SIDOOH―士道―

SIDOOH―士道―

歴史のうねりの中で「武士」を目差す兄弟を通して、幕末の動乱を描く歴史活劇。実在の人物も多数登場する。雪村翔太郎の息子を主人公とする『士道 サンライズ』もあるが、物語は独立しているため関連性は薄い。

正式名称
SIDOOH―士道―
ふりがな
しどう
作者
ジャンル
バトル
 
幕末
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概要・あらすじ

時は幕末。コロリによって母を亡くし天涯孤独となった雪村翔太郎雪村源太郎兄弟は、朝倉清蔵によってカルト集団・白心郷に売られる。翔太郎は儀式の生贄にされるが生還、白心郷での生活と修業を許される。2年後、成長した二人は黒船撃沈の命を受けこれに成功するが、味方に裏切られ仲間を殺された事から離反。

白心郷の長、瑠儀への復讐を誓う。会津に渡りさらに成長した二人は、会津藩主・松平容保の家臣に従う。赴く先は、動乱の京都であった。

登場人物・キャラクター

雪村 翔太郎 (ゆきむら しょうたろう)

上総国生まれ。14歳の時、母をコロリで亡くし、弟の源太郎と共に強くなるべく江戸を目指すが、朝倉清蔵に騙され白心郷に売られる。本来ならば生け贄として殺されるはずであったが、その儀式「生き様」(いきためし)に勝利、瑠儀に認められ弟共々白心郷での生活と修業を許される。 「童連」(どうれん)として白心郷での修業を積み2年後、刺客集団白連隊として黒船を襲撃。黒船を沈没させることに成功するが、隊長・朝倉清蔵は瑠儀の裏切りによって処刑される。清蔵に代わって隊長を継いだ翔太郎は瑠儀を討つべく、仲間と共に江戸を経て会津へと渡り、以後、会津の地を故郷と呼ぶようになる。 会津藩主・松平容保の京都守護職就任に伴って京へ上る。剣の腕は新撰組副長・土方歳三と互角。

雪村 源太郎 (ゆきむらげんたろう)

雪村翔太郎の4歳下の弟で、翔太郎と行動を共にする。直情的で負けず嫌い。破天荒な言動によって問題を起こすことも多々あるが、人情に厚い面も持っている。江戸で行われた撃剣集会をめちゃくちゃにし、その際・試衛館の面々と出会う。剣は人物同様「型」にとらわれない自己流であるが、長州藩の桂小五郎に実質勝利する程の腕前である。 最後は土方歳三と共に函館まで戦い続けたが生き残り、妻や百舌の待つ会津に帰った。

百舌 (もず)

白連隊の構成員で紅一点の妖艶な美女。黒船襲撃の際に芸者に化けて潜入するが捕えられ、雪村翔太郎に救出される。それ以降、翔太郎に恋愛感情を持つようになる。占師、鍼灸師、軍鶏鍋屋など、様々な生業の傍ら情報収集を行うことで、翔太郎達を助けている。後に翔太郎と結婚、長男・谺(こだま)を産む。

鮫島 太助 (さめじま たすけ)

白連隊の構成員で主に情報収集に携わる。百舌と行動を共にすることが多い。第二次長州征討の際に捕えられ、雪村兄弟を救うために切腹して果てる。

朝倉 清蔵 (あさくら きよぞう)

白連隊結成時の隊長。天才的な腕前の剣の達人で、人を切ることに抵抗を持たない。白心郷の脱走者を追っていたときに出会った雪村翔太郎、雪村源太郎の兄弟を白心郷に売り渡したが、生け贄にされるべく飼われていた翔太郎に剣術の手ほどきをする。その後、雪村兄弟を含む白連隊の隊長に任じられ黒船を襲撃、これを撃沈することに成功する。 しかし、死にかけた仲間を救うため幕府に捕えられ、裏切った瑠儀によって打ち首にされる。白心郷に姉がいる。

佐川 官兵衛 (さがわ かんべえ)

会津藩の家老。藩校・日新館講釈所の指導者であり、剣の腕前は超一流。周囲の人望も厚い。勝海舟の紹介でやってきた雪村翔太郎に対面した際、剣士としての格の違いを見せつけた。しかし兄の敗北に納得できない雪村源太郎は、負けたら切腹するといい、挑戦し敗北。腹を切ろうとする源太郎の生命を預かり、面倒を見るようになる。 実は江戸で火消しを切ったことから謹慎中であり、会津から出られない身の上。京都守護職となった藩主・松平容保の上洛に同行し、脱藩した甥・元吉を探すという家老・早川の護衛を白連隊に託す。後に上洛し白連隊改め「別選白連隊」の隊長となる。

瑠儀 (るぎ)

上総の大領主。吉田松陰と共に佐久間象山の元で学ぶ。カルト的な教団、白心郷を引きいる野心家で多数の信者と私兵を持つ。人の肝を粉にして薬として売りさばくことにより莫大な富を得ている。ある時は攘夷に、またある時は幕府側に、と機を見て敏に立ち位置を変えるが、最終的には日本の皇帝となることを目的としている。

土方 歳三 (ひじかた としぞう)

後に新撰組副長。江戸において会津・盤明館による撃剣集会に参加しようとしたが、雪村源太郎が起こした混乱のために中断してしまう。壬生浪士組として京に上り、清川八郎と袂を分かった後、百舌の軍鶏鍋屋で料金を踏み倒そうとして、鮫島太助が覚えていたことから会津藩とのつながりを得る。 将軍・徳川家茂の護衛を勤めるべく嘆願し、腕試しとして雪村翔太郎と勝負するが、会津藩主・松平容保が現れたために中断。しかし、腕前を認められ、試衛館関係者とともに会津藩預かりの身となる。

勝 海舟 (かつ かいしゅう)

江戸幕府の幕臣。蕃所調所頭取。雪村源太郎の大暴れで会津・盤明館主催の撃剣集会がぶち壊しになった事件をきっかけに雪村兄弟と知り合い、会津藩・佐川官兵衛への紹介状を書いた。

高杉 晋作 (たかすぎ しんさく)

長州藩士にして革命家。上海に渡ったおり、米国の支配を目の当たりにし、以降、尊王攘夷を目指して活動している。白連隊初代隊長・朝倉清蔵に似た容貌をしており、雪村源太郎に勘違いされる。興が乗ると、三味線を弾きながら自作の「レボリューションの唄」を歌う。雪村翔太郎をかっているが、倒幕の先鋒である長州と佐幕の会津という立場から敵味方となる。

集団・組織

白連隊 (びゃくれんたい)

『SIDOOH/士道』に登場する架空の集団。元々は黒船襲撃を目的として、瑠儀によって作られた私兵集団であった。しかし瑠儀の裏切りにより初代隊長・朝倉清蔵が斬首されたことから、雪村翔太郎を二代目隊長として瑠儀への復讐を目的とする集団へと変化する。江戸を経て会津に至り、そこを故郷として暫く後、会津藩家老・早川の護衛として上洛する。 このとき雪村源太郎によって「会津白連隊」と改称される。その頃の京の街は治安が悪化しており、瑠儀の手の者による辻斬り騒ぎが起きた頃、「京都見廻組別隊会津白連隊」の名称を得、独自の行動を許されるようになる。さらに新撰組による池田屋襲撃の際の働きを評価され、「別選白連隊」として佐川官兵衛を隊長とし正式の部隊として認められる。

新選組 (しんせんぐみ)

『SIDOOH/士道』に登場する集団。清河八郎の献策により、上洛する将軍・徳川家茂の警護と、京の街の治安のために集められた浪士集団。京に着いたとたんに江戸へ帰還すると言い出した清河八郎に反発して、近藤勇以下の試衛館出身者8名、及び、芹沢鴨とその取り巻きが脱退し、会津藩の預かりとなる。 その後、京都守護職・松平容保より新撰組の名を与えられ、京の治安を維持することとなる。

白心郷 (びゃくしんきょう)

『SIDOOH/士道』に登場する架空の集団。瑠儀を祖とあおぐカルト宗教的集団。様々な儀式を執り行い、その際には、たやすく信者の生命を奪う。また、人の肝を粉末にして売りさばいている。しかし、宗教的側面とは別に、瑠儀の野望を果たすための武装集団としての顔も持っており、多数の私兵を擁している。

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