君のことが大大大大大好きな100人の彼女

君のことが大大大大大好きな100人の彼女

愛城恋太郎は高校生活で100人の「運命の人」と出会うことを神様から告げられるが、結ばれなかった「運命の人」は不幸になった末に、なんやかんやあって死んでしまうのだという。そんな未来を防ぐため、出会った「運命の人」全員と誠実に付き合い、幸せにすることを誓った恋太郎の日常を描く、DEAD OR LOVEな純愛ハーレムライフストーリー。集英社「週刊ヤングジャンプ」2020年4・5合併号から掲載の作品。「次にくるマンガ大賞2020」コミックス部門で第2位に選出。

正式名称
君のことが大大大大大好きな100人の彼女
ふりがな
きみのことがだいだいだいだいだいすきなひゃくにんのかのじょ
原作者
中村 力斗
作画
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
ラブコメ
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊17巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

花園さんと院田さん(花園羽香里&院田唐音編)

中学校を卒業するまでに100人の女性に告白し、ことごとくふられてきた少年、愛城恋太郎は、ある日、訪れた神社で神様から高校で100人の「運命の人」と出会うことを告げられる。それを聞いて意気揚々とお花の蜜大学附属高等学校の入学式に参加した恋太郎は、廊下の曲がり角で院田唐音花園羽香里の二人に衝突してしまうが、その際、お互いの体を「ビビーン」という衝撃が駆け抜ける。神様の言った「運命の人」なのではと期待する恋太郎だったが確信を持てずにいたところ、二人が足を挫(くじ)いたというので肩を貸して保健室へ向かうことになる。しかし道すがら、裏庭の四つ葉のクローバーを渡しながら告白すると、必ず成功するという恋のおまじないを聞いた唐音と羽香里は、痛みを忘れて裏庭へと駆けていってしまう。一人取り残された恋太郎は、コンタクトレンズを落として困っている先生に付き合い、4時間後にどうにか発見して帰途につこうとしたところ、先ほどの二人がまだ四つ葉のクローバーを探している姿を目撃する。自分のために探してくれている姿に感激した恋太郎が、二人に差し入れのジュースを渡そうと出向いたところ、唐音が少しその場を離れたスキに羽香里がぬけがけして告白してしまう。戻って来た唐音もその様子に慌てて告白し、恋太郎は二人からどちらを選ぶのかせまられることになる。その場は返答を保留して帰宅した恋太郎だったが、一晩考え抜いても、どちらと付き合うべきかまったく選べずにいた。困った恋太郎が神社で神様に相談すると、それは「運命の人」が本人にとって最高の人物であるが故に、簡単に選べるわけがないという答えをもらう。さらに「運命の人」は一人の人間につき原則一人しかいないため、本来ならばこのような状況は起こりえないのだという。そして選ばれなかった「運命の人」は、不幸になった末になんやかんやあって死んでしまうという事実を突きつけられ、恋太郎の悩みは一層深まるのだった。

好本さん(好本静編)

料理の本を探したいという花園羽香里に付き合って、愛城恋太郎院田唐音は図書室を訪れていた。二人が料理の本に夢中になっているあいだ、読み終えてしまった本の代わりに新しい本を探していた恋太郎は、図書委員で小柄な少女、好本静と出会いお互いに「ビビーン」という衝撃を感じ合う。自分の愛読書の文章を指さして、コミュニケーションを取ろうとする静の個性に驚きながらも、「運命の人」なのではないかと期待する恋太郎は、彼女に本探しを手伝ってもらう。しかし、大量の本を選んでもらったにもかかわらず、貸出カードの発行に1週間かかることが発覚し本が借りられなくなってしまう。落ち込んだ恋太郎を不憫に思った静は、彼に愛読書の「王冠恋物語」を貸すことにする。一晩かけて「王冠恋物語」を読み切った恋太郎は、彼女が「運命の人」であるという事実を静かに受け入れていた。明くる日、学校であった彼女から再び「王冠恋物語」を借りると、2日かけて文章をスマホに打ち込み静へと手渡す。一方の静は2日のあいだに恋太郎に彼女がいることを知りショックを受けていた。本を使わないと会話もできない自分にコンプレックスを感じていた静は、それが原因で失恋したと落ち込んでいたが、恋太郎にデータを手渡され、このデータと読み上げアプリを使うことで目を見ながら会話できるようになるという彼の提案によって、深い思いやりに晒(さら)されることとなる。うまく会話できない自分を否定するのではなく、個性としてを認めたうえで実行可能な範囲の手助けを差し伸べてくれた恋太郎に心打たれ、静はアプリを使って「好きです」と思わず告白してしまう。恋太郎に彼女がいるのにもかかわらず、我慢できずに告白してしまったどうしようもなさに、静は彼の前で泣きじゃくるのだった。

栄逢さん(栄逢凪乃編)

中間テストの結果をみんなが確認に出向く中、スマホを教室に忘れた愛城恋太郎は、クラスに一人残って勉強を続ける栄逢凪乃と出会って、「ビビーン」という衝撃を感じる。過去の経験から彼女が「運命の人」だという確信を得た恋太郎は、いっしょに順位の掲示を見に行こうと凪乃を誘うが、どうせ1位だから時間の無駄だとバッサリ断られてしまう。果たして彼女たちと赴いた順位表の前で、恋太郎は凪乃が確かに学年1位であることを確認する。明くる日、恋太郎は理科の実験で凪乃といっしょにタマネギの細胞観察をすることになる。作業中、思わず指を傷つけた恋太郎が水で消毒しようとしたところ、思いがけず凪乃に消毒のためと言われて指をくわえられる。その唐突な行為にドギマギしながら恋太郎は、授業後に凪乃ともっと話したいと声をかける。しかし、楽しい時間は無意義であると、またしてもにべもなく断られてしまう。取り付く島もない凪乃の態度に、恋太郎は彼女が本当に「運命の人」か確信を持てなくなっていた。一方、自宅で予習をしていた凪乃は、自分の取った行動を振り返って赤面していた。理性的でない自分の行動に戸惑いを隠せない凪乃は、集中力を取り戻すために円周率を書き連ねるも、一晩経っても気持ちが落ち着くことはなかった。翌日、凪乃は人気のない教室に恋太郎を呼び出すと交際を申し出る。思いがけない告白だったが、真っ直ぐに言葉を受け止めた恋太郎は、自分も凪乃のことが好きだと返事をする。しかし凪乃は、恋太郎の告白を受け止めると即座に「ごめんなさい」と告げ交際を断り、強引に「フる」ことで恋を終わらせる。しかし、恋愛を無意義だと決めつける凪乃を前に、恋太郎は凪乃のことをあきらめられないと告げる。いつまでも好きでいられることは凪乃にとって不都合だった。そんな心のスキをついて恋太郎は、1日だけのデートを提案する。たった1日だけ付き合ってくれればキッパリと凪乃のことをあきらめると宣言する恋太郎の勢いに、凪乃はそのデートを了承するのだった。

化学室にいた謎の先輩(薬膳楠莉編)

ある日のこと。化学室の前を通り過ぎようとしていた愛城恋太郎は、中にいる大人びた女子生徒と瞳を合わせた瞬間「ビビーン」という衝撃が体を駆け抜けた。「運命の人」だという確信を得た恋太郎は明くる日、化学室を訪れるもそこにいたのは語尾に「なのだ」を付けて話す幼気な少女、薬膳楠莉だった。化学部の活動をしていた彼女に、部活の見学と勘違いされ歓待されてしまった恋太郎は、とりあえず楠莉に出されたお茶を飲みつつ様子を窺(うかが)うことにする。化学の専門的なことはまったくわからない恋太郎だったが、取り出された薬品が「磁石人間になる薬」という、ノーベルをぶっ飛ばす勢いの薬だったため仰天する。薬の効果を確かめ合いながら、スキンシップをはかってくる楠莉に胸の高鳴りを覚えてしまい、「運命の人」とは真逆に幼い彼女を魅力的に感じてしまうのは、何故かと恋太郎は戸惑うのだった。

さよならの理由(花園羽々里編)

五股をかけるふしだらな男性との交際は認められないと、花園羽香里は富豪である母親の権力によって他校へ転校させられようとしていた。一方の愛城恋太郎は、羽香里を幸せにするためのできる限りを尽くそうと、彼女を救い出しゴールの見えない逃避行を実行に移そうとしていた。そんな彼の決心を尊重して協力を申し出た四人の彼女たちと共に、恋太郎は軟禁された羽香里を救出するために夜の屋敷前に集まっていた。電話の通じない羽香里と、窓からひそかに連絡を取ろうとするも警備員の出現により、恋太郎たちは屋敷への潜入を決行。ペットの出入り口から忍び込むことに成功した恋太郎たちを待ち受けていたのは室内を防犯する番犬だった。睡眠薬で眠らせて辛くも状況を脱した恋太郎たちは、その行く手を赤外線センサーで遮られてしまう。薬膳楠莉が偶然持っていた、目が見えなくなる代わりに赤外線だけが見えるようになる「赤外線が見える目薬」で出口を見つけ、どうにか院田唐音と恋太郎の二人だけは部屋から抜け出すことに成功する。ようやく羽香里の部屋にたどり着いた二人だったが、部屋の扉に仕掛けられていた警報が作動して遂に侵入がばれてしまう。警備員に取り押さえられ羽香里を連れ出すことに失敗した二人は、この屋敷の主である羽香里の母親、花園羽々里の前に突き出される。状況を脱しようと恋太郎は羽々里の説得を試みるが、具体性のない恋太郎の言葉に羽々里は心を動かさなかった。逆に羽々里から告げられた羽香里の父と羽々里の悲恋を聞かされた恋太郎は、彼女たちを襲った運命の不条理に思わず涙してしまう。それにより「赤外線が見える目薬」が瞳から洗い流された恋太郎が、初めて羽々里と正面から瞳を合わせることになったその瞬間、恋太郎と羽々里は互いに全身を駆け巡る「ビビーン」という衝撃に心を貫かれるのだった。

はらぺこの後輩(原賀胡桃編)

お昼休みに購買へ赴いた愛城恋太郎は、群衆の中で中等部の制服と共に苛立ちを身にまとう少女、原賀胡桃と出会う。フードにヘッドホンという出で立ちの彼女と同じ商品に手を伸ばしていた恋太郎は、彼女と視線を合わせた瞬間に感じた「ビビーン」という衝撃から彼女が「運命の人」だと直感を得ていた。財布を忘れていた胡桃のために、恋太郎は購入した「目玉焼きパン」を半分にしようと提案し、彼女と昼食を共にすることになる。つねにイライラした様子を隠さずにいた彼女だったがパンを口にした瞬間、別人と見まごうほどにとびっきりの笑顔を浮かべる。フードとヘッドホンを外して美味しそうに食べる胡桃は、人心地ついたのか彼女の抱える事情を話し始める。というのも、胡桃はあまりに燃費の悪い体で、つねに空腹を抱えて周囲から食事に関するような話題が聞こえただけで、過敏に反応してしまう難儀な体質なのだという。後ろの席での会話の影響から「目玉焼きパン」が食べたくて仕方なくなり、苛立っていたのだと説明する胡桃に恋太郎は共感を覚える。穏やかな様子で会話を終えた別れ際、恋太郎は彼女の名前を尋ねるが、「目玉焼きパン」を半分では足りなかったのか、再び胡桃を襲った苛立ちに恋太郎の申し出は拒絶され、彼女は名前を告げることなくその場を立ち去ってしまう。翌日の昼休み、メンチカツサンドがどうしても食べたくなった胡桃が中等部の購買を訪れていたところ、そこで恋太郎と出会う。しかしメンチカツサンドは売り切れてしまっており、我慢できなくなった胡桃は校外のコンビニに買いに行くと告げる。しかし中等部は原則、昼休みに校外へ出ることを禁じられている。恋太郎が代わりに手に入れてくると提案するものの、胡桃は自分を襲う苛立ちに堪えられず手を振りはらって校外に駆け出してしまう。だが出向いた先のコンビニでも、メンチカツサンドは売り切れてしまっていた。胡桃は目当てのメンチカツサンドを食べられない苦しみと自分を襲う空腹による苛立ち、素直になれない自分へのイライラからしばらくその場に蹲(うずくま)ってしまうのだった。しかししばらく経って、学校へ戻った胡桃を待ち受けていたのは、すげなく手を振りはらわれたはずの恋太郎その人だった。

いつも笑顔のメイドさん(銘戸芽依編)

いつものように屋上に集まっていた恋太郎ファミリーの面々は、食事をしている時の原賀胡桃がエメラルドのような瞳を綺麗(きれい)かせることから、みんなの瞳の綺麗さを話題にしていた。そんな中、花園羽々里が自分に仕えているメイドの銘戸芽依の瞳が、ふだんは閉じているものの虹色の輝きをしていて綺麗だと告げる。一度見てみたくなった面々を前に、主人の命で瞳を開こうとする芽依だったが長年、瞳を閉じて笑顔を維持しながら生活してきたために顔の筋肉が言うことを聞かなくなっているのか、瞳を開けられなくなっていた。メスで切除してくると告げる芽依を、どうにか引き留めた恋太郎ファミリーの面々は、彼女の瞳を開かせるために驚かせたり、美味しい物を食べさせてみたりと、四苦八苦するも効果はなかった。その様子を見た愛城恋太郎は、彼女たちの望みを叶えられない自分に憤りを感じて奮起すると、芽依を小話で笑わせることを思いつく。それは少し前に薬膳楠莉が、恋太郎に10回クイズを出してきたという話題だった。「トトロ」を10回言わされた結果、1月7日に食べるものはという問いに恋太郎は思わず七草粥(がゆ)でなく「とろろ」と答えてしまう。さらにその問題の影響からか、アニメ『となりのトトロ』が見たくなってしまった恋太郎は、そのことを素直に告げようとするが、誤って「とろろろとろろ」と口にしてしまう。微笑ましいエピソードに思わず失笑してしまう芽依だったが、それでも瞳を開くことはなかった。だが、恋太郎が実はこのエピソードが自分のことではなく羽々里のことだったと告げた瞬間、主人の失敗を笑うまいとした芽依の本能的な行動から思わず瞳が開かれる。自分の正面で晒された、虹色の美しい瞳を直視した恋太郎はその瞬間、体を駆け抜ける「ビビーン」という衝撃を感じ取るのだった。

須藤さん(須藤育編)

フードファイトフェスティバル」の代償として、体重の増加に見舞われた恋太郎ファミリーの女性陣はダイエットを決意し、愛城恋太郎にその事実を隠しながら秘密裏の修行に出かけていった。一人取り残された恋太郎が校門を歩いていると、そこで女子野球部の勧誘のためにデモンストレーションとして素振りを行う少女、須藤育に出会う。彼女と瞳を合わせた瞬間に「ビビーン」という衝撃に見舞われた恋太郎は、育が「運命の人」であることを察して、自己紹介がてら彼女がなぜこの時期に部活の勧誘をしているのか事情を聞くことにした。すると彼女から告げられたのは、育を除いた八人の部員が能力を高めるためアメリカ留学をしてしまい、女子野球部が廃部の危機に陥っているというのっぴきならない事情だった。来週末の練習試合で勝てなければ廃部になってしまうため、助っ人を探しているという彼女に恋太郎は勧誘の手伝いを申し出る。二人になったことでやれる幅が増えたため、育はストイックを通り越したドMのあまり1万回以上振っていた素振りをやめ、恋太郎と共に1000本ノックの実演を始める。あまりにもキツい練習に悦びを見い出しながら育は、久々に野球の楽しさに浸っていた。明くる日、校内で恋太郎を見つけた育は、声をかけようとするもそのとなりには手をつないで歩く栄逢凪乃の姿があり、思わず声をかけるのを躊躇(ためら)ってしまう。放課後になり勧誘活動のために現れた恋太郎に育は話したいことがあると告げる。そして改めて見つめ合うと、育は恋太郎に付き合って欲しいと告白をする。恋太郎はその言葉を真っ正面から受け止めると、深々と腰を折って「ごめんなさい」と告げるのだった。

美杉先輩(美杉美々美編)

綺麗だと評判のショッピングモールのモニュメントを下見に来ていた愛城恋太郎は、モニュメントを相手に自分の方が美しいと豪語する少女、美杉美々美と出会う。彼女と瞳を合わせた瞬間に感じた「ビビーン」という衝撃から「運命の人」だという確信を得た恋太郎だったが、自分から話しかける前に美々美から「私と付き合う権利を差し上げますわ」という一風変わった告白を受ける。自己紹介もそこそこに、こんなにも美しい自分と付き合える貴方が羨ましいと断言してみせる美々美に、恋太郎は彼女が筋金入りのナルシストであると気がつく。なんの脈絡もなく付き合うことに、物事には順序があると抵抗する恋太郎だったが、気がつけば彼女の押しに負け恋太郎を美しくするため、ショッピングモールで買い物をすることになる。そしてその後恋太郎は、銀髪のウィッグと赤い瞳のカラーコンタクト、真っ白なジャケットというコーディネートで栄逢凪乃のような姿の別人に変身させられていた。些細(ささい)なことでも汚れてしまう真っ白な服に恐怖を感じながら、恋太郎は美々美とスイーツを頼み休憩を取る。そこで恋太郎は、美々美から並々ならぬ彼女の「美しさ」へのこだわりを聞かされる。「何かから与えられるものではなく、自分自身で作り上げていくもの」と真っ直ぐに語る彼女の姿に恋太郎は心を打たれる。だが、周囲でその高説を聞いていたカップルは、美々美の美しさを妬み嫌がらせをしようと考えていた。恋太郎たちに因縁をふっかけたカップルは、美々美が服を大事にしているという会話をしていたのを思い出し、手元にあった飲み物を彼女へとぶちまける。しかし身を挺した恋太郎によって防がれ、美々美がいっさい汚れることはなかったが、買ったばかりの恋太郎の服が汚れてしまう。その様子を眺めていた警備員が駆け付け、カップルを取り押さえようとする中、男が自分でぶちまけた飲み物に足を取られて、お気に入りの服を汚しそうになる。だが寸前のタイミングで、彼は恋太郎に腕をつかまれ倒れるのをまぬがれる。助けられて動揺する男に、恋太郎は彼の気持ちがわかると告げる。大好きな彼女のためにやった彼の行動は、恋太郎にも馴染み深いものだったからだ。その言葉に改心した男は、自主的に警備員に連れ去られていく。それを横目に美々美は、恋太郎のウィッグを取り外すと彼の前に立ち、こんなものがなくても貴方の心は美しいと呟(つぶや)く。そして自分と付き合って欲しいと、改めて恋太郎に告白するのだった。

メディアミックス

ASMRボイスドラマ

本作『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』のASMRボイスドラマが、You tubeの「ヤンジャンTV【集英社ヤングジャンプ公式】」チャンネル上で公開されている。各ボイスドラマは全編、原作者の中村力斗による描き下ろし脚本となっている。キャストは、花園羽香里を上田麗奈、院田唐音を白石晴香、好本静を石見舞菜香、栄逢凪乃を陶山恵実里が演じている。

評価・受賞歴

本作『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』は、「次にくるマンガ大賞2020」コミックス部門の第2位を獲得している。

登場人物・キャラクター

主人公

お花の蜜大学附属高等学校に通う1年生の男子。4組に在籍している。生後8か月から告白を繰り返すほど恋愛に飢えており、中学卒業までに100回の告白を繰り返してきたがすべて玉砕している。だが、女性から不人気... 関連ページ:愛城 恋太郎

愛城恋太郎に初めてできた彼女の一人。お花の蜜大学附属高等学校に通う1年生で恋太郎と同じ4組に在籍する。院田唐音と共に高校入学式当日に恋太郎と出会った初めての「運命の人」。かわいらしく丁寧な口調で話すが... 関連ページ:花園 羽香里

愛城恋太郎に初めてできた彼女の一人。お花の蜜大学附属高等学校に通う1年生で、恋太郎と同じ4組に在籍している。花園羽香里と共に高校入学式当日に恋太郎と出会った初めての「運命の人」。自分の気持ちに素直にな... 関連ページ:院田 唐音

愛城恋太郎の三人目の彼女。お花の蜜大学附属高等学校に通う1年生で、恋太郎と同じ4組に在籍している。本好きで図書委員を務めている。学内の成績はそれなりによく中間テストでは240人中44位だった。その一方... 関連ページ:好本 静

愛城恋太郎の四人目の彼女。お花の蜜大学附属高等学校に通う1年生で、恋太郎と同じ4組に在籍している。銀髪の赤眼で表情をほとんど変えない、知的な外見をしている。恋太郎ファミリーの中でも花園羽香里や花園羽々... 関連ページ:栄逢 凪乃

薬膳 楠莉 (やくぜん くすり)

愛城恋太郎の五人目の彼女。お花の蜜大学附属高等学校に通う3年生で、小柄な体型をしている。薬品に対する深い造詣の持ち主で科学部に所属し、化学室で多種多様な薬を製造してはつねに持ち歩いている。その効果は尋常ならざるものが多く「磁石人間になる薬」を皮切りに「髪を操れる薬」や「赤外線が見える目薬」、果ては「赤ちゃんになる薬」など恋太郎をして「ノーベルをぶっ飛ばすレベル」と言わしめるほどのものばかりとなっている。外見からすると、恋太郎が恋心を抱くのに躊躇いを覚えるほどに幼い外見をしており、言動をはじめとした行動内容も人形遊びをはじめとして相応のものが多い。語尾に「なのだ」を付けて話す特徴的な口調も相まって、恋太郎ファミリーの中では最も幼く見える場面も多々ある。この幼い外見は実は過去に「不老不死の薬」の失敗で若返ってしまったもので、実際は高校3年生という年齢相応に発育がよく、語尾の「なのだ」が「なのだよ」に変化するなど大人びた口調をしている。「薬の効果を打ち消す薬」によって本来の姿に戻ることはできるものの、「不老不死の薬」の効果が強力すぎるために一時的にしか戻ることができない。また、髪の毛が伸びることや視力が低下するため眼鏡が必須になることなどデメリットも多いため、必要にせまられない限り、元の姿に戻ろうという考えは薄い。恋太郎と視線を交わし、「運命の人」同士の衝撃が走った時には偶然本来の姿に戻っていたため、のちに恋太郎が薬膳楠莉のことを確かめに来た際に起きた一騒動の原因となった。薬を製作することを優先するあまり、オムツをして生活するなど型破りな一面がある。それに加え、強力すぎる薬の効果は度々暴走しては周囲を巻き込むため、過去に友人を失った経験がありトラウマになっていた。恋太郎ファミリーに加入した当初も、みんなへのプレゼントとして各々の役に立ちそうな薬を配って回るも最終的に暴走し「キスバイオハザード」という未曽有の危機を引き起こす。それによって追い詰められた結果、大好きな薬開発をやめると宣言するまでに至るが、恋太郎から、どんな問題が起ころうと解決するからと取りなしを受け、トラウマを克服し事なきを得ている。

花園 羽々里 (はなぞの ははり)

愛城恋太郎の六人目の彼女。花園羽香里の母親で年齢は29歳。羽香里のことを13歳の時に人工授精により妊娠、出産しており以後シングルマザーとして育ててきた。大きな屋敷に住む有数の資産家で、銘戸芽依をはじめとした多くのメイドや執事を雇っている。羽香里にも受け継がれている美しさと恋太郎ファミリー内でもトップレベルの大きな胸をしている。中学生の時に羽香里の父と恋に落ちるも、彼が不治の病に冒されていたため早逝し、人工授精で得られた羽香里だけが残されたという過去がある。愛する人の忘れ形見である羽香里に対しては並々ならぬ愛情を注いで育ててきており、娘のためならば財力と権力にモノを言わせて横暴に振る舞うことも辞さない母親としての覚悟を有している。そのため、羽香里が思いを寄せている恋太郎が複数の彼女と付き合っているプレイボーイであることを快く思っておらず、二人の仲を引き裂こうと羽香里の転校を画策した。強引な方法を採った背景には恋愛に対して盲目になりがちという自身の体験があり、娘である羽香里にもその素質が大いに受け継がれていることに気がついていたため、並大抵の手段では恋心をあきらめさせることができないと悟っていたことがある。計画は転校の一歩手前まで進められるが、屋敷へ潜入してきた恋太郎ファミリーの説得にあった結果、恋太郎と出会い「ビビーン」という衝撃を得ることとなる。彼を「運命の人」と認めて恋に盲目な状態に陥り告白するも、羽香里への思いから気を持ち直して敵対する。しかし、噓発見器や恋太郎の行動から彼が本当に誠実な人間で、羽香里を含めた彼女全員を愛していると理解してから彼女たちの交際を認めた。同時に恋太郎から正式に交際して欲しいという返事をもらい、以後、恋太郎ファミリーの一員に加わっている。かわいい物に対して目がなく、恋太郎ファミリーの彼女たちに対しては主に年長の女性として振る舞いながらスキあらばかわいい服装をさせようと企んでいる。また母性あふれる性格が暴走し、恋太郎ファミリーの面々から「ママ」と呼び親しんでもらおうと画策もしており、薬膳楠莉に「赤ちゃんになる薬」を作らせるなど直接的な行動に出ることもあった。ほかにもみんなといっしょに過ごす時間を確保するためにお花の蜜大学附属高等学校を買収するなど財力にものを言わせて暴走しては、娘の羽香里から窘(たしな)められることが多い。

原賀 胡桃 (はらが くるみ)

愛城恋太郎の七人目の彼女。お花の蜜大学附属高等学校の中等部3年生で、エメラルドのような青緑色の瞳を持つ。食べたものをすぐ消化してしまう極度に燃費の悪い体をしており、日常のほとんどを空腹と共に過ごしている。その影響からイライラしていることが多くあり、周囲への攻撃的な態度として表れてしまうことをコンプレックスに感じている。それは周囲に感謝していたり申し訳なさを感じていても、無意識に発揮されてしまうため、自分の気持ちに素直になれないという点において、院田唐音のツンデレ気質と非常に似通っている。そのことは唐音も認識しており、ある種のシンパシーのようなものを感じている。しかし、空腹さえ満たされてしまえば攻撃性はある程度まで抑えられ、自分の気持ちに真っ直ぐとまではいえないものの、他人への思いやりのある優しい人間性が発揮される。周囲で話されている食べ物の話題のみならず、料理を連想させる日常的な会話ですら食欲への刺激となってしまう。それらを回避するため、視界と音を遮るフードとヘッドホンが日常生活に欠かせないグッズとなっている。余談だが、空腹時に鳴るお腹の音は名前に似た「くるくるくる」という響きをしている。空腹時は苛立ちを周囲に隠せない一方で、食事の際には非常に美味しそうな表情を浮かべる。特に瞳をランランと輝かせながら食べる姿は、周囲にも食べているものが美味しそうと思わせるもので、美しい瞳の色と合わさって原賀胡桃のチャームポイントとなっている。また、食事の際にはフードやヘッドフォンを取り払い、料理への敬意を込めて全身全霊で味わうことを信条としている。この考えはキスの際にも発揮されているようで、恋太郎とキスをする際にもフードやヘッドフォンを外している。初めてキスをした際にどのような味かを気にした口ぶりを見せていたことから、胡桃にとってはキスもまた味わう行為の延長線上にあるようだ。こうした二面性の持ち主であるため、恋太郎ファミリーへの加入はすんなりとはいかなかったが、恋太郎の発案によりみんなで「フードファイトフェスティバル」へ出場したことをきっかけに一員として溶け込んでいった。

愛城恋太郎の八人目の彼女。花園羽々里に仕える花園家のメイドで、年齢は19歳。つねに笑みをたたえており、細められた瞳は糸目に見えるが、実際は薄目を開けてすらおらず完全に閉じられており何も見えていないが、... 関連ページ:銘戸 芽依

須藤 育 (すとう いく)

愛城恋太郎の九人目の彼女。お花の蜜大学附属高等学校に通う1年生で、恋太郎のとなりのクラスである3組に在籍する。女子野球部に所属する爽やかでボーイッシュな少女で、日頃から鍛錬を欠かさないストイックな一面を持つ。一方、ストイックな面が行きすぎて苦痛を感じることに快楽を見い出しており、トレーニングをはじめとしたケツバットなどの肉体的痛みや、失恋による精神的苦痛でさえも悦(よろこ)びに変えてしまうマゾヒスティックな精神性の持ち主。恋太郎とは女子野球部の勧誘活動のため、校門前で素振りのデモンストレーションを行っていたところ出会い一目惚れした。その後は、須藤育を除いた部員がアメリカへと留学したために女子野球部が廃部の危機に陥っていることを伝え、廃部回避のための活動を通して交流を深めていく。恋太郎ファミリー加入後は、廃部のかかった練習試合にみんなといっしょに出場したが、その際、過去に打ったホームランが観客を傷つけたトラウマからバッターボックスに立つと、その時の光景が脳裏に浮かんでしまい、まったく打てなくなるという問題が発覚した。しかし、恋太郎ファミリーみんなの団結力と恋太郎の献身的な努力によってトラウマを克服し、最終的にはホームランを打って見せた。兄と弟のいる三兄弟の一人で、先に野球をやっていた兄の影響で育自身も始めている。またストイックな精神は、野球を教えようとした兄の一言によってもたらされたもので、マゾヒスティックな嗜好も同様の出来事が原因となっている。

美杉 美々美 (うつくしすぎ みみみ)

愛城恋太郎の10人目の彼女。お花の蜜大学附属高等学校に通う2年生で、美しさに対して非常にこだわりを持つ。ショッピングモールで行われていた催しを下見に来ていた恋太郎と出会い一目惚れする。自分の美しさに絶対の自信を持っており、恋太郎に告白した際も、自分と付き合うことができる恋太郎に嫉妬してしまうと豪語していたほどに、ナルシストの気がある。一方、自分以外の美しさにも敏感で、過去に栄逢凪乃の美しさに惹かれて友人になろうと画策するも、そのための一環として凪乃ともども参加した美嶺中学校内ビューティーコンテストにおいて敗北を喫しただけでなく、友人になろうという提案をも断られたことがある。そのため、恋太郎ファミリー加入当初は凪乃に対してわだかまりを持っていたが、追放を賭けて行われた「美しさ探し」対決の結果、恋太郎たちとの日々の中で変化していた凪乃からの友人になろうという改めての提案もあり、氷解している。美杉美々美自身の美しさを保つための労力は怠らない努力家でもあり、日々欠かさず美容グッズによる健康法を行っているほか、服飾品やコスメへ払う代金も美容を兼ねた新聞配達などのバイトによって工面している徹底ぶり。しかし、そんな努力の末に稼いだ金銭に拘泥しすぎることなく、恋太郎を美しくするために服飾のいっさいをコーディネートした際には、その代金を自らが払おうとする気っ風のよさも持ち合わせている。また、語尾に「ですの」と付けたいわゆるお嬢様口調で会話をするが、それすらも日頃からの努力で身につけたものである。しかしながら、自らが努力して購入した服や美しさを汚されることには強い抵抗があり、白い服でデザートを食べている際にも服の上に落とさないかを気にかけていた。

神様

愛城恋太郎が遭遇した恋愛の神様で、禿頭に白い髭を生やした老爺の姿をしている。恋太郎が参拝した神社の神様を自称しているが、背中には翼があり、頭の上には天使の輪が浮かんでいる。本来であれば一人しかいない「運命の人」を恋太郎に限って100人にしてしまった張本人で、恋太郎が生まれた時にTVを見ながら流れ作業をしていたところ、放映されていた映画に夢中になってしまい設定すべき人数の桁を2桁間違えてしまった。結果として恋太郎と「運命の人」とされた女性は、その幸運に一生分の運を費やすこととなり、恋太郎と結ばれなければ不慮の死を遂げることと定められてしまう。また、この設定間違えによって恋太郎の恋愛運は極端に集中してしまい、高校生になるまでのあいだ、恋愛が成就することはなかった原因となっている。恋愛相談をしてきた恋太郎にこの事実を伝えたことが、のちに彼が「運命の人」と出会う度に彼女を増やしていくことの遠因となっている。

馬場 杏 (ばば あん)

愛城恋太郎たちの通う高校で教頭を務める女性。校則に厳しく、目の前で違反行為を見つけた場合には必ず捕まえて罰を与える。罰の内容は公衆の面前でディープキスをされるという精神的な体罰で、逃れようとする生徒も多数存在するが、過去に陸上選手であったために抜群の身体能力を有しており、逃れられた生徒は未だに存在しない。そのため、生徒たちからは「地上で最も音速に近いババア」の二つ名で恐れられている。角度のキツい色の入った眼鏡に大きな帽子のように整えられた髪型と、外見面でも非常に印象の強い人物である。これらの一般人を超越した身体能力と外見的印象から人外の妖怪として扱われている。一方、自分が教職員としてはまずい行いをしているという自覚もあり、行為の最中に花園羽香里に教育委員会の視察をちらつかされた時には一目散に退散した。その際、給料を出張ホストの若い男に貢いでいることを自ら暴露していた。蘭舞園フラワーパークの「ブーケトスイベント」に、ブーケトスを行うゲストとして招かれていた。その時の会話から、彼女が陸上競技全種目の陸上選手をだったことが発覚し、砲丸投げでは元日本代表選手であったことも明らかとなった。

総長

暴走族「呉莉羅連合」を率いる総長である成人女性。ゴリラのような容姿をしており、語尾に「ウホ」と付ける特徴的なしゃべり方をする。トラックに轢(ひ)かれそうになっていたところを助けたユウという少年と恋人関係にあり、仲を深めるためさまざまなイベントに参加している。特にブーケトスイベントやフードファイトフェスティバルでは同様に参加していた恋太郎ファミリーと相争い、外見に違わぬ力と呉莉羅連合のメンバーたちの連携によって愛城恋太郎たちを苦しめている。

ユウ

眼鏡をかけた小柄な体型の少年。暴走族「呉莉羅連合」を率いる、ゴリラのような容姿の総長と恋人関係にある。シャイな性格で、いつも総長からは一歩引いた位置に控えている。二人のなれそめは、ユウがトラックに轢かれそうになっていたところを総長に助けられたというもので、その際に視線の合った二人のあいだに「ビビーン」という衝撃が走っていた。

羽香里の父 (はかりのちち)

花園羽香里の父親。花園羽々里の死別した恋人である少年。実年齢については不詳だが、羽々里が羽香里を中学2年生の13歳で産んだという発言と、愛城恋太郎が見た羽香里の父の遺影からすると、中学生の男の子だったと推測される。その際、羽々里が年下が好きという発言をしていることから、大体の年齢が推測できる。死の病に冒されていたため、羽香里が生まれる前に死別している。また、羽々里が妊娠したのも人工授精によって行われたもので、実際には死別する定めにあった羽々里の、今後のことを慮(おもんぱか)ってキスすらしていなかった。死後は幽霊となって16年間ものあいだ、羽々里と羽香里のことを見守ってきた。紆余曲折を経て羽々里が恋太郎の恋人となった夜更け、トイレを探して部屋を出歩いていた恋太郎と出会い、その人柄に触れて意気投合する。しかし、二人で彼女たちを見守っていこうと誓い合ったのも束の間、恋太郎があまりにいい子過ぎたために二人をまかせることに安心し、彼女たちを残して死んでしまったという未練がなくなり、成仏する。

先生

愛城恋太郎が入学式の当日に出会った男性教師。コンタクトレンズを落として困っていたところを恋太郎に助けられた。その際、4時間にわたり付近一帯を探し回ってくれた恋太郎に対して高い評価を下しており、以降は教師による許可が必要な場面などではなにくれとなく融通してくれている。

浅川 (あさかわ)

愛城恋太郎が中学校の卒業式に告白した少女。背中の中程まで伸ばされた長髪の女性。恋太郎に対する感情は「明るくて気さくでとっても優しい愛城君のことが好き」という高評価なものだが、一方で恋愛対象としては反吐(へど)が出るほど嫌という痛烈なものとなっている。浅川以外にも恋太郎に対して好感を持っているものの、恋愛対象として見ることができないという女子が多くいたことが、友人Aの証言により明らかとなっている。のちに、その原因が神様による恋太郎の「運命の人」の数の設定ミスによるものだったと判明するが、当の本人たちは知るよしもなかった。

友人A

愛城恋太郎の中学時代の友人である少年。学ランを着崩し、中にパーカーを着込んだラフな格好をしている。恋太郎の性格や行動をよく把握しており、人柄などに関してべた褒めに近い評価を口にしていた。そのため、恋太郎が何度となく告白しても断られ続けることに疑問を抱いていたが、その謎が解消される前に卒業して離ればなれとなった。

司会

「フードファイトフェスティバル」の司会として登場した女性。細切りにした長方形の紙のような長髪にウサミミのような髪飾りを付け、×印の描かれた特徴的な瞳をしている。快活な語り口での司会進行もさることながら、背景や話末カットでは「野澤先生(野澤ゆき子)のエッチな絵の方がみんな嬉しいかな」という、メタ的な理由から脈絡のないサービス絵が挿入された。

タケコ・スーパーデラックス

「フードファイトフェスティバル」に出場していた性別不詳の大食い現世界王者。「『ONE PIECE』の世界みたいなサイズ感」と例えられるほどの巨大な体格を誇る。その巨体に見合った食事量で恋太郎ファミリーや呉莉羅連合を相手取り、たった一人で圧倒してみせた。だが実際には巨体に偽装した特殊メイクの内側にタンクを仕込み、咀嚼(そしゃく)したモノを密かにそこに吐き出すという、「『かいけつゾロリ』のよう」ともたとえられる不正ギミックが施されており、ほとんどの食事を口にしていなかった。このイカサマにより、恋太郎ファミリーをあと一歩の所まで追い詰めるも、ヒロインたちの予想以上の検討ぶりによりタンクが満タンとなり、最終的にあと一口の差で愛城恋太郎と彼女たちの愛の前に敗れ去ることとなった。

辺路木 ラプ子 (べろき らぷこ)

寿裸漆区高校の野球部員の女子。お花の蜜大学附属高等学校の女子野球部の廃部がかかった練習試合の対戦相手として恋太郎ファミリーの前に立ちはだかった。バットすらも弾く剛速球「暴君竜の大砲(ティラノ・キャノン)」をあやつるピッチャーの寺野サウル子とバッテリー「必狩双竜(デステニーハントバッテリー)」を組んでおり、彼女の投げるどんな球でも捕球する優秀な選手である。中学時代の須藤育を知っており、彼女の打者としての弱点をついてケガを負わせた。そして走者として出塁した際には、ファーストを守っていた好本静に悪口でささやいて戦術を仕掛け調子を乱して見せた。しかし、それらの行いが逆に恋太郎ファミリー全員の怒りを買い、結果として負けにつながってしまった。ヒールとして振る舞っていたが、試合後に両チーム合同で行われた焼き肉では静に焼いた肉を譲り、申し訳なさそうにしていた。

寺野 サウル子

寿裸漆区高校の野球部員の女子。お花の蜜大学附属高等学校の女子野球部の廃部がかかった練習試合の対戦相手として恋太郎ファミリーの前に立ちはだかった。バットすらも弾く剛速球「暴君竜の大砲(ティラノ・キャノン)」をあやつるピッチャーで、そんな剛速球でさえも捕球してみせる辺路木ラプ子と、バッテリー「必狩双竜」を組んでいる。ど真ん中にしか投げられないという、ピッチャーとしてかなり大きな弱点を抱えているものの、強烈な球威に全振りしたパワー型の投球スタイルによって補っている。その投球は試合開始序盤に、須藤育の腕を痛めつけてピッチャーとして機能させなくするほどの猛威を振るったが、辺路木ラプ子のダーティープレイに怒りを爆発させた恋太郎ファミリーの一番手、院田唐音に痛烈に打たれたのを皮切りに、ほかのメンバーにもバントが弱点であることを見破られると徐々に押されていった。最終的に肩が壊れるため、日に1度しか使えないとされる「暴君竜の大砲」の全力投球の禁じ手を破って、2度目の全力投球を行うも育に満塁ホームランを打たれサヨナラ負けを喫した。

集団・組織

恋太郎ファミリー (れんたろうふぁみりー)

愛城恋太郎と、その彼女たち。もとは蘭舞園フラワーパークで毎月行われている「ブーケトスイベント」に参加した際、応援旗を掲げて応援していた呉莉羅連合に対抗するために結成された。名前の候補としては単純に「恋太郎チーム」という名称もあったが、チームというよりはファミリーという恋太郎の感性から、「恋太郎ファミリー」となった。名付けられた当初は、その場限りのチーム名ではあったものの、その後「フードファイトフェスティバル」をはじめとする各種イベントに恋太郎と彼女たちの団体で参加する際は、この名前が用いられる。

呉莉羅連合 (ごりられんごう)

21世紀初頭に結成された日本の暴走族。所属メンバーはゴリラのような容姿で、特攻服を着てハチマキを巻いている。まとめ役を担っている総長は女性で、ユウという恋人がいる。総長がユウとの仲を深めるため、さまざまなイベントに呉莉羅連合ごと参加することがあり、ブーケトスイベントやフードファイトフェスティバルでは、同じく参加していた恋太郎ファミリーと争うこととなった。特にフードファイトフェスティバルでは女性五人での参加となり、総長以外にも女性メンバーがいるのが確認されている。総長を中心とした団結力は高く、応援旗を利用した「呉莉羅暴風」のような連携を前提とした技も存在する。また、毎日口の中で爆竹を爆発させる修行を行っており、辛いものにも強い。

やるやる三姉妹 (やるやるさんしまい)

女子野球部の練習試合に助っ人として、愛城恋太郎が呼んだ三姉妹。恋太郎ファミリーだけでは埋められない女子野球部の欠員を埋めるための人員だったが、折り悪く姉妹の中でカゼが蔓延してしまい試合を欠場することとなった。その際、恋太郎の携帯に彼女たちのメッセージが届いたが、個人ではなく三姉妹が一セットで登録されていた。

必狩双竜 (ですてにーはんとばってりー)

寿裸漆区高校の女子野球部の誇るバッテリーコンビ名。真っ直ぐしか投げられないが、バットすら弾く剛速球を誇るピッチャーの寺野サウル子と、そんなサウル子の投げるどんな球でもキャッチする辺路木ラプ子のバッテリー。なお、「必ず狩る双匹の竜」という意味を持つ「必狩双竜」という二つ名は自分たちで付けた。

寿裸漆区高校 (じゅらしっくこうこう)

お花の蜜大学附属高等学校の女子野球部の代わりに出場した恋太郎ファミリーが、廃部を賭けて対戦した練習試合の相手。出場していた選手に恐竜に類似する特徴的な名前が付けられていた。バットすら弾くという剛球を投げるピッチャーの寺野サウル子と、サウル子のどんな球でも捕球するキャッチャーの辺路木ラプ子のバッテリー「必狩双竜(デステニーハントバッテリー)」によって恋太郎ファミリーは苦しめられた。

場所

お花の蜜大学附属高等学校 (おはなのみつだいがくふぞくこうとうがっこう)

愛城恋太郎たちが通う学校。花園羽々里がみんなといっしょにいる時間を確保したいがため、学校の権利を買収し理事長に収まっている。中等部も隣接し、購買もそれぞれ別個に設置されている。中等部と高等部間は比較的簡単に相互の行き来ができるようで、中等部に在籍する原賀胡桃は昼休みごとに恋太郎たちのもとへ集まっている様子が見受けられる。作中では初登場時は名前が「○○高等学校」と伏せられていたが、寿裸漆区高校との女子野球部対決の際に正式な校名が明された。裏庭にピンクのクローバーが生えており、その中の四つ葉のものを渡しながら告白すると必ず付き合えるという恋のおまじないが存在する。

蘭舞園フラワーパーク (らぶぞのふらわーぱーく)

花園羽香里が恋太郎ファミリーのみんなに紹介したデートスポット。一面に花畑が広がる公園で、月に1回「ブーケトスイベント」が行われている。ブーケをキャッチした女性は、恋人といっしょにパークの花をあしらった特別なウェディングドレスを着て記念撮影を行なうことができる。そのウェディングドレスを着て、恋人といっしょに記念撮影するのは羽香里が幼い頃から夢見てきたあこがれの光景だった。

その他キーワード

ブーケトスイベント

蘭舞園フラワーパークで、月に1度行われているイベント。トスされたブーケをキャッチした女性は、パークの花をあしらった特別なウェディングドレスを着て恋人といっしょに記念撮影を行うことができる。蘭舞園フラワーパークを訪れた恋太郎ファミリーが参加し、同時に参加していた呉莉羅連合とブーケを賭けて争うこととなった。基本的に暴力行為は禁止とされているが、仲間内での修行というロジックで周囲の客たちをなぎ払った呉莉羅連合に対して、彼女たちの連係力で勝った恋太郎ファミリーがブーケを手に入れている。最終的にクジ引きによって誰がウェディングドレスを着るのかを決めることとなった。

フードファイトフェスティバル

新たに恋太郎ファミリーに加わった原賀胡桃とほかの彼女たちの仲を深めるため、愛城恋太郎の提案によって参加することになった大食いイベント。優勝賞金は「いっぱい円」と三つ星シェフによるジェラート。参加資格は10人までで、「男性」もしくは「成人」は二人換算となる。胡桃は当初、一人で参加するつもりだったが、「中学生以下は保護者同伴」というルールのため、みんなと参加することとなった。大会は3チームによって争われるポイント加算制の全5回戦が行なわれ、各回戦ごとに1位に3ポイント、2位に2ポイント、3位に1ポイントが与えられる。また決勝戦では獲得ポイントが2倍となる仕組みで、最終的に合計ポイントの最も大きかったチームが優勝となる。参加メンバーは各回戦ごとに自由となっており、全員が全回戦に出場することも可能なためメンバーの胃袋の限界を見極めつつ、誰を出場させるのか決定していくことが戦術的に求められる。また、本大会前には予選があり、最もご飯を多く食べた上位3チームのみが本戦へ進むことを許される仕組みとなっている。

王冠恋物語 (さーくれっとらぶすとーりー)

好本静が会話に使用している愛読書。イオ姫と騎士カマクルによる多くの困難と運命に阻まれた恋が描かれている。外装はハードカバーとなっており、凝った装丁が施されている。静の私物で、言葉を口にすることが苦手な彼女が、内容を一言一句暗記している「王冠恋物語」の文章を指し示すことで会話を行っていた。のちに愛城恋太郎によって手打ちによる電子テキスト化がされており、静のスマートフォンにデータが収められている。

唐音射出機&羽香里流星弾 (からぱるとあんどはかりゅうせいだん)

薬膳楠莉の「大好きな人とチューしたくてしたくてたまらなくなる薬」によってキスゾンビとなり、超身体能力を発揮していた院田唐音と花園羽香里が使用した合体技。唐音が羽香里をジャイアントスイングで投げ出し、ものすごい勢いで愛城恋太郎に抱き付く技となっている。被弾した恋太郎は思わず「宇宙超人タッグトーナメントじゃないんだから」とたとえていた。なお、ミステイクverが存在しており、そちらでは唐音に射出するタイミングを間違えられた羽香里が窓から飛び出してしまっていた。

呉莉羅暴風 (ごりらすとーむ)

呉莉羅連合が使用する技。応援旗を掲げたメンバーが激しく旗を振り回すことで、瞬間的に突風を巻き起こす。その風圧はかなりのもので、真横で小さな旗を掲げていた好本静の体を空中に巻き上げてしまうほどに強力なものとなっている。蘭舞園フラワーパークの「ブーケトスイベント」に参加したゴリラ連合が総長を援護するために使用した。

暴君竜の大砲 (てぃらのきゃのん)

寿裸漆区高校の女子野球部員である寺野サウル子が投げる必殺投球。ど真ん中にしか投げられないという欠点があるものの、バッターの振ったバットを弾き飛ばすほどの並外れた球威を誇る。その威力は怪力自慢である院田唐音をして球威に押し負けるほどで、対戦した恋太郎ファミリーを苦しめた。また、肩が壊れるために1日に1回しか投げることのできない必殺全力投球「暴君竜の大砲、全力投弾(ティラノ・キャノン・フルバースト)」が存在し、そちらはバットを弾くのみならず打者の腕を痛めつけるほどの威力を誇った。

磁石人間になる薬 (じしゃくにんげんになるくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。磁石に釘をくっつけていると釘も一定時間は磁力を持つのと同じ原理で、薬を飲んだ人間の血中を流れる鉄分に磁力を持たせる効果がある。磁力は体に釘や磁石をはじめ、スプーンやネジなども張り付くほどに強力。また、逆の磁極を発生させる薬を飲んだ人間が近寄ると人間同士でくっつき、離れることができなくなる。効果は10分ほどで切れるが、副作用として3日3晩、想像に絶する便秘に襲われてしまう。

薬の効果を打ち消す薬 (くすりのこうかをうちけすくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。名前どおり、楠莉が製作した薬品の効能を打ち消す効果がある。特定の薬と対になった解毒剤のようなものとは違い、こちらは汎用性が高いのかさまざまな薬に対して使用されている。また、「不老不死の薬」の製造に失敗した結果、幼くなっている楠莉が年齢相応の体に戻るためにも使用される。「薬の効果を消す薬」とも呼ばれていたが、最終的には「打ち消しの薬」という略称で呼ばれるようになる。

不老不死の薬 (ふろうふしのくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。文字どおり、人を不老不死にする薬だが楠莉が製作したものはその失敗作にあたる。効果は飲んだ人間の体と精神を幼くするというもので、高校3年生に相応な体つきをしていた楠莉が小学生のような体つきとなっているのは、この薬の影響による。「薬の効果を打ち消す薬」を飲んでも効果を完全に消しきることができないほどに効果は強力で、元の姿には数十分ほどしか戻れない。

よりセクシーになる薬 (よりせくしーになるくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。「セクシーといえばすっぽんぽん」という発想のもと、薬を飲んだ人間から衣服を溶かす汗を発させる効果を持つ。恋太郎ファミリーに加わった楠莉からみんなへとプレゼントされた薬の内の一つで、花園羽香里に送られた。

うさぎみたいになる薬 (うさぎみたいになるくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。飲むと頭の上からうさぎのような耳が生える効果がある。ウサ耳は本物の耳と同様に感覚が通っている様子で、触られるとぞくぞくとした未知なる快感が走る。恋太郎ファミリーに加わった楠莉からみんなへとプレゼントされた薬の内の一つで、物語や本が好きな好本静にプレゼントされた。

髪を操れる薬 (かみをあやつれるくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。飲むと髪の毛を自由にあやつることができるようになる。効果時間は十分ほどだが、自在にあやつることのできる腕が増えるようなものなので、作業効率を飛躍的にアップさせる効果が期待できる。反面、2本目以降の服用には毛根を酷使した代償としてハゲになる確率を上げるという副作用が存在する。恋太郎ファミリーに加わった楠莉からみんなへとプレゼントされた薬の内の一つで、効率性を重視する栄逢凪乃にプレゼントされた。

胸が大きくなる薬 (むねがおおきくなるくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。恋太郎ファミリーに加わった楠莉からみんなへとプレゼントされた薬の内の一つだが、院田唐音にプレゼントされようとしたが断られている。飲むと文字どおり「胸が大きくなる薬」ではあるものの、豊胸する薬というよりも胸筋をボブ・サップのようにする薬だった。

大好きな人とチューしたくてしたくてたまらなくなる薬 (だいすきなひととちゅーしたくてしたくてたまらなくなるくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。恋太郎ファミリーに加入したばかりの楠莉が、愛城恋太郎とキスをしたいがために製作した。飲むと文字どおりキスがしたくなる欲求を高め、大好きな人とキスをしたくなってしまう。しかし、それは男性が飲んだ場合の効果で、もともと「恋人に最も求めるものがキス」である女性が薬を飲んだ場合、キスをしたいという本能だけが残されることとなる。結果、理性によるリミッターが外された超身体能力を発揮した状態となり、大好きな人とキスをするため自我を失い本能のままさまよい歩く「キスゾンビ」状態となる。この状態になった女性たちは、薬が全身に回りきる1時間弱以内に「薬の効果を打ち消す薬」を服用して効果を消さなければ、完全に人格を失ってしまうこととなる。当初はお茶に混入させてひそかに恋太郎だけに飲ませようとしていたが、楠莉がトイレのために離席したところ、そのあいだにボトルを間違えた女性陣が飲んでしまった。結果として、四人の「キスゾンビ」が恋太郎を求めてさまよう「キスバイオハザード」が発生した。

ぶっかけると皮膚がただれて滅茶苦茶痛てー薬 (ぶっかけるとひふがただれてめちゃくちゃいてーくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。愛城恋太郎と楠莉以外の恋太郎ファミリーが、「大好きな人とチューしたくてしたくてたまらなくなる薬」の影響でキスゾンビと化してしまった「キスバイオハザード」の時に使用された。当初は四人の足止めに取り出されたが、突如現れた馬場杏に驚いた楠莉がぶちまけた。しかしながら、薬の効果は馬場杏が3時間かけて塗った土壁のようなファンデーションを溶かすにとどまり、効果を発揮できなかった。

赤外線が見える目薬 (せきがいせんがみえるめぐすり)

薬膳楠莉が製作した薬。実家に軟禁されることとなった花園羽香里を助けるため、邸宅に侵入した恋太郎ファミリーを阻んだ赤外線トラップを可視化するために使用された。2滴しか精製できなかった稀少な薬で、愛城恋太郎が代表して使用した。赤外線を視認することができるようになる薬だが、赤外線以外何も見えなくなる副作用がある。実は楠莉が志していた海外の薬学研究所のメンバー募集に応募する課題として提出する予定だったものだったが、羽香里との友情の方が大切という理由からそれをあきらめてまで用いられた。

新しい自分に生まれ変わる薬 (あたらしいじぶんにうまれかわるくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。倦怠期を恐れた花園羽香里によって依頼されて作られた。恋人に飽きられないために新しい魅力をもたらすためという依頼だったのだが、楠莉が製作しようとした薬は、人格をフニャフニャにして性格を改造するという薬だった。しかし、製作中に失敗し薬が爆発。周囲に飛散した結果、人格をフニャフニャにする作用が暴走して屋上にいた恋太郎ファミリーの女性各人の魂を飛び出させ、人格が入れ替わることになった。対処法としてあとから駆け付けてきた愛城恋太郎によって各人にキスをすることで頭をフワフワにし、不安定だった魂を体外に放出してから元の体に収めることで事態の収束が図られた。

赤ちゃんになる薬 (あかちゃんになるくすり)

薬膳楠莉が所有していた薬。恋太郎ファミリーのみんなにベビー服を着せたいという、花園羽々里の依頼により薬を持ち出してきた。人格も含めて人間を赤ん坊に戻すことができるが、1時間以内に元の体に戻ると肉体への負荷によって死んでしまうというハイリスクなデメリットがある。猫を見かけた楠莉によって誤って投擲され爆発し、愛城恋太郎と花園羽香里を除いた恋太郎ファミリーのみんなを赤ん坊に戻した。最終的に、「薬の効果を打ち消す薬」によってみんなは元の姿に戻ることができたが、赤ん坊になっていた時の記憶は残されていなかった。一方、思い出すことができないだけで体験としては残されているのか、院田唐音と原賀胡桃は羽香里の胸を見るだけでしばらくのあいだ、涎(よだれ)が出るようになっていた。

かわいさに過敏になる薬 (かわいさにかびんになるくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。恋太郎ファミリーでカラオケに出かけた際、楠莉がみんなから褒めてもらうために使用した。しかし、効果が出始めたタイミングで好本静が歌い始めたことで、恋太郎ファミリーのみんなが静のかわいさに壁まで物理的にはじき飛ばされることとなった。最終的に愛城恋太郎が、みんなが壁に叩き付けられた惨状を静が見ては悲しませてしまうからと、彼女の歌を受け止めるためにデュエットを行うが、それによりほかのみんながカラオケ店の壁を突き破る事態に発展している。

耳が腐り落ちる薬 (みみがくさりおちるくすり)

薬膳楠莉が製作した薬。恋太郎ファミリーでカラオケに出かけた際、「かわいさに過敏になる薬」の効果でみんなが窮地に陥った時に取り出された。文字どおり耳を腐り落とす効果があり、それによって音が聞こえなくなるが「薬の効果を打ち消す薬」を飲んでもあとの祭りであることが、花園羽香里に指摘されている。使用される前にそもそも、「薬の効果を打ち消す薬」を飲んで「かわいさに過敏になる薬」の効果を打ち消せばよいと気がついたため使用されることはなかった。

キスがすんごい気持ちよくなるリップ (きすがすんごいきもちよくなるりっぷ)

薬膳楠莉が製作した薬。キスをすることで美しさに重要なホルモンが多量に分泌されるという美容効果を利用して、みんなで美しくなる目的から使用された。キスによる快感を増し脳への刺激を強めることで、ホルモンの分泌量を増加する狙いがあったが、取り出された当初から媚薬というツッコミが入れられていた。効果は折り紙付きで、ふだんは感情に疎い栄逢凪乃や銘戸芽依ですらキスをするだけで腰砕けになっていた。最終的に恋太郎ファミリーの女性陣の画風が少女漫画のようになるほどの劇的な効果が得られたが、同時に愛城恋太郎もギリシア・ローマ彫刻のような絵を超越した美しさを獲得していた。

運命の人 (うんめいのひと)

人がこの世に生まれた時に定められる、最高の恋愛パートナー。定められた時期に必ず出会う運命となっており、愛城恋太郎の場合は高校時代に設定されている。必ずしもすべての人間に設定されているわけではないため、「運命の人」が設定されている人はそれだけで幸福といえる。しかし、それは一生分の運気をそこに費やしているということでもあり、神様によれば、もしも「運命の人」と出会ったにもかかわらず愛し合って幸せになれなかった場合、その人物はなんやかんや不幸な目に遭ったあとに死んでしまうのだという。「運命の人」同士が出会った場合、全身には「ビビーン」と衝撃が走りお互いのことが好きで好きでたまらなくなっていく、一目惚れに近い状態に陥る。その際、女性の方はすぐに好きになるが、男性の方は時間をおいて徐々に好きになっていくという違いがある。のちに、クラスメートとして顔を合わせていても、目と目を合わせていない限り、相手のことを「運命の人」と認識できないことが判明。なお、通常であれば一人の人間に対して一人の「運命の人」が設定されるが、恋太郎は神様のミスにより2桁多い100人の「運命の人」が設定されている。

クレジット

原作

中村 力斗

書誌情報

君のことが大大大大大好きな100人の彼女 17巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(2020-04-17発行、 978-4088915333)

第10巻

(2022-06-17発行、 978-4088923383)

第11巻

(2022-09-16発行、 978-4088924274)

第12巻

(2022-12-19発行、 978-4088925370)

第13巻

(2023-03-17発行、 978-4088926292)

第14巻

(2023-07-19発行、 978-4088927183)

第15巻

(2023-10-19発行、 978-4088928616)

第16巻

(2023-11-17発行、 978-4088928968)

第17巻

(2024-03-18発行、 978-4088931715)

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