小川とゆかいな斎藤たち

小川とゆかいな斎藤たち

校内アンケートで「友達いなさそうな人」部門1位に輝いた孤独な1人の女子中学生と3人の男子中学生が、ひょんなことから友人となり、4人で友情を育んでいく学園コメディ。2006年「なかよし4月号増刊 なかよしラブリー」に1話が掲載され、「なかよしラブリー」でシリーズ連載。その後、「なかよし」に移籍して連載が開始。2009年9月号で「なかよし」での連載は終了し、「なかよしラブリー」2010年春の号から再度「なかよしラブリー」に掲載誌を移しつつ、「なかよしラブリー」には2011年秋の号、「なかよし」には2011年11月号まで連載された。

正式名称
小川とゆかいな斎藤たち
ふりがな
おがわとゆかいなさいとうたち
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
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あらすじ

中学2年生の小川里央は、気弱でおとなしい性格から、クラスではいいように使われる孤独な日々を送っていた。そんなある日、クラスメイトの命令で、「校内こわい人ランキング」同票1位に輝いた斉藤仲良斉藤大喜斉藤保茂の3人に接触することになった。しかし、里央は、3人が本当は恐ろしい人物ではなく、自分と同じように孤独に過ごしていたことを知る。さらに自分たちが「友達いなさそうな人」同票1位でもあると知った4人は、仲良の申し出で、お互いの欠点を指摘し合い、友人を作るための共同戦線を張ることになる。

読者投稿

コミックス1巻の巻末ページに、読者から寄せられたイラストを掲載するコーナーがある。単にイラストを載せるだけでなく、イラストについて茶匡からのコメントも寄せられるという、投稿者には嬉しいコーナーとなっている。

著名人との関わり

漫画家の瀬田ハルヒは茶匡と一卵性の双子。本作『小川とゆかいな斎藤たち』でアシスタントとして原稿を手伝っている。ほかに、コミックス1巻のおまけページでは、小川里央斉藤仲良斉藤大喜斉藤保茂のイラスト、コミックス2巻のおまけページでは里央のイラストといった形で、毎巻イラストを寄稿している。

登場人物・キャラクター

小川 里央 (おがわ りお)

私立大江第一中学校2年3組の女子生徒。前髪を目の上で切り揃え、黒髪の前下がりボブヘアに、頭頂部から「アホ毛」が一房飛び出している。気弱でお人好し。物静かな性格で、友人に囲まれる学校生活を夢見ている。しかし、実際は校内ランキングにおける「パシられてる人」「ドジな人」「ヘタレな人」など、不名誉な7部門で1位を獲得する状態。 クラスメイトたちから日常的にこき使われる日々を送っていた。しかし、クラスメイトたちの嫌がらせがきっかけで、斉藤大喜、斉藤仲良、斉藤保茂の3人と知り合って友人関係となり、3人と釣り合う強い人間になることを決める。特技は料理で、好きな飲み物は微糖のコーヒー。誕生日は2月21日で、身長は145センチ。

斉藤 仲良 (さいとう なかよし)

私立大江第一中学校2年3組の男子生徒。校内で怖がられている「恐怖の斉藤三人衆」の1人。目が隠れそうなほど伸ばした前髪を右寄りの位置で分け、顎のあたりまで伸ばしたストレートヘアをしている。無口で無表情なのに加え、怪力の持ち主であるため周囲から恐れられている。実際はおっとりとしたマイペースな性格。自分が「こわい人」と誤解されているのを悲しく思っており、同時に「友達いなさそうな人」と思われていることに不満を感じている。 そのため、「友達いなさそうな人」ランキング同票1位の小川里央、斉藤大喜、斉藤保茂に、一緒に過ごしてお互いの欠点を指摘し合い、克服する共同戦線を持ちかける。普段はぼんやりとしているが、意外なほど行動力がある。 誕生日は9月2日で、身長は175センチ。

斉藤 大喜 (さいとう だいき)

私立大江第一中学校に通う3年生の男子。校内で怖がられている「恐怖の斉藤三人衆」の1人。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、金髪をツンツンに立て、ピアスを付けた派手な容姿をしている。名前の「大喜」は「おおよろこ(び)」とも読めるため、小川里央たちからは「大喜センパイ」「大喜さん」と書いて「おおよろこびせんぱい」「おおよろこびさん」と呼ばれている。 非常に喧嘩っ早く、目が合っただけで因縁をつけてくる、恐ろしい存在として知られている。本当はピュアで素直な性格。斉藤仲良の提案を受け、里央、仲良、斉藤保茂と友人になり、一緒に過ごすようになる。意地悪な発言の多い保茂とはすぐに喧嘩になってしまうが、なんだかんだで仲は良い。受験生だが成績は非常に悪く、周囲を心配させている。 誕生日は5月5日で、身長は164センチ。

斉藤 保茂 (さいとう やすしげ)

私立大江第一中学校に通う1年生の男子。校内で怖がられている「恐怖の斉藤三人衆」の1人。目が隠れそうなほど伸ばした前髪を、右寄りの位置で分けたやや癖のある銀髪に、眼鏡をかけ、白衣を着ている。名前の「保茂(やすしげ)」は「ほも」とも読めるため、小川里央からは「ホモくん」と呼ばれている。常に怪しげな薬品を持ち歩き、自分の気分を害した相手は実験台にする、という噂が立っている。 斉藤大喜のような上級生を相手にしても敬語を使わないなど、やや生意気なところや意地悪なところがある。一方、成績の芳しくない大喜に勉強を熱心に教えるなど、親身な性格でもある。犬が大の苦手。誕生日は11月17日で、身長は158センチ。

成田 むつみ (なりた むつみ)

私立大江第一中学校2年3組に所属する女子生徒。小川里央のクラスメート。前髪を目の上で切り、ウェーブがかったロングヘアをツインテールにしている。その髪型と性格から、斉藤仲良たちには「極悪ツインテール」と呼ばれている。里央を快く思っておらず、パシリとして使ったり、日常的に嫌がらせをするなど、非常に意地悪な性格。 しかし、それが「恐怖の斉藤三人衆」の怒りを買い、返り討ちに遭うことも多い。新聞部に所属しており、やがて藤克之と組んで嫌がらせを行うようになる。泳ぐのが苦手。誕生日は8月30日で、身長は155センチ。

藤 克之 (ふじ かつゆき)

私立大江第一中学校3年生の男子。新聞部の部長を務める。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、耳の下まで伸ばしたボブヘアをしている。関西出身だが、標準語、それも敬語で話す。自分の不在時に新聞部がトラブルを起こしたと知り、その原因が小川里央たち4人にあると逆恨みする。そのため、4人の友情を裂こうと、ある作戦を立てる。苦手な食べ物は納豆。 誕生日は5月15日で、身長は165センチ。

宰藤 レンナ (さいとう れんな)

私立大江第一中学校に通う3年生の女子。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、腰まで伸ばしたロングウェーブヘアをツーサイドアップにしている。非常に可愛らしい華やかな容姿をしており、地域で開催されたミスコン1位に輝くほどの美少女。芸能界デビューを目指していたが、ある件から小川里央に妨害されたと感じ、因縁をつけてくる。プライドが高く、やや暴走しがちなところがあるが、本質的には素直な性格。 誕生日は12月25日で、身長は161センチ。

中新田 (なかにいだ)

私立大江第一中学校に通う3年生の男子生徒。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、顎のあたりまで伸ばしたストレートヘアをしている。斉藤大喜と共に追試を受けていたが、大喜を以前から快く思っておらず、大喜にカンニングの濡れ衣を着せようとする。学習塾の「講談塾」に通っている。

千葉 流助 (ちば りゅうすけ)

私立大江第一中学校の教師。生徒指導を担当する30歳の男性。三白眼で、前髪を眉上で短く切った短髪ヘアをしている。学校行事への意欲が薄く欠席してばかりの斉藤仲良ら「恐怖の斉藤三人衆」に手を焼いており、3人と教育委員会や校長の板挟みとなって苦しんでいる。誕生日は1月2日で、身長は170センチ。

パンダちゃん

小川里央が登校途中に会った謎の存在。体格や行動から、犬であることが推測されるが、なぜかパンダの着ぐるみを着せられている。そのため、里央からは「パンダちゃん」と名付けられた。身元が分からないうえに非常に気性が荒い。警察の保護にも応じないので、里央たちはパンダちゃんを校内で隠れて飼うことになる。

斉藤 はるこ (さいとう はるこ)

市立床宮中学校に通う3年生の女子。斉藤大喜の小学校時代のクラスメイト。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、腰のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアを、耳の下の位置でおさげにしている。小学校時代から大喜に想いを寄せている。大喜とは苗字が「斉藤」と同じなので、以前は2人合わせて「斉藤夫婦」と呼ばることもあって、大喜と自分は交際していると思い込んでいた。 しかし、大喜が私立大江第一中学校に進学して会えなくなってしまい、非常に悲しく思っている。誕生日は4月1日で、身長は150センチ。

神奈 光央 (かんな みつお)

私立大江第一中学校に通う3年生の男子。生徒会長を務めている。目が隠れそうなほど伸ばした前髪を左寄りの位置で分け、腰のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアを1つに結んでいる。極度のナルシスト。女子生徒を「マイベイブ」と呼ぶなど、キザな人物として知られている。校内での自分の評価を非常に気にしており、小川里央の手柄を横取りしたりと、嘘をついてでも支持率を上げようとしている。 誕生日は6月10日で、身長は167センチ。

林 結城 (はやし ゆうき)

私立大江第一中学校に通う2年生の女子。生徒会書記を務めている。前髪を眉上で短く切り、胸のあたりまで伸ばしたロングヘアを三つ編みにしてまとめている。必要以上に自分の支持率を気にする神奈光央に付き合わされ、校内で嘘の情報を流すなど、苦労させられている。誕生日は2月13日で、身長は154センチ。

優作 (ゆうさく)

私立大江第一中学校に通う2年生の男子。成田むつみのかつての想い人。前髪を目が隠れそうなほど伸ばした、短髪ヘアをしている。明るい性格で、人をからかうのが好き。1年のときは小川里央とむつみと同じクラスだった。そのため2人と親しくしていたが、むつみに想いを寄せられていることには気づかず、結果的に里央とむつみの関係が悪化する要因を作ってしまった。

渋谷 ゆうひ (しぶや ゆうひ)

私立大江第一中学校2年3組に所属する女子生徒。クラス委員長を務めている。前髪を左寄りの位置で斜めに分けてピンで留め、腰のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアを1つに結んでいる。真面目で勤勉な性格。クラスのボス格である成田むつみにも、はっきりと意見できる数少ない存在。上級生の大空翔に密かに想いを寄せている。偶然それを知った小川里央は、渋谷ゆうひの恋に協力することになる。 誕生日は1月3日で、身長は157センチ。

火露魅 幸男 (ひろみ ゆきお)

テレビドラマ「道子」の監督を務める中年の男性。口ひげと顎ひげを生やし、ラーメンどんぶりをひっくり返したような形のニット帽をかぶっている。宰藤レンナのたっての希望で、「道子」の新キャラクターのオーディションで、小川里央を審査することになる。監督としては非常に厳しい人物だが、里央の演技力を高く評価しており、里央の単なるドジまでも好意的に受け止めてしまう。

小川 ヒトミ (おがわ ひとみ)

小川里央の祖母。小川清広の妻。里央にとっては父方の祖母にあたる。前髪を上げて額を全開にし、ロングヘアを頭の両サイドで2つのお団子ヘアにしている。散歩中に飼い犬のジョルジュのリードが外れて転倒し、ぎっくり腰になってしまった。そのため里央が家へ手伝いに行くことになり、斉藤仲良、斉藤大喜、斉藤保茂の3人と出会う。 里央が初めて連れてきた友人として、3人に非常に好意的に接する。

小川 清広 (おがわ きよひろ)

小川里央の祖父。小川ヒトミの夫。里央にとっては父方の祖父にあたる。禿げてわずかに髪の毛の残った頭と、四角い眼鏡が特徴。里央と共に自宅に訪れた斉藤仲良、斉藤大喜、斉藤保茂の3人に、飼い犬・ジョルジュの散歩を頼もうとした際、自分までぎっくり腰になってしまう。里央にできた友人が男性ばかりであるため、仲良、大喜、保茂の3人にやや嫉妬している。

涼瀬 (すずせ)

もみじ高校に通う男子生徒。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につかない長さまで伸ばした髪を外にはねさせている。小川里央と、街で体がぶつかって知り合い、その際に自分と里央の荷物を取り違えてしまう。そのため「荷物を盗まれた」と因縁をつけ、なぜか卓球勝負を持ちかけてくる。

橋本 健太郎 (はしもと けんたろう)

小川里央たちが公園で出会った少年。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につかない長さまで伸ばした金髪で、サングラスをかけている。英語で話し金髪であるため、里央たちは橋本健太郎を外国人だと考え、苦戦しつつも英語でコミュニケーションを取る。非常にいたずら好きで、他人の家に勝手に上がりこんだり、花壇をめちゃくちゃにしたりと、やんちゃな性格。

斉藤 友 (さいとう とも)

斉藤仲良の妹。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩の下あたりまで伸ばしたセミロングヘアを外にはねさせ、左側だけにリボンを付けている。顔立ちが非常に仲良に似ている。一見クールな雰囲気だが、仲良が小川里央ともっと親しくなりたがっていることを察し、密かに協力することになる。

あずき

小川里央の飼い猫。メスの雑種で、年齢は3か月。首に大きな鈴をつけている。あずきに会いに小川家を訪れた斉藤仲良、斉藤大喜、斉藤保茂にもすぐに懐く。無邪気な性格だが、あることから犬に加えて猫にも苦手意識を持つようになっていた保茂と、トラブルを起こしてしまう。

集団・組織

恐怖の斉藤三人衆 (きょうふのさいとうさんにんしゅう)

斉藤大喜、斉藤仲良、斉藤保茂の3人組の総称。小川里央の通う私立大江第一中学校で、密かに行われた校内アンケートの「こわい人」部門で、同票1位に輝いたことと、3人とも苗字が「斉藤」であることからこの名が付けられた。3人とも悪い噂が絶えず、近づいただけで恐ろしい目に遭うと噂されている。

小川部 (おがわぶ)

小川里央を中心に、斉藤仲良、斉藤大喜、斉藤保茂の4人で設立した部活動。里央を中心に、部員各自の個性を伸ばすのが活動目的。活動内容は好きなように過ごすこと、という非常に自由な部となっている。仲良ら「恐怖の斉藤三人衆」の評判が芳しくないため設立が危ぶまれた。最終的には部員数が新部設立に必要な5名に満たないという理由で、「同好会」としてスタートすることになった。

その他キーワード

道子 (みちこ)

宰藤レンナの女優デビューとなったテレビドラマ。登場人物たちの愛憎劇を描いたハードな内容。レンナが出演しているという縁から、小川里央のお気に入りの番組でもある。本編以外にスペシャル版もあり、そのストーリーが里央たちを意外な形で救うことになる。

C-AYN

斉藤保茂が作りだした薬のこと。飲むと非常に頭が良くなる効力があり、「超頭がよくなるなぞの薬」の「超(C)」「頭が(A)」「よくなる(Y)」「なぞの薬(N)」の頭文字を取って「C-AYN」と名付けられた。「ズンドコ メタノール」と「ナイス ドーパミン」の2種類の薬品を混ぜて、5分間加熱すると完成する。

平和戦士キンパツマン (へいわせんしきんぱつまん)

斉藤大喜が憧れているキャラクター、およびそのテレビ番組。タイトルの通り、金髪の戦士が平和のために戦う内容で、大喜が10歳の頃に放送されていた。大喜が髪を金色に染めたのも、キンパツマンに憧れたのがきっかけ。現在も全国を巡ってショーを行うなど作品は続いているが、人気は下降気味。ショーは赤字、スタッフは借金を背負う状態となっている。 そのため、事態を知った小川里央たちは、ショーに人が集まるよう協力することになる。

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