私本太平記

私本太平記

足利尊氏を中心に動乱の南北朝時代を描いた時代劇作品。吉川英治原作による時代小説を岡村賢二が漫画化。

正式名称
私本太平記
ふりがな
しほんたいへいき
作者
原作
ジャンル
時代劇
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

元亨2年(1322)年。時の鎌倉幕府執権・北条高時は暗愚と言われたが、とりあえず天下は泰平だった。しかし京では後醍醐天皇一派が実権を武士から奪い戻そうと蠢きはじめていた。足利家の嫡男・高氏(後の足利尊氏)は、鎌倉幕府への狼藉のため捕えられる。その後、犬猿の仲・新田義貞の領地に幽閉された。

閉じ込められた高氏は、佐々木高氏(佐々木道誉)の「我らと立て」という言葉を思い出し、己の進むべき道に思案を巡らしていた。捕縛を解かれ戻った高氏は、祖父の足利家時が残した置文を読む。そこには、足利家代々の宿願が血で書かれていた。高氏は天下を獲ることを決意した。

同じ頃、京では統幕を企む朝廷の一派が六波羅探題の摘発を受け正中の変が勃発。動乱の南北朝時代が到来した。

登場人物・キャラクター

足利 尊氏 (あしかが たかうじ)

実在の歴史上の人物足利尊氏がモデル。初登場時18歳。清和源氏の血を受け継ぐ足利家の嫡男。己の進むべき道に思案を巡らしていたが、祖父の足利家時が残した鑁阿寺の置文を読み、血で書かれた足利家代々の宿願を知り、密かに天下を獲ることを決意。北条家一門の赤橋守時の妹・赤橋登子を正室としてからは、御家人の中でも注目される存在となる。 後醍醐天皇率いる朝廷一派が倒幕の狼煙を上げると征伐に参加するが、混乱に乗じてついに謀反の狼煙をあげる。

新田 義貞 (にった よしさだ)

実在の歴史上の人物新田義貞がモデル。武家の名門・新田家の当主。足利家と同じ清和源氏を源流とする足利家とは犬猿の仲で、京での狼藉で捕えられた足利高氏を領内に幽閉したこともある。楠木正成が後醍醐天皇の勅に応じて挙兵すると千早城攻めに参加していたが、その後領地に帰国する。

佐々木 高氏 (ささき たかうじ)

実在の歴史上の人物佐々木高氏がモデル。近江を治める守護。「ばさら大名」として有名。表向きは執権北条高時に従っているが、鎌倉幕府を末期と見据えている。捕えどころがなく足利高氏(後の足利尊氏)からは「鵺」と呼ばれていた。鎌倉幕府に捕えられた後醍醐天皇を手玉に取ろうとしていたが、その不可思議な牽引力に魅了される。

足利 直義 (あしかが ただよし)

実在の歴史上の人物足利直義がモデル。足利高氏(後の足利尊氏)の弟。兄よりもしっかり者と評判だった。真面目だが直情的な性格。

足利 貞氏 (あしかが さだうじ)

実在の歴史上の人物足利貞氏がモデル。足利家八代目当主。嫡男の足利高氏(後の足利尊氏)から、祖父足利家時の残した鑁阿寺の置文を見たいと懇願されても決して許さなかった。

北条 高時 (ほうじょう たかとき)

実在の歴史上の人物北条高時がモデル。鎌倉幕府の執権。闘犬と田楽を好み、武道と政治にはまったく興味を示さず「暗君」と呼ばれていた。足利高氏(後の足利尊氏)に侮蔑的な態度を取るが、高氏はじっと堪えていた。

赤橋 守時 (あかはし もりとき)

実在の歴史上の人物北条守時がモデル。鎌倉幕府を支配する北条一族の中で唯一民治と仁政の人と呼ばれ、民に慕われた。後に北条高時の後任の執権となる。足利高氏(後の足利尊氏)も信頼していた人物。妹・赤橋登子は足利高氏の正室となる。

赤橋 登子 (あかはし とうこ)

実在の歴史上の人物赤橋登子がモデル。後に鎌倉幕府最後の執権となる赤橋守時(北条守時)の妹。足利尊氏の正室となる。

後醍醐天皇 (ごだいごてんのう)

実在の歴史上の人物後醍醐天皇がモデル。第96代天皇。日野俊基ら反幕府の公家朝臣を率いて鎌倉幕府に対して謀反の狼煙を上げる。捕縛され隠岐に流罪になるなど、何度も窮地に陥る。楠木正成らの働きにより鎌倉幕府は滅び政権を朝廷に取り戻した。不可思議な吸引力があり、佐々木道誉らを惹きつける。

藤夜叉 (ふじやしゃ)

佐々木高氏(佐々木道誉)の宴席に呼ばれた足利高氏(後の足利尊氏)が、酒に酔って抱いた田楽女。足利尊氏の子・不知哉丸(後の足利直冬)を産む。一度は足利高氏から屋敷に迎えようという言葉をかけられたが、風雲急を告げる状況のなかで自ら身を引いた。

右馬介 (うまのすけ)

足利家の家臣。足利高氏(後の足利尊氏)が幼い頃から仕えてきた。後醍醐天皇が鎌倉幕府へ謀反の狼煙を上げるという情報をいち早く掴み、風雲急を告げる天下の状況を予見する。足利高氏の天下獲りを支援すべく、潜伏し情報収集にあたる。

日野 俊基 (ひの としもと)

実在の歴史上の人物日野俊基がモデル。後醍醐天皇の側近中の側近で鎌倉幕府討幕の中心的人物。正中の変の後、日野資朝と共に鎌倉幕府に差し出されるが釈放された。しかし討幕への動きは止めず、再び捕縛された際足利高氏(後の足利尊氏)の面会を受ける。楠木正成への書状を託す。 妻の小右京は、その後、足利尊氏と佐々木高氏(佐々木道誉)の対立の種となる。

楠木 正成 (くすのき まさしげ)

実在の歴史上の人物楠木正成がモデル。河内の土豪。日野俊基の書状に応じ、一度は討幕への協力を約束していたが一族郎党を戦渦に巻き込むことを嫌い、世上を傍観していた。後醍醐天皇の命令に従い、弟の楠木正季と共に挙兵する。

護良親王 (もりながしんのう)

実在の歴史上の人物護良親王がモデル。後醍醐天皇の第三皇子。鎌倉幕府への反旗を掲げるために比叡山の天台座主となり、弟の宗良親王と共に三千人の僧兵を組織する。足利高氏には不信感を持つようになる。

SHARE
EC
Amazon
logo