父の暦

父の暦

父親の訃報をうけて、10数年ぶりに故郷へ帰ることになった陽一。少年期の幼きゆえの父とのわだかまりが、縁者たちの通夜の語らいによって解き放たれ、故郷への想いが変化していく心情を浮き彫りにしていく。

正式名称
父の暦
ふりがな
ちちのこよみ
作者
ジャンル
その他
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊1巻
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概要・あらすじ

故郷の鳥取市で暮らしていた陽一の父、山下武が亡くなった。少年時代の両親の離婚で父の山下武にわだかまりを持って故郷が遠くなってしまった陽一だったが、通夜のために帰省した陽一を故郷の人々は温かく迎え入れてくれた。親戚の者たちの通夜の席の語らいで陽一の知らない父の姿が浮き彫りにされていく。

登場人物・キャラクター

山下 陽一 (やました よういち)

鳥取県の出身。東京でサラリーマンをしている。少年時代に、母が出て行ったことを父のせいと思い込んだまま故郷を離れたことで、大人になったいまも父親山下武にわだかまりを抱き続けている。

山下 武 (やました たけし)

山下陽一の父。鳥取市内で山下理髪店を経営する。実直で融通のきかない仕事一筋の性格であったため、妻の清子とうまくいかず、陽一が幼い時に離婚し、後に太田鶴子と再婚する。

山下 清子 (やました きよこ)

山下陽一や春子の実母。父の山下武と共に山下理髪店を営んでいたが、鳥取大火後、店の再建の苦労の中、山下武との間に溝が生じ、離婚して家を出てしまう。

大石 大介 (おおいし だいすけ)

山下陽一の母、清子の兄で鳥取で造り酒屋を営む。山下武が清子と離婚した後も、何かにつけて一家の面倒を見てくれる頼りになる存在。

山下 春子 (やました はるこ)

山下陽一の姉。継母の鶴子を支えて一家を切り盛りしている。

太田 鶴子 (おおた つるこ)

鳥取の漁港賀露の漁師の娘。山下陽一と春子の継母。一度結婚をしているが、子供を産めず実家に戻されていた。山下武と再婚し、陽一や春子に愛情細やかに接する。

松本 貞二 (まつもと さだじ)

小学生だった頃の山下春子の担任の音楽の先生。山下武の家庭を顧みない仕事一筋の姿に淋しくなった春子が心のよりどころにした男性。

山下 良子 (やました りょうこ)

山下陽一の妻。陽一の仕事先のデザイン事務所にアルバイトで入ってきたことがきっかけでつきあうようになり結婚。

芳江 (よしえ)

山下武の実家、兵庫県での幼馴染み、康夫の妻。康夫は漁に出て亡くなっている。その後も親切にしてくれる山下武とは、お互いなんでもない関係ながら、武の妻、清子からその仲を誤解される。

坂口 源吉 (さかぐち げんきち)

山下理髪店の家の釜焚きをやってくれていた男性。力持ちで山下陽一は腕にぶらさがっていた記憶がある。山下武の通夜にかけつけてくれる。

チロ

子供の時に山下陽一らが飼っていた犬。鳥取大火で取り残されて焼け死ぬところを伯父の大石大介と父の山下武の必死の救出で助け出される。

場所

山下理髪店

山下陽一の父山下武が経営していた理髪店。鳥取大火で焼け落ちてしまう。

書誌情報

父の暦 1巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(1994-11-30発行、 978-4091837929)

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