ホーリーランド

ホーリーランド

下北沢周辺の夜の街を舞台に、不良少年たちとの一対一の路上格闘・タイマンを通して、いじめられっ子だった少年神代ユウが成長していく姿を描く。森恒二の初連載作。

正式名称
ホーリーランド
ふりがな
ほーりーらんど
作者
ジャンル
バトル
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

主人公の少年、神代ユウはいじめられっ子で、学校にも家にも居場所がなく、ひきこもりのような生活を送っていたが、ある日ボクシングの教本を手にとったことがきっかけで、ボクシングの練習にのめり込む。数ヶ月後、強力なパンチ力を身につけたユウは、夜の街で絡んできた不良少年たちを倒し続け、不良(ヤンキー)狩りと呼ばれ恐れられる存在になっていた。

逆襲に現れた不良少年や、名声を聞きつけて挑戦してくる格闘家との路上格闘を繰り返す中で成長していくユウは、夜の街に自分の居場所を見出し始めるのだった。

登場人物・キャラクター

神代 ユウ (かみしろ ゆう)

『ホーリーランド』の主人公で、昂陽高校に通う高校生。中学生の頃からいじめられっ子で不登校になり、自殺する勇気もなく、自室にこもっていた。その生活を紛らわせるために、独学で始めたボクシングの練習にのめり込み、強力なワン・ツーを身につける。居場所を求めて出かけた夜の街で、不良少年たちから身を守るために戦っているうちに、下北沢の不良(ヤンキー)狩りボクサーと呼ばれ恐れられるようになる。 普段はおとなしい性格だが、追い詰められて激昂すると凶暴な側面を見せる。華奢な体格だが、優れた反射神経と独特の発想力を持つ。繰り返される実戦や格闘技経験者からのアドバイスによって、ボクシングに蹴り技や組み技も取り入れた独自の格闘スタイルを作り上げた。

金田 シンイチ (かねだ しんいち)

神代ユウと同じ昂陽高校に通う同級生で、ユウの数少ない親友であり理解者の一人。屈託のない明るい性格で、誰とでもすぐに打ち解ける。喧嘩は弱く、カトーたちに襲われた時は、大怪我を負って入院した。街の暴力を怖がりながらも、ユウをはじめとする自分の友人を信じ続ける。内向的で対人コミュニケーションが不得意でたびたび暴走するユウを支える、ムードメーカー的な存在。

伊沢 マサキ (いざわ まさき)

優れた格闘技術と、どのグループにも属さない超然とした姿勢から、地元の下北沢では路上のカリスマと呼ばれ、一目置かれている。高校時代はボクシングのインターハイ選手だったが、上級生とのいさかいをきっかけに退部になった。自暴自棄になって一時は自殺未遂を起こすほどだったが、夜の街に自分の居場所を見出す。 ボクシングと、中学時代まで習っていた空手を、路上格闘に合せてアレンジした独自の格闘スタイルを持つ。自分と似た境遇の神代ユウの行く末を心配しつつも、ユウが自分のライバルとして成長することを期待している。ユウにとっては指導者的な立場であると同時に、同じ道を歩む同志である。

伊沢 マイ (いざわ まい)

神代ユウとは昂陽高校の同級生で、伊沢マサキの妹。ユウが街の暴力の世界に身を投じていることを目の当たりにしてから、かつての兄と同じような状況に陥りつつあるユウのことを強く心配する。次第にユウに思いを寄せるようになるが、その立場上、ユウやマサキと対立する八木たちに狙われることになる。

緑川 ショウゴ (みどりかわ しょうご)

代沢高校に通う高校生。フルコンタクト系空手の経験者で、多彩な技を持つ街の実力者の一人。白泉会という空手道場に通っているが、小柄な体格から試合では結果が出せず、街の路上格闘にのめり込んだ。かつて同じ空手道場に通っていながらボクシングに転向した伊沢マサキを敵視している。 神代ユウとのタイマンに敗北したことがきっかけで、不良グループを離れ、ユウや金田シンイチと友人になる。体格へのコンプレックスから、喧嘩の強さに対するこだわりが強い。ユウに回し蹴りなどの空手の技を教えるが、格闘家として成長していくユウに対して、複雑な感情を持つ。

八木 (やぎ)

代沢高校の不良グループでは中心人物。街では恐れられている不良だが、格闘技術は平凡。神代ユウに返り討ちにされてから、何度もユウを陥れようと策略を張り巡らせる。ユウのことを憎みながらも、その凶暴な側面を強く恐れている。

吉井 (よしい)

世田谷商業の不良グループの中心人物。不良としての権力に執着し、自分の意に沿わない伊沢マサキとたびたび衝突する。手下の格闘技経験者たちを使い、マサキや神代ユウの前に立ちはだかる。格闘技の経験はないが、刃物を用いた喧嘩に慣れている。マサキとのタイマンではバタフライナイフを使用。

ケンジ

世田谷商業の不良グループの一人。神代ユウを始めとする実力者たちに敗れ、また吉井が伊沢マサキに敗れたことから、グループをまとめるには喧嘩の強さが必要と考え、体を鍛え始めた。吉井が去った後に世田谷商業の不良グループのトップに立っている。

岩戸 (いわど)

世田谷商業の柔道部に所属。吉井に麻雀で多額の負けがあり、負け分の代わりに神代ユウとのタイマンに駆り出される。大柄で打たれ強く、アスファルトやコンクリートの壁を利用した投げ技や、衣服を使った絞め技を使い、路上では際立った強さを見せる。食いしん坊で憎めない性格。

土屋 (つちや)

代沢高校中退。レスリングの経験者で、高度な技術と身体能力を持つが、アスファルト上ではレスリングの強みを生かし切れず、伊沢マサキや神代ユウ、緑川ショウゴに敗北。しかし、草地や砂場では本領を発揮する。面倒見のいい性格で、慕う後輩も多く、次第にマサキやユウたちと共闘するようになる。

加藤 (かとう)

代沢高校中退のジャンキーで少年院から不良グループに戻ってきた。格闘技の経験は一切ないが、恵まれた体格に加えて急所狙いや凶器の使用もいとわない実戦的な喧嘩術で、格闘技経験者たちをも苦しめる。

タカ

世田谷商業の剣道部に所属。義に厚く、向上心が強い性格。不良グループには属さない一匹狼だが、吉井には恩義を感じている。その性質を吉井に利用され、伊沢マサキとタイマンで戦うことになった。剣道の有段者であり、喧嘩の際は木刀を使用。

田辺 (たなべ)

世田谷商業の不良グループの一人で、吉井の側近。グループの中では参謀的な存在で、吉井をサポートする。

猪方兄弟 (いのがたきょうだい)

兄弟でそっくりな顔つきをしている。吉井のグループに金で雇われ、タカとのタイマンに向う伊沢マサキに怪我を負わせた。それぞれは格闘技経験者たちに及ばない実力だが、優れた体格と二人同時に戦う戦法で、かなりの強さを見せる。

下山 (しもやま)

伊沢マサキの知人のヤクザ。かつての後輩であるマサキのことを目にかけており、マサキのバイト先のバーを訪れては裏社会の様々な情報やアドバイスを提供する。あわよくばマサキを自分の組に引き入れようとしている。

渡辺 (わたなべ)

伊沢マサキのボクシング部の先輩。自分より優れたボクシングの才能を持つマサキを恨み、知り合いの不良たちを使って集団でマサキをリンチする。

中村 (なかむら)

昂陽高校に通う、神代ユウの上級生。白泉会空手黒帯。道場の先輩である長田に脅されてユウを騙すが、その後金田シンイチに問い詰められてユウに謝罪し、和解した。黒帯だけあって喧嘩の実力はそこそこ。

長田 (おさだ)

白泉会空手黒帯。優れた体格で、ローキックに信頼を寄せる典型的なフルコンタクト系空手家。かつて同じ道場に通っていた伊沢マサキや緑川ショウゴに、組手で敗れたことを根に持っている。

山崎 一馬 (やまざき かずま)

昂陽高校のボクシング部に所属する、神代ユウの上級生。ボクシング部ではエースで、ユウを驚かせるほど高度な技術を持つ。路上格闘には否定的で、体験入部と称してユウとスパーリングを行うが、追い詰められて暴走したユウに圧倒され、敗北。そのことがきっかけで、荒んだ性格になるが、ユウに自分のストレートをコーチすることで平静を取り戻す。

小原 ヨシト (おはら よしと)

キックボクシングのジムに通い、プロデビューを目前にしている。攻撃だけでなく、守備にも優れた一流の格闘家。かつては神代ユウと同じような、街の喧嘩自慢だったが、格闘家に敗北したことでプロのリングを目指す。街の路上格闘を卒業するため、街の代表であるユウにタイマンを申し込む。 ユウや伊沢マサキたちに、路上格闘の次のステージとして、プロ格闘家への道を指し示した。

キング

危険ドラッグトゥルーを下北沢に流通させた大学生。自分の楽しみのために新宿や渋谷にドラッグを流通させていた。街の路上格闘の世界にも興味を示し、八木のグループと結託して伊沢マサキや神代ユウたちと対峙する。華奢な体格に紳士的な物腰から、頭脳派のように見えるが、実戦的な拳法の使い手。 変則的な急所攻撃や関節技の他、強力な打撃技も使いこなす。

野田 竜一 (のだ りゅういち)

キングの用心棒の一人。総合格闘技の使い手で、喧嘩を楽しむことが目的。ボクシングの打撃の他、寝技や立ち状態での関節技も使いこなす。神代ユウに敗北し、恐怖心を植え付けられる。その後、八木と共謀し、伊沢マイを拉致してユウを潰す計画を立てる。

(てつ)

キングの用心棒の一人。総合格闘技の使い手で、人体の破壊を極めるために路上格闘の世界に現れた。自分なりに格闘家としての信念を持ち、素人とは戦わない。関節を破壊するまで極まった関節技を解かない残忍さを見せる。

ヨースケ

伊沢マサキの友人の一人。陽気な性格の青年。特に格闘技術は持たず、目立って活躍する場面もないが、それなりに喧嘩馴れしている。

ノボル

伊沢マサキの友人の一人。吉井のマサキに対するいやがらせが激しくなると、恐ろしさから吉井側に寝返ったが、その後は和解している。

ワタル

伊沢マサキの友人の一人。危険ドラッグトゥルーの中毒になり、マサキたちと離反する。

佐野 メグミ (さの めぐみ)

伊沢マイの友人の一人。ワタルとともに危険ドラッグトゥルーの服用をはじめ、薬物中毒に陥る。

カオリ

伊沢マイの友人。マイたちとよくいっしょに遊んでいる一人。暴力に対しては嫌悪感を露わにする。

いじめられっ子の少年

昂陽高校に通う高校生で、神代ユウの下級生。学校でいじめられていたところをユウたちに助けられた際に、ユウが不良狩りであることを知る。自分の力を証明するために、ユウをナイフで刺してしまう。

場所

下北沢 (しもきたざわ)

実在の東京都世田谷区下北沢がモデル。

SHARE
EC
Amazon
logo