婚約生

婚約生

事故で両親を失い、一人ぼっちになった花岡沙愛は、突然目の前に現れた大家、西園寺幸一と契約結婚をする。あくまで契約上の関係だったはずの二人が、次第に惹かれ合って本物の夫婦のようになっていく姿を、コミカルに描いたラブコメディ。「マーガレット」2015年No.7から2016年No.8にかけて連載された。

正式名称
婚約生
ふりがな
こんやくせい
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

第1巻

花岡沙愛は両親を同時に交通事故で亡くし、大きなショックを受けていた。さらに大家の西園寺幸一には、家から退去してほしいと言い渡されてしまう。だが幸一は沙愛に対し、自分と夫婦になって身の周りの世話をしてくれるなら、住居だけでなく学費なども面倒を見ると、契約結婚を同時に打診するのだった。こうして沙愛と幸一は二人での生活を開始。日々の生活の中、沙愛は幸一の優しさに触れるうちに、次第に好意を抱くようになっていく。

そんな中、沙愛達の通う高校では、文化祭でクラスごとに出し物をする事になった。これに伴い、沙愛は真田寿志と共に文化祭のクラス係となり、彼と交友を深めていく。しかし、寿志は実は幸一と婚約していた伊集院瑞穂の側近であり、いきなり婚約を破棄した幸一の身辺を探るために送り込まれていたのだった。

第2巻

花岡沙愛西園寺幸一は契約結婚ながらも、順調に夫婦としての絆を深めつつあった。幸一の気づかいに涙をする事もあった沙愛であったが、ある時、幸一が泣きながら眠っているのに気づく。心配した沙愛が幸一にその理由を尋ねるが、「あくまで契約結婚をした間柄なので、プライベートには踏み込まないでほしい」と突っぱねられてしまう。沙愛はショックを受け、福田の家に家出をし、二人は別居状態になってしまう。

真田寿志の力添えもあって自宅へと戻った沙愛に対し、幸一は仕事で辛い事があり、家に帰って沙愛と話をして安心し、思わず気が緩んで涙がでてしまった、と正直に打ち明ける。さらに男である自分が泣くのは情けないと思い、咄嗟に厳しい言葉を口にしてしまったと、心から謝罪をする。そして幸一は沙愛に初めて愛していると告げ、二人はその日の晩に初めて身体の関係を持つ。

第3巻

籍だけでなく心も身体も夫婦となった花岡沙愛西園寺幸一は、高校生カップルらしくデートをしたり、親戚の子である西園寺幸二とまるで家族のように夏休みを過ごしたりと、充実した日々を送っていた。そんなある日、沙愛は幸一の祖父に拉致されてしまう。幸一の祖父の自宅に連れていかれた沙愛は、なぜかメイドとして働かされ、掃除や料理など厳しいチェックを受ける。当初は自分が花嫁としての適性をテストされているのではないか、と疑っていた沙愛だったが、次第に幸一の祖父が、自分とかかわり合って、幸一の近況を知りたがっていると悟る。一方、沙愛の居場所を突き止めた幸一は、沙愛の助けもあって幸一の祖父と和解。この一件で沙愛をすっかり気に入った幸一の祖父は、沙愛を幸一の正式な嫁として認め、結婚披露宴を行うと張り切るのだった。

登場人物・キャラクター

花岡 沙愛 (はなおか さち)

高校1年生の女子。年齢は16歳。西園寺幸一と同じ高校に通っている。突然両親を交通事故で亡くし、学校に通いながらバイトもできず、家賃が払えないでいた。大家である幸一に退去を迫られてしまうが、契約結婚すれば住居と学費の両方を負担する、と幸一から提案され、それを受け入れた。結婚後の姓は「西園寺」となるが、学校では結婚の事実を隠すため、旧姓の「花岡」を名乗っている。 幼い頃から両親が不在がちであったため、家事全般は得意。花が好きで、自分達の部屋だけでなく、幸一の管理する物件の庭も手入れしている。明るく前向きな性格で、基本的に何でも器用にこなすが、運動だけは苦手。また、これまで一度も恋愛した経験がない。

西園寺 幸一 (さいおんじ こういち)

高校3年生の男子。年齢は18歳。花岡沙愛と同じ高校に通っている。成績優秀、文武両道、容姿端麗と三拍子そろった人物で、女性からの人気が高い。しかし沙愛同様、恋愛経験はまったくない。幼い頃に両親が他界しており、家族は幸一の祖父だけであるが、折り合いは悪い。親が西園寺不動産という会社を経営しており、高校生になると、一時的に会社の面倒を見てくれていた幸一の祖父から会社を引き継いだ。 現在は不動産会社の経営や大家としての業務をこなしつつ、高校へ通っている。幸一の祖父から強引に伊集院瑞穂との結婚を画策され、逃れるために自分と同じく両親のいない沙愛に契約結婚を打診し、夫婦となった。クールな性格であり、感情を表に出す事はめったにないが、沙愛と夫婦としてかかわりを持つうちに愛情が芽生え、少しずつ笑顔を見せるようになっていく。

伊集院 瑞穂 (いじゅういん みずほ)

高校3年生の女子。年齢は18歳。有名百貨店を経営している一族の娘であり、生粋のお嬢様育ちのうえに女子高生企業家でもある。見た目は容姿端麗でスタイル抜群の美人だが、非常に口が悪く、暴力的な性格の持ち主。しかし実は努力家でもあり、幼い頃から好意を寄せていた西園寺幸一に釣り合うようにと、学業や料理、会社経営に至るまで熱心に学んでいた。 幸一の祖父の手助けもあって幸一の婚約者となったが、幸一から一方的に断られた。これを彼女ができたせいだと考え、側近の真田寿志を使って、疑わしい人物を監視させていた。花岡沙愛に対してはライバル心を抱きながらも、友情に似た感情も抱いている。

真田 寿志 (さなだ ひさし)

高校1年生の男子。年齢は16歳。花岡沙愛とはクラスメイト。明るく人当たりのいい性格の持ち主。料理上手で家庭的な女性がタイプと公言しており、普段から凝ったお弁当を作ってくる沙愛を気に入り、積極的にアプローチを開始。しかし、実際は伊集院瑞穂の側近であり、西園寺幸一と何か関係がありそうな沙愛に接近し、幸一と付き合っているようであれば、別れさせようと画策している。 瑞穂に対して恋心を抱いている。

西園寺 幸二 (さいおんじ こうじ)

小学生の男子。西園寺幸一の親戚で、夏休みに両親が遠方に長期出張に出てしまうため、幸一の祖父の手引きにより、花岡沙愛と西園寺幸一の住む家にやって来た。幸一と同じく感情を表に出さないクールな性格をしている。最初は沙愛をバカそうだと自分より下に見ていたが、料理上手で優しい沙愛にすぐに懐いた。胸の大きな女性が好みで、伊集院瑞穂に心をときめかせるようになる。

幸一の祖父 (こういちのそふ)

西園寺幸一の祖父で、唯一の肉親。幸一とは昔から折り合いが悪い。幸一の両親が死去したあとは、西園寺不動産の経営を手伝っていたものの、幸一が高校生になってからは一線を退いている。幸一には西園寺家に相応しい女性を嫁にしてほしいと考えており、伊集院瑞穂との結婚を画策した。だが、瑞穂との結婚を強引に迫ったので、幸一は花岡沙愛との契約結婚に至った。 そのため、幸一の祖父は沙愛に対しても冷たくあたり、幸一と別れさせようとしている。

福田 (ふくだ)

西園寺幸一が管理する物件の一つに住む女性で、3人の子持ち。子供の足音がうるさいと、ほかの住民からクレームが入っており、さらに幸一からも再三厳しく注意されていたため、一時は退去を考えていた。しかし、花岡沙愛が幸一と結婚してからは、物件の庭を沙愛がきれいにしたので、子供達が外に出たがるようになった。そして、騒音のクレームがなくなったため、継続して住み続けている。 子供達が沙愛に懐いているので、若い幸一と沙愛の二人を温かく見守っている。

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