阿房列車

阿房列車

内田百閒の「乗り鉄」紀行文を漫画化した作品。

正式名称
阿房列車
ふりがな
あほうれっしゃ
作者
ジャンル
旅行
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概要・あらすじ

一條裕子が内田百閒の「乗り鉄」紀行文を漫画化した作品。用事のない鉄道旅行に出かける内田百閒のうんちくがつづられており、昭和初期の列車文化をはじめ街の様子などが詳細に描かれている。鉄道関連監修は、梅原淳。

登場人物・キャラクター

内田 百閒 (うちだ ひゃっけん)

小説家。「用事がなく列車に乗る」ことに価値があると、旅程を「阿房列車」(あほれっしゃ)と名付け旅に出る。時刻表で綿密に計画を練るが、あらかじめ切符を購入すると時間に縛られるため基本的に当日購入する、借金をしてでも往路は一等車に乗るなどのこだわりを持つ。津軽海峡に水雷が浮いているかもしれぬという心配から北海道には行きたくないと考えている。 動悸持ちの結滞屋(脈拍が不規則になること)。

ヒマラヤ山系 (ひまらやさんけい)

国有鉄道の職員で、先生の旅のお供。先生曰く、顔つきはあいまいだが言うことははっきりしている。職員用の三等乗車証を持っており、先生のお供をする時は三等に乗車することが前提。行き先々で雨に降られ、先生に「稀代の雨男」となじられる。内田百閒の弟子・平山三郎(ひらやまさぶろう)がモデル。

椰子君 (やしくん)

編集者。大阪往復をつづった「特別阿房列車」で先生を見送りにきた。一等車乗車記念の撮影をしたかったがフィルムが売ってなかったとか、展望車内で大声で話すなどデリカシーに欠け、先生に煙たがられている存在。

夢袋さん (むたいさん)

国有鉄道の職員。椰子君同様、出発駅に先生を見送りにくる人物。旅行中には自分の正体を隠し、空威張りで過ごしたい先生は、見送りを遠慮してもらうように伝えるが、以来、見送りには来なくなったものの、乗車時に差し入れと手紙が届き、結局ボイに正体がばれ、先生と呼ばれてしまい閉口する。

ボイ

国有鉄道の一等車など、車両専属で勤務している係員のこと。先生は「ボイ」と呼ぶ。

その他キーワード

一等車 (いっとうしゃ)

先生が乗車する列車のクラス。五十歳を過ぎたら一等車に乗るべきと先生は断言している。目的のない旅を満喫するため往路は一等車、復路は帰京という目的があるので、三等車に乗るのもいとわない。一等車のある編成には食堂車が連結されており、水菓子(果物)を売りにくる。 二等車は中途半端で乗っている人の顔つきが嫌いという理由から積極的には乗らないが、一等車に空席がないときは仕方なく乗ることもある。

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