大好王

大好王

幼い日に交わした少女との約束を果たし、彼女との初恋を成就するため、未体験のハンドボール部を創設して奮起する少年たちの姿を描いた青春ストーリー。「週刊少年ジャンプ」誌上で平成11年14号から31号にかけて連載された。

正式名称
大好王
ふりがな
だいすきんぐ
作者
ジャンル
その他スポーツ
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概要・あらすじ

親の転勤で渡米することになった野球少年・阿部恋文。渡米前夜の友人の少女・丸井心からのキスと、「世界一のピッチャーになったコイちゃんをずっと待ってる」という告白を胸に刻み、野球の練習に励んだ恋文は、14歳にしてメジャーリーグにスカウトされるほどの選手に成長していた。心と交わした約束を果たすため、15歳で日本に帰国した恋文は、彼女が通う「満開高校」へと入学。

転校初日に心と再会を果たすも、なんと心はかつての約束どころか、恋文の存在そのものを綺麗さっぱり忘れてしまっていた。ショックで放心状態となった恋文の前に、恋文とまったく同じ過程で心にフラれてしまった高校生・伊藤岡田加賀山の3人が姿を現し、心が今は「ハンドボール」が好きであることを伝える。

一念発起した恋文は、再び心を自分に振り向かせるため、未知のスポーツであるハンドボールへの挑戦を決意するのだった。

登場人物・キャラクター

阿部 恋文 (あべ こいぶみ)

鋭い目つきをした15歳の男子高校生。5歳の時に渡米し、14歳にしてメジャーリーガーとなった、日本のみならずアメリカでもその名を知られた超高校級の天才野球少年。渡米する時に友人の少女・丸井心から告白され、右手の甲にマジックで2人の名前を入れた相合傘を描かれる。渡米後の10年間に、彼女の言葉を励みにして血のにじむような努力を続けた結果、現在の地位を築いた。 心と交わした「世界一のピッチャーになって彼女を甲子園に連れて行く」という約束を果たすため、15歳でメジャーリーガーを引退して日本に帰国。満を持して心が通う「満開高校」に転入したものの、再会した心に存在を忘れられていたという、信じがたい現実に直面する。その後、阿部恋文と同じ境遇の男子高校生である伊藤、岡田、加賀山の3人から、心がハンドボールに傾倒していることを知らされ、彼女のハートをつかむために、未経験のハンドボールをはじめることになる。 不慣れなボールと体の使い方、さらに練習場の確保など、さまざまな障害に苦しみつつも、徐々にバンドボールそのものへの魅力にとりつかれていくことになる。 普段は物怖じしない男気のある性格をしているが、ベタ惚れしている心に対しては、すべてにおいて女々しい態度しかとれない。心から「気持ち悪い手で触らないでよ!!」と拒絶された時には錯乱しながら涙を流し、校内中を走り回った。メジャーリーグ仕込みの手首の強さを活かしたシュートを武器にしており、ハンドボール部の創設後はチームの重要な得点源となる。 「伊奈見高校」との合同練習試合ではエース級の活躍を見せるまでに成長する。

丸井 心 (まるい こころ)

15歳の女子高生。他人の長所を上手に見つけて好きになれるという人柄の良い少女だが、反面非常に忘れっぽいところのある天然な性格。阿部恋文の幼い頃の友人で、親の都合で渡米することになった恋文に告白し、彼の右手の甲に2人の名前が入った相合傘を描いて再会を誓った張本人。しかし、10年のあいだに恋文との約束はおろか恋文の存在そのものをきれいさっぱり忘れてしまい、10年後に再会を果たした恋文のことを変態ストーカー呼ばわりして、追い払ってしまう。 恋文以外にも伊藤、岡田、加賀山に告白した過去があるが、彼らの存在も完全に忘れ去っていた。今は犬の散歩中に見かけた「陵関学園」のハンドボール部の椿に恋心を抱いている。当初は自身につきまとう恋文をはじめとするハンドボール部の面々を毛嫌いしていたが、必死にハンドボールに取り組む部員の姿を見て、徐々に態度を軟化させる。 校内放送で正体を隠してハンドボール部員を勧誘するなどのアシストをしている。

椿 (つばき)

「陵関学園」のハンドボール部に所属しているロングヘアの男子高校生。ポジションはキーパーを務めている。容姿端麗な人気者で、体育館の用具室に校内の女子を呼んではエロい行為にふけっている。丸井心をとられることを恐れた阿部恋文から、彼女を相手にしないように懇願された際は、恋文の必死なさまを面白がり、心を自分の「コレクション」に加えることを宣言、恋文を激昂させる。 心との交際権を賭けた、恋文率いるハンドボール部との試合では、力の差を見せ付けて終始圧倒するも、恋文の常識を超えたシュート力の前に吹っ飛ばされ、得点を許してしまう。他人を見下してもてあそぶ言動を繰り返すなど、かなり傲慢な性格をしているが、自分を打ち負かした恋文に対しては、認めているかのような態度を見せる。

芳賀 のり (はが のり)

常にセクシーな格好をしている、ハンドボールが得意な美人OL。阿部恋文が創設したハンドボール部に興味を抱き、練習を連日見学していた。不審に思って話しかけた恋文たちにハンドボール勝負を挑んで勝利を収め、恋文に請われる形で部のコーチに就任する。ハンドボールを熟知しており、競技に対する熱意も本物。指導者としての能力も高く、素人である恋文たちにオリジナルのスペシャルメニューを課して、1か月間で戦えるチームに仕上げたほど。 椿の知り合いでもある。

原田 (はらだ)

阿部恋文が結成したハンドボール部に入部した男子高校生。無口な不良少年で、当初はただの素人を装っていたが、パスの質を見た芳賀のりにハンドボールの経験者であることを見破られる。中学からハンドボールをはじめたが、先輩が教える強くなるためのダーティープレイの数々に強い反発を覚え、ハンドボールを離れていた。「満開高校」のハンドボール部では経験を買われ、キーパーとフィールドプレイヤーの両方を担当している。

伊藤 (いとう)

15歳の男子高校生。5歳でカナダに渡り、アイスホッケーのエキスパートとなった帰国子女。幼少の頃に丸井心の告白を受けた1人。心と再会するために帰国し、「満開高校」に転入したものの、心からは完全に忘れ去られていた。ショックのあまり一時的に長髪が白髪になってしまう。心を振り向かせるためにハンドボール部に入ってからは、アイスホッケー仕込みのタイトなディフェンスでチームに貢献する。

岡田 (おかだ)

15歳の男子高校生。5歳の頃から始めた柔道で、全国的に名の知られた少年。幼少の頃に丸井心の告白を受けた1人で、心との約束を果たすために「満開高校」に転入したが、心からは存在を忘れられていた。伊藤と同様、ショックのあまり一時的に白髪になってしまう。心の気を引くためにハンドボールをはじめてからは、優れた体さばきを駆使した見事なディフェンスを見せる。

加賀山 (かがやま)

15歳の太った男子高校生。将棋界で名をはせる新進気鋭の棋士。幼少の頃に丸井心の告白を受けた1人。心と再会するために「満開高校」に転入したものの、心から存在ごと忘れられており、ショックのあまり一時的に白髪となってしまう。太っているが、それを他人から指摘されると「太っていません!」と激怒する。心を振り向かせるためにハンドボールをはじめるが、運動能力の低さからチームの足手まといになってしまう。 芳賀のりの指導により、優れたキーパーへと成長していく。

青木 (あおき)

阿部恋文が結成したハンドボール部に入部した、身長が190センチ以上ある男子高校生。もともとはバスケ部の期待のエースだったが、極度の緊張体質のため、実戦では一度もコートに立つことができなかった「緊張王」。いじめられてバスケットボール部に居場所がなくなり、ハンドボール部へと転部した。芳賀のりの指導により、生来の緊張癖を徐々に克服していく。

宇川 (うかわ)

阿部恋文が結成したハンドボール部に入部した、生徒会長を務める男子高校生。表向きはマジメな生徒だが、実は超ドスケベな性格。丸井心が流した「ハンドボール部に入って一番活躍した人を抱き枕する」という校内放送を聞いて、即座に入部を決意した。生徒会長という役職柄か、部員の裏事情にはかなり詳しい。

吉川 綿子 (よしかわ わたこ)

丸井心の友人の女子高生。心とはいつも一緒に行動している。転入してきた阿部恋文たちを、ストーカーやナンパの類と言い切って取り合わない心に対し、心が忘れているだけで10年前の約束は本当のことではないかと疑っている。心とは対照的に、冷静かつドライな性格。

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