ブラック・ジャック

ブラック・ジャック

天才的な手術の腕を持ちながら、医師免許を持たず、法外な治療費を請求する悪名高い外科医ブラック・ジャック。毎回、ほかの手塚治虫漫画のキャラクターが登場する読み切り連作シリーズ。医学漫画の先駆けともなった手塚治虫後期の代表作。

正式名称
ブラック・ジャック
ふりがな
ぶらっく じゃっく
作者
ジャンル
医療
レーベル
手塚治虫文庫全集(講談社コミッククリエイト)
巻数
既刊12巻
関連商品
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概要・あらすじ

不発弾の事故で、皮膚の3分の1がただれ、14カ所が離断、内臓も4カ所で破裂という状態で生存が絶望視された少年間黒男は、名医本間丈太郎の手術により命を取り留める。彼は、事故を引き起こした者たちへの復讐を胸に秘め、医者を目指す。やがて間黒男は、天才的な腕を持ちながら医師免許を持たず、法外な治療費を請求する悪名高い外科医ブラック・ジャックとして知られるようになる。

登場人物・キャラクター

ブラック・ジャック

本名間黒男。8歳の時、不発弾の事故で、皮膚の3分の1がただれ、14カ所が離断、内臓も4カ所で破裂という状態で命が絶望視された少年。本間丈太郎の手術により命を取り留めたことから、医師を目指すことになる。無免許医だが、手術に関しては神業的な腕を持ち、世界各地からその噂を聞きつけ、難病や治療不可能と思われる怪我をした患者の治療を求められる。 法外な謝礼を要求するが、情にもろいところがあり、患者の事情に心が打たれたときは、何らかの理由をつけて治療費を受け取らなかったり、手元に戻るようにしたりするなどしている。どんなときでも黒いマントを着用し、常にメスを忍ばせて、ナイフ投げのように武器として使うこともある。 同じく事故に遭った母は両手足を失い声も出なくなり、父は愛人を作って香港へ逃げた。ブラック・ジャックは事故の原因となったずさんな不発弾の処理をした関係者に復讐をしていく。

ピノコ

双子の片方が、もう一人の体の中に包まれたまま生まれてしまうという奇形嚢腫の患者から摘出された、もう一人の人間となるはずであったバラバラな肉体の器官を、ブラック・ジャックが合成繊維で作った部分と合わせて組み立てた少女。顔と胴体は人工皮膚である。きびしい訓練で自由に動けるようになった。 双子の姉の体の中に18年いたことから、自分を18歳だと言い張る。舌足らずな言葉遣い、怒ったとき、びっくりしたときに「アッチョンブリケ」という言葉を発する、気分がいいときに歌う謎の歌「♪しーうーのあらまんちゅ」など独自のボキャブラリーを持つ。

本間 丈太郎 (ほんま じょうたろう)

頭蓋骨、顔、手足、内臓がめちゃくちゃとなり命が絶望視された少年のブラック・ジャックを救った医者。本間血腫と呼ばれる心臓の奇病の治療に失敗したことから引退を余儀なくされる。ブラック・ジャックを手術した際、その体の中にメスを残したまま7年間放置してしまったことを、死の直前にブラック・ジャックに告白する。 ブラック・ジャックの手術もむなしく老衰で死亡。「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」という言葉をブラック・ジャックに残す。

山田野

ポン骨大学の医師。かつてブラック・ジャックを教えていたことがある。ブラック・ジャックが弁状気胸で苦しんだことがトラウマとなり、同じ症状の手術で手がけいれんするようになっていたときに救いの手をさしのべた。また、自身がまわりの医局員の嫌がらせで危機に立たされたときには、逆にブラック・ジャックに救われることになる。

ドクター・キリコ

「死に神の化身」とよばれ、金次第で患者の安楽死を請け負う。もと軍医で、手足を失い胸や腹をつぶされても死ねずにくるしむ兵隊を安楽死させたことから、回復の見込みがなく苦しむ患者を穏やかに死なせる医者となる。同じ患者をめぐって、生かそうとするブラック・ジャックとしばしば対立する。 縦隔気胸で苦しむ自分の父に毒薬を注射するが、実は手術で治るはずのものであった。

タカシ

ブラック・ジャックが事故に遭った当時のクラスメートで、東洋人と黒人の混血児。皮膚をブラック・ジャックの顔の手術のために提供する。ブラック・ジャックの顔の左側の皮膚の色がほかと違うのはこのためである。自然保護運動に加わり、アフリカのアルジェで原子力基地建設の反対運動をしているときに暗殺される。

ラルゴ

『ブラック・ジャック』に登場する犬。ピノコに泣きつかれたブラック・ジャックが、事故に遭ったこの犬を手術して治した。ラルゴは、音楽用語で「ものすごくスロー」という意味でブラック・ジャックが命名した。地震でブラック・ジャックの家が倒壊した際に下敷きになって死ぬ。人の物を盗む万引き犬といわれたが、ブラック・ジャックは、ラルゴを追いかけて外に飛び出したことで九死に一生を得たことから、動物の第六感で事故を予知して人を危険から遠ざけていたのではないかと思い至る。

可仁博士 (かにはかせ)

横倍病院に勤務。ピノコをが誕生するきっかけとなった手術をブラック・ジャックに依頼する。患者であるピノコの双子の姉の素性をひた隠しにするが、ピノコが白血病となって、双子の姉の血液が必要になった際には、姉を説得してブラック・ジャックのもとへ連れてくる。

井立原 (いたちはら)

もと自衛隊の特別作業班として不発弾処理に当たる。早く土地を売りたいという役人にワイロをもらい不発弾が残るまま作業をやめてしまい、ブラック・ジャック親子が事故に遭う原因となった。その後、会社の社長となっていたが、ブラック・ジャックによって地雷を仕掛けた無人島に連れて行かれ、爆発で怪我を負い、手術に当たってブラック・ジャックに過去の罪を自白する。

如月 恵 (きさらぎ けい)

船医として船に乗りあちこちの港をまわっている。ブラック・ジャックのかつての同僚の医局員。本来は女性であり、如月めぐみという名前であったが、子宮がんのため子宮と卵巣を摘出。その後は男性として如月恵(きさらぎけい)と名乗るようになった。ブラック・ジャックが愛を告白した女性。

桑田 このみ (くわた このみ)

手術では冷酷と見られるほど冷静に切りまくることから、ブラック・ジャックならぬブラック・クィーンの異名をとる。結婚後、姓は鈴木となる。

ゲラ

ブラック・ジャックと中学の同級生。サラ金で借金を作った両親はゲラを置いて夜逃げしたため一人暮らしをしている。不幸な境遇にもかかわらず前向きな思考で学校に明るい笑い声を響かせる。復讐にしか関心がなかったブラック・ジャックに笑いを取り戻した人物。

手塚

ブラック・ジャックの医局員時代の同僚。手に負えない患者が来るとブラック・ジャックに手助けを頼む。手塚治虫本人がモデル。

琵琶丸 (びわまる)

盲目の無免許のハリ師。病気のにおいをかぎつけてふらりと患者のもとへ現れ、ハリを1カ所に1本打つだけで治してしまう。治療費は一切受け取らない。

アニメ

ブラックジャック21

無免許だが天才的な腕を持つ外科医のブラック・ジャックは、父親の再婚相手の手術を終えた1ヶ月後、突然自宅を爆破される。重症を負うも九死に一生を得たブラック・ジャックは、付いてくるピノコのと共に世界各地を... 関連ページ:ブラックジャック21

書誌情報

ブラック・ジャック 12巻 講談社コミッククリエイト〈手塚治虫文庫全集〉

第1巻

(2010-06-11発行、 978-4063737585)

第2巻

(2010-06-11発行、 978-4063737592)

第3巻

(2010-06-11発行、 978-4063737608)

第4巻

(2010-07-09発行、 978-4063737615)

第5巻

(2010-07-09発行、 978-4063737622)

第6巻

(2010-07-09発行、 978-4063737639)

第7巻

(2010-08-12発行、 978-4063737646)

第8巻

(2010-08-12発行、 978-4063737653)

第9巻

(2010-09-10発行、 978-4063737660)

第10巻

(2010-09-10発行、 978-4063737677)

第11巻

(2010-10-08発行、 978-4063737684)

第12巻

(2010-10-08発行、 978-4063737691)

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