バンパイヤ

バンパイヤ

動物に変身するバンパイヤ族と、破壊欲にとりつかれた青年間久部録郎が出会い、すべての人間たちをけものにしてしまうバンパイヤ革命を起こす。作者である手塚治虫が重要な役割で登場。実写とアニメ合成によるテレビドラマも制作され、ドラマ放映に合わせて第2部が連載された(掲載誌『少年ブック』休刊のため未完)。

正式名称
バンパイヤ
ふりがな
ばんぱいや
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
アクション
レーベル
手塚治虫文庫全集(講談社コミッククリエイト)
巻数
既刊2巻
関連商品
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概要・あらすじ

木曽の山奥の夜泣き谷からやってきた少年立花トッペイは、アニメ制作会社虫プロに入社する。実は彼は、特定のきっかけで、けものに変身してしまうバンパイヤ族であった。変身すると凶暴になってしまう彼は、自分をむりやり変身させた怪奇現象の専門家熱海教授を崖から追い落として死なせてしまう。偶然目撃した間久部録郎は、変身した立花トッペイに襲われるが、穴に落ちた立花トッペイを助け、命の恩人となり、以来、立花トッペイは意志に反して間久部録郎の悪事に加担させられることになる。

自らを「悪魔の申し子」と呼び、富豪の財産のっとって力を増す間久部録郎は、社会の規範を無くし、すべての人間をけものにかえるバンパイヤ革命を目指すバンパイヤ族たちと出会い、協力して人間社会を破壊していく。

登場人物・キャラクター

立花 トッペイ

夜泣き谷からやってきたバンパイヤ族の少年。漫画好きで虫プロに入社し、行方不明になっている父を捜す。怒ったり、誰かを憎んだりするとオオカミに変身する。変身したときは相手をかみ殺すことも平気になる。人間の姿のときは間久部録郎を悪人と憎みつつ、変身した時には、なぜか惹かれるものを感じて、その命令に逆らえないが、バンパイヤ族と間久部録郎が手を組んだことを知り、ついに下田警部にいままでの犯罪を打ち明ける。

間久部 録郎 (まくべ ろくろう)

幼くして両親を亡くし、孤独な子ども時代を送った後、故郷を飛び出した。大西ミカと同じ学校に通っていた縁で大西家の書生となる。変装を得意とし、ゆすり、誘拐、殺人と悪事を重ねていく。自らを「悪魔の申し子」とよぶ。

手塚 治虫 (てづか おさむ)

作者である手塚治虫がモデル。自分のアニメ制作会社虫プロに立花トッペイを入社させたことから、間久部録郎とバンパイヤ族の陰謀に巻き込まれる。何度か殺されそうになりながらも窮地を脱し、陰謀を暴露する番組を放映する。

下田警部 (げたけいぶ)

ゲタのように四角い顔に中折れ帽の刑事。するどい洞察力で間久部録郎の本性を見抜くが、証拠がつかめないまま翻弄される。立花トッペイの告白を聞き、間久部録郎の逮捕状を取りにいく途中、間久部録郎が仕組んだ事故により死ぬ。

岩根山 ルリ子 (いわねやま るりこ)

立花博士の助手。バンパイヤ族と間久部録郎の橋渡しをするうち、間久部録郎に恋心を抱くようになる。

立花 チッペイ

立花トッペイの弟。丸いものを見るとオオカミに変身する。幼くて抑制が利かないため、街中ですぐに変身してしまい立花トッペイをあわてさせる。

西郷 風介

間久部録郎の幼なじみで、唯一、心を許せる親友。サツマ中学合気道部主将。鹿児島から間久部録郎をたずねてやってくる。さつまいもが好物でいつも食べている。気合の一喝は強力でバンパイヤ族を寄せ付けない。間久部録郎を、自分で言うような悪魔ではなく、ただの気の弱い人間であると喝破し、悪事をやめるように説得するが、結局、間久部録郎に拳銃で撃たれて死ぬ。

熱海教授 (あたみきょうじゅ)

怪現象や妖怪科学の専門家。人間は、核実験を繰り返し、いずれ、戦争によって滅びる断じ、それを避けるには人間がけものになるしかないと考え、人間をけものにする薬、マッドPA(マッドパー)を作る。立花トッペイをむりやり変身させ、変身した彼に崖から落とされて死ぬ。

大西 ミカ (おおにし みか)

間久部録郎が書生となってる大西家の令嬢。間久部録郎に命じられた立花トッペイに誘拐される。

伴 俊作

私立探偵で下田警部のおじ。下田警部の最期を看取り、その跡を継いで間久部録郎を執念深く追いつめる。

立花博士 (たちばなはかせ)

立花トッペイの父。オオカミの姿のまま捕らえられ、ある寺に飼われているところを立花トッペイに発見される。人間の汚れた社会にいやけがさし、人間に戻ることを望んでいない。立花トッペイとまちがわれ警官隊に撃たれる。

ウェコ

『バンパイヤ』に登場する生物。生き物の血を吸う。海外に潜伏中の間久部録郎に拾われる。ウェコを財閥の息子の替え玉にして、財産を乗っ取ろうとする間久部録郎の悪事に利用される。

集団・組織

バンパイヤ族 (ばんぱいやぞく)

『バンパイヤ』に登場する、変異した人間の種族。特定のきっかけで、動物に変身する。何の動物になるかは、それぞれ違っている。細胞の大きさそのものも変わるので、小さなネズミにも変身できる。ただし、重さは変わらない。国や法律、規則などをとりはらい、すべての人間をけもの(原始人)にするバンパイヤ革命を起こす。

場所

虫プロ (むしぷろ)

バンパイヤ族の少年立花トッペイが入社する。手塚治虫がつくった実在のアニメ制作会社虫プロがモデル。

その他キーワード

マッドPA (まっどぱー)

『バンパイヤ』に登場する薬。熱海教授が、人間をけものにするために作った。人間は、核実験を繰り返し、いずれ、戦争によって滅びる断じ、それを避けるには人間がけものになるしかない、というのが作った動機である。また、この薬を、変身したバンパイヤ族にのませると、再び人間に戻ることができなくなる。

アニメ

バンパイヤ

山里から上京してきた少年トッペイこと立花特平は、偶然出会った新聞記者の森村記者の紹介で、アニメ制作会社虫プロに入社する。しかし、トッペイは動物に変身する能力を持つ人間バンパイヤだった。 トッペイと出会... 関連ページ:バンパイヤ

書誌情報

バンパイヤ 2巻 講談社コミッククリエイト〈手塚治虫文庫全集〉

第1巻

(2010-09-10発行、 978-4063737820)

第2巻

(2010-09-10発行、 978-4063737837)

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