冬物語

冬物語

受けた大学をすべて落ち、浪人生となった森川光は、予備校の受付で一人の女の子に一目惚れし、その際に間違えて東大受験コースに申し込んでしまう。彼女が東大を目指していることを知った森川光は、自分も東大を目指す決意をする。第33回小学館漫画賞受賞。

正式名称
冬物語
ふりがな
ふゆものがたり
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概要・あらすじ

あまり合格難易度の高くない八千代商科大にまで落ち、彼女にも振られてしまった森川光は、仕方なく行った予備校の受付で雨宮しおりに一目惚れ。彼女が選んだのが東大受験コースと知らないまま、自分も同じコースに申し込んでしまう。一度は東大を目指す森川光だったが、雨宮しおりの恋人が東大にいると知り、彼女と東大受験、どちらもあきらめてしまう。

東大受験コースから私大文系コースに移った森川光は、そこで2浪中の浪人生、倉橋奈緒子と出会う。明るく積極的な倉橋奈緒子に惹かれ、やがて彼女と付き合うようになるが、雨宮しおりに対する想いが消えることはなかった。森川光は、雨宮しおりが東大受験をあきらめ、東京を去ると、もう一度彼女に会うために雨宮しおりの故郷・北海道へと向かう。

登場人物・キャラクター

森川 光 (もりかわ ひかる)

大学受験ですべりどめだった八千代商科大にも落ち、浪人生活に突入。予備校の受付で出会った雨宮しおりに一目惚れし、その際に間違えて彼女と同じ東大受験コースに申し込んでしまう。一度は雨宮しおりと一緒に東大を目指す決意をするが、ある日、彼女から恋人が東大にいることを聞かされる。 失恋した森川光は、東大受験コースをやめ、私大文系コースへ。そこで2浪中の浪人生、倉橋奈緒子と出会う。明るく積極的な彼女に惹かれ、やがてつきあい始めるが、雨宮しおりのことを忘れられず、二人の間でふらふらと揺れ動く。一度は八千代商科大に合格し大学生となったものの、日東駒専の4大学をどうしてもあきらめられず、休学して再び受験に挑む。

雨宮 しおり (あまみや しおり)

森川光と同じ予備校に通う浪人生。森川光の一目惚れの相手で、彼が東大受験コースを受けるきっかけを作った。学力優秀で、全国模試で1位を取るほどの才女。高校の先輩で恋人でもある田代圭一が東大に在学中で、彼と同じ大学に通いたい一心で東大合格を目指す。田代圭一に別れを切り出され、一度は故郷の北海道へ帰るが、彼との関係修復を機に、再び東大受験に挑戦する。

倉橋 奈緒子 (くらはし なおこ)

森川光と同じ予備校に通う2浪中の浪人生。講義で隣に座ったのがきっかけで森川光と知り合い、やがて付き合うようになる。うじうじしたことが嫌いな性格で、優柔不断な森川光の背中を押すことも多い。父親が医者で、兄姉も医学部に現役合格している。彼女自身も慶応の医学部合格を期待されるが、本人はそのことに疑問を抱いていた。 慶応医学部に合格を果たすも進学はせず、自分の道を探すため、働き始める。

高山 淳 (たかやま あつし)

森川光の恋人倉橋奈緒子が働いていた編集プロダクションに、バイトとして出入りしていた高校生。倉橋奈緒子に惚れ、「受験に合格したら付き合って欲しい」と告白する。最初は相手にされていなかったが、あきらめずにアタックを続け、倉橋奈緒子が森川光と別れた後、晴れて付き合うようになる。

田代 圭一 (たしろ けいいち)

森川光が一目惚れした雨宮しおりの恋人で、東大に通う大学生。雨宮しおりと同じ高校で、在学中は彼女の1年先輩だった。自分を追って上京し、東大合格を目指す雨宮しおりの一途さに思い悩み、別れを切り出す。

桂 大介 (かつら だいすけ)

森川光の高校時代の同級生。卒業後はラーメン屋でバイトをしながら、劇団で役者をしている。優柔不断な森川光の相談に乗り、いろいろとアドバイスをする。浪人中の森川光にとっては、本音で話せる数少ない友人の一人。

オヤジ

森川光と同じ予備校に通う浪人生。日芸合格を目指しているが、受験勉強にはあまり身が入っていない。映画が好きで、授業をさぼっては映画館に入り浸っている。

本田 由紀 (ほんだ ゆき)

森川光の恋人、倉橋奈緒子の友人。大学受験をやめた倉橋奈緒子が新生活を始めた際、ルームメイトとして一緒に暮らすようになった。大学生で、森川光が一浪の末に合格した八千代商科大に通っている。

佐々木 良子 (ささき りょうこ)

森川光が通う予備校に通う高校生。現役合格を目指している。勉強はできるがドジなところがあり、模試の会場で困っていたところを森川光に助けられ、以来、彼と親しくするようになる。

平井 和美 (ひらい かずみ)

森川光が高校時代に付き合っていた彼女。森川光が大学受験に失敗したのを機に自然消滅し、別れることとなった。

森川 輝 (もりかわ あきら)

森川光の弟。性格は兄と対照的で、とにかく楽天家。勉強は大の苦手だが、大学受験に関してもとくに心配はしていない。兄思いのところもあり、森川光が受かった八千代商科大を休学して再度受験に挑戦したいと言い出したときは、「自分は大学に行かなくていい」と言って兄を後押しした。

里美 (さとみ)

森川光の恋人、倉橋奈緒子の友人。スタイリストで、大学受験をやめた倉橋奈緒子にスタイリストのアシスタントの仕事を紹介した。

集団・組織

八千代商科大 (やちよしょうかだい)

『冬物語』に登場する大学。森川光がすべりどめとして受けたが不合格。のちに1浪の末に合格した。偏差値は低い。

山の手ゼミナール (やまのてぜみなーる)

『冬物語』に登場する予備校。浪人生となった森川光が通うことになる。通常コースのほかに東大合格を目指す特別コースも用意されている。

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