あさひなぐ

あさひなぐ

二ツ坂高校薙刀部に入部した女子高生・東島旭が一癖も二癖もある部員たちと共に成長していくさまを描いたスポーツ漫画。小学館『ビッグコミックスピリッツ』にて2011年8号より連載。『ダ・ヴィンチ』(2012年3月号)にて次にくるマンガランキング第10位。全国書店員が選んだおすすめコミック2012第9位。第60回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。2017年5月に舞台化。同年9月に実写映画が公開。

正式名称
あさひなぐ
ふりがな
あさひなぐ
作者
ジャンル
青春
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊34巻
関連商品
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概要・あらすじ

近まで女子高だった二ツ坂高校へ入学した15歳の東島旭は、先輩・宮路真春に憧れをいだき、強い女になるべく薙刀部に入部する。真春は通学中に痴漢にあっていた旭を助けてくれていた。旭は薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム!スポーツに縁のなかった人間でも全国にその名を轟かすことができる、という薙刀部のうたい文句に感動する。なわとびテストに合格し、薙刀部に代々伝わる防具を手に入れた旭は本格的な練習に打ち込んでいく。

しかし、中学まで美術部で運動音痴な自身を、同じ一年だが長身の紺野さくら、剣道経験者の八十村将子と比べ、落ち込んでしまう。そんな時、エース真春が旭に必殺技として抜き技を伝授し、3人いれば3通りの強さがあり、それが薙刀だ。必要なものは度胸だけと教えてくれる。稽古に励み、少しずつ成果が目に見えてきた二ツ坂高校薙刀部は、絶対的エース一堂寧々がいる強豪・國陵高校との練習試合や体育祭の部活対抗リレーに臨む。

夏合宿では、旭は背が小さくて力が無く弱い自分の実像と向かい合い、合宿所となった尼寺の副住職で、薙刀の教士の位を持つ寿慶に厳しくしごかれる。夏合宿の終わらない稽古に耐え旭は憧れの真春先輩に一歩でも近づくため、すべての力を振り絞って稽古に打ち込んで行く。

薙刀の審査会をへて、旭たち一年生にとって初めての公式戦・新人戦がやってくる。団体戦に出場することになった旭たちは一層稽古に励む。しかし団体戦を勝つための方便として引き分けを狙うと部長の野上えり

に指示される。その指示に真正面から反対する将子。彼女はは旭との激しい居残り稽古の中で、自分の抱えていた過去のトラウマに直面する。

秋の新人戦。二ツ坂高校は二年チームと一年チームで団体戦トーナメントに臨む。相手チームは男子や超体育会系チームなど強豪ぞろい。大激戦の中、勝つために引き分け狙いに徹した一年生チームは最後の大将戦で、旭に勝敗の行方が任される。二ツ坂高校は2チームともベスト4進出を果たすがエースの真春が大将を務める大本命二年チームが、まさかの敗北を喫する。真春チームの敗戦は深いダメージを二ツ坂薙刀部に与えていたが、いつまでも真春一人だけに頼ってはいられないことも皆わかっていた。そんな停滞状況を打開すべく、部長の野上が生み出した新・練習方法は防具をつけないままの稽古だった。

経歴不詳の新監督・福留やす子の元で二ツ坂薙刀部はインターハイ出場を目指す。無数のピンポン球を利用した地稽古を命じたかと思うと、新監督は、部員たちに来週までに一人ずつ男をオトしてきなさい、と指示。新監督の本意がわからず戸惑う旭たちだったが、ひたすら強くなりたいという思いでチャレンジしていく。

新しい年を迎え、國陵高校を始め、強豪が集う恐怖の和歌山合宿が始まる。夏に勝つのは、冬に地獄を見た人間だけ!を合言葉に和歌山合宿での超ハード稽古に耐え抜く二ツ坂高校の面々。和歌山合宿が大詰めを迎える中、ついに新監督・やす子の経歴が明らかになる。やす子は元大学日本一のエリートだった。合宿の成果を問われる交流戦の相手はインターハイ毎年優勝の強豪・熊本東高校。二ツ坂薙刀部、そして旭の合宿での成果の真価が問われる一戦が始まる。熱戦が続き、旭は強豪・愛山高校との代表選に臨んでいく。自分が負ければ、チームが負けるという崖っぷちで旭は今までの鍛錬の成果を力の限り発揮していく。

舞台

2017年、5~6月にかけて舞台化。全国3会場で全27公演上演された。主演は齋藤飛鳥(乃木坂46)。

実写映画

2017年、実写映画化。9月22日より公開。監督・脚本は英勉。主人公の東島旭を西野七瀬(乃木坂46)が演じる。

登場人物・キャラクター

東島 旭 (とうじま あさひ)

二ツ坂高校の新入生。小柄で非力な上に運動音痴な少女。今までの自分から変わるために運動部への所属を希望しており、部活を見て回っている最中に薙刀部に半強制的に加入させられる。その後のオリエンテーションで薙刀や先輩の宮路真春のかっこよさに憧れを抱き、運動神経が無く、周囲から辞めるように言われるが持ち前の度胸と根性で稽古に励んでいく。 入部当初は同期と比べて長所が無く、短所が目立つものの、自分の身長の低さを逆手にとった戦い方と基礎練習で培った体力を武器に戦っていく。調子に乗りやすいことがたまに傷。

宮路 真春 (みやじ まはる)

二ツ坂高校・薙刀部のエース。幼いころから薙刀を始めており、その実力は他校にも知れ渡っているほど。筆記試験が苦手で段位は高くは無い。さばさばとした性格の美人であり、東島旭の目標でもある。口が悪く、手をすぐに出してしまうが、相手のことを思いやる気持ちも強い。しかし、部内の期待を一身に背負っているため、負けてはならないという気負いが強すぎることが弱点。 後輩たちのことは全員名前で呼んでいる。

宮路 夏之 (みやじ なつゆき)

宮路真春の弟であり、東島旭と同学年の男子生徒。過去に真春と共に薙刀をやっていたが、才能で勝る姉に比較されるのが嫌で現在では止めており、高校ではテニス部に所属している。そのため、才能が無いと言われつつも努力を重ねる旭のことが気になっている。

紺野 さくら (こんの さくら)

二ツ坂高校薙刀部に所属する東島旭の同期。中学ではバレー部に所属しており、運動神経も良く、また身長も高い。裕福な家庭で育ったためかおっとりとして天然なところがあるが、時に腹黒い一面も見せる。薙刀に関しては長いリーチが最大の武器であり、負ける時はとことん弱い反面、勢い付いた時は格上の相手からも一本を取るほどの力を発揮する。

八十村 将子 (やそむら しょうこ)

二ツ坂高校薙刀部に所属する東島旭の同期。口調が荒く、粗暴な性格。中学時代は剣道部に所属しており、大会でも優勝するほど腕が立つ実力者。しかし、団体戦より個人戦を優先させたことが罪悪感として残っており、そのため高校では剣道部ではなく薙刀部に所属している。また、そんな経歴のため自己を頼む気持ちが強く、団体戦で勝つために己を犠牲にする部長の野上えりに意見することもある。 武道経験者ということもあり、次期エースと目されているが、考え方や構えなどが剣道から抜け切れていないところが弱点。

野上 えり (のがみ えり)

二ツ坂高校薙刀部に所属する東島旭のひとつ上の先輩。三年生が引退した後部長に就任する。可愛らしい容姿をしているが根は熱く、また薙刀に深く入れ込んでいる。実力はさほど高くないものの、チームの勝利のために作戦をたてる戦略家であり、時には自分の気持ちを押し殺した方法を取ることもある。 部員たちを心から心配しており、彼女らのために常日頃から考え事をしているものの、趣味は後輩いじめ。

大倉 文乃 (おおくら ふみの)

『あさひなぐ』の二ツ坂高校薙刀部に所属する東島旭のひとつ上の先輩。大柄で肥満体型だが、見た目からは想像もつかない機敏さが売り。しかし、試合前に食べ過ぎで動けなくなったことがある。トラブルメーカー。試合において調子は常に安定しており、勝てる試合は確実にものにする。後輩の八十村将子とは常日頃から罵りあう仲だが、いざという時には労りの言葉やアドバイスをさずける心の広い人物でもある。

一堂 寧々 (いちどう ねね)

二ツ坂高校のライバル校・国陵高校薙刀部に所属する、東島旭と同学年の女子生徒。熊本出身であり、言葉には熊本訛りがある。二ツ坂高校のエース・宮路真春と同等以上の腕を持つ実力者であり、一年生ながら国陵高校を全国大会に導く。しかし、慣れ合いを極端に嫌っており、部内では孤立した存在。 地元・熊本東高校のエース・戸井田奈歩とは前から仲が良く、彼女に強い憧れを抱いている。

福留 やす子 (ふくどめ やすこ)

新人戦後、二ツ坂高校薙刀部の監督を務める女性。男の前では天然で可愛らしく装っているが、実際は肉食系女子であり、本性は口が悪く乱暴な性格。かつては現教士である寿慶からも一目を置かれるほどの薙刀の実力者だった。男からモテるために薙刀から離れていた。寿慶の交渉により二ツ坂高校薙刀部の監督に就任する。 現役時は「茨城の汚れくノ一」という二つ名を付けられるほどの手段を選ばない戦術性の高さと天才的な感性を武器としており、二ツ坂高校薙刀部の面々にも常識に囚われない稽古をつける。

寿慶 (じゅけい)

東島旭が所属する二ツ坂高校が夏合宿で訪れた尼寺の副住職。薙刀界で最高位に次ぐ段位である教士の位を持っている。自他共に厳しく、二ツ坂高校薙刀部に非常に過酷な稽古を付けた。しかし、誰一人として逃げ出さずに乗り越えた彼女らのことは認めており、その後も何かと気にかけている。

書誌情報

あさひなぐ 34巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2011-04-28発行、 978-4091837981)

第2巻

(2011-07-29発行、 978-4091838995)

第3巻

(2011-10-28発行、 978-4091841193)

第4巻

(2012-02-29発行、 978-4091842602)

第5巻

(2012-05-30発行、 978-4091845108)

第6巻

(2012-08-30発行、 978-4091846495)

第7巻

(2012-11-30発行、 978-4091847669)

第8巻

(2013-03-29発行、 978-4091850256)

第9巻

(2013-07-30発行、 978-4091853448)

第10巻

(2013-11-29発行、 978-4091856623)

第11巻

(2014-03-28発行、 978-4091860262)

第12巻

(2014-07-30発行、 978-4091863058)

第13巻

(2014-10-30発行、 978-4091865090)

第14巻

(2015-02-27発行、 978-4091867803)

第15巻

(2015-05-29発行、 978-4091870193)

第16巻

(2015-08-28発行、 978-4091871701)

第17巻

(2015-11-30発行、 978-4091873309)

第18巻

(2016-02-29発行、 978-4091874689)

第19巻

(2016-05-30発行、 978-4091876157)

第20巻

(2016-08-30発行、 978-4091877697)

第21巻

(2016-11-30発行、 978-4091892300)

第22巻

(2017-02-28発行、 978-4091893697)

第23巻

(2017-05-31発行、 978-4091895080)

第24巻

(2017-09-12発行、 978-4091896353)

第25巻

(2018-01-30発行、 978-4091897848)

第26巻

(2018-04-27発行、 978-4091898616)

第27巻

(2018-07-30発行、 978-4098600465)

第28巻

(2018-11-30発行、 978-4098601363)

第29巻

(2019-02-28発行、 978-4098602223)

第30巻

(2019-05-30発行、 978-4098602858)

第31巻

(2019-09-30発行、 978-4098604074)

第32巻

(2020-01-30発行、 978-4098605279)

第33巻

(2020-05-29発行、 978-4098606191)

第34巻

(2020-09-30発行、 978-4098607105)

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