勇者はツライよ

勇者はツライよ

世界樹に守られた平和なファンタジー世界で魔王が復活。しかし、魔王に唯一対抗できる勇者は、卑怯で下品な少年だった。ハイテンションで個性豊かなキャラクター達が、世界を守るため、少年を勇者として目覚めさせようと奮闘する日常を描く、下ネタ重視のギャグ漫画。

正式名称
勇者はツライよ
ふりがな
ゆうしゃはつらいよ
作者
ジャンル
ファンタジー
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あらすじ

第1巻

平和な国、ロンズ=ワイナリーで、城に仕えるオババの預言により、魔王が復活したことが明らかになった。城内は混乱するが、オババは同時に、魔王に対抗できる勇者も現れたと語る。調査の末、勇者の生まれ変わりを突き止めて、オババと姫さまは喜ぶ。ところが、その勇者は女好きで、人目もはばからずエロ本を立ち読みし、さらに万引きの常習犯という最低の少年、カズマ=デーリアンだった。オババはそんなカズマを勇者として独り立ちさせるべく、彼の通う高校へ潜入して鍛えていくが、カズマの粗雑さに翻弄されていくようになる。

第2巻

オババが「魔王が一週間後に世界征服を始める」という新たな予言をし、再び城内は慌ただしく動き始める。いよいよ時間が差し迫る中、勇者の兜をカズマ=デーリアンにかぶせれば、勇者の力が目覚めるのではないかと、オババは王国中の兵士を総動員して勇者の装備を集め回る。多くの兵士の犠牲のうえで、ようやくすべての装備がそろい、カズマに勇者の装備を身につけさせた。これによりカズマは覚醒し、前世である勇者の記憶も思い出す。だが、欲望のままに行動するところは変わらず、勇者として目覚めて、より強い力を得たカズマの前に、世界は滅亡の危機に瀕してしまう。そんな中、魔王の生まれ変わりであるロッコは、自身が密かに恋心を抱くフィーロンズ=ワイナリーの城に囚われていると知り、彼女を救うため、力も装備も何もない状態で、勇者カズマに挑む。

登場人物・キャラクター

カズマ=デーリアン

高校生の男子。かつて魔王を倒した伝説の勇者の生まれ変わり。エロ本が大好きで、本屋で立ち読みや万引きを繰り返している。さらにロッコが大切に育てた豚を夜な夜な盗む、幼なじみの女の子、フィーのパンツを盗む、町中で全裸になる、村に火を点けるなど、さまざまな悪事を働く極悪非道な性格の持ち主。前世の記憶はなく、勇者という自覚もまったくない。 女性のパンツがなくなると真っ先に疑われるなど、勇者という肩書にもかかわらず、周囲からは一切信用されていない。

フィー

高校生の女子。カズマ=デーリアンの幼なじみで、となりの家に住んでいる。そのため、カズマのことを誰よりも熟知しており、彼のストッパー役を務めている。スケベで人として最低なカズマを、どうしても放っておけずに助けてしまう、面倒見がよく、広い心の持ち主。護身用として、父親にモーニングスターを持たされており、暴走したカズマを一撃で倒せるほど戦闘力も高い。 実はカズマに恋心を抱いており、アプローチもしている。しかし、その結果がパンツを覗かれ、盗まれる毎日であり、もはや愛想も尽きそうな状態にある。

姫さま (ひめさま)

ロンズ=ワイナリーの城のお姫様。毎日、オババに占いをしてもらいながら、楽しく生活している。オババが魔王の復活を予言した際には、「心配でご飯も喉を通らない」と言いつつもしっかり食事し、ドラマを見たりJリーグ観戦をしたりと、実はそれほど動じていない。楽しいことが大好きで、衛兵を殴り倒して町へ出かける、といった行動力もある。 ちなみに食事は幕の内弁当やトリ五目ご飯が好きだったりと、好みは庶民的。

オババ

姫さまに仕える魔法使いの老婆。カズマ=デーリアンと同じ高校へ潜入する際に、「ジュリア・ナ・トーキオ」と名乗り、高校でのみ「ジュリアさん」と呼ばれている。また若い頃に伝説の勇者と共に魔王に挑み、勇者と恋に落ちたと語っている。占いが得意で、勇者と魔王の復活を予言し、世界を守るためにカズマを勇者にするべく奮闘する。 年を取っても闊達で、勇者の装備を守る強力な魔物も一撃で倒すほど、魔法の技術も衰えていない最強の老婆である。

ジェームズ

高校生の男子。カズマ=デーリアンの親友であり、一緒にエロ本を立ち読みしたり、エロ本を万引きをしたりと、行動を共にしている。カズマに万引きの罪を擦り付けられても、何だかんだといっしょにいるなど、意外と友情深いところがある。また女装であろうと何であろうと、対応できる順応性を兼ね備えており、槍でチクチクされて気持ちがいいと感じるM気質もある様子。

かーちゃん

カズマ=デーリアンの母親。夫でありながら、毎日町でナンパしてくるオヤジをまったくとがめもせず、いつも笑顔を絶やさない、底なしの包容力の持ち主。カズマがオババを家に連れてきた際には、気をきかせて買い物に出かけ、布団を用意したり、カズマに「何事も男の子がリードするものだ」と教え込むなど、変わり者である。

オヤジ

カズマ=デーリアンの父親。プロのナンパ師を自称している。妻子持ちにもかかわらず、美しい女性を見かけると「美しきマドモアゼル」と声をかけ、さらに謎の腰振りダンスをしながらナンパする毎日を送っている。姫さまをナンパした時には、すぐさまホテルにお持ち帰りしようとするなど、その言動はまさしくカズマの親。

ロッコ

農業に勤しむ青年。村一番の働き者。無農薬の野菜作りをモットーとし、巨大な大根を作るのが夢という平和主義者。実は魔王の転生した人物だが、当時の記憶はない。また蟻に負けるほど喧嘩が弱く、カズマ=デーリアンには、顔を合わせるたびに、何もしていないにもかかわらず攻撃されている。慈愛にあふれ、家畜である鶏や馬、豚の一匹ずつに対しても愛情を込めて大切に育てている。 家畜や野菜を買いに来るフィーに恋心を抱いている。何があっても諦めない一途な性格で、またカカシをフィーと想うだけでドキドキしてしまう純粋さの持ち主でもある。

エヴァン

かつての魔王の配下で、「四天王」と呼ばれた将軍の一人。強大な攻撃呪文を多数使いこなす美貌の女性魔法戦士だったが、現在は鶏に転生している。夜店で5Gで売られていたところをロッコに買われ、いっしょに生活するようになった。前世の記憶を持っており、魔王の力を失っているロッコを慕い続け、勇者であるカズマ=デーリアンを倒すべく毎日奮闘している。 ただ、ご飯を目の前にすると野生に返ってしまい、ロッコを襲う時がある。

ローガン

かつての魔王の配下で、「四天王」と呼ばれた将軍の一人。さまざまな状態に応じた策略を考えて勇者を苦しめたが、現在は馬に転生している。若い頃はG1レース出場を夢見ていたが、農耕馬だったので誰にも相手にされず、ロッコに拾われた。前世の記憶を持っており、エヴァンやバカルディーと共に、言葉は通じないながらもロッコを支えいる。

バカルディー

かつての魔王の配下で、「四天王」と呼ばれた将軍の一人。当時は斬り込み隊長を務め、魔界一の残忍さで恐れられた戦士だった。現在は豚に転生し、ロッコに家畜として飼われている。前世の記憶を持っており、豚の姿でも健気に魔王復活を成し遂げようと尽力している。勇者のカズマ=デーリアンに戦いを挑むのだが、逆にさらわれ、食べられてしまう。

ブロヴァンス

かつての魔王の配下で、「四天王」と呼ばれた将軍の一人。最強とうたわれた竜族の戦士だったが、牛に転生し、去年の村祭りでごちそうとして、みなに振る舞われた。現在は再び竜族の戦士として生まれ変わったが、雪崩に巻き込まれて、またこの世を去ることとなる。何度転生しても魔王への忠誠心は忘れず、魔王復活をつねに夢見る忠誠心の持ち主。

アミ

高校生の女子。「魔王様を復活させようプロジェクト同好会」の部長を務めている。カズマ=デーリアンの変態ぶりを高く評価し、魔王復活の生け贄にしようと試みるが失敗。その後、鼻高々なカズマをフィーが一撃で倒す姿を見て、今度は彼女に惚れ込み、魔王として崇めるようになる。ちなみに魔王復活を願う理由は、「可愛いパンツに囲まれて暮らす」という夢をかなえるためである。

場所

ロンズ=ワイナリー

巨大な神の木である世界樹に守られた聖王国。平和な国だったが、オババが魔王の復活を予言したため、国を挙げての大騒ぎとなった。だが、そんな中でも、何もなかったかのように穏やかな日々が続いている。

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