女医レイカ

女医レイカ

病院の心療科を舞台にさまざまな悩みや心の病気を持つ人々の、葛藤や異常性を描いた作品。主人公の氷室レイカは、鋭い観察眼と精神科医としての見地から患者を救い、時には心に闇を抱えた人間が引き起こす事件を解決していく。心理学の用語も多く登場するが、重要な用語は分かり易く解説されており、自然と心理学の知識も身につく構成となっている。「リイドコミック」に1993年から連載された。シナリオは剣名舞。

正式名称
女医レイカ
ふりがな
じょいれいか
作者
ジャンル
日常
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あらすじ

今を時めく売れっ子歌手の森中ミーナが手首を切って自殺を図り、城南大学附属病院に救急搬送されてきた。しかし、外科担当の久高はどこにも見当たらず、代わりに心療科医師の氷室レイカが手当てにあたって事なきを得る。これで一安心した一同だったがミーナはその後、病室を勝手に抜け出し病院の屋上から飛び降り自殺を図ろうとする。今にも飛び降りそうなミーナに対して、レイカは、開口一番「さっさと飛び降りたらどう?」と言い放つ。ミーナを刺激しかねない危険な一言に現場は騒然とするが、実際はその場にいるなかでレイカだけが、ミーナの心の中を見透かしていた。

世界観

病院の心療科を舞台にさまざまな人間の心の病を描いている。初期は患者が心の病からいかに回復するのかという点に重点が置かれていたが、徐々にサスペンス色が強くなる。しかし、作品のテーマでもある心の病を描くという点は一貫しており、後期は人間の悪意と心の病気にレイカが立ち向かうという構成となっている。

メディアミックス

TVドラマ

1999年8月6日にフジテレビ系「金曜エンタテイメント」でTVドラマ版が放送された。監督を伊藤秀裕、脚本を伊藤秀裕、藤平ちゃ子が担当した。また、主人公の氷室レイカ役には名取裕子が起用されている。

登場人物・キャラクター

氷室 レイカ (ひむろ れいか)

城南大学附属病院心療科で医師を務める若い女性。その腕は確かで、鋭い観察眼と膨大な心理学の知識から、人の心理を読み取る術に長けている。どんな場面でも決して焦ることなく、患者に対して適切な処置を施すことができる優秀な医者。冷静沈着でまったく笑顔を見せないため、その人情味に欠ける印象から、院内では密かに「アイス・ドール」と呼ばれている。 容姿端麗ながら、恋愛に対しての興味は薄い。実は不感症である。

久高 (くだか)

城南大学附属病院外科で医師を務める男性。女にだらしがない性格で、病院内はもちろん所かまわず女性に手を出す軟派な性格。氷室レイカとは研修医時代からの付き合いで、レイカの過去を知る人物の1人。レイカの精神科医としての優秀さは認めている。

大迫 幸一郎 (おおさこ こういちろう)

城南大学附属病院の院長の男性。病院の信用や評判を第一に考えており、その妨げになる者は即座に排除しようとする。氷室レイカの腕を非常に買っており、自分の娘である大迫ユイの治療においても、レイカに相談を持ちかけた。

大迫 徳馬 (おおさこ とくま)

大迫幸一郎の父親で、城南大学附属病院の名誉理事を務める。普段は豪華な運転手付きのリムジンに乗り豪勢な生活をしているが、時には病院の掃除など名誉理事の立場からは考えられない雑務をすることもある。

一色 マコト (いっしき まこと)

城南大学附属病院心療科にインターンに来ている男性。就業中にヌード写真集を見るなど勤務態度は悪いが、明るい性格で頭も切れる。昔から父親の書斎で本を読むのが好きで、当時は難しい本ばかりを読む勉強家だった。幼少期に一緒に育った喧嘩の強い兄の一色トオルのことを尊敬していた。

白鳥 清美 (しらとり きよみ)

城南大学附属病院心療科の看護師の女性。元々は整形外科にいたことから整形した女性の顔を見極める目に長けている。女流作家の家永ジュンの大ファン。のちに看護師を辞め、心理カウンセラーになるための勉強を始める。

桜木 安奈 (さくらぎ あんな)

城南大学附属病院外科の看護師の女性。白鳥清美とは看護学校の同級生。病院内では「病棟のナイチンゲール」と呼ばれており、その整った容姿と親切な患者への接し方から、同僚や患者のなかでは非常に評判が良い。看護師の職に就いてから何故か急に歩けなくなるという症状が現れ、その病に悩まされている。

堂本 光男 (どうもと みつお)

城南大学附属病院の外科部長を務める男性。消化器系の癌に関してはかなり詳しく、日本でも指折りの権威として知られ、月に数回だけ特別に内科で外来患者を診ている。プライドが高く、患者が診断結果に不満を漏らすとすぐにムッとしてしまう。癌が見つかった場合は、積極的に患者に伝える告知派としても知られている。

鰐口 房江 (わにぐち ふさえ)

氷室レイカが立ち上げた「氷室メンタルクリニック」で受付と会計、カルテの整理をしている中年女性。四ツ柳シローと同じタイミングで「氷室メンタルクリニック」に勤め始めたが、今ではシローを指導する立場になっている。好きな色は赤。

四ツ柳 シロー (よつやなぎ しろー)

氷室レイカが立ち上げた「氷室メンタルクリニック」で雑用係をしている23歳の男性。中学時代に友達だった一ノ瀬ナオトが周りからいじめられていた際、不本意ながら自分もそのイジメに関わったという過去を持つ。

氷室 溶ノ介 (ひむろ ようのすけ)

「夢ヶ丘診療所」に勤めている精神科医。氷室ユリエの弟で氷室レイカは姪にあたる。レイカが精神科医を目指すきっかけとなった男性。男性と女性の両方の特性を持った人間こそが精神科医としての理想という持論を持っており、レイカならいつかそんな理想の精神科医になれると期待している。

氷室 ユリエ (ひむろ ゆりえ)

氷室レイカの母親で、城南大学附属病院に勤めていた。元々、ピアニストになりたかったが家が貧しくピアノを買うことができなかったため、友達の家でピアノを弾かせてもらっていた。看護師として小学生の頃の梅原聡に優しく接し励まし続けたが、家に帰るとストレスを発散するかのようにヒステリーを起こしていた。3年前に癌で亡くなっている。

ジョニー・ワイズマン (じょにーわいずまん)

ニューヨーク州立大学医学部精神科で教授を務める男性。研修医時代の久高と面識があり、氷室レイカは大学の教え子だった。厳しくも優しい人物で、精神科医として駆け出しのレイカに多大な影響を与えた。

イザベラ・スミス (いざべらすみす)

12年前にジョニー・ワイズマンのクリニックにやってきた女性患者。性欲が異常に強い病気に悩まされており、その際の担当セラピストは氷室レイカだった。当時、浮気が原因で夫をナイフで刺殺しており、その後は特別隔離病棟に収容されていた。巧妙に表情を変えて演技ができる魔性の女性。

ビリー・スコットJr. (びりーすこっとじゅにあ)

14年前に殺人事件の疑いをかけられた男性。当時、氷室レイカが犯罪心理学の見地から彼に有利な証言をしており、自らもレイカとは親密な関係にあった。現在はニューヨークの市長になるために活動中で、当選は確実だと言われている。

亀山 (かめやま)

警視庁夢ケ丘警察署の男性警部。氷室レイカの協力を得てある事件を解決したことがあり、それからはレイカのもとを頻繁に訪れては、プロファイリングの知識に乏しい自分に代わり捜査協力を要請している。

森中 ミーナ (もりなか みーな)

今を時めく売れっ子女性歌手。絶大な人気を誇っているが、最近婚約者の近石邦彦にフラれたという噂があり、マネージャーの倉尾に「これから死ぬわ」と言い残して自宅の風呂場で手首を切った。その後、城南大学附属病院に救急搬送された。以前にも睡眠薬自殺を計ったことがあるなど、自殺願望の様子を見せる。

倉尾 (くらお)

森中ミーナのマネージャーを務める男性。ミーナから「これから死ぬわ」と電話を受けた後、即座に病院に連絡した。ミーナを心配するような素振りを見せるが、実際は自殺未遂が世間に知れ渡ってイメージダウンになることを恐れているだけ。本人はミーナのことをビジネスの対象としか考えていない。

鷲塚 一 (わしづか はじめ)

雑誌「リイド芸能」の男性記者。常に酒を持ち歩いているアルコール依存症で、氷室レイカからは初対面の時からその兆候を見抜かれていた。その後、虫の幻覚を見たことがきっかけで、相談にレイカのもとを訪れる。

鷲塚 涼子 (わしづか りょうこ)

鷲塚一の妻。5年前から別居していたが、一が久しぶりにアパートを訪れた際、涼子もアルコール依存症になっていたことが発覚した。その後、氷室レイカのもとでアルコール依存症との闘いを始める。かつて一世を風靡したアイドルグループ「ストロベリーズ」のメンバーで、その素直で気取ったところのない性格で一を虜にしている。

近石 邦彦 (ちかいし くにひこ)

森中ミーナの婚約者だった男性俳優。ある時からミーナに不自然な行動を取るようになり、一方的に婚約を破棄した。父親である近石耕作の夢を見てうなされることが多い。

近石 耕作 (ちかいし こうさく)

近石邦彦の父親。映画監督として活躍していたが、15年前、高速道路で強引な車線変更をしたことによる交通事故で命を落とした。妻である三原鈴江は三度目の結婚相手で、それまで二度離婚を経験している。

三原 鈴江 (みはら すずえ)

近石邦彦の母親。かつては15歳でデビューを飾ったアイドル女優で、当時は清楚でコケティッシュな新進気鋭の女優として森中ミーナの憧れの存在でもあった。その後、19歳の時に近石耕作と結婚し、20歳で邦彦を産んだが、耕作の死を受けて芸能界から姿を消した。

鹿島 小雪 (かしま こゆき)

森中ミーナが憧れている女優の1人。40年前には「邂逅」という映画で主演を果たしたこともあり、その時は三原鈴江と並び称されるほどの銀幕のスターだったが、現在は見る影もなく落ちぶれてしまっている。しかし本人にはその自覚がまったくなく、現在も40年前の美しい自分のままだと思い込んでいる。

津末 安次郎 (つすえ あんじろう)

40年前の映画「邂逅」の大道具を担当していた男性。アルツハイマーの病状が進行しており、成人している息子を小学生だと思い込んだりしているが、意思疎通はしっかり取れている。鹿島小雪のデビュー時からのファンで、現在もそのブロマイドを肌身離さず持ち歩いている。

秋田 理恵子 (あきた りえこ)

有限会社「大洋印刷」に勤める引っ込み思案な25歳の女性。急な頭痛がした後、記憶がなくなってしまうという症状に悩まされており、相談に氷室レイカのもとを訪れる。実は二重人格で、性的な刺激を受けるともう1つの人格である「滝丘エリ」が出てきてしまう。

滝丘 エリ (たきおか えり)

秋田理恵子の中に潜むもう1つの人格。普通、二重人格におけるもう1人の人格は記憶を共有しないが、滝丘エリは理恵子の言動や考えなどすべてを把握しており、医学的には特異なケースとなっている。一人称が「私」の理恵子と異なり「あたし」となっており、性格も非常に自由奔放で破天荒。

(しま)

有限会社「大洋印刷」に勤める男性社員。新入社員として入社していた頃から秋田理恵子に好意を寄せていた。その想いは非常に強く、理恵子が二重人格で男にだらしのない「滝丘エリ」という別人格を持っていることを知りながらも、変わらず理恵子を愛し続けた。

一色 トオル (いっしき とおる)

一色マコトの27歳の兄。銀行強盗をして行員1人を銃で撃ち、逃走している。行員に太ももをカッターで突かれており、その怪我の治療をするために城南大学附属病院を訪れた。その際、氷室レイカを人質にとって立てこもる。自分より出来の良い弟のマコトに対して劣等感を感じており、マコトのもとから逃げるように10年前に家出していた。

大迫 ユイ (おおさこ ゆい)

大迫幸一郎の娘で、夢ヶ丘高等学校に通っている。拒食症と過食嘔吐症候群に悩んでおり、体重は30キロとかなりやせ細っている。非常に危険な状態で、入院一歩手前となっている。心理テストで、家庭を何より大切にしているという結果が出ている。氷室レイカは、その家庭環境が原因となっているのではないかと考えている。

堂本 清彦 (どうもと きよひこ)

医大に通う大学生で、堂本光男の息子。ある時、電車への飛び込み自殺の現場をたまたま目撃し、足が震えて遺体もまともに見ることができなかった経験を持つ。これをきっかけに自分が医者には向いていないのではないかと考えるようになり、通っている医大を辞めようとしている。

家永 ジュン (いえなが じゅん)

大胆な性的描写で話題を呼んだベストセラー「シンデレラの誘惑」を書いた女流作家。現在は売れっ子作家としてテレビ番組のコメンテーターも務めている。ベストセラーを世に送り出してからいつも胸が締めつけられる症状が出たり、理由もなくイライラすることが多くなり、氷室レイカのもとを訪れる。

仁志 (にし)

家永ジュンの恋人で、彼女のマネージャーを務めている男性。仲のいい4つ年下の妹がいたが、仁志が大学生の時に強姦殺人によって亡くしている。また、その現場を発見してしまったことで精神的なショックを受け、以来インポテンツに悩まされている。

蛭沼 猛雄 (ひるぬま たけお)

ヒットドラマを次々に送り出している大物男性プロデューサー。家永ジュンを人気の女流作家として世に送り出した人物で、内容はさておきいかに話題を上手く作るかが重要だと考えている。母親がかつてアメリカ兵相手の売春婦を務めており、その現場を何度も見ているうちに性的嗜好が歪んでしまっている。

美谷 ルミ (みたに るみ)

売れっ子アイドルストリッパーの女性。元々は劇場のもぎりをしていた地味な女性で本名は「美谷留美子」。昔から自分の容姿にコンプレックスを持っており、その影響から目と鼻と口を整形している。隣人の小野寺に好意を寄せている。

小野寺 (おのでら)

美谷ルミの隣の部屋に引っ越してきた男性。2人の子持ちだが前の妻を乳癌で亡くしている。現在は隣人のルミと家族ぐるみの付き合いをしており、時々一緒に食事をしたり遊んだりしている。高所恐怖症ながら日曜大工が得意。

麻生 司郎 (あそう しろう)

会社員の男性。昔は会社や家庭のために必死に働いていたが、現在は社内で問題を起こした責任を問われ、窓際である資料室勤務になっている。そのため、会社に行くのをサボってしまったり、帰宅の際に無駄に寄り道をするなど無気力な状態が続いている。

麻生 藍子 (あそう あいこ)

麻生司郎の妻。ドアの鍵の閉め忘れやガスの元栓の閉め忘れなどを何度も確認しなければ気が済まない強迫神経症を患っている。完璧癖から発症しており、その反動で日常的に万引きをしていた。

麻生 沙織 (あそう さおり)

麻生司郎と麻生藍子の高校生の娘。中学生の時にクラスの子から臭いとからかわれた経験があり、それ以来自分の臭いが気になってしかたがない。これにより、人が触ったことのあるドアノブやつり革には、ハンカチ越しでなければ直接触れることができないほどの不潔恐怖症になっている。

麻生 稔 (あそう みのる)

麻生司郎と麻生藍子の中学生の息子。小学生の頃は素直でスポーツの得意な子供だったが、現在は不登校の引きこもりとなっており、外に出ないでゲームと望遠レンズでの盗撮に興じる生活をしている。

石原 (いしはら)

元夢ヶ丘署の腕利き刑事で、現在はトラックの運転手を務める男性。妻の石原ネネとはデートクラブ摘発の際に出会った経緯があり、その時は担当刑事とデートクラブに所属している容疑者という関係だった。

石原 ネネ (いしはら ねね)

石原の妻。子供を産んでからすぐにイライラするようになり、情緒が不安定になるマタニティブルーに悩まされている。かつてはデートクラブで詐欺まがいの行為を繰り返していたが、石原と出会ったことにより改心している。

佐伯 ヨーコ (さえき よーこ)

自分の言っている嘘を真実と思い込んでしまう、空想虚言癖を患っている女性。子供の時から嘘をつく癖があり、その時は貧乏な現実から逃げるように裕福な家庭の子を演じていた。それは大人になってからも治らず、結婚して子供を流産してからは精神的に追い詰められ、とうとう子供を誘拐するという犯罪行為に手を染めてしまう。

江波 直樹 (えなみ なおき)

3日前から行方不明になっていた男性。元ファッションモデルの二枚目タレントで、最近はドラマにも出演するなどお茶の間の人気を得ている。スキューバダイビングに行った後に海岸に打ち上げられていたところを発見され、意識ははっきりしているものの何かにおびえているような様子を見せる。

ヒロ・鮫島 (ひろさめじま)

ファッションモデル時代の江波直樹を人気タレントに仕立て上げたファッションデザイナーの男性。定期的にファッションショーを開催するなど一般人にも非常に有名で、ファッションデザイナーとしての地位を確立している。

深水 鮎子 (ふかみ あゆこ)

ヒロ・鮫島のアシスタントを務める女性。アシスタントながらデザイナーとしての才能を認められており、近々独立する予定となっている。昔、ファッションモデル時代の江波直樹に好意を寄せており、接近を試みたがその際に交際を断られている過去がある。

梅原 ツネ (うめはら つね)

城南大学附属病院に入院している老婆。喀痰排出困難の症状がよく出るため、頻繁にナースコールを鳴らしている。看護師の桜木安奈に対して好感を寄せており、孫である梅原聡の嫁に来てほしいと言うほどにその人間性を買っている。

梅原 聡 (うめはら さとし)

梅原ツネの孫。営業担当の男性会社員で、仕事に自由が利くためよく祖母のお見舞いに顔を出している。小学生の頃に心臓病で入院していたことがあり、当時看護師から優しく励まされたことを、今でも大事な思い出として記憶している。そのため看護師と結婚したいと思っており、祖母のお見舞いを通じて知りあった看護師の桜木安奈に好意を抱いている。

南条 達人 (なんじょう たつひと)

城南大学附属病院に通院している男性患者。通院がきっかけで氷室レイカと知り合い、一方的に好意を寄せている。高校までは優秀な成績を修めていたが大学受験に失敗してから引きこもり、情緒も不安定になってしまった。現在は10歳歳の離れた実の兄と、その妻である義姉とともに暮らしている。

影山 緋沙子 (かげやま ひさこ)

夢ヶ丘高等学校に通う女子高生で、大迫ユイのクラスメイト。高見沢リュウのファンだがその熱狂ぶりは常軌を逸しており、リュウの乗っている車をタクシーを使って追いかけたり、リュウになりきってファンレターの返事を自分宛てに書き、ユイに自慢していた。

高見沢 リュウ (たかみざわ りゅう)

現在大人気の男性シンガーソングライター。追っかけの女性ファンが常につきまとい黄色い声援が飛び交うなど、特に若い女性から支持を受けている。事務所の方針で口止めされているが、実は妻子持ち。

風間 秀彦 (かざま ひでひこ)

元城南大学附属病院の心療科で働いていた男性で、現在は帝都大医学部で臨床心理士の職に就いている。過去にある患者の心理テストにおいて解釈の違いで氷室レイカと揉めたことがあるなど、レイカの過去についても詳しい情報を持っている人物。また、久高のことは「ナンパな医者」と見ており、快く思っていない。

堀田 (ほった)

城南大学附属病院に診察に来た男性。元々は外科で診察されていたが、家族が癌で死亡したということもあり自分が癌ではないかとあまりにも診断結果を疑うため、心療科の氷室レイカのもとへ案内された。自ら医療知識を学ぶなど勉強熱心な面がある。

東山 利郎 (ひがしやま としろう)

城南大学附属病院の外科に来ていた患者。癌の告知派である堂本光男に「ほとんど治る見込みがない」と癌宣告されたことがきっかけで電車のホームから飛び降り自殺した。気が弱く神経質な性格で、死後に見つかった日記には光男の名前が書かれていた。

鳳 マリア (おおとり まりあ)

29歳にしてIT企業「鳳エンタープライズ」代表取締役を務める女性。父親は帝都大医学部名誉教授の鳳心太郎。ドラッグストアやファミリーレストランなども幅広く手掛ける「鳳グループ」の事業アイデアを出したりとグループの発展に貢献し続けている。未だに独身なのでレズではないかと噂されている。

鳳 心太郎 (おおとり しんたろう)

かつて帝都大医学部で名誉教授を務めていた男性。帝都大医学部在籍中には氷室ユリエや氷室溶ノ介とも交流があり、幼少期の氷室レイカとも知り合いで一緒に遊園地に行ったこともあった。病気により亡くなっており、いまわの際にはレイカの名前を口にしていた。

黒崎 圭介 (くろさき けいすけ)

IT企業「鳳エンタープライズ」で鳳マリアの秘書を務める男性。常にマリアを近くで献身的に支える存在であり、その付き合いは長く幼少期にさかのぼる。小学生の頃はいじめられていたマリアを守ったこともあり、当時から密かにマリアに想いを寄せ続けている。

宮部 サトル (みやべ さとる)

私立図書館に務める27歳の男性。女性とうまく付き合えないという悩みを抱えており、氷室レイカのもとを訪れた。初体験の際、綺麗な足を持つ女性から馬鹿にされたことにより、それがトラウマとなっている。2年前には婦女暴行未遂事件の前科がある。

真行寺 頼子 (しんぎょうじ よりこ)

教育評論家としてテレビに出演している女性。過去に相談に訪れた小学生をカウンセラーに紹介したが、カウンセラーの強引な治療により結果的に自殺へと導いてしまったことを気に病んでいる。そのためカウンセラーやセラピストといった存在を嫌っており、子供の不登校を防止するためにはまず家庭で親がしっかりとしつける必要があるという持論を展開している。

真行寺 悟 (しんぎょうじ さとる)

真行寺頼子の小学生の息子。元々、一人っ子であまり友達もいない引っ込み思案な性格だったが、ここ半年で急に学校へ行かなくなってしまった。ミニ四駆が好きで「ギーモ」という目に見えないペットを飼っているつもりでいる。

SYUU (しゅう)

ビジュアル系ロックバンド「アフロディーテ」のボーカルを担当する男性。暇さえあれば鏡の前に立って自分の容姿をチェックするなど、そのルックスに何より気を配っている。上京した当時、自分のルックスに自信が持てなかったため整形に手を染め、以来整形を繰り返している。

KIYO (きよ)

ビジュアル系ロックバンド「アフロディーテ」のドラムを担当する男性。SYUUのあまりにも異常すぎる容姿へのこだわりを不安に思い、SYUUには秘密で氷室レイカのホームページから出張診察を依頼した。

DAI (だい)

ビジュアル系ロックバンド「アフロディーテ」のリードギターを担当する男性。「アフロディーテ」がビジュアル先行のバンドであることを否定しており、ビジュアルを重視するSYUUの考え方とは真っ向から対立している。SYUUの整形のことに関してもあまり快く思っていない。

水原 麗美 (みずはら れみ)

邦楽雑誌「J ROCK」の女性記者。元々は洋楽誌で仕事をしており、ニューヨークに常駐していた。ビジュアル系ロックバンド「アフロディーテ」のSYUUとは学生時代に知り合いで、当時はSYUUに好意を寄せていた。

沢井 音也 (さわい おとや)

新進気鋭の若手男性作曲家で、久高の高校時代の同級生。バイオリン奏者の響夏代と婚約しているが、結婚を自分が有名になってのし上がっていくための「ビジネス」としか考えておらず、夏代と婚約したのも響家の財産を奪うためにあえて長女を選んだだけ。

響 夏代 (ひびき なつよ)

響冬美の双子の姉のバイオリン奏者。沢井音也の婚約者。事あるごとに妹の冬美と比べられては「生意気」「プライドが高い」などと言われており、自分より可愛がられていた妹の存在に悩んでいる。

響 冬美 (ひびき ふゆみ)

響夏代の双子の妹のピアノ奏者。物心がつく前から姉の夏代とともに音楽漬けだったため友達ができなかったが、本人は姉のことが大好きで、友達がいなくてもかまわないと考えていた。最近、夏代に結婚を前提に付き合っている男性がいることを知り、ショックを受けている。

鯨井 雄作 (くじらい ゆうさく)

氷室レイカと高校時代に同級生だった男性。学生時代はラグビー部に所属する体力自慢の人物だったが、社会人となってからは不慣れな仕事と上司からのパワハラでストレスを抱えた生活を送っている。そのため精神科医を訪れたところで、たまたまレイカと再会する。

川村 沙知代 (かわむら さちよ)

氷室レイカと高校時代に同級生だった女性。当時はラグビー部のマネージャーを務めており、その涙もろさと恵まれたルックスからマドンナ的な人気を誇っていた。現在は「君山コンツェルン」の御曹司と結婚しているが、結婚生活はうまくいっていない。

恵美子 (えみこ)

氷室レイカと高校時代に同級生だった女性で、当時は年下の男子生徒から人気があった。高校を中退し、現在は夜の店を切り盛りしながら、漫画家を目指している恋人の高野嘉彦と一緒に生活している。現在も男性からの人気は健在で、何人もの男性からプロポーズされているが嘉彦がいるため断っている。

水沼 鉄平 (みずぬま てっぺい)

消防士の男性で、放火されたマンションの消火活動にあたっていた時に氷室レイカと出会った。その後、婚約者である沢口汀の診察のために城南大学附属病院を訪れ、レイカと再会する。愛煙家でヘビースモーカー。

沢口 汀 (さわぐち みぎわ)

水沼鉄平の婚約者の女性。普段は物静かだが、急に全裸になって外に飛び出したり、感情的になってものを壊したりと自分を抑えきれない症状に悩まされている。鉄平とはデパート火災において、彼に現場から救出されたことがきっかけで知り合った。

日下 橙次郎 (くさか とうじろう)

24年前に連続30件の放火事件を起こし、8人を死亡させた犯罪史に名を残す放火魔。最後は自分の家に火をつけて当時の妻と娘を焼き殺した。その後、逮捕されたが精神鑑定の結果不起訴となり、現在はとある施設に入院している。氷室レイカを一目見て精神科医と見抜くなど確かな観察眼の持ち主。

鵜野 比呂美 (うの ひろみ)

白鳥清美の姉。現在は結婚しており、苗字が「鵜野」に変わっている。芸能関係者のメイクアップアーティストをしているが、ギャンブル依存症となった夫の借金で悩んでおり、離婚を考えている。

鵜野 駈 (うの かける)

鵜野比呂美の夫。元々ギャンブル好きだったが、会社をリストラされてからギャンブルにつぎ込む金がどんどん増えてしまい、現在は再就職もせずにギャンブル三昧の生活を送っている。ギャンブルで作った借金は500万円にも膨らんでいる。

柘 蘭子 (つげ らんこ)

18歳から家政婦を務めている女性で、現在35歳。最近、音に対して非常に敏感になってしまったことで城南大学附属病院の氷室レイカのもとを訪れた。10代の時は二階堂家に仕えていたこともあったが、当時少年だった二階堂彰一から嫌がらせを受けていた過去を持つ。

二階堂 彰一 (にかいどう しょういち)

二階堂亜耶の婚約者で、二階堂物産の次期社長と目されている跡取り息子。器量があり、ルックスも良いことから女子社員からはかなり人気がある。婚約者の亜耶の身体にもこまめに気をかけているなど一見完璧な人間のようだが、実際は幼少期から完全主義の強迫神経症からくる盗癖に悩まされている。

二階堂 亜耶 (にかいどう あや)

華族出身のお嬢様で、二階堂彰一の婚約者。現在は彰一の子供を身ごもっていて、出産のために城南大学附属病院の産婦人科に通っている。自宅ではハーブの栽培をしており、自作のハーブティーをいれることもある。家事は苦手。

石動 恭平 (いするぎ きょうへい)

飛行機墜落事故に遭い、生存した中学生の少年。父親と母親と妹を飛行機事故で亡くして以来、恐怖という感情がなくなり、自分に生命の危機が迫っていたとしても動じない人間になってしまった。

霧島 ありさ (きりしま ありさ)

飛行機墜落事故に遭い、生存した中学生の少女。飛行機事故以降は動く乗り物に対して恐怖感を抱いており、自動車にも乗れなくなってしまった。同じ生存者である石動恭平のことを気にかけている。

北上 吾郎 (きたがみ ごろう)

バーで腹話術を披露している男性。腹話術で使う「マー坊」という人形を通せば自分の本心をしゃべることができるが、普段は思っていることは一切外に出さず、心の中にしまいこんでいる。過去に自分の父親から性的虐待を受けたことがある。

伏見 繭子 (ふしみ まゆこ)

会社員の女性。去年、失恋して落ち込んでいた時に公園でラブラドールレトリバーを拾い、「タッキー」と名付けて自宅マンションで飼っている。その犬好きは社内でも有名で、犬の調子が悪いと早々と仕事を切り上げて帰宅したり、時には欠勤することもある。

犬神 晃太朗 (いぬがみ こうたろう)

国会議員を務める中年男性。大学時代は山岳部に所属していたこともあって体力には自信があり、健康を維持している。何故か見るだけで嫌悪感を抱くほど肉を嫌っており、特にレアの肉は見るだけで吐き気を催してしまう。ここ30年間、ずっと悪夢に悩まされ続けている。

赤城 (あかぎ)

夢ヶ丘美術館に務める男性。酒、タバコ、ギャンブルをしない堅実な人物だが、同僚から飲み会に誘われてもまったく興味を示さないことから、付き合いが悪いと陰口を叩かれている。実は日高翠のストーカーで、自宅から望遠鏡を用いて翠の生活を覗き見している。

日高 翠 (ひだか みどり)

紫原捷三郎の元教え子の女性。夢ヶ丘美術館で捷三郎の個展が開かれた際には、バレンタインデーのチョコレートを届けるなど捷三郎に対して好意を抱いている。絵を見ているうちに気を失ってしまうスタンダール症候群に悩まされており、氷室レイカのもとを訪れる。

紫原 捷三郎 (しはら しょうさぶろう)

シュールレアリズムの巨匠と言われている男性画家。より良い絵を描くために自分の妻をタバコやアイスピックなどで傷つけ、そこからインスピレーションを得るという特異な方法をとっている。現在は、その対象としてかつての教え子である日高翠に目をつけている。芸術大学の講師時代には監禁と傷害の前科を持っている。

柳沢 未来 (やなぎさわ みき)

予知夢を見ることができる小学6年生の女子。見た予知夢をクラスメイトにも話しており、的中するたびにクラスメイトを驚かせている。最近、母親と父親に関する悪い予知夢を見たことがきっかけで眠るのが恐いと思うようになり、氷室レイカのもとを訪れる。

中神 英人 (なかがみ ひでと)

プロサッカーチーム「ファルコーレ千葉」に所属する弱冠22歳の天才ミッドフィルダー。「ファルコーレ千葉」の親会社が経営不振となり身売り問題が囁かれているので、優勝争いの可能なクラブチームへの移籍が噂されている。

芦川 比奈子 (あしかわ ひなこ)

現在人気絶頂のアイドルで、中神英人の恋人でもある。赤ん坊の頃にコインロッカーに捨てられていたせいで閉所恐怖症を患っており、エレベーターや狭いホテルの一室でも過呼吸になってしまう。

陣内 (じんない)

プロサッカーチーム「ファルコーレ千葉」の熱狂的な男性サポーター。妻子持ちだったが、サッカー中心の生活に妻子がついていけず現在は離婚の話が進んでいる。ワールドカップを現地で見たいがために会社を休んだりするなど、そのサッカー好きはかなり病的。

一ノ瀬 ナオト (いちのせ なおと)

四ツ柳シローと同じ中学に通っていた23歳の男性。シローとは友達だったが、次第に周りからいじめられるようになり、それからはシローからもいじめの対象となってしまう。現在はいじめた本人たちを探しては、その復讐として中学の時にやられていたイジメと同じことを繰り返している。

鈴村 (すずむら)

鈴村亜純の夫。機器メーカーの営業課長で、最近アジア各国での海外勤務を終えて来たばかり。どことなく亜純の様子や言動、化粧の仕方が変わったと感じており、自分が海外勤務中に浮気をしていたのではないかという猜疑心に囚われている。

鈴村 亜純 (すずむら あすみ)

鈴村の妻。当時は花形受付嬢だったが、鈴村から猛アプローチをされて結婚した。その美貌は現在でも変わることはなく、鈴村の会社でも評判の美人妻となっている。趣味はインターネットで行うメール。

高野 嘉彦 (たかの よしひこ)

恵美子の恋人で漫画家を志望している男性。同棲を始めてから恵美子に対して暴力的になっている。実家はかなりの名家で子供の頃から厳しい英才教育を受けて来たが、国立大学に落ちて漫画家になることを親に話したところ、勘当されてしまった。

後川 憑介 (うしろがわ ひょうすけ)

5年前に起こった田園調布の古美術商夫婦刺殺事件の、唯一の生存者である現在8歳の少年。事件後は施設に預けられたが、1年後に霊能力研究家の後川霊治に引き取られた。当時の刺殺事件の影響を色濃く受けており、普段は寡黙だが突然人格が変わって暴れ出すこともある。

宗像 麻耶 (むなかた まや)

後川家の家政婦兼後川霊治のアシスタントを務める女性。元々霊媒師の一族で、そのツテから後川家を紹介されて現在に至っている。霊能番組でも自らの身体に死んだ子供の霊を降ろしたりしていたが、実際はすべて演技であり、自分自身に霊媒能力がないことを自覚している。

松友 栄太郎 (まつとも えいたろう)

中年の男性舞台俳優。横柄な性格で、特に付き人である竹内や家の使用人に対する当たりは非常に強い。最近は幻覚や幻聴に悩まされており、舞台中に台詞を忘れてしまったり、演技中に幻覚を見て舞台を降板したりしている。

竹内 (たけうち)

松本栄太郎の付き人をしている男性。元々は役者の経験もあり、基礎的な演技力や舞台に立っても栄太郎と遜色ないルックスを兼ね備えている。また、小さな劇団の座長も務めていたこともあった。栄太郎の出演している舞台の台詞はすべて完璧に暗記している。

黒木 彩子 (くろき あやこ)

4年前に結婚した主婦。ガラスが出てくる夢を何度も見る症状に悩まされており、実生活でもステンドグラスを見ると恐怖心を抱いてしまう。5年前に車にはねられてしまったことをきっかけに、大人になってからの記憶を失っている。

灰原 光 (はいばら ひかる)

ガラス工芸デザイナーの男性。ベニスから最近帰国し、横浜でガラスアートの作品展を開催している。過去に黒木彩子と付き合っていたが、一緒にベニスに行く日に彩子が現れなかったため別れてしまっている。

加納 沙耶 (かのう さや)

「乾心理クリニック」に通う16歳の女子高生。診察中に身体を触られているような感覚に陥っており、相談に「氷室メンタルクリニック」を訪れた。また、最近は義父に犯される夢を頻繁に見るようになり、そのことでも悩みを抱えている。

乾 研作 (いぬい けんさく)

「乾心理クリニック」の院長を務める男性。元々は城南大学附属病院に勤めていたが、氷室レイカが勤めることになったのをきっかけに、半ば追い出されるような形で他の小さな病院へ移動した。また、その移り先の病院で患者へ猥褻行為を行ったとして、逮捕こそされなかったものの社会的信用を失っている。その後は自ら「乾心理クリニック」を立ち上げ現在に至っている。

鵜飼 貴子 (うかい たかこ)

「夢ヶ丘診療所」に来ている女性。見城映一の恋人で、性行為をする際に無理矢理犯されると興奮する性癖の持ち主。しかし、最近は恋人の映一の行動がエスカレートしてしまい、ついには行為中に殴られるようになったため相談に氷室レイカのもとを訪れる。

見城 映一 (けんじょう えいいち)

フリーカメラマンの男性で、鵜飼貴子の恋人。性行為後の写真を撮る趣味があるが、最近は行為中に貴子を傷つけるようになっている。今は日本に帰って来ているがそれまでは世界の戦地を飛び回り、危険な現場で自分の命と引き換えに戦争の残酷な現実を伝えるための写真を撮っていた。

砂川 忠 (さがわ ただし)

8年前にアパートの部屋で殺された浜村波江の父親。その事件に関係のある人間をレセプションパーティーの名目で孤島へと呼び出し、娘の無念を晴らすために復讐の機会を窺っている。レセプションパーティーに関係者を誘う際は「貝塚栄治」と自分の名前を偽り手紙を出していた。

鮎原 拓也 (あゆはら たくや)

8年前にアパートの部屋で浜村波江を殺害したと思われる男性。波江とは恋人関係だったが性交渉が上手くいかないことで悩んでおり、その相談のために氷室レイカのもとを訪れていた。その後、波江を殺害した容疑者として逮捕されたが、当初は無実を主張していた。

蟹沢 哲夫 (かにさわ てつお)

砂川忠のレセプションパーティーに呼ばれた人間の1人。浜村波江が殺害された当時、鮎原拓也が働いていた繊維工場の社長を務める中年の男性。アルコール依存症を患っており、アルコールを常に持ち歩いている。

磯部 貴一郎 (いそべ きいちろう)

砂川忠のレセプションパーティーに呼ばれた人間の1人。浜村波江が殺害された当時、国選弁護人として鮎原拓也の弁護を担当した弁護士。その案件に関しては金にならないと思い、まともに調書も読まずに裁判に臨んでいた。

蛯名 保 (えびな たもつ)

砂川忠のレセプションパーティーに呼ばれた人間の1人。浜村波江が殺害された当時、鮎原拓也の取り調べのためにわざわざ本庁から呼ばれた刑事。取り調べの際に被疑者を自白へと追い詰めるテクニックを持ち、「自白のプロ」という異名で知られる。

野中 絵里 (のなか えり)

23歳の女子美大生。家で趣味の絵とチャットに興じるあまり、同級生からは付き合いが悪いと言われている。チャット上で知り合った稲葉輝と恋人関係にあり実生活も明るくなってきたが、最近は自分のもとに送られてくる悪質なチェーンメールに悩まされている。

稲葉 輝 (いなば ひかる)

大企業のシステムエンジニアとして働いている男性。チャットを通じて知り合った野中絵里と、何度かデートを繰り返した後に交際へと至った。収入が高く外見も良いことから、周りの女性からは比較的モテる。過去に自分の母親の性行為の現場を見てから、淫乱な女性に対して嫌悪感を抱くようになっている。

神永 翔風 (かみなが しょうふう)

宗教法人「天国の道」の教祖を務める男性。いわゆるカルト集団を結成し、信者獲得のために手品のトリックを使って、それを「奇蹟」と称して多くの人間を騙している。好みの女性に性交渉を迫ったりするなど、信者を自分の欲望のはけ口としか見ていない。

黒木 ミサ (くろき みさ)

宗教法人「天国の道」のアシスタントを務める女性で、実質的に組織のナンバー2。資産を持っている有望な志願者から金を巻き上げるため、色仕掛けで多くの男性信者を獲得している。

鹿山 久仁子 (かやま くにこ)

宗教法人「天国の道」の熱心な信者。結婚して家庭もあるが、常に自分の人生に疑問を持っていた。そんな時に「天国の道」のセミナーに参加し、神永翔風に心酔してしまっている。現在は「天国の道」の共同生活住居で寝泊まりしているが、家に残してきた息子のことが気がかりになっている。

瀬川 流司 (せがわ りゅうじ)

プロゴルファーの男性。過去に1メートルからのパッティングを7回連続で外したという不名誉な記録を持つ。そのため、1メートル前後のパッティングの際には手が震えてしまうというイップスにかかっている。その症状は相当にひどく、プレッシャーのない練習時でも100回中15回しかカップインしないほど。

桜山 佳美 (さくらやま よしみ)

高校の女性教師。最近、傷をつけて遺影のようにした写真をロッカーに入れられるなど、悪質ないたずらに悩まされている。スイミングスクールで、高校時代にやっていた飛び込みを行うのが日課だが、最近は悪質ないたずらの影響で飛び込むまでの間隔が長くなっている。

新垣 (にいがき)

桜山佳美の通うスイミングスクールのコーチを務める男性。佳美とは高校時代の同級生で、つい最近佳美と再会した。佳美には好意を抱いているが、彼女からはあまりいい反応をされていない。高校時代は佳美の妹の桜山里美と仲が良かった。

飛田 龍史 (ひだ りゅうじ)

終盤の粘りに定評のある、プロ将棋棋士の男性。かなりの色男で女性人気が高い。対局前に緊張すると女性を強引に口説き落とすという悪い癖があり、過去に患者として氷室レイカに世話になったこともある。

角沢 拓馬 (かくざわ たくま)

5年前に飛田龍史と同じ奨励会の三段リーグで対局した男性。終始有利な展開で対局を進めていたが、龍史の粘りに根負けして失着をしてしまい、プロになる道を閉ざされてしまった過去を持つ。そのため龍史に強い恨みを抱いており、龍史に関係のある女性を見つけて次々に殺害している。

水樹 薫 (みずき かおる)

銀行に勤める女性。小さい頃に体臭が臭いとからかわれて以来、体臭にコンプレックスを抱え、それからは香水を必要以上に付けるようになっている。実際は生まれながらに良い香りを発する「芳香異体」の持ち主。

芳也 (よしや)

香水メーカーで調香師を務める男性。水樹薫の恋人だが「芳香異体」である薫の体臭を苦手としている。それは過去に男をとっかえひっかえしていた母親が薫と同じ「芳香異体」であったことが関係しているが、そのことはまだ薫には話していない。

中原 優子 (なかはら ゆうこ)

白鳥清美の同級生で、現在は一児の母親となっている主婦。幼少期に義父から暴力を受けており、その後連鎖的に実の母親からも暴力を振るわれるようになった。現在は娘に対して虐待を繰り返すようになってしまっている。

ダグ・バートン (だぐばーとん)

かつて世界チャンピオン確実とまで言われた、ボクシングミドル級のハードパンチャー。無敗の天才ボクサーとして騒がれていたが、世界戦直前の試合で格下相手に敗北。その後、酒と女に溺れたことが理由でボクシング界から追放された。現在は療養施設での生活を余儀なくされている。

クレジット

シナリオ

剣名 舞

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