出遅れテイマーのその日暮らし

出遅れテイマーのその日暮らし

棚架ユウ原作の小説『出遅れテイマーのその日暮らし』のコミカライズ作品。ユートはオンラインゲーム「LJO」で最強の魔物使いを目指すものの、そんな彼の仲間になったのはかわいいモンスターばかりだった。かわいいモンスターたちと、マイペースにスローライフを楽しむ姿を描く、魔物使いによる生産職冒険譚。「ComicWalker」で2018年11月27日から配信の作品。

正式名称
出遅れテイマーのその日暮らし
ふりがな
でおくれていまーのそのひぐらし
原作者
棚架 ユウ
作者
ジャンル
ファンタジー
 
日常
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
既刊10巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

出遅れからの新たな出発

サラリーマンの「佐々木優太」はゲーマーで、待望のVR対応型のオンラインゲーム「LJO」の正式サービス開始日を迎えていた。優太は有休と夏休みを使い果たして、サービス開始と同時にゲームを遊び尽くそうとする。優太はゲームを遊ぶためのアバター「ユート」を作成し、最強の魔物使いになるべく「テイマー」の職業に就く。アバター作成時にもらえる使役モンスターにボーナスポイントをつぎ込み、ユートはノームのユニークモンスター・オルトを手に入れる。オルトはサービス開始の現時点では非常に珍しい美少年の姿をしたモンスターで、さらに希少なスキルをいくつも持っていた。しかしユートは、意気揚々とオルトを引き連れて戦闘に向かうものの、結果は惨敗。ユートがおかしいと思って調べてみると、ノームは完全生産特化型のモンスターで、オルトには戦闘能力がまったくないのが判明する。一転して意気消沈するユートであったが、オルトのかわいらしさに愛着が沸き、オルトの力を生かすべく農業を始める。畑を借りるため、装備まで売り払って全財産を失ったユータは、ほとんど戦闘能力がなくなり、再び戦闘で惨敗を喫する。仕方なく町中の雑用をしながら畑仕事をしていたユートであったが、そこで運営からアナウンスが発せられる。運営は積極的な行動をしたプレイヤーを三人選び、それぞれ称号を与えていく。そしてユートは「初日に最も死んだプレイヤー」として「白銀の先駆者」の称号を与えられるのだった。ほかと違い、弱さを象徴する称号に嫌気が差すユートであったが、その情報をアリッサに売ることで急場をしのぐことに成功する。また、アリッサはユートの情報を無断で吹聴する迷惑プレイヤーのことも教え、ユートのトラブルを解決する。トラブルに巻き込まれたもののユートはほかのプレイヤーと交流を持つ機会を得て、少しずつ交友の輪を広げていく。

水臨大樹の精霊

ユートは迷惑プレイヤーの一件で、ゲーム運営からお詫びの品をもらう。お詫びの品の中にキノコを見つけたユートは、その栽培のために原木を買おうとする。しかし、原木の販売にはギルドの貢献度を上げなければならず、ユートはそのためにゴミ拾いのクエストを行う。ゴミ拾いは拘束時間が長い割に報酬が微妙でプレイヤーからは不人気だったが、ユートはマイペースにクエストを進めていく。そして町中を探索しながらもゴミ拾いを楽しんでいたユートは、その中で隠された奇妙な扉を発見するが、鍵が閉まっていたため、それ以上の調査は断念。ゴミ拾いに戻り、3日にわたるゴミ拾いを続けたユートは、その中で新たな称号「不殺(ころさず)」を手にする。そしてユートは苦労の果てにゴミ拾いを完遂し、そこでユートはギルド職員のバーバラから不思議な鍵をもらうのだった。鍵があの奇妙な扉のものだと察したユートは、鍵を使って扉を開け、地下へと続く道の先で「精霊の祭壇」を発見する。祭壇がプレイヤーに発見されるのは初で、その瞬間はアナウンスが流れ、ユートは新たな称号「大樹の精霊の加護」を手にし、大樹の精霊から「水臨大樹の果実」をもらう。珍しいアイテムを手に入れて喜ぶユートだったが、オルトがその果実を欲しがったため、根負けしたユートはオルトに果実を渡す。オルトは果実をスキルで株分けして畑に植え、新たな水臨樹を育て始めるのだった。しかし、新たな水臨樹は芽を出したものの、すぐに病気になってしまう。ユートは町を奔走して「希望の杯」に蓄えられた「命の水」を使えば苗木の病気を治せると知り、紆余曲折の末、命の水を手に入れて苗木の病気を治すことに成功する。

雑草を馬鹿にするな!

水臨樹の苗木の病気を治した次の日、ユートが目にしたのは立派に成長した水臨樹の姿だった。大きく育った水臨樹には「樹精」であるサクラが宿っており、サクラはユートに手懐けられる(テイムされる)ことで新たな従魔となる。これによって戦力が補われ、ユートはついに戦闘し始める。順調に戦闘を重ね、新たな従魔、リックを仲間にしたことで、ユートはまたしても新たな称号を手にする。新たな仲間と新たな力を手に入れたユートは、着実に基盤を固めていき、オンラインゲーム「LJO」のプレイを満喫する。そんな中、ユートは農業を進めていくうちに「植物知識」と呼ばれるスキルを見つける。そのスキルを取得したユートは、今までただの雑草と思っていたものが、ハーブや花だと知り、世界が一気に広がる。また、植物知識のおかげで今まで入れなかった町の花屋にも入ることができ、そこで「チェーンクエスト」を発見する。ユートはチェーンクエストを進めつつ、卵を孵化させて新たな従魔・クママを仲間とする。クママが養蜂を得意とすることを知り、養蜂箱を調べていたユートは、そんな中、錬金術師のソーヤと知り合う。そしてユートは何げなくソーヤに養蜂箱のことを相談したところ、彼に木工系職人のトッププレイヤー、アシハナを紹介してもらう。意気投合した三人は養蜂箱の材料を得るため、三人で雑木林に向かうが、そこでユートたちは「植物知識」の真の価値に気づく。植物知識は木工職人にとってまさに必須ともいえるスキルで、アシハナはユートにお願いして、スキルを教えてもらい、無事に取得することに成功する。しかし三人は、スキルの検証のために木を伐り過ぎたため、フィールドボスの「ゾウキミミズ」を呼び起こしてしまう。三人は苦戦しつつもなんとかゾウキミミズを倒し、町に帰還するのだった。

白銀さんの畑ですよ

町に帰還したユートは、ソーヤアシハナの協力でチェーンクエストを進め、「桜の苗木」を手にする。チェーンクエストが一段落ついたユートは、アリッサに精霊の祭壇のことを教え、検証に協力したり、キノコを育てるために原木を手に入れたりと、相も変わらずオンラインゲーム「LJO」での日々をマイペースに楽しんでいた。そんなある日、ユートはギルドの貢献度が上がり、「無人販売所」を出せるようになる。ユートはオルトが育てたハーブをハーブティーにして無人販売所に並べる。そんな中、ユートの無人販売所の話を聞きつけたアシハナが様子見にやって来るが、そのあまりの適当さに目まいがし、アシハナは感情のまま無人販売所をリテイクする。そのかいもあり、無人販売所は大繁盛し、ユートは料理人やファーマーといった生産者から注目され始める。一方でハーブティーの評判を聞きつけ、強引なプレイヤーも呼び寄せてしまう。ユートは迷惑プレイヤーに絡まれるものの、ご近所ファーマーのタゴサックに助けてもらい、事なきを得る。そしてユートはその出来事をきっかけにして、タゴサックたちファーマーとも交流を持ち始めるのだった。

色々なプレイヤーがいます

ユートは新たなモンスターの卵を手に入れるが、同時に高性能な孵卵器が存在するのを知る。しかし、高性能な孵卵器を手に入れるためには、ギルドの貢献度を稼がなければならなかった。貢献度を稼ぐためにも、戦闘を重ねる必要があったため、ユートは従魔を引き連れて北の平原に向かう。雑魚を倒して着実に経験を積み重ねるユートであったが、運悪くフィールドボス「サヴェージドッグ」と遭遇。ユートたちは全滅間際まで追い詰められるものの土壇場で逆転し、辛うじてサヴェージドッグを打ち倒す。満身創痍のユートたちは近場の安全地帯を目指すが、そこで運営から新たなアナウンスが響き渡り、新モンスターが徘徊するようになる。ユートたちは新モンスターに遭遇して全滅しかけるが、そこにプレイヤーのアカリが乱入し、ユートたちを助ける。アカリはサヴェージドッグを倒すためにたまたま近くを徘徊しており、困っていたユートたちを見かねて力を貸したのだった。また、ユートもアカリがサヴェージドッグの素材を求めているのを知り、安全地帯までの護衛のお礼として素材を売る約束を交わす。ユートはアカリと行動を共にしたことで、彼女が初日に称号をもらった自分以外の二人の一人「紅玉の探索者」であることを知る。称号持ち同士で話が盛り上がり、さらにアカリはアシハナタゴサックとも友人であったため、ユートはアカリとも交友を育んでいく。そして交流の輪が広がっていく中、運営からイベントが始まるというアナウンスがなされる。

イベント開始!

オンラインゲーム「LJO」で始まったイベントはアルフ村という専用の村を舞台とした、村落救済イベントだった。人手不足の村のお手伝いという内容だったため、ユートは生産職が有利なイベントと思い、いつもどおりマイペースに過ごしながら、村中で新たな発見に一喜一憂する。そんな中、NPCとも交友を広げていったユートは、同じイベント参加者のマルカから大きな熊に襲われた話を聞く。強力なモンスターである熊を倒すため、マルカの提案でほかのイベント参加者の協力を募る。ユートの従魔たちの人気の高さが思わぬ功を奏し、ほかのプレイヤーはあっさり協力を約束し、彼らの力を借りてイベントを徐々に攻略していく。そしてユートたちはこのイベントの正体が、襲い掛かる悪魔から村を守るイベントで、村に襲い掛かる巨大熊は悪魔にあやつられた村の守護獣であることを知る。ユートが村人NPCと交友を広げていたことが攻略の鍵となり、悪魔を封じる「神聖樹」の所在を知ったユートは、神聖樹を蝕む悪魔を倒し、守護獣を悪魔から解放する。そしてイベントは終盤を迎えるが、そこで黒幕である大悪魔「グラシャラボラス」が降臨。イベント参加者と大悪魔による総力戦となる。しかし戦闘職は場を離れており、ユートたち生産職は時間稼ぎのために決死の防衛線を張る。復活させた守護獣たちの力と、村人NPCたちの協力もあり、辛うじて時間稼ぎに成功し、悪魔は無事に討伐されるのだった。

関連作品

小説

本作『出遅れテイマーのその日暮らし』は棚架ユウの小説『出遅れテイマーのその日暮らし』を原作としている。原作小説版は棚架ユウが「小説家になろう」に投稿した作品で、マイクロマガジン社「GCノベルズ」より刊行されている。イラストはNardackが担当している。

登場人物・キャラクター

ユート

オンラインゲーム「LJO」の男性プレイヤー。プレイヤー名は「ユート」で、銀髪の少年の姿をしている。種族は「ハーフリング」。現実では「佐々木優太」という名の男性で、サラリーマンとして働いている。ゲーマーで、LJOを遊ぶために会社の夏休みと有休をフル活用し、25日間にわたる休みを利用してLJOをプレイし始める。ゲーム開始時のボーナスポイントを課金によって最大で取得したり、ゲーム用のVR機器として最新式のベッド型VR機器を買ったりと、金に糸目をつけずゲーム環境を整えている。最強の「テイマー」を目指してゲームを開始するものの、最初の従魔が戦闘能力皆無なオルトであったため、初日の最高死亡回数を記録し、運営から「白金の先駆者」の称号を与えられて悪目立ちしてしまう。その一件で騒動に巻き込まれたものの、それで腐らずにオルトの特性を生かして農業を開始する。また戦闘能力が低いため、街中での活動をメインにしていたところ、さまざまな新発見をもたらし、有名プレイヤーの一人に数えられていく。称号の最多保持者となってからは、ユートの後追いプレイをする者も増えている。プレイヤー間での通称は「白銀さん」で、当初は悪目立ちした経緯からこの名を嫌がっていたが、周囲から好意的にとらえられているのを知り、次第に受け入れていく。従魔がなぜかかわいい系に偏っているため、知名度は高いが本人よりも従魔のファンが多い。

オルト

ユートの従魔。土属性の精霊である「ノーム」と呼ばれる種族で、緑色の髪をした少年の姿をしている。会話はできないが「ムー」と鳴いて感情を表現する。鍬を武器とするが、攻撃能力はほとんどなく、攻撃をしても相手に当てることができない。また、魔術を覚えるがこちらも攻撃力は皆無。完全な生産特化型のモンスターで、農業関係には強い適性を持つ。ユートがアバター作成時にボーナスポイントを注ぎ込んで強化したため、農業に関しては中堅のファーマーに匹敵するポテンシャルがあり、通常は覚えるのが大変な「育樹」のスキルを最初から持ち、野菜だけではなく樹木を育てることもできる。非常に珍しい「栽培促成」のエクストラスキルを持ち、作物を異常な速度で育てられる。そのためユートはオルトのために畑を借り、農業生活をし始める。オルトの畑はオルトのスキルの高さと、ユートの斜め上のプレイのおかげで一足飛びに発展しており、本職のファーマーも注目する畑となっている。また、オルトの愛らしい姿が一部のプレイヤーに受け、ノームブームの火付け役となる。ノームはオンラインゲーム「LJO」のβ時代は第3エリアに登場していたが、正式実装に伴って変更されているため、多くのプレイヤーがノーム探索をしている。

サクラ

ユートの従魔。樹に宿る精霊である「樹精」と呼ばれる種族で、桜色の髪をした少女の姿をしている。人間に近い姿をしているがモンスターで、会話をすることはできないが感情豊かで、表情をコロコロ変えて意思疎通する。ユートが水臨大樹の精霊からもらった「水臨大樹の果実」を株分けし、それによって新たな水臨樹と共に生まれる。畑に植えられた水臨樹に宿るユニークモンスターで、大樹の精霊からは「我が子」として扱われている。本体である樹からは離れることはでき、ユートの従魔として行動を共にする。ステータスはバランスよく高く、鞭を武器としてパーティの前衛を務める。樹魔法と呼ばれる魔法も得意とし、樹木をあやつって敵を拘束することも可能。また生産系のスキルも持っており、木工で日用品を作れる。現在のテイムモンスターの中では非常に珍しい美少女タイプであるため、オルトとはまた違った層に大人気。ほかの樹木の樹精も存在するとされるため、ノームと同じく樹精を求めるプレイヤーが探索隊を結成している。

リック

ユートの従魔。「灰色リス」と呼ばれるリス型の種族のユニークモンスターで、額と背中にひし形の模様がある。「キュー」と鳴いて感情を表現する。やんちゃな性格で、素早い身のこなしで敵を翻弄したり、木の実を投げて敵を攻撃したりする。あまり装備を身につけることができないが、ルインがそんなリックを見かねて「真紅のバンダナ」を首に巻き、スカーフのようにして装備させている。好物はどんぐりやくるみといったナッツ系で、採集スキルでそれらを採集してくる。よくも悪くも素直な性格で、気に入らないことには露骨に嫌な顔をする。また食べたあとはだらしなく寝るため、その姿が「おっさんリス」として人気を集めている。

クママ

ユートの従魔。「ハニーベア」と呼ばれる熊型の種族で、黄色の毛並みに三頭身の体型をしている。愛らしいぬいぐるみのような姿で、「クマー」と鳴いて感情を表現する。「養蜂」スキルを持っており、アシハナに養蜂箱を作ってもらって以降は畑で養蜂をしている。体は大きいがおとなしい性格で、愛らしい見た目をしているために女性人気が高く、ファンも多い。

アリッサ

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。茶髪をショートカットに整えた少女の姿をしている。種族は「猫獣人」で、体に猫の特徴を持ち、猫耳と尻尾が生えている。職業は商売系の能力に長けた「マーチャント」で、情報系クランの早耳猫に所属する。露店「アリッサの万屋」を開き、道具と情報の売り買いをしている。クランのサブマスターだが、マスターよりも表に出てクラン運営をしているため、実質的にクランのまとめ役となっている。好奇心旺盛で人当たりがいいが、頭の回転は早く、かなりの事情通。また誠実な人柄をしており、いくら高く売れるからと情報を悪用したり、個人情報を売ったりはしない。ユートが初めて交友を持ったプレイヤーで、以降、彼がもたらす情報を買ったり、ユートが困ったときには手助けしたりしている。ユートが悪質プレイヤーに絡まれた際には、無料で悪質プレイヤーの情報を教えて彼を助けた。

ルイン

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。いかつい中年男性の姿をしている。種族は「ドワーフ」で、ヒゲを蓄えて筋肉隆々とした小柄な体型をしている。職業は「鍛冶師」で、情報系クランの早耳猫に所属する。早耳猫の中では生産職として活動しており、ルイン自身の手で作り出した武器や防具を売る露店「ルインの武具店」を開き、商売をしている。ユートはアリッサに紹介され、ルインの武具店の常連となる。厳つい見た目に似合わずフレンドリーな性格で、ユートと従魔たちの装備の相談によく乗っている。従魔の中では特にリックがお気に入り。現実世界ではカナヅチであるため、ゲームでも水場を苦手とする。

メイプル

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。ゆるふわ系の雰囲気を漂わせた女性の姿をしている。種族は「ヒューマン」で、いつも朗らかな笑みを浮かべ、語尾を伸ばすしゃべり方をする。職業は元ファーマーの「マーチャント」で、情報系クランの早耳猫に所属する。農業関係のアイテムを売る「メイプルの道具屋」を営んでおり、アリッサに紹介されてやって来たユートに肥料を売った。農業関係の知識に詳しいため、時折ユートの相談に乗ったりしている。

ソーヤ

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。青い髪をした美少年の姿をしている。種族は「エルフ」。明るく愛嬌のある性格で、男にもかかわらず見た目と仕草が非常にかわいらしい。職業は「錬金術師」。始まりの町の北区で、「ソーヤの錬金術店」という露店を開いている。魔術師にあこがれており、魔法の本である「魔導書」を作るのが目標。そのため本関係のスキルを取得しており、その練習作を店で売っている。物腰が丁寧で人当たりがいいため知り合いが多く、店を訪れたユートともすぐなかよくなった。養蜂箱を作りたいユートのために、知り合いのアシハナを紹介したり、材料採集を手伝ったりと、行動を共にして協力した。また、その際にユートに伐採用の斧をあげたお礼に「栞」をもらって、LJOには「本」があるのを確信し、喜んでいる。ユートには植物知識の知識を教えてもらったため、その後、お礼としてチェーンクエストを手伝っている。

アシハナ

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。緑色の髪をサイドテールにした女性の姿をしている。種族は「ヒューマン」。職業は木工系の生産職である「ウッドカッター」で、木工系生産職の中ではトップの腕前を持つ有名プレイヤー。便利な能力を持つ木工アイテムも発見しているが、お金儲けよりもいろんな作品を作るのが好きで、同じものばかり作る単純作業を嫌っている。そのため、発見したアイテムの情報も早耳猫に売って、あとはノータッチなプレイスタイルを貫いている。プレイヤーからもよく依頼が舞い込むが、よっぽど気に入った依頼以外は受けないことで有名。ソーヤの知り合いで、彼に紹介されてユートと知り合う。養蜂箱を始めて作るのに興味を持ち、ユートに協力する。かわいいものが大好きで、ユートの従魔のクママが特にお気に入り。ふだんは朗らかな性格だがクママを前にするとテンションが上がり、奇声を上げて抱き着こうとする。ユートから木工系職人には喉から手が出るほど欲しい植物知識を教えてもらい、その代わりに養蜂箱を無料で手渡した。チェーンクエストでも自らの作品を渡して手伝っている。また生産職であるため、あまりに適当だったユートの店の惨状にアドバイスし、テコ入れをしている。

タゴサック

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。黒髪の女性の姿をしており、種族は「ヒューマン」。女性だが言葉遣いも態度も男前で、さばさばした性格をしている。職業は農業を行う生産職である「ファーマー」で、始まりの町で畑を借りて農業を営み、ユートの畑とはとなり同士。積極的にファーマー同士で情報交換をしており、見たこともない樹や雑草を育てているユートに興味を覚えている。ユートが迷惑プレイヤーに絡まれているところを助けたのをきっかけに交友を持つようになり、積極的に情報交換をしている。

スケガワ

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。長く伸ばした髪を一つ結びにした青年の姿をしており、種族は「ヒューマン」。職業は「鍛冶師」で、腕は確かながら女の子が大好きな軟派な性格をしている。女性プレイヤーに対しては値引きしたりと、あからさまに男性とは態度が違う。そのため「エロ鍛冶師」と呼ばれるようになるが、スケガワ自身もこの異名を気に入り、自己紹介の際に堂々と名乗っている。アルフ村のイベントで、ユートと知り合う。イベントではユートからインゴットをもらい、武器を作って仲間たちを支援した。

アカリ

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。真紅の髪をツインテールにした少女の姿をしている。種族は「ヒューマン」。職業は「ソードレンジャー」で、戦闘では双剣を武器にして戦う。ゲーム開始初日における総アイテム獲得数のトップを記録し、運営から「紅玉の探索者」のユニーク称号を与えられた。人懐っこく、明朗快活な性格をしているため、誰とでもすぐなかよくなる。フィールドボスであるサヴェージドッグの素材を求めて探索している際に、ユートたちがゴーストに襲われて危機に瀕しているのに遭遇し、彼らを助けるために乱入した。その後、ユートたちを安全地帯まで護衛し、その代わりにユートがたまたま手に入れたサヴェージドッグの素材を適正価格で譲ってもらっている。ユートの料理を食べたことで、料理のスキルに興味を持っている。現実では女子高校生で、夏休みを使ってゲーム三昧な日々を送っている。

ジークフリード

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。紫色の髪をした青年の姿をしている。種族は「ヒューマン」。騎士のロールプレイをしており、「ファイター」の職業に就いて鎧を身にまとい、「シルバー」と名づけた愛馬で駆け抜ける。シルバーは非常に不細工な馬で、どう見てもロバにしか見えないが、ジークフリードはアバター作成時にボーナスポイントをつぎ込んでシルバーをゲットしたために強い愛着を持っている。また、ボーナスポイントのほとんどを騎乗系のスキルにつぎ込んでいるため、機動力はプレイヤーの中でも随一で、初日の最高総移動距離を記録し、運営から「紫髪の冒険者」のユニーク称号を与えられた。ただし騎乗特化型であるため、馬から降りると極端に弱くなる弱点がある。爽やかな好青年で、アカリとは知り合い同士。のちにアルフ村のイベントで、ユートとも知り合う。称号持ちであるために有名で、騎士のロールプレイも相まって「紫の騎士」とも呼ばれている。イベントではコクテンと共に戦闘系プレイヤーのまとめ役となった。

コクテン

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。黒づくめの格好をした青年の姿をしている。種族は「ヒューマン」。厳つい鎧を身にまとい、威圧感を漂わせた人物。現実世界ではサラリーマンで、腰は低く、物腰も柔らかい。アルフ村のイベントで、ユートと知り合う。ユートとは社会人同士で通じ合う部分があり、初対面でのあいさつの仕方を見て、思わず意気投合する。武闘派のプレイヤーながら周囲の人の意見に耳を傾け、イベントでは戦闘系プレイヤーのまとめ役を務めた。

マルカ

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。若草色の髪をした少女の姿をしている。種族は「ヒューマン」。長く伸ばした髪を二つ結びのおさげにし、ミントグリーンを基調としたドレスを身にまとっている。職業は「魔術師」で、魔法での戦闘を得意とする。アルフ村のイベントでユートと知り合い、行動を共にするようになる。クママの大ファンで、同じくユートの従魔のファンたちを集め、ユートに協力する。魔術師だが何げにユートより腕力のステータスが高い。

アメリア

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。ツインテールの髪型をした少女の姿をしており、種族は「ヒューマン」。職業はユートと同じく「テイマー」で、うさぎをはじめとした獣系のモンスターをテイムして従魔にしている。アルフ村のイベントでユートと知り合ってからは急速に意気投合する。実は同じテイマーということでユートを知っており、何度かユートを見かけて以降、注目していた。オルトの大ファンで、自分もノームをテイムすることを目指している。

ふーか

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。ストレートロングにした少女の姿をしており、種族は「ヒューマン」。アルフ村のイベントでユートと知り合う。ユートからレシピの情報をもらい、料理班のリーダーとして料理人をまとめ、料理を作ってイベントに貢献した。その際にスキルのレベルが上がり、職業を「コック」に転職する。戦闘は得意ではないが、村の防衛戦では時間を稼ぐためにフライパンを武器に戦い、一部では「コックさん」と呼ばれ始めている。

アミミン

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。金髪をストレートロングにした少女の姿をしている。種族は「エルフ」で、星型の髪飾りを付けている。βテストプレイヤーの一人で、当時から有名だった「テイマー」のトッププレイヤー。積極的にモンスターの情報を集め、ネットに掲載しているため、多くのテイマーから慕われている。正式サービス開始後もテイマーとして活躍し、サイトの情報を更新している。そのためネットの情報に疎いユートにすら、その名は知られており、時折、アミミンの作ったモンスター情報を参考にしている。実は人見知りで、知らない人には話しかけられない。ただし趣味の合う人には積極的に交流を持つタイプで、テイマーの知り合いは多い。ユートに関しても早いうちから興味を持ち、交友を持とうとするが、話しかけたタイミングが悪く、ミレイによる迷惑行為の真っ最中だったために交友を深められなかった。ただし、その時のユートの態度からミレイの迷惑行為に察し、運営に通報している。

ミレイ

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤー。ウエーブが入った桃色の長髪をした少女の姿をしている。種族は「犬獣人」で、スタイル抜群で扇情的なドレスを身にまとっている。ユートがゲーム初日に何度も死に戻りしているのを見て、彼が「白銀の先駆者」の称号を得たと気づき、勝手にその情報を売りさばく。あまりに堂々としていたため、周囲も本人の承諾を得ていると思って問題視せず、気づいた時にはかなりの範囲で情報が拡散していた。ユートに問い詰められるものの反省の色は見られず、形だけの謝罪をしたうえで、逆に取り巻きを使って脅しをしてくる始末で、悪質と判断されて運営にアカウント削除のうえ、ブラックリスト入りという処分を下された。

バーバラ

「従魔ギルド」の受付嬢をしているNPC。黒い髪を長く伸ばした美女で、抜群のプロモーションと泣き黒子が特徴。ふだんは優しい性格ながら、自他共に認める「モンスターマニア」という設定のため、珍しいモンスターを連れて行くと非常にテンションが高くなる。従魔ギルドのクエストも連れて行くモンスターの種類は違えど、やたら「バーバラにモンスターを見せる」というものが多く、NPCにもかかわらず非常に人間臭く個性的な性格をしている。

ロッケ

アルフ村に暮らす少年NPC。麦わら帽子をかぶった釣り好きの子供で、渓流釣り専門の漁師の息子。クエストを受けてやって来たユートに釣りの仕方を教えた。村落救済イベントのキーキャラクターの一人で、村の守護獣の様子がおかしいのに気づき、イベント中に行方不明となる。この際、ロッケの行方を追うことで、村の秘密を解明して悪魔たちの陰謀を暴く大きなきっかけとなる。

カイエン

アルフ村に暮らす男性NPC。年老いた農夫で、寄る年波に勝てず、農作業に苦労している。村落救済イベントでユートが、苦労していたカイエンを見かねて手伝いを申し出る。農作業を手伝ってもらう代わりにユートたちに空き部屋を宿として提供し、イベント中はユートたちと交友を育んでいく。ユートに料理のレシピをたくさん教えたり、味噌や醤油といった和風の調味料の存在を教えたりと、多くの恩恵を与えた。村のまとめ役に近いらしく、ユートたちを信頼できると判断し、イベントの後半では守護獣や神聖樹のことをプレイヤーに教えたり、グラシャラボラスとの決戦で村人を引き連れて援護したりと、イベント攻略の大きな鍵となった。

集団・組織

早耳猫 (はやみみねこ)

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤーが結成したクラン。情報を売買するのを目的とした最大手のクランで、LJOのβテストプレイヤーたちが正式オープンに当たって攻略を目的として立ち上げた。好奇心旺盛で、攻略に積極的なプレイヤーが多く所属している。情報の売買もしているが、基本的に儲けは二の次で情報を集め、攻略を進めることをクランの方針としている。重要な攻略情報や貴重なアイテムの情報は高価買取するため、その情報を早耳猫に持ち込むプレイヤーは多い。また、早耳猫は情報を売りさばき、ある程度資金を回収したら、自分たちの専用サイトで情報を誰でも見れるように公開する。このため情報の独占を批判する者は少なく、大手クランとしての実績を確かなものとしている。

場所

始まりの町 (はじまりのまち)

オンラインゲーム「LJO」のプレイヤーが最初に訪れる町。プレイヤーが一番最初に訪れる町であるため「第0エリア」とも呼ばれ、この町を出たフィールドが「第1エリア」として扱われる。「水臨大樹」と呼ばれる巨大な樹を中心に栄えた町で、水臨の名のとおり、マングローブのように町中の水路に根を伸ばし、樹木の内部に水を蓄えている。水臨大樹の若木である「水臨樹」も町中に生えているが、大樹はその中でも特別で、大樹には精霊が宿って「実」には守り、「葉」には成長、そしてその大樹の中を流れる「命の水」には強い癒やしの力があるとされる。大樹の麓には祠があり、その命の水をたたえた「希望の杯」があったが、欲深い者が精霊を害そうとしたために精霊は姿を隠し、希望の杯も行方不明となっている。実は町の地下には大樹の精霊を祀った祭壇があり、巧妙に隠されている。町の人々を手伝い、信頼されるとそれぞれのギルドから祭壇へと通じる扉の鍵を手渡され、祭壇に向かうことができる。大樹の精霊は供え物に応じて祝福を与え、アイテムの種類によってはレアなアイテムをくれることもある。ただし、精霊に会うことができるのは現実では木曜に当たる「木の日」のみで、一度祝福を受けた者は8週間は再び供え物をすることはできない。鍵を手渡された者ならば、ほかの者も連れていくことはできるが、一度連れていった者は鍵に名前が登録されてしまう。鍵の登録上限は所有者を含めて6人で、それ以上の者は連れていくことはできない。

アルフ村 (あるふむら)

オンラインゲーム「LJO」のイベントの舞台となった村。イベント内容は武術大会が行われるため、人手が足りなくなったアルフ村を助けるというもの。イベント期間は1週間だが、イベントの舞台となる村の時間はさらに加速して7倍となり、現実の時間で1日に相当する。イベントでプレイヤーは300人ほどのグループに分けられ、それぞれのサーバーに送られ、チームごとに対抗して村を救済する。サーバー対抗型のイベントで、プレイヤーはそれぞれの村で活躍してポイントを稼ぎ、イベント最終日にそのポイントで順位を決める。性質上、村人の手伝いをしてポイントを稼ぐ生産者向けのイベントと思われていたが、実態は村を襲う悪魔の陰謀を打ち砕くというもので、戦闘者と生産者の連携が必須のイベントとなっている。アルフ村には悪魔を封じる二本の「神聖樹」とそれを守る二匹の守護獣「ガーディアン・ベア」「ガーディアン・ボア」がいるが、神聖樹は悪魔に取り憑かれ、守護獣は悪魔にあやつられている。この謎を解き明かせばポイントを獲得し、神聖樹と守護獣を助けることができるが、村人との交流を疎かにして考えなしに守護獣を倒すと悪魔側が一気に有利になる仕組みとなっている。また時間が経過すると、神聖樹に封じられた大悪魔「グラシャラボラス」が復活して、レイド戦が始まる。グラシャラボラスは非常に強力で、復活すると村を破壊し始めるため、最終的に村の状態によってポイントは大きく左右される。

その他キーワード

LJO (えるじぇいおー)

国産では初のVR対応型のオンラインゲーム。発売前は「VRMMORPG」と銘打たれていたが、正式発売後は「World Connecting Online(仮想世界接続型オンラインRPG)」という表記に変更されている。βテスト時に大きな注目を集めており、初回出荷分5万本には2000万以上の応募が殺到した。ゲームを遊ぶ人を「プレイヤー」、もしくは「プレイヤーキャラクター(PC)」として扱い、プレイヤーはアバターを作ってゲームを遊ぶこととなる。ソフトとして販売している分、ゲーム内には課金要素がほとんどないが、ゲーム開始時のアバター作成時のみ、大きな課金要素があり、ここで課金することでさまざまなボーナス要素を選ぶことができる。ただし、ボーナス要素はあくまで少し有利になる程度にとどまっている。ゲーム内の時間は現実世界の4倍となっている。ゲーム内では対人関係のトラブル要素は可能な限り排除する方針で、PVPなどは実装していない。また、暴言の類いでもゲーム内では厳しく取り締まる方針であるため、悪質だと見なされた場合は一発でアカウント削除の上、ブラックリスト入りという重い処罰を課されることもある。ゲーム内のNPC(ノンプレイヤーキャラクター)に関しては高度なAIが搭載されており、ある程度はプレイヤーと受け答えもしてくれる。単純に戦闘をするだけではなく、幅広い楽しみ方をしてほしいとの方針から、NPCとの交流によって新しい発見を得られる設計となっている。フィールドは広大でプレイヤーたちが攻略していくことで、次のエリアが解放されるシステムとなっている。基本的に「第1エリア」「第2エリア」という風に、解放していくごとに大きな番号のエリアが解放されていくが、中には既存のエリアに隠されたエリアも存在する。

職業 (しょくぎょう)

オンラインゲーム「LJO」のシステムの一つ。職業は数多く存在し、それぞれに合った職業に就くことで、スキルの効果が上昇したり、職業専用のスキルを使えるようになったりする。また、職業専用のギルドに赴くことで、さまざまなサービスを受けることができる。プレイヤーはアバター作成時に、ランダムで表示された職業の中から自分に合ったものを選び、その職業を鍛えていくこととなる。この際にボーナスポイントを使うことで、職業の選択し直しができ、この際のみ限定で一部の職業では使役モンスターなどがランダムで与えられる。基本となる下位職業だけでも50種類以上あり、中には珍しい職業も存在するが、基本的に条件さえ満たせば誰でも職業の「転職」はできるため、アバター作成時のレア職業選択はあくまでほかのプレイヤーにて対し少し有利程度にとどまっている。職業にはレベルが存在し、これを鍛えていくと上位の職業に転職することもできる。

テイマー

オンラインゲーム「LJO」の職業の一つ。モンスターを使役することに特化した職業で、テイムされたモンスターは「従魔」と呼ばれるようになる。モンスターを使役するためには、モンスターを弱めて「テイム」スキルを使用し、それを成功させる必要がある。そして従魔となったモンスターは、「使役」スキルを使うことで使役することができる。テイムと使役のスキル自体は汎用のスキルであるため、テイマーでなくてもモンスターの使役自体はできるが、テイマーには「従魔術」と呼ばれる専用のスキルがある。従魔術はテイムと使役のスキルと相乗効果があり、テイムの確率と従魔のステータスを上げ、従魔の上限枠を拡張することができる。またハーフリングと相性がよく、ハーフリングがテイマーになれば使役系の能力にボーナスが入る。使役したモンスターは育成することができ、成長したモンスターは進化して別種族となる。ソロでもPTのように戦うことができるのがテイマーの最大のメリットだが、その分、テイマー自体の戦闘能力は貧弱。弱い職業の分、レベルアップのための必要経験値は低いが、経験値を従魔に分配されるために成長が非常に遅いのが特徴。成長が遅く、貧弱であるうえに協力プレイに向かない職であるため、プレイヤー人気は低く、テイマーを選ぶ人は少ない。また、個々の従魔のステータスはプレイヤーに比べて控え目で、テイム前は強力な能力を持っていたとしても、従魔にしたら別のステータスに変更されることもある。ノームはその代表格で、敵として出た場合は攻撃を加えてくるが、仲間にすると完全な生産特化型となる。基本的に珍しいモンスターほどテイムの難易度が上がり、ユニークモンスターであればテイマー以外では成功率1%前後だとされる。また、テイマーに似た職業として契約したモンスターを召喚する「サモナー」が存在する。職業ギルドは「従魔ギルド」で、ギルドではモンスターの卵や孵卵器など、モンスターの育成に役立つアイテムが売られている。

スキル

オンラインゲーム「LJO」のシステムの一つ。さまざまな技能や魔法のスキルが存在し、プレイヤーは職業に就いたり、ボーナスポイントを使ったりすることで習得することができる。ボーナスポイントはレベルアップやクエストの報酬で得ることができるが、ボーナスポイントはステータスの底上げにも使えるため、プレイヤーはその使用につねに頭を悩ませることとなる。また上位のスキルほど前提としてさまざまな条件が存在し、習得難易度が高い。スキル取得の条件を満たした際にはアナウンスがされ、スキルの取得が可能になったことを知らされる。スキルにはレベルが存在し、使えば使うほどレベルが上がる。スキルのレベルが上がれば「アーツ」と呼ばれる技にあたるものを習得したり、より上位のスキルの取得条件を満たしたりする。

称号 (しょうごう)

オンラインゲーム「LJO」のシステムの一つ。プレイヤーの行動によって得られるトロフィーのようなもので、取得することでさまざまな恩恵を得られる。得られる恩恵はボーナスポイントや賞金のほか、特殊な称号の場合はプレイヤーのステータスを高めたり、特殊なスキルを取得したりする。また運営が特別な記録を表彰したり、初めて新たな発見をしたりしたプレイヤーは「ユニーク称号」と呼ばれる特別な称号を得ることができる。ユニーク称号は基本的にオンリーワンの珍しい称号だが、殊更強力なものではなく、また類似の称号が存在するため、あくまでトロフィーのようなものとなっている。称号を得るのは非常に難しく、ゲームが正式サービス開始したばかりなこともあり、複数称号持ちは少ない。

ギルド

オンラインゲーム「LJO」のシステムの一つ。プレイヤーにクエストを依頼したり、アイテムの販売をしたりする組織で、プレイヤー全員が利用できる「冒険者ギルド」と、職業の専門的な内容を扱う「職業ギルド」が存在する。職業ギルドはその職業に就いていた方がいろいろ優遇されるが、基本的に誰でも扱える。そのため、ユートもファーマーの農業ギルドに先に赴き、畑を借りたりしている。またギルドのクエストをこなし、貢献度を稼ぐと「ギルドランク」を上げることができる。ギルドランクが上がると新しいサービスが解禁されたり、新しいアイテムがギルドの店に並んだりとさまざまな恩恵が得られる。

モンスター

オンラインゲーム「LJO」で、プレイヤーと敵対する存在。安全地帯とされる「セーフティーゾーン」以外の場所で発生し、プレイヤーに襲い掛かる。モンスターにはいくつか種類が存在し、その種族の中でも特殊な個体で、最初から名前が付けられている「ユニークモンスター」、ダンジョンやフィールドに出没する特別強力な「ボスモンスター」、そのフィールドボスの中で、特殊なAIを持っていてフィールドを徘徊する「プレデターモンスター」、ボスモンスターの中でもさらに強力で大規模な戦闘を想定した「レイドモンスター」などがいる。テイマーであればモンスターをテイムすることで使役することができ、テイムされたモンスターは「テイムモンスター」、もしくは「従魔」と称される。通常のモンスター以外ではユニークモンスターもテイムすることができるが、ユニークモンスターは珍しいうえに、非常にテイム難易度が高い。

チェーンクエスト

オンラインゲーム「LJO」における特殊なクエスト。通常の「クエスト」はギルドやNPCから依頼を受け、それをクリアすると報酬がもらえるシステムとなっている。クエストを受けるためには、なんらかの前提条件があることがあるが、チェーンクエストの場合は前提が特定のクエストのクリアで、文字どおり連鎖するクエストとなっている。チェーンクエストは非常に珍しく、報酬もいくつものクエストをクリアして手に入れるため、特殊なものであることが多い。ユートは花屋でチェーンクエストを見つけ、少しずつ攻略を進めている。その情報は徐々にほかのプレイヤーにも広がっており、チェーンクエストに登場するNPCの名前が黄道十二星座の名前を冠しているため、プレイヤーからは「12星座」クエストの通称で呼ばれている。

植物知識 (しょくぶつちしき)

スキルの一つ。文字どおり植物に関する知識を得られるスキルで、植物の深い知識を得ようとすると習得することができる。このスキルを習得すると、通常は雑草としか表示されない草を判別することができ、ハーブや花を見つけることができるようになる。ユートはオルトが育てた雑草がハーブであることに気づき、植物知識を習得した。ユートは当初、雑草が判別できるようになっただけと判断していたが、その真価は判別した植物も生産素材にできるというもの。ユートが判別したハーブでハーブティーを作れるように、素材の幅が広がる非常に汎用性の高いスキルとなっている。また、アシハナたちとの検証の結果、雑木林の雑木を判別して木材として利用することも可能ということが判明し、一気にファーマーや木工職人、料理人にとって必須ともいえるスキルとなる。また動物に関する知識を得られる「動物知識」や、鉱物に関する知識を得られる「鉱物知識」など、同系統のスキルがいくつか存在する。

クレジット

原作

棚架 ユウ

キャラクター原案

Nardack

書誌情報

出遅れテイマーのその日暮らし 10巻 KADOKAWA〈MFC〉

第1巻

(2019-03-22発行、 978-4040655239)

第2巻

(2019-10-21発行、 978-4040640884)

第3巻

(2020-03-21発行、 978-4040645025)

第4巻

(2020-11-21発行、 978-4046800657)

第5巻

(2021-03-22発行、 978-4046803177)

第6巻

(2021-10-22発行、 978-4046807915)

第7巻

(2022-03-22発行、 978-4046812162)

第8巻

(2022-12-23発行、 978-4046817709)

第9巻

(2023-07-22発行、 978-4046826435)

第10巻

(2024-02-22発行、 978-4046832207)

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