夕方のおともだち

夕方のおともだち

山本直樹の代表作の一つである短篇。五つの町村が合併して誕生した都市「いるか市」を舞台に、表向きはまじめながら、裏では筋金入りのマゾヒストである男性・ヨシダヨシオが、さまざまな出会いと別れを繰り返し、最終的にあこがれていたSM嬢・ユキ子と再会するまでの軌跡を描いたSMサスペンス。ヨシダの鬱屈した日々やSMに関する哲学や葛藤が、グロテスクなまでに生々しく描写されているのが大きな特徴。全3編で、初出は小学館「ビッグコミックスピリッツ」1995年10月増刊、11月増刊、12月増刊号。1997年2月発売の『山本直樹著作集 フラグメンツ』1巻ほか、2009年5月発売の自選短篇集『夕方のおともだち』に収録。2022年2月に実写映画化し、ヨシダヨシオを村上淳が演じている。

正式名称
夕方のおともだち
ふりがな
ゆうがたのおともだち
作者
ジャンル
グロテスク・エログロ
レーベル
CUE COMICS(イースト・プレス)
巻数
全1巻完結
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概要・あらすじ

登場人物・キャラクター

ヨシダ ヨシオ

いるか市の水道局に勤務する男性。まじめそうな風貌と性格で、周囲には地味な印象を持たれている。不定愁訴を患っている母親がおり、その介護に追われている。苦痛を味わうことを好む極端なマゾヒストで、SMクラブに通っては苛烈なプレイを楽しんでいる。SMクラブに通っていることを同僚たちも知っているが、真逆のサディストであると誤解されており、酔っぱらったトミ子から告白された時は自らの過激な性癖を見せつけて断った。長らくマゾヒストとしての調教を受けたことからよくも悪くも苦痛に慣れているため、つねに物足りなさを感じている。世間の風潮には少なからず興味を抱いており、SM関連で知り合った女性と市長選について語り合うこともある。

ユキ子 (ゆきこ)

いるか市の選挙事務所で、助手を務めている女性。ヨシダヨシオに負けず劣らずの地味な容姿ながら、かつてはSM嬢として働いていた。ヨシダからは、これまで出会ったどんな女性よりも苛烈なサディストと思われ、神格化されている。ただし、ユキ子自身は他者を痛めつけたいという願望は持っておらず、ヨシダを痛めつけているのも彼が望んでいるからという理由によるもの。現在はごく一般的な生活を送っているが、ヨシダからもう一度痛めつけてほしいと懇願され、彼の望みをかなえるために久しぶりにSM嬢としての手腕を振るう。

書誌情報

夕方のおともだち 全1巻 イースト・プレス〈CUE COMICS〉

第1巻

(2009-05-14発行、 978-4781601151)

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