貴の事を最初は快く思っていなかったが、この事件を通じて信頼するようになった。事件解決後は、清貴の骨董店「蔵」に顔を出すようになる。

梶原 春彦 (かじわら はるひこ)

京都府大学に通う男性で、年齢は20歳。倉科洋平と梶原綾子の息子で、梶原冬樹と梶原秋人の異父弟。前髪を目が隠れそうなほど伸ばしたショートヘア。のんびりとした性格で、おっとりとしている。冬樹と秋人に比べて、梶原からは甘やかされて育った。自身が洋平と綾子の息子である事は知らずに育ったが、梶原からは、いつか真実を伝えなくてはならないと考えられていた。 そのため、梶原が亡くなった際、そういった思いが託された掛け軸を、遺品として受け取った。しかし、この掛け軸が何者かに燃やされてしまい、困っていたところを家頭清貴と真城葵に出会い、清貴によって事件は解決された。その際冬樹と秋人は綾子と倉科洋平の不倫関係について知る事となり、さらに春彦は綾子と洋平の息子である事も知る。 だが梶原春彦本人は、それをまだ知らされないまま、事件は終わった。耳の形が洋平とよく似ている事から、清貴に親子関係である事を見抜かれた。

梶原 綾子 (かじわら あやこ)

梶原の妻で、梶原冬樹、梶原秋人、梶原春彦の母親。年齢は53歳。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸の下まで伸ばしたロングヘアを一本の三つ編みにしてまとめている。非常に美しく、年齢よりも若く見える。かつては女優を目指しており、梶原とは彼が原作を務めた映画のオーディションで知り合った。その後20歳の時に梶原と結婚し冬樹と秋人をもうけるが、密かに梶原の運転手を務める倉科洋平と不倫関係になる。 その結果春彦が生まれるが、その事実を隠して生活していた。しかし3か月前梶原が亡くなり、梶原が遺品として春彦宛の掛け軸に、春彦が実は洋平と綾子の息子である事を示唆したメッセージを残している事に気づく。そこで証拠を隠滅するため、冬樹と秋人あての掛け軸も含めて三本とも燃やし真実の漏洩を防ごうとしたが、そこにやって来た家頭清貴により見抜かれ、すべてを話した。 さらにその際、清貴から、梶原が綾子あてに送ったアクアマリンの指輪には、梶原が洋平と綾子の関係を知っており、自分の死後は綾子が自由に第二の人生を生きてほしいというメッセージが隠されていた事を知らされる。

倉科 洋平 (くらしな ようへい)

梶原の秘書を務めていた男性で、年齢は42歳。梶原綾子と不倫関係にあり、梶原春彦の実父でもある。前髪を左寄りの位置で分けて額を全開にした撫でつけ髪にしている。穏やかで落ち着いた雰囲気を漂わせているが、かつては暴走族であった。18歳の時に問題を起こし警察沙汰になった際、当時弁護士であった梶原と出会う。その際梶原の人柄に心酔し、梶原の役に立ちたいと梶原の周囲をうろうろしていたところ、運転手として雇われるようになった。 その後、梶原が「権力闘争」を出版した際、モデルとなった暴力団を怒らせ、梶原が構成員に襲われるという事件が起こる。その際、あいだに割って入り、身を挺して梶原を助けた事から梶原一家には非常に大切に思われており、また、それがきっかけで運転手から秘書に職を変えた。 梶原が亡くなった現在は、梶原の作品の権利の管理や、綾子の身の回りの世話をしている。梶原が三人の息子に遺した三本の掛け軸が何者かに燃やされてしまい、困っていたところを家頭清貴と真城葵に出会った。耳の形が春彦とよく似ている事から、清貴に春彦と親子関係である事を見抜かれた。

和泉 (いずみ)

家頭清貴の元恋人の女性で、年齢は22歳。前髪を目の上で切り、顎の高さまで伸ばしたウェーブボブヘアにしている。高校2年生のある日、校外学習で東福寺を訪れた際、清貴と和歌についての話をし、清貴の知的で教養ある人柄に惹かれるようになる。そこで高校3年生のある日、自分から告白する形で清貴と交際を始めた。しかし、受験生である事からあまり遊びに行ったりはせず、いっしょに勉強をするといったまじめな付き合いを続ける。 だが、そうするうちに次第に清貴の気持ちがわからなくなり、不安を感じるようになった。そのため大学進学後すぐに別の男性と交際を始め、清貴と別れる。現在はその恋人と結婚が決まっているが、彼の浮気癖に手を焼いており、このまま結婚すべきかを悩んでいる。 そこで清貴の事が恋しくなり、再度「蔵」にやって来た。その際、まだ清貴を思っているという気持ちを伝えるため、和歌「かくとだに えやは息吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを」をモチーフに作った茶碗を清貴に預けて間接的に告白するが、意図を理解した清貴にふられてしまう。

克実 (かつみ)

京都府の高校に通う2年生の男子で、真城葵の元恋人。額が見えるほど短く切ったショートカットの髪型をしている。埼玉県で暮らす葵と長らく遠距離恋愛を続けていたが、高校2年生のある日、葵に別れを告げ、その後すぐに葵の友人である早苗と交際を始めた。この件に関しては葵に言い出せずにいたが、高校2年生の夏のある日、葵に謝罪したいと考え、早苗と共に埼玉県に住む友人達も招いて、いっしょに会う事にする。 しかし、この際自分の罪悪感を晴らしたいがための行為が却って葵を傷つけたうえ、葵にまだ未練があるのが早苗に見抜かれてしまった。

早苗 (さなえ)

京都府の高校に通う2年生の女子。真城葵の友人で、克実の現在の恋人。前髪を上げて額を全開にし、胸まで伸ばしたストレートヘアを、頭の高い位置でポニーテールにしている。高校2年生のある日、克実と葵が別れた直後に克実を交際を始める。この件に関しては葵に言い出せずにいたが、高校2年生の夏のある日、葵に謝罪したいと考え、克実と共に埼玉県に住む友人達も招いて、いっしょに会う事にする。 しかし、この際自分の罪悪感を晴らしたいがための行為が却って葵を傷つけたうえ、克実は葵にまだ未練がある事に気づき、深く傷つく。

クレジット

原作

望月 麻衣

キャラクター原案

ヤマウチ シズ

書誌情報

京都寺町三条のホームズ 12巻 双葉社〈アクションコミックス〉

第10巻

(2022-11-10発行、 978-4575857764)

第11巻

(2023-03-28発行、 978-4575858273)

第12巻

(2023-09-12発行、 978-4575858860)

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