テツぼん

テツぼん

道路族に属する衆議院議員の仙露鉄男が、秘密の素顔である鉄道オタクの知識を武器に全国の行政トラブルを解決する、一話完結型の政治漫画。誠実ながら鉄道を何より第一に考えて行動する鉄男が、政治家と地元民の間でこう着する都市開発や交通整備の問題にあらたな解決策を示し、政治家として次第に成長していくストーリーが描かれる。原作は高橋遠州、作画は永松潔。

正式名称
テツぼん
ふりがな
てつぼん
原作者
高橋 遠州
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊35巻
関連商品
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概要・あらすじ

コンビニのアルバイトをしていた28歳の青年、仙露鉄男は、自宅に鉄道ジオラマを作るほどの鉄道オタク。しかし、議員である父の急逝をきっかけに弔い合戦として選挙に担ぎ上げられ、そのまま憲政党の衆議院議員となってしまう。さらに父の支持団体の都合から道路族の派閥に属することになった彼は、鉄道オタクである素性を隠したまま、地方で巻き起こる道路と鉄道のトラブルに駆り出される。

二世議員と侮る官僚を尻目に、鉄男は妹を自称する美人秘書の児玉のぞみや、鉄男ボンと呼ぶ老齢の第一秘書の内山芳仲、ときにはライバル政党である民衆党の若手女性議員の広成真希と協力しながら、持ち前の誠実さと鉄道の知識で数々の難題に取り組んでいく。

登場人物・キャラクター

仙露 鉄男 (せんろ てつお)

内山芳仲からは「ボン」と呼ばれている。元はコンビニのアルバイトをしていたフリーターの青年だったが、急逝した代議士の父の弔い合戦として衆議院選挙に出馬。先代からの支持母体である地元轟市の企業、トドロキ自動車の支援を受け、28歳で憲政党の若手議員となる。自宅に巨大なジオラマを作るほどの鉄道オタクだが、支持母体の関係から道路関係の利権に強い道路族に属しており、普段はその事実を隠している。 しかし、鉄道絡みの政治活動ではついつい本音が出てしまうこともある。憲政党の指示のもと、全国各地で交通事業に関する政治活動を行っていくが、呑気な性格と真摯な態度で人々の心に触れ、持ち前の鉄道知識を駆使して問題を解決していく。 その行動は官僚たちの評価にも影響を与え、二世議員と侮られていた鉄男は、しだいに一目置かれるようになる。また、女性に好意を寄せられることが少なくないが、まったく気付かない朴念仁の一面を持っている。

児玉 のぞみ (こだま のぞみ)

仙露鉄男の私設秘書見習いで、明るい髪色のミディアムヘアが特徴の美女。鉄男の父と生前親交が深かった女性新聞記者児玉ひかりとの間に生まれた隠し子であると自称しており、鉄男には「お兄ちゃん」と呼びながら好意を示している。また、アメリカの大学では政治学を学んでおり、私設秘書として働く間に政策秘書資格を取得。 抜群の能力で鉄男をサポートする。

内山 芳仲 (うちやま よしなか)

仙露鉄男の第一秘書を務める小柄な老人男性で、赤い鼻がトレードマーク。急逝した鉄男の父の代から秘書を続けており、鉄男のことをボンと呼びながら、政治に疎い彼をサポートする。しかし、鉄男が鉄道オタクであることは知らず、全国各地で鉄道に固執する彼を訝しむ場面もある。

広成 真希 (ひろせ まき)

仙露鉄男が所属する憲政党の対立政党である民衆党の若手女性議員で、鉄男とは同い年。後ろで束ねた黒髪にスーツという出で立ちで、性格も生真面目。地方政治の場で事あるごとに鉄男と遭遇し、政党の違いからいつも対抗心を燃やして行動しているが、平和的に問題を解決していく彼の能力に感銘も受けている。

黒田 道久 (くろだ みちひさ)

憲政党政務調査会長を務める壮年の男性議員で、党内の最大派閥である黒田派の最大権力者。道路関係や自動車会社に強い利権を持つ道路族に属しており、利権や支持獲得を何よりも優先して活動している。そのため、新米議員の仙露鉄男には地方で発生した難題を押し付け、捨て駒のように扱うが、彼が功績を上げると考えを改めるようになる。

今井 君子 (いまい きみこ)

鉄道会社「首都急行電鉄」初となる女性運転士で、仙露鉄男が読んでいた朝刊にも取り上げられた人物。女性誌の対談企画にも呼ばれており、同席した広成真希とは意気投合している。君子の祖母は、君子が鉄道会社へ就職することに反対していたが、鉄男がその原因を突き止め、説得に成功している。その後も鉄男とは、鉄道に関わる問題に対し、現場から意見を発信するアドバイザーとして交流を持っている。

織 自成 (しょく じせい)

日本や東南アジアの政財界に太いパイプを持つ老人で、華僑の重鎮。永年にわたり華僑界と憲政党の橋渡しをしている。風水や気を尊ぶ人物で、経費で地方鉄道に乗れると上機嫌になっていた仙露鉄男から大きな気を感じ、彼の出張に同行する。そこで鉄男の心意気に感銘を受け、手助けをしたことを機に親交を深め、来日のたびに彼を呼び出している。

トシオ・マクレーン (としおまくれーん)

大きな国際取引では必ず暗躍するブローカーで、アメリカ軍人の父と日本人の母の間に生まれたハーフの壮年男性。憲政党に取り入るための準備段階として、仙露鉄男にハニートラップをしかけるが、鉄男の朴念仁が災いして失敗に終わっている。また、幼少時の経験から日本を目の敵にしており、某国の高速鉄道導入を巡る国家間の入札争いでも欧州に加担していた。 しかし、某国と繋がりの深い華僑の重鎮、織自成の仲介要請で鉄男と接触し、鉄男がトシオの幼少時に隠された真実を暴きだしたことで、日本に対する考えを改める。また、鉄男とも信頼関係を築き、以後は良き相談役となっている。

集団・組織

憲政党 (けんせいとう)

『テツぼん』に登場する政党。国会与党の第一政党として登場するが、後に対立政党である民衆党と政権交代し、野党となる期間も存在する。仙露鉄男とその父が衆議院議員として代々所属しているほか、政務調査会長には黒田道久が就任しており、黒田派と呼ばれる道路族の派閥を形成している。

その他キーワード

道路族 (どうろぞく)

『テツぼん』に登場する用語。特定省庁の政策知識や人脈形成に長けていたり、特定業界の利益保護に強い影響力を持つ族議員の1種で、自動車産業や道路関係の利権に強い議員を表す。物語では憲政党の黒田道久率いる黒田派が道路族の一大派閥として登場し、仙露鉄男も同派閥に属することになる。

クレジット

原作

書誌情報

テツぼん 35巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2010-02-27発行、 978-4091831101)

第2巻

(2011-02-26発行、 978-4091837394)

第3巻

(2012-01-30発行、 978-4091843296)

第4巻

(2012-07-30発行、 978-4091845795)

第5巻

(2012-12-27発行、 978-4091848451)

第6巻

(2013-07-12発行、 978-4091854308)

第7巻

(2013-08-08発行、 978-4091854766)

第8巻

(2013-11-29発行、 978-4091857385)

第9巻

(2014-03-28発行、 978-4091861399)

第10巻

(2014-06-30発行、 978-4091862860)

第11巻

(2014-11-28発行、 978-4091867193)

第12巻

(2015-04-30発行、 978-4091870988)

第13巻

(2015-08-28発行、 978-4091872883)

第14巻

(2015-10-30発行、 978-4091873958)

第15巻

(2016-02-29発行、 978-4091875877)

第16巻

(2016-06-30発行、 978-4091876997)

第17巻

(2016-10-28発行、 978-4091892843)

第18巻

(2017-03-30発行、 978-4091894786)

第19巻

(2017-07-28発行、 978-4091896650)

第20巻

(2017-11-30発行、 978-4091897534)

第21巻

(2018-04-27発行、 978-4098600069)

第22巻

(2018-10-30発行、 978-4098601745)

第23巻

(2018-11-30発行、 978-4098601783)

第24巻

(2019-06-28発行、 978-4098603480)

第25巻

(2019-11-29発行、 978-4098605132)

第26巻

(2020-04-27発行、 978-4098606597)

第27巻

(2020-09-30発行、 978-4098607402)

第28巻

(2021-02-26発行、 978-4098610099)

第29巻

(2021-07-30発行、 978-4098611027)

第30巻

(2021-12-28発行、 978-4098612321)

第31巻

(2022-05-30発行、 978-4098613540)

第32巻

(2022-11-30発行、 978-4098615308)

第33巻

(2023-04-28発行、 978-4098618095)

第34巻

(2023-10-30発行、 978-4098626403)

第35巻

(2024-03-29発行、 978-4098628438)

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