天使なんかじゃない

天使なんかじゃない

私立聖学園の生徒会を舞台に、生徒会役員に選出された高校生達の学園生活と友情、恋模様を描いた少女漫画。

正式名称
天使なんかじゃない
ふりがな
てんしなんかじゃない
作者
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あらすじ

生徒会での出会い(第1巻~第2巻)

新設された高校の1期生である冴島翠は、入学式で出会った須藤晃の事がずっと気になっていた。リーゼントのヘアスタイルで粗暴な印象のある晃だったが、それはあくまでも外見だけであり、翠は内面の優しい晃に心惹かれていく。そんな翠は、入学早々生徒会に立候補させられ、副会長に当選を果たす。そんなある日、翠は晃のカバンから「ヒロコ」という女性の名前が入ったプレゼントを見つけ、二人の関係を気にするようになる。そんな中、生徒会のはじめての仕事として、校内の文化祭を企画する事となった。その作業の途中、翠は美術部の顧問である牧博子の名前が「ヒロコ」である事に気づき、晃と博子の関係を疑い始める。

中川ケンとの再会(第3巻~第4巻)

須藤晃と晴れて付き合い始めた冴島翠は、満ち足りた日々を過ごしていた。そんなある日、翠は坂本将志と名乗る男と出会う。彼は牧博子のかつての恋人であり、海外へ美術の修行をするために放浪の旅に出ていた人物だった。また、中学時代に荒んだ日々を過ごしていた晃は、将志のおかげで立ち直れたという経緯があり、晃にとって将志は恩人でもあった。そんな将志の突然の帰国に戸惑いながらも喜ぶ晃だったが、翠はそんな晃の姿に一抹の不安を覚える。同じ頃、翠は中学時代の同級生であり、現在はアマチュアバンドを結成して定期的にライブ活動を行っている中川ケンと再会する。ケンのライブに行った翠は、ケンが自分に対して抱いていた恋心に気づくと共に、晃が今もなお博子の事を思っているのではないかと考え始める。

翠達の通う学校では体育祭の季節となり、翠達のアイデアで奇抜な体育祭が行なわれる事となる。そこで博子は足を負傷し、晃が介抱した事で翠は、晃がまだ博子に思いを寄せている事を確信する。それでも翠は晃の前では努めて笑顔で過ごしていたが、意外にも博子から見合いをすると打ち明けられる。その見合いの日は、折しも晃が翠を誘って北海道への旅行を計画していた日だった。その事実を知った晃は翠を置いて博子のもとへと走る。残された翠は、孤独に耐えきれずケンに連絡を取ってしまう。

姿を消した晃(第5巻~第6巻)

冴島翠は、牧博子のもとへ向った須藤晃を追いかける事ができず、中学時代の同級生であり、自身に思いを寄せる中川ケンのもとへと向かう。ケンは翠を優しく受け入れ、晃のように翠を泣かせるような事はしないと誓い、翠もまたケンと付き合う事を了承する。晃もまた翠とはうまくいかない事を自覚し、別れを選ぶ。

時は流れ、翠達生徒会は任期を終え、新たな生徒会役員が決定した事で、翠達はOBとして新たな生徒会をサポートする役目を請け負っていた。友達として晃と接する翠だったが、それでも晃の事を忘れられない自分の気持ちを再確認して、改めて晃とやり直そうと決心する。しかし、晃はその直後に休学届けを出して、翠達の目の前から姿を消してしまう。

それぞれの旅立ち(第7巻~第8巻)

冴島翠は、自分達の前から姿を消した須藤晃に会いたい気持ちを募らせていた。一方の晃は、フランスのパリにいた。晃がパリに来た目的は、かつて自分の前から去った坂本将志を探す事にあった。しかし、自分の気持ちの整理ができていない晃は、いつしか自分が翠に会いたいと願っている事を自覚する。晃は意を決して翠に国際電話をかけ、自身の本心を伝えて、将志を見つけたらいっしょに帰ると告げる。そして、インドで将志と再会した晃は、約束どおり将志と共に日本へと戻って来る。帰国した将志は、かつての恋人でもある牧博子と再会、博子は将志と二度と離れない事を決意し、やがて二人は結婚する。

将志と博子の結婚式に参加した晃は、翠を連れて確執のあった自身の実家を訪れ、翠のおかげで自分の気持ちに素直になれた、と感謝の言葉を伝える。そんな晃の姿に翠もまた、晃と出会えてよかったと思うのだった。こうして、数々の思い出を胸に翠達は卒業式の日を迎える。

登場人物・キャラクター

冴島 翠 (さえじま みどり)

私立聖学園の第一期生徒副会長。A組。いつも元気で明るいクラスの人気者。両親と3人家族。絵を描くのが好きで才能もあり、美術部を発足させる。須藤晃とは恋人同士で、雨の日に子猫を助ける姿を見てからずっと気になっていた。友人であるトン子とカヨからは学園の天使になってほしいと思われている。

須藤 晃 (すどう あきら)

冴島翠が想いを寄せる相手。リーゼント頭が特徴の私立聖学園の第一期生徒会長。F組。両親が離婚しているため一人暮らしをしている。生活費捻出の為様々なアルバイトをしているおり、通学にはバイクを使用。とことん楽しい学園にしたいと考えている。熱血漢で勢いで動くことがあり、瀧川秀一のクールなカバーを頼りにしている。

麻宮 裕子 (まみや ゆうこ)

私立聖学園第一期生徒会書記。左目の下のホクロが特徴。頭脳明晰なお嬢様タイプでクールビューティー。D組で、中学時代から瀧川秀一に好意を抱いていた。翻訳家になるのが夢。実は怖がり屋で、お化けが苦手。冴島翠のことはあまり好きじゃなかったが、猛烈なアプローチに負けて仲良くなる。

瀧川 秀一 (たきがわ しゅういち)

『天使なんかじゃない』の登場人物で私立聖学園第一期生徒会会計。C組。女性に優しく、長髪で美形なためモテる。周囲からはいつもさわやかで温厚なイメージを持たれる反面、優柔不断な部分もある。

河野 文太 (こうの ぶんた)

D組のお祭り人間と呼ばれるほど明るく能天気。冴島翠とは中学からのくされ縁。私立聖学園の第一期生徒会の書記。スポーツ刈りが特徴で、ラグビー部にも所属している。

足立先生 (あだちせんせい)

私立聖学園の生徒会顧問で、49歳の日本史教師。眼鏡の白髪で、自身をベテラン教師と思っているが、面倒くさがりで、あまり生徒からは頼られていない。日本史の宿題を出さないのが良い部分と生徒から評価されている。花火師や貸し衣装など、変な知り合いが多い。

牧 博子 (まき ひろこ)

私立聖学園の美術教師。ロングヘアーで美人なうえに、背も高くスタイルも抜群。おしゃれにも気を使っている。高校のときからずっと坂本将志と付き合っている。料理はかなり下手で運動も苦手。

柴田 広子 (しばた ひろこ)

須藤晃の妹。小学3年生で、世田谷にて実母と義父とともに在住。兄と違って可愛らしく、甘いものが大好き。両親が喧嘩するたびに海へ連れ出してくれた兄のことが大好きで、いつも写真をお守りとして持っている。「家庭円満いい子で仲良し」を誓いの言葉としている。

原田 志乃 (はらだ しの)

瀧川秀一の中学の後輩であり彼女でもある。ぱっちりした目をしており、色白できゃしゃな体型。人形のように顔が小さく、とにかく可愛いのだが、性格は悪い。私立聖学園の美術部に所属しており、第二期生徒会会長でもある。

坂本 将志 (さかもと まさし)

牧博子の彼氏で、パリにて絵画の勉強をしていた。ハットにサングラスが特徴的で、長髪。優しい目をしており、絵だけでなく、料理も上手いと実に多才。夜のバイトにはげんでいる画家志望。

谷口 マコ (たにぐち まこ)

原田志乃のイトコで、一緒にいることが多い。私立聖学園の美術部に所属。ショートカットで、明るく、なんでもストレートに発言する。裏表が全くない性格をしている。第二期生徒会の書記。とにかく音痴。河野文太に片思いしている。

トン子 (とんこ)

私立聖学園の女子生徒で、A組。冴島翠とはクラスメイトであり、親友でもある。底抜けに明るく、クラスの中心的人物でもある。豚鼻が特徴的。冴島翠を生徒会役員として推薦した張本人であり、立会演説では応援演説も行っている。

中川 ケン (なかがわ けん)

K市一中3年3組出身で、バンドマン。中学時代は冴島翠と最も気の合う友達であり、片思いしていた。卒業後もその思いは変わらず一筋。お調子者でサル顔だがかなりおしゃれ。

陣内 稔 (じんない みのる)

私立聖学園の第二期生徒会書記。須藤晃のことをアニキと呼ぶほど尊敬しており、あこがれて生徒会へ立候補。須藤晃のことなら何でも知りたがる。金髪でリーゼントが特徴的。

江ノ本 真一郎 (えのもと しんいちろう)

私立聖学園の第二期生徒会副会長。爽やかな男性で男前だが怒りっぽい性格をしている。感情的になりやすく、つい手が出てしまうこともあるが、根は優しい。原田志乃に片思いしている。

場所

私立聖学園 (しりつひじりがくえん)

主人公である冴島翠や須藤晃らが通う、創立されたばかりの高等学校。校則もさほど厳しくなく、自由な校風。教師よりも生徒や生徒会が中心となって学校作りに励んでいる。

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