クロス・マネジ

クロス・マネジ

元サッカーの名選手だった少年・櫻井玄哲が、女子ラクロス部のキャプテン・豊口深空と出会い、やがてラクロス部の男子マネージャーとなって部を強くしていく様を描いた学園青春スポーツ漫画。櫻井と深空の不器用な恋愛も主軸の一つとなっている。集英社「少年ジャンプNEXT」、「週刊少年ジャンプ」に読み切り版が掲載された後、「週刊少年ジャンプ」2012年42号から連載開始。また、連載終了後に番外編として、連載時に描かれたなかった夏合宿のエピソードが『ジャンプNEXT』で掲載されている。単行本のカバー裏にはスタッフロールとスペシャルサンクスが綴られている。

正式名称
クロス・マネジ
ふりがな
くろす まねじ
作者
ジャンル
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概要・あらすじ

怪我からサッカー部を引退し、新しい部活を探す高校生・櫻井玄哲は河原で練習をするラクロス部のキャプテン・豊口深空と遭遇。楽しいことに意味があるという深空と、勝たなければ意味がないという櫻井は口論をしてしまう。その後、二年生へと進級した櫻井深空と同じクラスとなるも、彼女からは反感を持たれたまま。

しかし、ある雨の日の帰り道に櫻井は再び河原で練習をする深空を見かける。足場の悪い中転ぶ深空にかつての自分を重ねあわせた櫻井は、前回も感じていた彼女の効率の悪い練習にアドバイスを施す。その的確な指摘に感動した深空櫻井をラクロス部のマネージャーに勧誘。男子ながら女子部のマネージャーをやることに抵抗感を持つ櫻井は当初拒否するものの、櫻井は自分を帰すまいとして彼の鞄を抱きかかえる深空と競り合っている内に不意に手が滑って彼女の胸を触ってしまう。

女性に抵抗のない櫻井は思わず焦ってしまい、その様子を見た深空に償いとしてマネージャーに就任することを強要されてしまう。

斎賀那智を始めとするラクロス部員からの反発も大きく、やる気にも欠けていた櫻井だが、深空の熱い情熱に駆られて次第にラクロスにのめり込むようになっていき、更には自らの手腕で部員達に認められていくようになる。様々な障害を乗り越えながらも成長したラクロス部は、女子中高生のラクロス部による大会・ティーンズマッチへと臨んでいく。

登場人物・キャラクター

櫻井 玄哲 (さくらい つねのり)

かつてパスを得意とするサッカーの名選手だったが、急激な体の成長とハードワークが祟り、怪我をしてサッカーを引退した少年。188cmという高身長を持つ。新しい部活を探していたところ、女子ラクロス部のキャプテン・豊口深空と遭遇し、その後ラクロス部のマネージャーとなる。長年のサッカー経験から培った練習メニューで部員達を着実に成長させていく。 マネージャー就任当初こそ周囲の目を気にして自分が女子部のマネージャーであることを隠していたが、ラクロスに真摯に向き合う深空の姿を見て考えを改めている。

豊口 深空 (とよぐち みそら)

藤丘高校ラクロス部部長。学年は櫻井玄哲と同じ。天真爛漫で、不器用だが何事にも前向きな女子生徒。中学生の頃体験したラクロスに感動し、高校進学後ラクロス部を設立する。ラクロスは上手ではないが情熱は人一倍であり、部員たちからも慕われている。河原で練習をしていたところ、櫻井と遭遇。 当初は考え方の相違から口論となるが、彼の練習に対する指摘が的確なことに気がつくと彼をマネージャーへと勧誘する。当初やる気がなかった櫻井も、彼女の熱心さにつられてラクロスに打ち込むようになっていく。試合においては不器用で考えることが苦手なものの、直感で動くために相手にパスコースを読ませない位置取りを武器にアタッカーとして活躍する。 櫻井には恋愛感情らしきものを抱いているが、上手く処理できていない。

斎賀 那智 (さいが なち)

藤丘高校ラクロス部の部員。ポジションはミッドフィルダー。学年は櫻井玄哲、豊口深空と同じ。男兄弟の中で育ったためか、非常に男勝りな性格。身長や身体能力は人一倍高い。当初は櫻井がマネージャーを務めることに強く反対していたが、彼のおかげで新入部員が入ったことでその存在を認めていく。 深空に対しては強い友情を抱いており、彼女と一緒にラクロスをするためにラクロス部にいると公言するほど。オムライスを作るのが得意という意外な特技も持つ。

茅原 和峰 (ちはら なみね)

ラクロスの名門校・蝶蘭女学院に通う女子生徒。現役高校生最強との呼び声も高く、ラクロス日本代表選手でもある。基本的に寡黙な上に無表情で感情表現に乏しく、行動が今ひとつ読めない。ラクロスだけでなく、けん玉なども器用にこなす生まれながらの天才であるが故に、出来ない人の気持ちが理解できずにいる。

小松 忍 (こまつ しのぶ)

藤丘高校ラクロス部部員。ポジションはゴーリー。ツインテールにシュシュが特徴的な今時のギャル。バカで勉強も出来ないが、ラクロスのために頑張りたいという気持ちは強い。

能登 一乃 (のと いちの)

藤丘高校ラクロス部部員。ポジションはアタッカーであり、パスの精度は非常に高い。しかし、相手を思いすぎてしまうが故に判断に迷ってしまうことも多い。そのせいでメンバーに迷惑をかけてしまうと一時退部するも、マネージャー・櫻井玄哲と部長・豊口深空の説得の末に復帰。元はやや肥満気味な体型だったが、練習を重ねた末に少しスリムになり、関賢太郎を始めとした数人の男子の心をつかむ。

加藤 由梨佳 (かとう ゆりか)

藤丘高校ラクロス部部員。学年は櫻井玄哲と同じ二年。ポジションはアタッカー。当初、櫻井がマネージャーを務めることに強く反対をしていた。堅物といえるほど真面目な性格の持ち主。頭も良いが、それ故に自らの才能に限界を決めて逃げるクセがついており、櫻井の元で練習が厳しくなるラクロス部を一時退部する。 しかし、その後櫻井によって自分の限界を超えられることを教えられて復帰。運動神経は高くないが、自分の役割を的確にこなす。

田中 瑠璃江 (たなか るりえ)

藤丘高校ラクロス部に所属する高校三年生。常人離れした体格の持ち主でありながらも俊敏な動きを得意としており、ディフェンスの要。存在感も非常に大きく、発言力も強い。

水橋 潤子 (みずはし じゅんこ)

藤丘高校ラクロス部に所属する三年生。おっとりとした性格の持ち主。広い視野と冷静な状況判断能力の持ち主であり、櫻井玄哲の指示によりミッドフィルダーからディフェンダーへと転向、藤丘高校ラクロス部の守備の要となる。

沢城 彩 (さわしろ あや)

藤丘高校ラクロス部二年。ポジションはミッドフィルダー、後にディフェンダーへと転向する。17歳ながら大人の色気を漂わせており、マネージャー・櫻井玄哲へのボディタッチも多い。ラクロスにおいてはそつがなく、フェイントを得意とする。

野沢 華 (のざわ はな)

藤丘高校ラクロス部の一年生。文芸部と兼部している。ポジションはディフェンダーで、ポジショニングの上手さが武器。ラクロス部には興味本位で入部したものの、練習のきつさに耐え切れずに一時退部を決断。しかし、その後の櫻井玄哲による合宿を乗り切り無事部活に復活する。

九時寺 もみじ (くじでら もみじ)

藤丘高校ラクロス部の一年生。大柄な体格を持つディフェンダー。先を読む能力に長けており、フォローが上手い。蝶蘭女学院との試合を前に一言呟いただけで周囲から驚かれるほどの無口。

悠希 右奈里 (ゆうき うなり)

藤丘高校ラクロス部の一年生。悠希左奈里の双子の姉であり、左目を隠すような髪型をしている。ポジションはミッドフィルダーであり、左奈里と息のあったコンビネーションで相手を翻弄することを得意とする。語尾に「・・・なのー」と付けるなど、子供っぽい言動が目立つ。

悠希 左奈里 (ゆうき さなり)

藤丘高校ラクロス部の一年生。悠希右奈里の双子の妹であり、右目を隠すような髪型をしている。ポジションは右奈里共にミッドフィルダー。語尾は右奈里が「・・・なのー」であるのに対して、彼女は「・・・なの~」と長音符に微妙な違いがある。

関 賢太郎 (せき けんたろう)

櫻井玄哲の同級生で彼の友人。坊主頭が特徴的なお調子ものであり、櫻井と若本仁を混ぜた友人内ではムードメーカー的存在。おちゃらけている一方、友情には熱い性格。櫻井のために、休日もラクロスの試合を撮影しにきている。

若本 仁 (わかもと じん)

櫻井玄哲の同級生で彼の友人。物静かで冷静な性格の持ち主。友人の関賢太郎と同じく友達思いな性格であり、櫻井のために試合をビデオに収めるべく、休日もラクロスの試合に赴くほど。

早見 千海 (はやみ ちうみ)

藤丘高校サッカー部のマネージャーを務める女子生徒。学年は櫻井玄哲より一つ上の三年生。頭が良く美人で櫻井を始めて見たのは中学生の時であり、卓越したプレイをする彼に魅了されてしまう。その後同じ高校に通うこととなり、幾度と無くアプローチをかけるも尽くスルーされてしまう。櫻井が怪我によりサッカー部を辞めてラクロス部のマネージャーになった後も、彼をサッカー部に戻そうと画策。 それが叶わぬとなると、今度はマネージャーの先輩として櫻井にアドバイスをして彼の気を惹こうとする健気な一面も持つ。

鳥海 誠治 (とりうみ せいじ)

櫻井玄哲のクラスメイト。囲碁・将棋部に所属する、黒縁眼鏡をかけた少年。サッカー部を辞めた後の部活に悩む櫻井を囲碁・将棋部に勧誘する。頭は良いが軽薄な人物。

中原 龍蔵 (なかはら りゅうぞう)

男子ラクロス日本代表であり、豊口深空とは旧知の仲である大学生。ラクロスショップナカハラの店長の息子であり、学校や練習以外では店を手伝っていることが多い。顔立ちは良いが軟派な性格であり、美人にすぐ声をかけてしまう。過去に悩んでいた時、下手でも純粋にラクロスを楽しむ深空に気持ちが救われたことがあり、それ以降彼女のことを「妹」や「天使」と呼び溺愛している。 また、彼女からは「龍兄ちゃん」と呼ばれている。そのため、深空と仲の良い櫻井玄哲には嫉妬が入り混じった感情を抱いている。上手くなるよりもまず楽しむことを信条としており、深空のことを上達させようとする櫻井に、当初マネージャーを辞めるよう通達する。 しかし、その後才能が無いと思っていた深空の中に長所を見つけた櫻井のことを認め、激励の言葉を贈る。

折笠 照樹 (おりかさ てるき)

男子ラクロス日本代表で、中原龍蔵の後輩。大学に通う傍ら、ラクロスショップナカハラでアルバイトをしており、中原と行動を共にすることが多い。身長2mを越す巨体ではあるが、おっとりとした性格。中原にツッコミを入れることが多い。

杉田 (すぎた)

藤丘高校ラクロス部の顧問を務める男性教諭。担当科目は現代国語。無精髭を生やしただらしない格好をしており、性格も非常に大雑把。顧問でありながらラクロスのルールも知らなかった。しかし、教師としてはしっかりとしており、赤点を取ったラクロス部のメンバーに対して特別扱いをすることも無く、また試合相手の情報を調べたりしている。

集団・組織

藤丘高校ラクロス部 (ふじおかこうこうらくろすぶ)

『クロス・マネジ』に登場する部活。櫻井玄哲がマネージャーを務め、豊口深空が部長を担うラクロス部。中学校の時にラクロス体験をして感動した深空によって設立された新設の部活動。当初は大会規定の人数にも足りず、また指導者もいない弱小な部活だったが、櫻井のマネージャー就任後は四人の新入部員を迎え、厳しい練習を重ねたことにより実力を大幅に強化していく。

蝶蘭女学院高等学校ラクロス部 (ちょうらんこうこうじょがくいんこうとうがっこうらくろすぶ)

『クロス・マネジ』に登場する部活。全国大会で優勝を重ねるラクロスの名門校。ラクロス日本代表でもある茅原和峰を始めとする、全国屈指のプレイヤーが揃っており、三軍まで揃えるほど選手層も厚い。お嬢様学校であるためか男子との接点がほとんどない選手も多い。

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