BLACK BRAIN

BLACK BRAIN

高校生宮前カオルがヒトから進化した41世紀の人類ヒテロの代行者として、外骨格化人類や水棲人類、ホモ・デジタリアンなどの邪進化を阻止するために戦う。受波脳という特殊器官を移植された宮前カオルが、相手の身体イメージに直接リンクして攻撃するという、特殊な戦い方が特徴。サガノヘルマーの初連載作品。スピンオフ作品として月村みゆきが魅香脳(みかのう)を駆使して鋼男(ごーめん)を殲滅する『牝奴隷の園 PURPLE BRAIN』『性人形の國PURPLE BRAIN 2』がある。

正式名称
BLACK BRAIN
ふりがな
ぶらっく ぶれいん
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
バトル
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概要・あらすじ

AD3777年自由意思を持った最後のヒトが死んで以来、自由意思を持たぬヒト達はヒテロの万能資源として生き続けることが可能となっていた。ヒト達の骨、肉、臓器はあらゆる場面で活用され、AD3902年ついに全地表までがヒトの身体組織によって覆い尽くされた。ここにヒテロ種以外は全てヒトのカラダが原材料である肉色の地球が完成した。

AD4001年の東京。㈱日本時空制御の社員アガサ森田は、ヒテロ以外に進化する邪進化の温床である20世紀時空の監視任務に就いた。アガサ森田は20世紀時空で直接行動するパートナーとして、私立松田高校に通う高校生宮前カオルに、相手の身体イメージを自在に操作できる受波脳を移植した。

二人は人類外骨格化を企む桜木教授の野望を阻止した(アリぷちっ編)のを皮切りに、女性だけの世界を作ろうとする自主独立女性戦線F・E・Mの首領と戦い(バイぶすっ編)、人類を機械の体に変えようとする別の未来時空ホモ・デジタリアンと戦い、これを退けた(ブルぱわっ編デジげじっ編ツルごきん編)。

水棲人類の研究が邪進化を引き起こした小谷三弟妹との攻防(水棲人間編)、26世紀のヒト工作員との戦いの中誕生した鳥人殲滅作戦(グワばさっ編)、新たな受波脳保持者・九尾キリコが超邪道化人類となり、時空の流れを歪めるのを阻止した(ブラぶらっ編)。二人の絶妙のコンビネーションで邪進化の芽は摘み取られ、ヒテロの未来時空に繋がる平和な時代が訪れる。

登場人物・キャラクター

宮前 カオル (みやまえ かおる)

私立松田高校2年B組に通う高校生。ちょっとバカな若い男という理由でアガサ森田のパートナーに選ばれた。相手の身体感覚を自在に操作する受波脳を埋め込まれている。41世紀の物質を体内に内包するため、宮前カオルの周囲の確率偏傾度がゆらぎ、別進化を辿る人類との遭遇確率が上がっている。 邪進化を感知して、その原因となる人物をいち早く確認することができる。受波脳から幻体を飛ばして、相手の精神イメージとリンクすることが可能。強烈なイメージを相手の精神イメージに投射することで、相手の身体を改変することが可能である。受波脳が発動すると攻撃的な性格に変貌して、無茶な行動を取る。正気に戻った際は、発動時の記憶がない場合が多い。 邪進化側の人間に同情することが多く、甘い決断をアガサ森田に揶揄される。最初に内蔵された受波脳は、一度に5人の精神イメージに侵入した際に、負荷がかかりすぎて壊れてしまった。二度目に移植された藤野商会製の受波脳は粗悪品であったため、5割の確率で発動不良が発生し、幾度となく宮前カオルに危機が訪れている。 デジげじっ編 でのホモ・デジタリアンの第二の刺客崎山カズトとの戦いで頚椎を破壊されて、生死の境を彷徨う。その際、受波脳の幻体を辻野ナナコの中に残留させた。宮前カオルは辻野ナナコを操作して崎山カズトに反撃している。頚椎修理後は受波脳の戦闘モードがより過激な人格へと変貌するようになった。 グワばさっ編で機能が低下した受波脳を補助する助波脳を装着して、ホモ・ピーテロシスとなったヒロちゃんと死闘を展開した。ブルぶらっ編ではアガサ森田から移植されたヒテロ用受波脳で、超邪道化人類に邪進化した九尾キリコを遥か遠い未来へと弾き飛ばした。 2005年に石田リカと結婚して長女が誕生。長女にはアガサと名づけている。

アガサ 森田 (あがさ もりた)

41世紀の日本に住む女性のニンゲン。㈱日本時空制御の社員で一級過去時空管理技師、20~23世紀顧問である。二千年を経てヒトが進化してヒテロとなった未来時空の住人。ヒトがヒテロとして正しく進化するために、邪進化へ繋がる間違った進化を排除することが目的。20世紀時空でのパートナーとして宮前カオルを選び、受波脳を移植した。 20世紀の限られた時間軸と場所で邪進化の芽を潰そうとする。そのため宮前カオルの周囲の確率偏傾度がゆらぎを起こし、邪進化を辿る人類との遭遇確率を意図的に上げている。発波機を使って受波脳と交信が可能で、宮前カオルに様々な指示を送る。当初は使い捨てのつもりでいた宮前カオルに情が移り、社則を犯して幾度となく宮前カオルの危機を救っている。

石田 リカ (いしだ りか)

私立松田高校2年B組に通う高校生。宮前カオルの幼馴染で公認彼女。剣道の関東チャンピオンにして成績優秀。容姿端麗で性格も良い。宮前カオルと行動を共にすることが多いため、必然的に邪進化との戦いに遭遇することが多い。宮前カオルと何度となく愛を確かめ合う機会が訪れるが、その度にアガサ森田との通信や、邪進化初動が起こるなどの邪魔が入る。 グワばさっ編で対工作員用に受波脳を移植される。この影響で後にヘテロの始祖となってしまう。

佐山 クニオ (さやま くにお)

私立松田高校2年B組に通う高校生。宮前カオルを毛嫌いする筋肉隆々の格闘技オタク。石田リカとの初エッチを賭けて宮前カオルと決闘を行った。あらゆる格闘技をマスターし、全格闘技界の頂点に立つと宣言する。宮前カオルが操る受波脳の攻撃を受けて、自身の体がまっぷたつに裂けるイメージを植えつけられて敗北した。

桜樹 レイコ (さくらぎ れいこ)

静岡県から来た私立松田高校2年B組に転校してきた。人類の外骨格化が目的。父親によって改態されて、昆虫のような外骨格を持つ人類に進化した。学校案内役の森川に性行為で外骨格化ウィルスを感染させる。宮前カオルとの戦いで左腕が常に裂けている感覚を植えられる。 自分の意志で外骨格化ウィルスの分泌を制御できる。父親の興味が森川に移り、自暴自棄となる。特殊な力を持つ宮前カオルに興味を持ち、やがてそれが好意であると気づく。桜木教授に失敗作の烙印を押され、坂本に払い下げられた。坂本から二年前に失踪した母親が実験の犠牲にあっていたことを知らされる。父である桜木教授が家族を顧みず、暴走した結果が自身の外骨格化だと知り、すべてを精算する決意で、坂本をはじめ、森川マモルと桜木教授を殺害する。 宮前カオルに故意に攻撃を仕掛け、受波脳の最大級の攻撃で致命傷を受ける。

桜樹教授 (さくらぎきょうじゅ)

人類を外骨格化しようと企むマッドサイエンティスト。自身の研究達成のために妻と娘である桜樹レイコを外骨格体へ改態させた。娘よりも完全な外骨格体となった森川マモルに執心する。家族を顧みず私欲で行動していたことを娘の桜樹レイコに看破される。桜樹レイコの手刀によって頭部を貫かれて絶命した。

森川 マモル (もりかわ まもる)

私立松田高校2年B組に通う高校生。転校生の桜木レイコの学校案内をするうちに、誘惑されて性行為に及ぶ。その際、外骨格化ウィルスに感染してしまい、右目を除くすべてが外骨格体に改態された。桜樹レイコの父から理想の外骨格化人類と賞賛される。常人の15倍以上の力を持つ。 糖ミツと豚の生肉をミキサーで混ぜたものを常食とする。改態後は森川マモルであった頃の記憶を思い出せず、桜樹教授の命ずるままに、殺人、石田リカの誘拐を行う。宮前カオルと石田リカを襲撃した際、石田リカの木刀による攻撃で、右目を負傷。激痛とともに人間であった頃の記憶を取り戻した。桜樹レイコによって心臓を粉砕されて死亡した。

坂本 (さかもと)

桜樹教授に出資する外科医。奇形の動物ばかり飼育するため、昔からウラムツゴロウと呼ばれていた。昆虫に魅せられて、外骨格化した世界を夢想している。桜木教授から実験の失敗作の管理を一手に引受けている。桜樹レイコの母親も坂本が飼育しており、主に性欲処理に用いていた。 桜樹レイコの母親が実験の犠牲になったことを知られて、激怒した桜樹レイコによって惨殺される。

山原 フクコ (やまはら ふくこ)

私立松田高校2年B組に通う高校生。石田リカの親友で、男子生徒の間では、太った容姿からブクコとあだ名されている。自分自身は越川と交際していると思っていたが、相手が自分を性処理用の肉ペットとしか考えていなかったことを知る。飛び降り自殺を図ろうとしたところを、自主独立女性戦線F・E・Mの岸田に救われる。 頭部にロクロ球を埋め込まれてドズルマ型の振動波による、細胞の結び付きの変質で粘土状になった肉体を、岸田によって作り直されて、絶世の美女に変貌する。性行為を行った相手を強制的に去勢して、隷獣へ転性させる滅男球を体内に埋め込まれている。宮川カオルをレイプしようとするが、受波脳による逆襲に遭い、肉体変容効果を喪失させられた。 岸田によって再び美貌を取り戻すが、男性を陵辱したいだけという首領の正体を知り、宮前カオルに協力する。アガサ森田の受波脳の攻撃で、元の姿に戻る。

越川 (こしかわ)

私立松田高校2年B組に通う高校生。森川マモルをネタに石田リカを脅迫して、撮影モデルを強要しようと企んだ。宮前カオルによって阻止され、受波脳によって記憶を改変された。山原フクコを恋人であると騙し、撮影したハメ撮り写真を投稿雑誌に投稿していた。 自主独立女性戦線F・E・Mに拉致されて、首領の手により生きる生首にされてしまう。山原フクコによって救出され、事件解決後は首領によって生首だけにされた男性とともに山原フクコの保護下にある。

岸田 (きしだ)

女性こそ正常な人類であるとして、精神的にも肉体的にも畸型である男性を根絶しようと企む自主独立女性戦線F・E・Mのメンバー。芸大出身で塑像を専攻していた。女子にしか興味を持てないのだと山原フクコに告白している。趣味と実益を兼ねて、スカウトした女性の頭部にロクロ球を埋め込み、ドズルマ型の振動波による、細胞の結び付きの変質で粘土状になった肉体を、作り直して美女に変貌させていた。

首領 (しゅりょう)

女性こそ正常な人類であるとして、精神的にも肉体的にも畸型である男性を根絶しようと企む自主独立女性戦線F・E・Mの首領。15年前に浮気が原因で嫉妬した夫に両足を切断されている。プライドが高く自信を虐げてきた夫をはじめ、気に食わない男性などを拉致。特殊な装置で頭部だけを生かして、コレクションしている。 宮前カオルを拉致したが、山原フクコの裏切りで取り逃がす。潜伏要員を使い宮前カオルを追い詰めたが、復活した受波脳の攻撃で身体イメージを強制的に男性に変換されて、現実の身体も男性に変容したため、発狂してしまう。

中野 ハルオ (なかの はるお)

私立栄美林高校のエルマラ教を信じる宗教かぶれの英語教師。学級崩壊しており生徒からいじめを受けている。ホモ・デジタリアンによって、ヒラガ系磁力線を派生させる操磁機を授けられた。その結果、磁気を自在に操る能力を持つに至った。この能力で人の負傷を治癒したり、相手の感情を操作して性衝動を喚起させる。 中野ハルオの磁気を受けた者は、体のどこかにエルマラ教の紋章が浮かび上がる。大内ユカと葉山を皮切りに、次々と女性たちを隷属させて、生殖行為に勤しむ。登校中の石田リカと自転車で衝突し、負傷させてしまう。能力で傷を治すと同時に、石田リカを自身の虜にしてしまう。 理事長の娘である教頭を能力で隷属させて、私立栄美林高校にエルマラ教を信奉するエルマラ会を設立する。これを足がかりに高校を支配して、校名を聖エルマラ愛教会に変更させた。石田リカの乳房に浮かんだ紋章がエルマラ教の聖母ペロタマと同じ位置であったため、石田リカを欲しながらも、性行為に及ぶことを拒絶する。 磁気能力で隷属させた女性たちを妊娠させ、顎から突起した第二の生殖器で、胎児を「神の子」へと変える二次精液を発射する。この行為で子孫を増やしホモ・デジタリアンの発生に繋げようとした。石田リカ奪還に現れた宮前カオルと戦いになり、受波脳でホモ・デジタリアンにより改変された身体イメージを破壊された。 操磁機の暴走で自身の老化を早め、老人に変貌してしまった。

マザー・ヨサノ (まざーよさの)

ヒテロとは違う未来時空、機械的進化を遂げたホモ・デジタリアンの指導者。中野ハルオの事件を皮切りに、20世紀世界でホモ・デジタリアンの始祖となるべき人類を誕生させようと画策する。ヒテロに協力する宮前カオルの存在を熟知していていて、宮前カオルが事件に介入しないように警戒している。 今越カズミの人工子宮を介して、ホモ・デジタリアン未来時空に侵入してきた宮前カオルの受波脳幻体によってダメージを受ける。どちらが正しい未来であるかが決定する時空衝突の影響で、始祖が誕生する過去が希薄となったため、、未来時空ごと因果地平に飛ばされてしまう。

崎山 カズト (さきや まかずと)

小学六年生の少年。現在の人間関係に絶望しているところをホモ・デジタリアンのヘルト・タダノに利用される。ゲーム機のコントローラー状のものを体内に内蔵し、左手から射出するワイヤー状のコントロールコードで、半径25メートル圏内の対象者の脊髄を支配して、自在に操ることが可能。 高慢な態度で接してきた担任教師辻野ナナコを実験台にコントローラーの操作を学んでいく。家庭教師の木元ユミコに憧れており、彼氏だと思い込んだ宮前カオルを敵視する。辻野ナナコを操作して宮前カオルを襲撃、頚椎骨折の致命傷を負わせた。ホモ・デジタリアンによる再度の改造で、20メートル圏内の機器(メカニック)の動きを瞬時に察知する能力、同時に複数のキャラを操作することが可能になった。 この力を駆使して、浮気をネタに暴力団に脅迫されていた母親を救出する。正体を憧れる木元ユミコに知られてしまい、強引に自分のものにしようとする。ヘルト・タダノの報告で、宮前カオルに止めを刺そうと区立S救急病院へ赴く。 宮前カオルに支配された辻野ナナコに、宮前カオル殺害を阻止されると同時に、体内に侵入されて肉体イメージをことごとく粉砕されて、活動不能に陥った。マザー・ヨサノから最後のチャンスを得たヘルト・タダノの改造を受けて、よりホモ・デジタリアンに近い進化を遂げた。プラグを刺すことで、あらゆる物体をメカに変える力を得た。 復活した宮前カオルの受波脳の攻撃で体内イメージを再び破壊されて、精神までも崩壊してしまう。

木元 ユミコ (きもと ゆみこ)

私立松田高校2年C組の生徒で、宮前カオルと石田リカの幼馴染。石田リカとは昔からライバル関係だった。理系が得意分野で、成績優秀な石田リカもかなわなかった。親元を離れて一人暮らしをしている。崎山カズトの家庭教師をしている。崎山カズトの父親に襲われたところを、崎山カズトの能力に助けられた。 ホモ・デジタリアンの能力を間近にみて、崎山カズトに恐怖を覚える。

トマソン・藤堂 (とまそん とうどう)

㈱日本時空制御の社員で、アガサ森田の上司。

アンディ 松上 (あんでい まつがみ)

ヒテロ世界で修理屋を営む。愛玩用のヒトを所有することは法律で禁じられている。法律違反を盾に脅迫されて、アガサ森田の無理な要求に答えていくこととなる。ヒトの遺伝子に造詣が深い。デジげじっ編 では崎山カズトによって損傷した、宮前カオルの頚椎を修理する。 ツルごきん編 で受波脳が伊集院ヒトミ]の襲撃で接触不良を起こした際に宮前カオルと初めて接触している。グワばさっ編では機能不全となった宮前カオルの受波脳の機能を補う補助脳を開発した。ブラぶらっ編で自ら開発した受波脳の性能が、トマソン・藤堂に認められて、㈱日本時空制御に中途採用される。 その結果、アガサ森田が職を失ってしまった。

今越 カズミ (いまこし かずみ)

潔癖でありたいと強く願う精神性に着目したマザー・ヨサノが、精神的にも象徴的にも母なる存在になるべく選び出した。人との接触も不潔と感じるほどの激しい潔癖症。マザー・ヨサノから送られた、身体改造キットであるサイバーパーツを使い、徐々にサイバー化していく。 その際に自分に好意を寄せる浦口ナオユキを実験台に使用した。浦口ナオユキが宮前カオルと石田リカの中学時代の同級生であったことから、宮前カオルが事件に介入することになる。自分をストーキングしていた伊集院ヒトミ]も実験台に使用することで、サイバー化が加速していく。今越カズミがサイバー化する際に、実験台となった人々は、今越カズミを母親として慕うようになる。 宮前カオルの説得で伊集院ヒトミ]が裏切ったため、マザー・ヨサノによって強制的に完全サイバー化が施された。人工子宮はサイバー・チップ生成のためホモ・デジタリアンの未来時空とリンクしている。宮前カオルの受波脳が人工子宮から侵入したため、受波脳をホモ・デジタリアンの未来時空へ呼び込んでしまう。 トマソン・藤堂の介入によって、サイバー化した体は破壊され、浦口ナオユキが保管していた人体パーツを利用して、人間体に復元された。

藤原 麗肉帝 (ふじわら の うるにくみかど)

41世紀のヒテロ世界の統率者。20世紀時空を管理するアガサ森田と宮前カオルを、正当に評価している。ブラぶらっ編では、九尾キリコ殲滅作戦の陣頭指揮を摂った。

小谷 アヤコ (こたに あやこ)

小谷三弟妹の次女。双子の兄に小谷シンジがいる。母親の提唱したM・M・E効果(マリン・マインド・エヴォリューションこうか)を実践し、水棲人間を生み出すパラサイトの研究に協力。自ら被験者となり魚のエラをモチーフとしたアダプタを装着して、水棲人間化している。 宮前チサトの兄宮前カオルに好意を寄せている。受波脳が暴走して凶悪な人格に変貌した宮前カオルに性行為を求められるが、股関節のエラに気づかれることを嫌がってこれを拒否している。宮前カオルに自分が水棲人間であると正体が暴かれたのちは、宮前カオルを積極的に仲間にしようとした。受波脳によって身体イメージを操作され、偶発的に水棲人間化が加速してしまい、半魚人のような姿に変貌した。

小谷 シンジ (こたに しんじ)

小谷三弟妹の長男。双子の妹に小谷アヤコがいる。母親の提唱したM・M・E効果(マリン・マインド・エヴォリューションこうか)を実践し、水棲人間を生み出すパラサイトの研究に協力。頭足類をモチーフとした男性用アダプタを装着して、水性人間化している。実験に協力する代償として姉である小谷所長と肉体関係を結んでいる。 宮前チサトに好意を寄せている。真田に寄生した突然変異体のパラサイトに執着する小谷所長を諌めるが、逆に強引に水性人間化の手術を施されてしまう。宮前チサトによって実験槽から助け出され、宮前カオルに協力して姉である小谷所長の暴走を止めた。

小谷所長 (こたにしょちょう)

小谷三弟妹の長女。小谷海洋研究所の所長。ヒトは地上にいる限り脳の発達は限界に来ており、太古のように海に回帰すれば精神性が高い知性体になる。母親の提唱したM・M・E効果(マリン・マインド・エヴォリューションこうか)を実践し、水棲人間を生み出すパラサイトの研究を行っている。 そのため双子の姉弟小谷シンジと小谷アヤコに人体実験を施していた。狂信的に実験を繰り返していたが、これは死んだ母親の霊がとり憑いていたことも原因の一つ。男性用に開発した頭足類型アダプタは完成に近いが、魚類のエラをモチーフとした女性用のアダプタは研究途上にあった。アダプタ普及のためにアダプタをいたずらフリッパーくんという大人の玩具と偽り、モニタリングを行った。 その中に一体だけエラ生成ホルモンを分泌するものが混じっていた。宮前チサトに渡したものが当該アダプタで、これを譲渡された真田が使用してしまい、エラを生成してしまう。人体変容時に大量出血を伴うため、小谷は瀕死の真田を研究所に収容する。小谷所長は弟の小谷シンジに、性行為を代償に実験に協力させている。 真田に寄生したパラサイトが突然変異体であったことから、研究を優先させることに取り付かれる。小谷シンジにパラサイトを移植する施術行い、強引に実験を進めようとする。宮前チサトを仲間に引き入れようとしたことで、兄である宮前カオルを呼び寄せてしまう。 宮前カオルの受波脳と、霊導士サチコの霊能力を得た石田リカの協力攻撃で、パラサイトに寄生されて、身体イメージを操作されたことで、イソギンチャクに似た水棲人間となってしまう。

宮前 チサト (みやまえ ちさと)

宮前カオルの実の妹。区立第三中学校三年C組の生徒。石田リカとの逢瀬を黙認する代わりに宮前カオルから小遣いを徴収している。同級生の小谷シンジに憧れており、兄の宮前カオルのエロ本で妄想に耽ることもある。アダプタのモニターを頼まれたことから、小谷三弟妹の水棲人間実験に関わっていくことになる。

真田 (さなだ)

区立第三中学校三年C組の生徒。小谷アヤコが魚類のエラをモチーフとした女性用のアダプタ普及のために、いたずらフリッパーくんという大人の玩具と偽り、モニタリングを行った。その中に一体だけエラ生成ホルモンを分泌するものが混じっていた。宮前チサトに渡したものが当該アダプタだったが、これを譲渡された真田が使用してしまい、エラが生成されてしまう。 人体変容時に大腿頚動脈を切断して大量出血を伴うために瀕死の状態に。秘密裏に小谷海洋研究所に収容された。真田に寄生したアダプタは突然変異体で、自らの意思で行動することが判明。これを知った小谷所長の暴走のきっかけとなる。

霊導士 サチコ (れいどうし さちこ)

卓抜した霊能力で宮前カオルが人間ではない魔霊に憑依されていると見抜き、執拗に除霊しようとする。しかし受波脳の返り討ちに遭う。石田リカを霊視したことで、魔霊にとりつかれたと思い込んでいた宮前カオルの正体に疑問を持つ。霊能力の一部を石田リカに与え、魔霊と戦うかどうかの判断は彼女に託す。

工作員1号 (こうさくいんいちごう)

26世紀から20世紀へ送り込まれた反人類進化系組織H3の工作員。ヒテロへと進化する要素を多く持つ先ヒテロ性体質保持者を探して、飛翔欲求本能を大脳に染植して自殺させていた。工作員同士はテレパシーと似たデンパシーで通信ができる。偶然石田リカをナンパしたため、宮前カオルと遭遇する。 受波脳に予めプログラムされた非常作動機能により、箱状の肉塊に変容されてしまう。H3工作員はいかなる状況に陥ってもヒテロ根絶のために戦う使命を帯びている。そのため可能な限り骨格を武器そのものに改造している。石田リカを殺すために自力で箱から再生したが、体に負荷がかかり死亡した。

工作員2号 (こうさくいんにごう)

26世紀から20世紀へ送り込まれた反人類進化系組織H3の工作員。ヒテロへと進化する脳内物質脳内エステプププミンを多く持つ先ヒテロ性体質保持者を探して、飛翔欲求本能を大脳に染植して自殺させていた。関西圏で活動をしていた。ヒロちゃんに染植して、等身自殺させるまではおこなったものの、生死の確認を怠った。 これによりヒロちゃんは鳥人へと邪進化してしまう。工作員1号の死を知り、東京へ赴き、宮前カオルと遭遇する。対ヒテロ攻撃対策として、死の直前の精神状態を作り出す特殊な呼吸法を、橋本教授より伝授されている。自らを犠牲にして鳥人ヒロちゃんへの受波脳侵入を手助けした。 絶命寸前に石田リカに脳内エステプププミン中和剤を投与しようとしたが、受波脳と石田リカの守波脳の攻撃で死亡した。その正体は生体逆時行システムに適合した中原のクローン。中原は恋人のシズカをヒテロによって鑑賞肉塊に変容されており、ヒテロを憎悪している。

ヒロちゃん

アマチュアバンドのベース担当。ヒテロへと進化する脳内物質脳内エステプププミンを多く持つ先ヒテロ性体質保持者 。工作員2号によって飛翔欲求本能を大脳に染植されて投身自殺を図るが、強い生命力で一命を取り留める。再び屋上から飛び降りた際、肋骨が翼状に変型し、鳥人へと変容を開始した。 性欲と食欲が直結しており、公園で性行為を行っていたカップルに欲情して、無意識のうちにカップルを咀嚼してしまう。恋人のユーコを食い殺し、正気に戻ったヒロちゃんは、自分をこんな目に合わせた工作員2号を追って、東京へ赴く。工作員2号との戦いで脳内エステプププミン中和剤を過剰に摂取させられる。 その副作用で体が再構築され、より鳥人の完成形へと変容していく。石田リカを誘拐して性行為を行おうとするが、鳥人へと変容していたため生殖器が適合しなかった。脳内エステプププミン中和剤の過剰摂取で鳥人に変容したことを利用して、攫ってきた女子高生を鳥人化して、自身の番にした。宮前カオルの受波脳の攻撃を受けるが、身体イメージが変容しすぎていて致命傷を当てられなかった。 宮前カオルと工作員2号が協力体制を取りヒロちゃんに挑む事になる。工作員2号がヒロちゃんに咀嚼されて、消化吸収されるタイミングで宮前カオルが受波脳幻体を工作員2号に向けて放ち、工作員2号を介してヒロちゃんの身体イメージへの侵入に成功。 これによりヒロちゃんは翼をねじ切られ、人間の30倍の消化力を持つ胃液を体内に拡散されて溶解を始める。受波脳によって新旧の体に共通の記憶塊を裏返されて、○○(造語)されて、絶命した。

九尾 キリコ (きゅうび きりこ)

私立戸留麻女子付属高校の学生。友人からはキューピーと言われている。アンディ松上が自作した受波脳をテスト運用するために選ばれたパートナー。鮮やかな手腕でホモ・ピーテロシスのメスを破壊したことで、トマソン・藤堂によってアンディ松上と共に㈱日本時空制御に中途採用された。 葉緑素が体内で機能するヒトの植物化研究を行う村西先生と被験者小沢の殲滅した後、ヒテロの始祖である石田リカの護衛任務につく。石田リカに欲情したアンディ松上と感覚を共有して、石田リカとレズ行為に及ぶ。その際に本当に石田リカと性行為をしたい欲求が高まり、受波脳を使って自身の体組織を変容させて、生殖可能な新器官を生み出してしまう。 以降、自身の欲求に抗うことができず、超邪道化人類に邪進化してしまう。藤原麗肉帝の介入で復職したアガサ森田から、ヒテロ用受波脳を移植された宮前カオルの攻撃で、壊れた太陽が膨張を始める灼熱の未来に飛ばされて、焼死してしまった。

受波脳 (じゅぱのう)

『BLACK BRAIN』に登場する人工頭脳。アガサ森田によって宮前カオルの脳内に移植された黒い脳を指す。自身と他者にラインを通すことで、自分の分身を相手の精神世界へ送り込むことができる。相手が持つ身体イメージを自由に操作することが可能。強力なイメージは現実へと転換されるため、強大な攻撃は敵に致命傷を与えることが可能。

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