ヨネザアド物語

ヨネザアド物語

ますむらひろしが、青林社に在籍していた時に描いた連載作品。後の『アタゴオル物語』シリーズの原型にあたる。キャラの名称や容姿、地名などに共通点はあるが、ほんわかとしたアットホームな雰囲気は少なく、侵略や復讐をメインにした血なまぐさい内容となっている。連載途中に作者が『青猫島』の描きおろしを引き受け、連載を早期に集結させることを決意。完結はしたものの肝心の戦争の結末は不詳のままとなっている。

正式名称
ヨネザアド物語
ふりがな
よねざあどものがたり
作者
ジャンル
ファンタジー
 
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概要・あらすじ

クルメル王が再起し、ヨネザアドを支配すべく動き始めた。アタゴオルに住むヒデヨシテンプラは、義勇軍に参加するべく旅に出る。だがすでに戦端は開かれ、クルメル王の雇った天竜天馬軍団により、多くの街が滅ぼされていた。ヨネザアド連合軍が岩森台地で迎撃するが、戦いの最中に天竜天馬軍は突如撤退してしまう。

彼らはギルドマ・ジャングルにある黄金伝説に狙いを変えたのだ。国のため復讐のために、天竜天馬軍を追う決意を固める。その前でヒデヨシは宣言した。「俺 行かねえ」。

登場人物・キャラクター

ヒデヨシ

でっぷりと太った黄色い毛並に、風呂敷をマント代わりに身に着けた巨大猫。騒がしくぶきっちょで、大酒飲み。「クルメル王に占領されたら酒が飲めなくなる」という話に奮起、義勇軍に加わる決意をする。しかし、鳥霧山脈を越える前に、クルメル王の決起部隊五月の赤い雨に見つかってしまい、銃弾で肩を負傷する。

テンプラ

『ヨネザアド物語』の登場人物でアタゴオル州に住む、口ひげをはやした人間の青年。ヒデヨシとコンビを組んで、義勇軍に加わるべくヨネザアドを目指す。付き合いが長いのか、ヒデヨシの扱いには長けている。鳥霧山脈でクルメル王の決起部隊・五月の赤い雨と銃撃戦になり、肩を負傷する。

クルメル王 (くるめるおう)

ヨネザアドに圧政を布いていた王。三月人民革命で捕縛され、処刑された。しかし、替え玉で難を逃れ、力を蓄え、犬によって編成された決起部隊・五月の赤い雨をはじめ、金で雇った天竜天馬軍団などを使い、再びヨネザアドに君臨すべく闘争を開始する。作品内では名前だけで実際の登場はなかった。

嵐牙党の首領 (らんげとうのしゅりょう)

左目を眼帯で隠した猫族の青年。フランドウルの鳥霧山脈にある嵐牙堂を根城にしている。27年前に天竜天馬軍団により両親・兄・妹を殺されており、復讐の機会を狙っていた。後のアタゴオルシリーズのレギュラーキャラ・ギルバルスの原型にあたる人物。

キュレン

『ヨネザアド物語』に登場する、嵐牙党に所属する術士。黒眼が無く、頭部には角が2本生えた猫。植物を急成長させたり、遠くの物を透視球に映し出したり、トンボを巨大化させる術などを使う。

飛天竜 (ひてんりゅう)

『ヨネザアド物語』に登場する、天を突くほどの巨大な竜。女性幹部のラドに率いられた天竜軍団の主力。その頭や背に軍勢を乗せ、街を押し潰して進軍する。体からは高い熱が発せられていて、冬でも春の花が咲き始めるほどである。その表皮は硬く、アッズ砲の砲撃では全く歯が立たず、逆に口からの砲弾一発で粉砕されてしまう。

天馬軍団長 (てんまぐんだんちょう)

天竜天馬軍団を指揮する、残虐にして横暴な男。鷲鼻で竜の顔が図案化された上着を着ている。金に対して汚く、クルメル王の出す黄金よりもヨネザアド伝説で手に入る金の方が多いと算段、戦線を放棄してギルドマ・ジャングルへと向かう。

源三郎 (げんざぶろう)

『ヨネザアド物語』に登場する、キャネコット州在住の猫。ヒデヨシの幼なじみ。天竜天馬軍団が岩森台地を突破した時の備えとして銀雷爆弾の設置を行っていた。銃の腕前はかなりのもので、銀雷爆弾の設置を知り報告へ向かったクルメル王配下のゲリラ部隊・五月の赤い雨3人を銃で血祭りにしている。

ヤニ・パンツ

『ヨネザアド物語』に登場する、キャネコット州在住の猫。源三郎と一緒に、天竜天馬軍団の侵攻に備えて銀雷爆弾の設置を行っていた。帽子を被り上着を着ているが、ズボンを履いていないため下は丸出しである。

集団・組織

天竜天馬軍団 (てんりゅうてんまぐんだん)

『ヨネザアド物語』に登場する、ベバドラデス大陸からやってきた強力にして残虐な軍団。地を這う飛天竜と、空を駆ける天馬を主力とする。その戦闘力は非常に高く、メムニア国では、300万の軍を破ったといわれている。ヨネザアドには6万の兵を率いて上陸した。

その他キーワード

アッズ砲 (あっずほう)

『ヨネザアド物語』に登場する、ヨネザアド連合軍のリンゴ型の戦車。天竜天馬軍団に対抗するべく岩森台地に配備された。車体側面にはナンバーが書かれており、少なくとも95台以上がこの戦いに投入されている。実は新兵器のストラバヂッギイ砲が設置完成するまでの足止めとしての投入だった。

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