刻の大地

刻の大地

オッツ・キイムを舞台にしたファンタジー『レヴァリアース』『幻想大陸』に続くシリーズ第3弾。『レヴァリアース』から3年後の世界を旅する新たな主人公、十六夜、カイ、ジェンドの3人の戦いを描く。この3人は前作『幻想大陸』にも同じ舞台設定で登場しているが、そちらはパラレルワールドという扱いであり、物語としての正当な続編は『刻の大地』となる。

正式名称
刻の大地
ふりがな
ときのだいち
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
バトル
 
ファンタジー
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概要・あらすじ

かつてオッツ・キイムを魔物の恐怖に陥れた邪神竜ディアボロスは、わずか7歳の少年、ザードによって倒された。しかしその10年後、復活したディアボロスが再び世界を恐怖に陥れようとする。ザードもまたディアボロスのもとへと向かったが、その後彼は消息不明となってしまった。それから3年後。このオッツ・キイムを、十六夜カイジェンドの3人が、それぞれの目的で旅をする。

旅先で色々な出来事に巻き込まれながら、3人は仲間としての絆を深め、そして一連の出来事の真相へと近づいていく。やがて物語は、力を持つ者、力を追い求める者、すべての真相を知る者、暗躍する者など、さまざまな人間の思惑が交錯し、3人の旅を過酷な流れの中へと巻き込むのだった。

登場人物・キャラクター

十六夜 (いざよい)

故郷が分からない迷子の少年で13歳。両親はおらず、姉と2人で暮らしていた。森の奥で眠っていたジェンドの眠りを覚まし、以後は彼の後について行動している。どんな人や動物とでも、そして魔物とも仲良くなれる。これは別段特殊な能力というわけではなく、感受性が豊かで常に相手のことを思って行動し、そしてコロコロと変わる分かりやすい表情と人懐っこさが、相手の緊張感をほぐして心を許してしまうからである。 そのため、根っからの悪人や、自分の信念を強く持っている相手には十六夜の言葉が届かないこともよくある。邪神竜ディアボロスの存在を知り、なぜそんな悪いことをするのか、仲良くするように説得することを決意する。

ジェンド

森の奥で自然に守られているように眠っていたが、十六夜によって目覚めさせられる。記憶がなく、ジェンドという名も十六夜が付けたもの。褐色の肌と尖った耳から、自身が邪神竜ディアボロスに滅ぼされたダークエルフの1人だと知った彼は、一族の仇のディアボロスを倒すことを旅の目的と定める。粗暴で傍若無人、他人のことをまるで考えない性格。 1人でいることが好きで、自分についてくる十六夜やカイのことを疎ましく思っている。剣の腕は超一流で、苛立ちをぶつけるように魔物を倒す。戦うのは好きだが人助けに興味はなく、剣を振るうのはもっぱら自分ためである。一方で単純な性格であるぶん扱いやすくもあり、簡単にカイに乗せられて料理や食料集めの手伝いをさせられたりしている。

カイ

とある国の騎士隊で若くして部隊長をしていた聖騎士。ザードと面識があり、彼が言った、魔物と人が共存するのが本当の平和だという言葉が実現できるのか答えを見つけるため、今は国も家族もすべてを捨てて1人で旅をしている。十六夜と出会い、彼が人も魔物も関係なく仲良くなっていく姿を見たカイは、十六夜に自分の旅の答えを見出し、共に行動するようになる。 3人の中で一番常識があり、まとめ役でもある。真面目で分別があり聡明。剣の腕も一流。部隊長を任されていただけあって、人徳や威厳も兼ね備える。しかし普段はそんなそぶりは見せず、気さくに人と接する。お酒が好きで芸達者。歌や踊りも剣の腕に劣らず一流で、なにかと女性に声をかけている。

ザード

世界を魔物の恐怖に陥れていた邪神竜ディアボロスを、当時7歳でたった1人で倒したと言われる英雄。しかし10年後、復活したディアボロスのもとに向かって以降、消息を絶つ。噂ではディアボロスに殺されたといわれている。行動がいつも突拍子もない上、口下手なせいで、彼を知る者はみんな変わり者だと言う。各地を旅していたせいで、色々な場所に彼のことを語る逸話が残されており、カイもまた、その当時のザードと面識がある。 魔物と人が共存するのが本当の平和だと説き、事実魔物と仲良くなる才能を持つ。森の中の家ではイリアという名の妹が帰りを待っていて、よく旅の土産で意味の分からない物を買って帰っていた。

邪神竜ディアボロス (じゃしんりゅうでぃあぼろす)

かつて魔物を使ってオッツ・キイム全土を支配しようと目論んだが、ザードによって倒される。しかしそれから10年後、再び魔物が凶暴化。このため、邪神竜ディアボロスが復活したのだといわれている。しかし出回っているディアボロスの情報はザードに倒される前のものばかりで、復活後の姿を見たという者はいない。

イリア

英雄ザードの妹だが、今はそれを隠して旅をしている。『レヴァリアース』の主人公であり、その時は「ウリック」という名前で男として旅をしていた。戦闘スタイルは格闘でかなりの腕前。隙を突いたとはいえ、ジェンドとの一対一の勝負に勝利している。ザードの影響で、十六夜と同じく魔物とも仲良くすることが平和につながると思っている。 『レヴァリアース』では異世界に行き、邪神竜ディアボロスやイールズオーヴァとも対面しており、一般には知られていないさまざまなことを知っている重要人物でもある。その時の旅は法力国家アドビスにおいて「イビスの丘の物語」として語られているが、イリアにはその時の旅で悲しい出来事があり、今でもよく夢に見てはうなされている。

シオン

法力国家アドビスの王子で、『レヴァリアース』ではウリックと共に最後まで旅をしていた。普段は自由奔放でわがままを言ったり怠けたりする姿が多いが、冷静沈着で頭も良く、魔法使いとしての腕も超一流の頼れる仲間であった。イリアと同じく「イビスの丘の物語」では彼のことが語られているが、今旅をするイリアの側に彼の姿はない。

レム

『レヴァリアース』から引き続き、イリアと一緒に旅をしている妖精。明るい性格で、ちょっと抜けているところがあるイリアの保護者的な存在でもある。戦う力はないが、結界を張ったり幻術を解いたりなど、サポート魔法をいくつか使うことができる。3年前の旅で負った心の傷が癒えないイリアのことを、親身になって心配している。

ナドゥ

ベトール神に仕える忍び集団の1人。任務中は「E-52」と呼ばれる。沈黙の炎と呼ばれる魔法の道具を手に入れてくる極秘任務を受けるが、仲間の忍びたちは偽物を持ち帰って任務に失敗。しかし戦場に残されたナドゥが偶然それを手に入れてしまったことで、彼は数奇な運命に巻き込まれていく。忍びに似合わず、性格は明るく能天気でお調子者。 任務中も緊迫感に欠け、本人はいたって真面目だが、他の忍びからは浮いており、出来損ないの忍びだと言われている。一方で子供たちからは、一緒に遊んでくれるお兄ちゃんとして人気が高い。カイ同様に女好き。同じ里のくのいちのカオルに惚れている。忍びとしての腕はそれほど高くなく、よく罠にかかり、投げる手裏剣が味方に当たることも珍しくない。 しかし極端に運が良く、自分のドジや浅はかさが思わぬ解決につながったりすることも多い。感情が高ぶると、敵味方関係なくすべてを破壊するバーサーカーになる。この時の戦闘力は普段とは比べ物にならず、他を寄せ付けない無類の強さを発揮する。イリアと出会い、成り行きからカイたちと行動を共にする。

マンフロイ

勝利の神殿に眠る力を手に入れるため、長年沈黙の炎の研究をしていた魔法使いの塔の老魔法使い。ナドゥから沈黙の炎を取り戻そうとするが、沈黙の炎が映した少女がイリアだと分かり、イリアの身柄をさらう。

ラフティ

マンフロイに仕える死者を操るネクロマンサー。沈黙の炎を取り戻すため、ナドゥの命を狙う。セクシーな衣装を着ており、ナドゥのことを気に入って自分の操り人形にしようとする。いくら倒しても途切れることなく襲い掛かるゾンビの群れで、ナドゥや十六夜たちのパーティを苦しめる。

ポポロ

マンフロイに仕える闇の力を使う魔法使い。人や建物、あらゆる物の影を操り執拗な攻撃をすることを得意とする少年。余計な感情を挟まず、言われた任務だけを遂行する冷徹な性格。物質による攻撃をすべて無効にする影の広範囲の攻撃は強力だが、影が無い光の下ではその能力は使えない。

ティクス

ハギス神に仕える司祭。道に迷っていたナドゥを勝利の神殿で保護し、いろいろと面倒を見てくれる。ウリックと名乗って旅をしていた頃のイリアと面識がある。

カオル

ナドゥと同じ里に住むくのいち。沈黙の炎との交換材料にされ、仲間の忍びたちに捕らえられる。

エスト

いずれ人間も魔物も支配下にしようと狙う自称・闇の王。若干片言で喋る。忘れ去られた時代に作られた珍しい服を身に着け、自在に操れる魔法の布を周囲にまとっている。その布で普段は顔を隠しているが、正体はまだ若い女性。かなり強い魔法力を持ち、その力で人を不幸にしようとするが、いつも裏目に出て結果的に相手を救ってしまう。ダークエルフに激しい恨みをもっていて、唯一の生き残りであるジェンドを探しているのだが、十六夜やカイとは頻繁に遭遇しているものの、肝心のジェンドとはいつもすれ違って会えない。 「ナガズ」という人語を喋る魔物を従えている。

ラグ

特定の国に仕えずに傭兵として旅をしている剣士。父の形見の剣を愛用していたが、とある事情から売ってしまっている。カイが聖騎士として部隊を率いていた頃に、カイの国に訪れていて面識がある。カイの人間性や剣の腕を評価していて、国を捨てたカイに戻るように勧める。今はティアという女の子と旅をしている。

ティア

ラグの旅について行っている女の子。ティアの両親はラグによって殺されたため、両親の仇を討つためにラグと一緒にいる。あまり喋らず控えめで、感情の起伏も少ない。

イールズオーヴァ

赤竜のお告げにあった北の暗黒。前々作『レヴァリアース』では、異世界に館を構える魔法使いとして登場している。「ディアボロスの水晶」と言われる金色の瞳を持ち、強大な魔力を持つ。そしてザードやディアボロスの一連の出来事をすべて知っていると思われる。美や芸術を愛し、それを穢す者には容赦ない制裁を加える。不意に体調を崩してうずくまることがあるが、十六夜たちの前に強大な敵として立ちはだかる。

赤竜 (せきりゅう)

スリカロマノアの町に住むといわれる、守り神の2頭の赤き竜。予言と導きの神とも言われる。かつてザードを邪神竜ディアボロスのもとへと導いたが、それを疎まれ、イールズオーヴァによって封印される。

トゥミス

十六夜たち一行が港町で出会った魔法使い。お下げでメガネのぽやっとした女性。「ワンタタン」という名の魔物の呪いからジェンドを救うために健闘してくれる。

場所

オッツ・キイム (おっつきいむ)

いくつかの大陸を総称した呼び方だが、オッツ・キイム以外にも大陸があるのか、はたまたこの世界のすべてをオッツ・キイムと呼んでいるのかは不明。

勝利の神殿 (ねつあくのしんでん)

天地創造の神話の時代、七天使が世界の平和を願ってこの地に沈めた聖石の1つ、翠玉が眠っている。聖石は神殿の奥の扉の向こうに封印されている。沈黙の炎がその扉を開ける鍵だと言われている。

基盤の神殿 (いえそどのしんでん)

勝利の神殿と同じく、聖石が眠っている神殿の1つ。しかし3年前、前々作の『レヴァリアース』でシオンが聖石の意志に選ばれ、その力を授かっているため、今はもうこの神殿に聖石はない。

その他キーワード

ダークエルフ

ディアボロスによって滅ぼされた種族。褐色の肌にとがった耳が特徴。凶暴で好戦的な種族。邪悪な神と契約しエルフや人間にとっておぞましい存在だと言われている。

沈黙の炎 (ちんもくのほのお)

魔法使いの塔の魔法使いたちが持っていた指輪。勝利の神殿の封印を解くための鍵だと言われている。指輪にはイリアに似た女性が何かを話している映像が記録されているが、何を話しているかは解読されておらず、イリア自身もこの映像に身に覚えが無い。唯一エストはこの言葉を理解できた様子だが、「この言葉を知ると、きっと彼女に会いたくなる」と言って去り、内容は明らかにしていない。

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