黄昏流星群

黄昏流星群

40歳以上の中高年、高齢者の恋愛を主軸に、運命的な出会いや人生を描くラブストーリーコミック。

正式名称
黄昏流星群
ふりがな
たそがれりゅうせいぐん
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊70巻
関連商品
Amazon 楽天 小学館eコミックストア

あらすじ

不惑の星(第1巻)

「芙蓉銀行」富士見台支店長の盛本芳春は、52歳で肩叩きにあい、常務から系列会社への出向を打診される。しかし、世間体を気にする妻と娘の盛本美紀から、美紀の結婚式まで「芙蓉銀行」のエリートサラリーマンでいてほしいと言われてしまう。その言葉に半ばヤケになった芳春はスイスへ旅立ち、そこで目黒誠子と名乗る上品な女性と出会う。だが、恋愛経験の少ない芳春は先の展開を急ぎ過ぎ、誠子と気まずくなって別れてしまう。半年後、芳春は社員食堂で偶然誠子と再会。彼女は給食センターで働くバツイチ女性で、彼女もまたスイスでの事を後悔していたのだった。芳春は誠子とその日のうちに結ばれ、定期的に会う仲になる。そんな中、夢だったイタリア料理店の準備に取りかかろうとしていた誠子に妊娠が発覚。一方、芳春は本店の営業部長への栄転の内示が告げられる。大きなチャンスを手にした芳春は、子供を堕ろすよう誠子に懇願するが、誠子はその申し出を断り、子供を産む事を選択。だがその帰りに、雪道で転んだ誠子は流産してしまう。失意の中、誠子はイタリア料理店開店へて向け動き出す。一方、芳春は美紀の結婚式のあと、誠子との関係を調査していた妻から離婚を告げられる。幸せな人生のゴールは何かと考えた芳春は、家庭も仕事も捨て、誠子のイタリア料理店へと向かうのだった。(エピソード「不惑の星」)

鎌倉星座(第2巻)

群馬県T市の市立博物館に勤務する27歳の国分みゆきは、三人の男性から結婚を申し込まれていたが、どの男性にもこれといった決め手がなかった。ある春の日、マケドニア文明の建築物に関する書物「アーキテクチュア・オブ・マケドニア」を探し、東京の古本屋を訪れたみゆきは、そこで古代の建築物に詳しい老人に出会い、鎌倉の自宅に招かれる。後日、みゆきはその老人が著名な建築家の北村修一である事を知り、お礼を兼ねて北村を食事に誘うのだった。それ以降、みゆきは北村に、ほかのボーイフレンドにはない魅力を感じ始める。そんなある日、北村宅で酔っ払ったみゆきは彼の膝枕で寝入ってしまうが、気づくと北村の手がスカートにあたっていた。みゆきは機転を利かして事なきを得るが、その後、みゆきは北村と疎遠になってしまう。夏も終わりにさしかかった頃、みゆきのもとに北村から「アーキテクチュア・オブ・マケドニア」が送られて来るが、彼はすでに病院で亡くなっていた事が判明する。鎌倉の病院へ向かったみゆきは、そこで北村から自分にあてられた手紙を受け取るのだった。(エピソード「鎌倉星座」)

年金暮らしの田村修平は、友人に誘われて人生初の早朝ソープランドに足を運び、若いソープ嬢の「姫貝」こと磯貝洋子に恋してしまう。やがて修平は洋子と彼女の部屋で会う仲になるが、それを知った修平の5歳年上の妻、敏子は、夫のために身を引こうと自殺を図る。結果的に敏子は命を取り留める事となり、修平はこれからの人生は妻のために生きようと決め、洋子に別れを告げる。その後、修平は敏子の世話をする日々を送っていたが、ある日、洋子が田村夫妻の前に現れる。そして、「これから三人で暮らしませんか」と提案する。(エピソード「星の王女様」)

地方都市の開業医である小早川稔は、高校時代に付き合っていた袴田美保と、25年ぶりに再会した。彼女は夫に先立たれ、老いた義母を連れて故郷に戻って来たのだという。小早川は、少々ボケてきた美保の義母、久世貞子を往診する事となり、一方の貞子は小早川を男として意識し、日に日に元気になっていく。そんな中、小早川は貞子に、もう美保と会わないでほしいと泣きつかれる。実は、美保は同じ高校だった大友正男と付き合っており、貞子は毎晩訪ねて来る大友を小早川と勘違いしていたのである。その後、貞子は庭の池に落ちて亡くなるが、美保は小早川に対し、貞子は事故ではなく自殺したのかもしれないと、自分の考えを打ち明ける。(エピソード「鈍色の星」)

星より秘かに(第3巻)

ある晩、大女優の渚エリカが、徳田が切り盛りするラーメン店に来店し、20年来の熱狂的なエリカのファンだった徳田は、夢見心地になる。その後もラーメン店をたびたび訪れるようになったエリカは、ある晩、酔った勢いで徳田と一夜を共にする。これ以上ない幸福を感じた徳田は、渚の好きな具材を集めた「渚ラーメン」を考案し、これが店の人気メニューとなった。それからしばらく経ったある晩、エリカは付き合っていた男を殺してしまう。徳田はエリカの身代わりになって罪をかぶり、刑務所に入るが、その後エリカが徳田のもとへ面会に訪れる事はなかった。エリカはその後、青年実業家と結婚したものの、夫の借金を抱えて落ちぶれ、消息不明になってしまう。やがて徳田は刑期を終え、出所の日を迎える。彼のエリカに対する思いを理解していた弁護士は、エリカが静岡の養護施設にいる事を突き止め、徳田に知らせる。(エピソード「星より秘かに」)

既婚者の江口は、10年の付き合いのある銀座のママ、谷村緋沙子に、77歳で堅物の父親、江口英之が老け込んだので、遊びのつもりでアプローチしてみてほしいと持ち掛ける。だが、緋沙子は英之の男らしさに惚れ込み、二人は結婚する事となった。江口の妻は緋沙子が英之の財産を狙っているのではないかと疑っていたが、結婚後の緋沙子と英之は、江口家と緋沙子のマンションを往復する生活を送るようになり、明るい緋沙子の存在は、江口家にとってもなくてはならないものになっていく。そんなある日、英之と緋沙子は江口家に立ち寄った際に強盗と遭遇し、英之が軽傷を負わされてしまう。その事件以降、元気をなくした英之は、ある日、公園のベンチで休憩中に緋沙子の膝枕で亡くなる。江口家との交流を通して家族の温かさを初めて知った緋沙子は、もう一度結婚にチャレンジすると江口に告げ、英之から預かっていた遺言状を彼に渡すのだった。(エピソード「星よりの使者」)

 流星美人劇場(第4巻)

シャンソン・バー「ラ・メール」を経営し、30年以上もいっしょに水商売をしてきた63歳のママ、麗子と62歳のチーママ、みゆきは、共にアパートで二人暮らしをしていた。ある晩、みゆきが不在中にインテリ風の紳士がアパートを訪れ、麗子は彼と恋に落ちる。そして紳士の忘れ物から、彼が東大で教授を務める鈴木秀人という人物である事が判明する。その後、鈴木は店をたびたび訪れ、麗子はみゆきに隠れて鈴木との逢瀬を重ねる。だがある日、馴染みの刑事により、鈴木の正体が滝口という結婚詐欺師だと知らされた麗子は驚愕。麗子は、高利の「オランジェ共済」から大手銀行に預金を移した方がいいという滝口に、預金通帳と印鑑を預けていたのである。結局、滝口は別件で捕まる事になったが、彼は今回、麗子に対して罪を犯していなかった事が判明。そして麗子は、釈放された滝口から、正式に結婚を申し込まれる。(エピソード「流星美人劇場」)

青山のフランス料理店で働くヒロミは、恋人の今村美奈のためにフレンチを作っていた。ひょんな事からヒロミの作ったフレンチを食べる事になった老人の立松一平は、彼の料理の欠点を的確に指摘。その老人が伝説の料理人だと突き止めたヒロミは、彼がフランスでの修行時代、ソフィーという女性と恋愛していたが、食中毒で客を死なせてしまい、料理人としての夢もソフィーもあきらめたという過去を知る。一方、仕事でフランスに行った美奈は、立松のかつての恋人、ソフィーが、世界的に有名な食器会社の社長夫人になっている事を知る。帰国した美奈はヒロミと共に、料理人の正体を伏せたうえで、立松が作ったフレンチを来日したソフィーに食べてもらうという計画を進める。(エピソード「星のレストラン」)

同窓会星団(第5巻)

高校の卒業25周年の同窓会に出席した商社マンの砂川は、当時付き合っていた小倉美智子に再会した。彼女が離婚した事で、名門中学校に通っていた息子の正彦は、高校にも行かずブラブラしていた。砂川も赴任先のマニラで妻を亡くし、小学校の息子の和馬と二人暮らしだった。似たような境遇の砂川と美智子は意気投合し、交際を始める。そんなある日、和馬が車にはねられ、バイクに乗った少年に助けられる。一方で、美智子とホテルから出て来た砂川は、美智子を尾行していた正彦に殴られる事となる。だが、その事に怒った美智子は初めて正彦のほほを殴り、自分は正彦の犠牲にはならないと啖呵を切るのだった。後日、和馬を助け、その後、見舞いがてら勉強を教えていた少年が、正彦だった事が判明する。(エピソード「同窓会星団」)

松岡英三は、経理係として40年勤めあげてきた会社を定年退職した。だが妻はすでに他界し、子供達には厄介者扱いされていた。そんなある日、英三は福引でオーストラリア旅行のペアチケットを当てるが、チケット1枚は辞退する。そして迎えた旅行当日、松岡はもう1枚の旅行券を当てた菅原という女性と行動を共にする事になる。松岡はバンジージャンプに挑戦した菅原に驚くが、聞けば彼女は末期ガンを患って自殺を志願しており、息子を亡くした鳴門海峡に飛び込むべく予行演習したのだという。帰国後、二人は距離を縮め、星を見るのが趣味だという共通点もあり、意気投合する。そんなある日、松岡は彼女に付き合い、大鳴門橋からいっしょに身を投げる。(エピソード「パルサーのように」)

ミザリーの星(第6巻)

売れっ子のハードボイルド作家の漆原元彦は、50歳で性的不能に陥り、男としての自信を失くしていた。だが、たびたびファンレターを送ってくる横井めぐみという女性を抱いた事で、それからの仕事は絶好調。漆原はめぐみの部屋で執筆を続け、原稿もFAXで送るようになり、次第に編集部の人間に顔を見せなくなっていく。そんな中、車から漆原とめぐみを見かけた編集部長は、めぐみが以前、原因不明でなくなった梶原という作家の保険金を手にした女と同一人物である事を突き止める。ある日、体の調子が悪いと感じていた漆原は、めぐみがジギタリスという毒草を育てている事を知るが、めぐみに暴行され、監禁されてしまう。絶対絶命の漆原は、めぐみに気づかれずに居場所を知らせようと、トリックを仕掛けた原稿をFAXで編集部に送る。(エピソード「ミザリーの星」)

小さな証券会社に勤めていた47歳の向井は、クリスマス・イヴに会社が倒産して職を失う。一方でテレビの人気キャスターである妻の向井優子は、結婚当初に流産して以降、仕事に没頭してきた。イヴを過ごす二人の仲は冷え切っていたが、ふとした事から、家の前の公園に座っていた少年を家に招き入れる事になる。彼は和彦という名の13歳の少年で、養護施設から家出して来たのだった。彼のお陰で家庭的なクリスマスを迎えた二人だったが、その夜、向井は少年に呼び出され、自分は14年前流産した向井家の息子だと告げられ、彼と手をつないでいっしょに空を飛ぶ。翌日、優子も向井と同じ夢を見た事が判明するのだが、和彦の姿はなかった。(エピソード「聖夜の星」)

75歳で年金暮らしの寺嶋は同い年の妻が入院し、独り暮らしを余儀なくされる。シルバー人材派遣センターから来た新庄テイ子という60歳の女性が親身に世話を焼いてくれ、寺嶋は彼女に段々惹かれていく。ある日、寺嶋は彼女がお金持ちの奥様だと知ってしまい、彼女に何故家に来ているのかを訪ねた。テイ子は広島県で寺嶋家の世話になっていた小作人の娘であり、小作人を差別しない寺嶋に好意を抱いていたのだ。その後、彼女が見合いで結婚した男性が出世するが、テイ子は寺嶋への恋愛感情を忘れていなかった。そんなテイ子は偶然、寺嶋が人材派遣センターに入るのを目撃し、家事手伝いとして寺嶋の家にやって来たのだった。(エピソード「汝が星は永遠に煌めく」)

パパは優等星(第7巻)

吉村和良は東京の大学生だが、ホステスのユカリのヒモのような生活をしていた。ある日、面白半分で女装した和良はユカリに勧められ、ユカリの働く店でホステスのアルバイトをする事になる。カズ子として出勤した和良は、偶然にも自分の父親の吉村を接客、翌日デートする約束をしてしまう。吉村から家族に対する正直な気持ちを聞いた和良は、父親を無下に扱う事ができず、まじめな父親の誠実さに胸を打たれる。後日、和良はユカリから吉村に「カズ子は死んだ」と伝えてもらうのだが、ユカリは意気消沈した吉村を励ますべく、和良に再び、幽霊になったカズ子を演じさせる。吉村は、和良にもう一度やる気を出してほしいとの本音をカズ子に語るのだった。その後、和良は司法試験に再び挑戦する事を決意する。(エピソード「パパは優等星」)

独身の樋口ミツ子は老人介護の団体に登録し、週末のみ幸田源蔵という80歳前後の老人の介護を担当する事になる。ミツ子は何回か通ううちに、ハンサムな彼に好意を持つようになる。だが、ミツ子は源蔵の背中にある刺青を見て、彼が自分の人生を滅茶苦茶にした男だと確信。源蔵は、屋久島で暮らしていたミツ子の父親から、カメオのブローチを奪って殺し、のちにミツ子を強姦した男だった。ある日、ミツ子は源蔵に自分の過去を話した事で、源蔵は懺悔し、カメオのブローチはまだ誰にも発見されていない巨大縄文杉の根本に埋めたと告げる。屋久島に向かったミツ子は、当時事件を担当していた鬼塚という元警部とカメオを探しに行く。鬼塚と共にカメオを見つけたミツ子だが、屋久島から戻ると源蔵は自害していた。(エピソード「崩れる星霜」)

七夕七年会(第8巻)

50歳の寺坂泰人は、46歳になった藤倉澄子と会うため、7年に一度七夕の日に会う「七夕七年会」に出掛ける。だが澄子は現れず、設楽ナツミというシナリオライター養成専門学校生という若い女性に声を掛けられる。寺坂はナツミに「七夕七年会」の事を語って聞かせる。ナツミは寺坂に、自分の本名は藤倉みどりだと告げ、寺坂が自分の父親なのだと打ち明ける。澄子は病気で亡くなり、病床で自分が本当に好きだった寺坂の事を、みどりに話してくれたという。澄子は寺坂が自分のもとから去ったあと、のちに夫となる人物と同棲し、みどりを出産したのだ。その後、みどりを育てながら澄子は弁護士になり、一度目の「七夕七年会」で寺坂と再会。寺坂への愛を確信し、離婚したのだという。澄子からみどりにあてた手紙には、自分の骨と別添えの爪を、紙に書いた京都の寺に埋めてほしいとあり、澄子の思いを知った寺坂は、みどりと二人で京都に向かう。(エピソード「七夕七年会」)

60代の佐竹は、胃ガンで余命半年の宣告を受ける。佐竹は、妻の説子の実家の縫製工場にすべてを注ぎ込んできたが、仕事も家庭も放り出し、死ぬ前に三人の人間に会うべく旅に出る。一人目は高校時代の恩師の片岡。片岡の妻と一度過ちを犯した佐竹は、自殺したという片岡の妻に線香をあげながら、片岡は自分と妻の過ちを知っていると確信する。二人目の大学時代の親友、友広泰三は観光ホテルを経営していた。彼がホテルを潰したと人づてに聞いた佐竹は、彼の実家を訪ねてみると、泰三の葬儀が行われていた。泰三と佐竹は、佐竹の妻となった和光説子を取り合い、説子は佐竹を選んだのだ。三人目は佐竹の高校時代のマドンナだった鷹取美智子で、小料理屋を営んでいた。佐竹は美智子を訪ね、男女の仲になるが、彼女に金を無心されてしまう。だが500万円を持参した佐竹に、美智子は100万円だけでいいと告げ、二人は残りの金を温泉めぐりに使って豪遊。だが、そんな生活にも飽き、美智子は残金を自分の店で使ってほしいと提案する。(エピソード「我が星の果てるまで」)

貴男と星と潮騒と(第9巻)

経済学者の安藤ひとみは、自身が出演するTV番組のディレクター、奥山と8年間不倫関係にあったが、妊娠が発覚。それを奥山に告げようとした楽屋で、ひとみは奥山とのふしだらな行為を関係者に見られ、番組を下される事となる。その後、奥山の妻がひとみ宅に侵入して刃傷沙汰になり、研究員として勤めていた会社もクビになってしまう。ひとみは奥山と別れ、子供を産む決意をして故郷へ帰る。だが、町の人間に冷たい目で見られる中、以前に見合い相手として紹介された漁師の徳元だけが、変わらない態度でひとみに接する。自分の過ちを打ち明けたひとみに、徳元は妊娠した愛人を自分の妻が殺害し、妻も自殺したという過去を話すのだった。(エピソード「貴男と星と潮騒と」)

新宿のゲイバー「安野」のホステスである滝満夫は45歳のオカマだった。大企業の人事部長の野々山撤夫は、ある晩、満男に声を掛けられ「安野」で飲むのだが、今まで感じた事のない開放感を覚え、満男に導かれてゲイの世界に足を踏み入れる。53歳で自分を取り戻したように感じた撤夫は、「安野」のバーテンダーとしてアルバイトを始めるが、会社の同僚に目撃され、早期退職の道を選ぶ。退職金を半分妻に渡した撤夫は、満夫の心配をよそに、自分探しをするとタイに旅立つ。しかし、満夫はタイの大使館から「撤夫が暴漢に襲われて入院した」という連絡を受ける。撤夫が同棲していたゲイのダンサーは、暴漢とグルで撤夫の退職金を持ち逃げしていたのだ。帰国後、満夫は昼間の仕事に替えてまで、撤夫の面倒を見る。そんな中、満夫はこと座流星群が見たいと言う撤夫を、天文台付き別荘に連れて行くのだが、星を見ている最中に撤夫は意識を失ってしまう。(エピソード「ソドムの星」)

脆い星光(第10巻)

44歳の中川さとみは、一人息子が留学、夫は福岡に単身赴任で、気楽な生活を送っていた。そんな中、さとみはワインスクールの講師、長崎洋一と恋愛中という友人の一木加寿子に、カリフォルニアへの不倫旅行に同行してほしいと頼まれる。さとみは、旅先で知り合ったカメラマンの鈴木実と一夜を過ごす。帰国したさとみは、加寿子が夫から離婚を切り出され、鈴木が探偵だった事を知る。愕然としたさとみは福岡に向かうが、夫が女といる所を目撃。東京に戻ったさとみの前に鈴木が現れ、自分の本名は藤岡卓だと名乗り、さとみに本気で恋をした事を告白。藤岡は写真にのめり込み、妻子に出ていかれた独り身だった。一方、加寿子は自分を利用していた長崎に襲い掛かり、拘置所に入る事となる。そんな中、さとみは藤岡と付き合う事にし、彼を伴って息子の勇太のいるロンドンへ行き、勇太の彼女を紹介される。執行猶予となった加寿子は、加寿子の夫が愛人に騙されて逃げられた事を知り、夫とやり直す事を決意。一方、元妻の照子から呼び出された藤岡は、娘の志穂の結婚式に出席してほしいと頼まれる。藤岡が元妻と復縁すると勘違いしたさとみは、藤岡に別れを告げる。だが、息子の結婚式に参列したさとみの前に、花嫁の志穂の父親として藤岡が現れる。(エピソード「脆い星光」)

極北に星光る(第11巻)

小料理屋「なな」の女将、藤田奈々枝は、焼津でスナックのママをしていた頃に、魔法のようなカードマジックを見た事があると、マジシャンの森尾英介に話す。そのマジックを行っていたのは、真崎茂という人物で、奈々枝が二人組の客にレイプされそうになった際、彼女を助けるために犯人の一人を殺してしまい、「網走刑務所」に服役していたのだ。彼に興味を持った森尾は網走へ向かい、真崎を見つけ出し、カードマジックの秘密を探ろうと、地元のスナックでマジシャンとして働く。森尾は真崎をよく知る元看守の西山源介から当時の真崎の様子を聞き、彼が特別な能力を持っていると確信。やがて、核心に迫った森尾に、真崎は幻覚を見せ、他人を自在にあやつるという超能力を持っている事を告白する。一方、東京の奈々枝のもとに、かつて自分を襲ったレイプ犯が押しかけて来る。怯えた奈々枝は森尾の絵葉書をたよりに、網走へと向かう。そして奈々枝は真崎と再会し、西山の家の一室に滞在するが、真崎は奈々枝の身に起きた事を察知していた。しばらくして、奈々枝が働くスナックにもレイプ犯が現れ、その後、西山が何者かに襲われて重傷を負う。携帯電話で奈々枝に呼び出されたレイプ犯は、彼女の部屋に招かれ、ベッドに誘われるが、翌日、流氷が浮かぶ海で発見される。(エピソード「極北に星光る」)

死滅する星(第12巻)

戦後のベビーブーマーが70歳になった時代、老人の価値は失われ、政府の政策をはじめ、老人に無慈悲な世の中に変わっていた。そんなある日、塚原鉄平は昔の同僚の熊谷修から、快楽を感じながら天国に行ける「パライソ」という薬を教えられ、興味を持つ。「パライソ」を密売人から購入した塚原は、藤ルミ子という女性から、いっしょに死にませんかと誘われる。ルミ子はラジオ局のアナウンサーで、塚原はもともと彼女のファンであった。この出会いをきっかけに意気投合し、男女の仲になった二人が、人生の最後にと、温泉を楽しんでいたところ、そこに一足先に逝く事を決めた熊谷が合流。だが、熊谷の死を見守る事にした二人は、彼が苦しみ悶絶しながら死ぬ姿を目撃する。新型「パライソ」には、死ぬ前に感じた恐怖を増幅する作用がある事を密売人から聞いた二人は、ひとまず死ぬ事を延期する。そのうち、二人は自分自身が相手にとって価値ある存在である事に気づいていく。(エピソード「死滅する星」)

妻と別れて5年になる桜田はわびしい一人暮らしを送っており、人生に対してネガティブになっていた。そんな時、大学時代の友人で、今は大学教授の池澤に再会、夫婦同士でパートナーをチェンジして楽しむ「夫婦交際組織(サークル)」に誘われる。心惹かれた桜田は、結婚前に交際していた津島麗子を誘い、サークルに入会。桜田はその後、麗子を伴って井上夫婦と食事をしたあと、2組に分かれてホテルに入るが、桜田は行為ができず、麗子にも部屋での詳細を聞けずにいた。その後、池澤が自分達夫婦とお互いのSEXを見せ合おうと提案する。桜田と麗子はホテルの部屋に入るが、それぞれの行為が始まり、桜田は耐えきれず、麗子を連れて部屋を出ていく。自分の履歴を偽っていた桜田は、サークルからペナルティを課されたが、サークルの代表から、麗子が井上夫婦の夫とホテルに入った際には服も脱がなかったと聞かされる。その事を麗子に問い質した桜田は、気が強い彼女の健気すぎる告白を聞く事になる。(エピソード「星の交差点」)

六芒星奇譚(第13巻)

35年間連れ添った夫の桧垣大造を亡くした桧垣光子は、亡くなる前に夫がつぶやいた「小鴨さん、ありがとう」という言葉が頭から離れなかった。そんな中、舞踊公演「都をどり」のチケットをもらったミツ子は、京都へ一人旅に出る。京都で単身赴任していた時の大造の部下だった迫田を呼び出した光子は、小鴨という女性の存在を彼に打ち明け、迫田は光子の小鴨探しに協力する。大造が贔屓にしていたおばんざいの店で、迫田は女将からそれとなく、大造と小鴨とのあいだに子供がいる事を聞き出す。その後、小鴨と安井金毘羅宮で会った光子は、二人はこの縁切り神社で縁を切ったと知る。心穏やかでない光子は迫田をホテルに誘うが、迫田から「寝たい」という真摯な感情がない事をたしなめられる。東京へ戻った光子は、夫の新盆に小鴨を招く。光子は小鴨と酒を酌み交わし、彼女に遺骨を分骨するのだが、その時すでに光子の気持ちは新しい恋に向かっていた。(エピソード「京都星宿」)

週刊「ミステリアス」の編集長、秋元謙一は、ミステリー作家の喜多川公洋から、千葉県柿沼村に伝わる、人肉を食べて生き長らえている妖女伝説を聞かされていた。ある日、望遠鏡でカラスの巣を探していた秋元は、向いのマンションに引っ越して来た生田ひとみと目が合う。ひとみの部屋にバラバラの人体のようなものがあるのを見つけた秋元は、黒ずくめの服装の彼女が「妖女」ではないかと疑っていた。その翌日、ひとみと偶然ファミリーレストランでとなり合わせた秋元は、彼女から自宅でのパーティに誘われる。ひとみは友人の中村ゆかりと共に、秋元と喜多川を迎えるが、四人は意気投合。その後、ひとみは秋元と男女の仲になり、ゆかりを送った喜多川もゆかりと結ばれる。だが、ゆかりは自分の正体が妖女だと喜多川に打ち明け、喜多川は自分が死んだら死体を食べてもいいという条件で、いっしょに暮らしながら彼女の経験を小説に書くという取引をする。(エピソード「六芒星奇譚」)

恋の星乱れ星(第14巻)

警官を退官した梶山は、母親が保険金欲しさに子供を殺すというニュースを見て、31年前の群馬県A市で起きた事件を思い出す。当時ホステスだった石田咲子が13歳の息子と山菜取りに行き、息子が崖下に転落して死亡。息子には2000万円の保険金が掛けられており、息子の指先には押しつぶされたような傷跡があった。梶山はA市に隣接するB市を訪れ、現在は市議会議長の妻となった咲子を訪ねる。当時、梶山は彼女と一時的に男女の関係にあったのだ。梶山はすでに彼女のヒモ的存在だった桑沢仙二から山菜取りに行ったという証言を取っており、咲子に自分の推測をぶつける。だが、梶山は咲子に、警官としての失態を精算しようとここに来たのではないかと指摘される。咲子は二人で会っていた時期が人生の中で一番幸せだったと言い、去って行く。(エピソード「贖罪の星」)

関西の一流企業に勤める大塚英之は51歳で、関連会社への出向を命じられる。出張で東京へ行った英之は、大学時代の友人達と飲み、昔行きつけだったラーメン屋「永楽」に行ってみる。司法浪人時代、英之は「永楽」でアルバイトをしており、店主の奥さんであるセツ子と毎日密会していたのだ。煮干しラーメンが美味しいその店は当時のまま残っており、セツ子が注文を取りに来た。セツ子からメモを渡された英之は、彼女のアパートに招かれ、今から法律の勉強を始めても遅くないと励まされる。その夜、二人は結ばれ、英之はお礼にセツ子をデートに誘う。司法試験に再挑戦するとセツ子に報告した英之に、セツ子は、合格したらまたデートに誘ってほしいと告げて別れるのだった。(エピソード「煮星メンのかほり」)

野田元彦は普通の会社員だったが、妻の野田マリ子は都議会議員として精力的に働いていた。ある日、元彦は高校時代に借りた本の中から自分あてのラブレターを発見し、その送り主である杉田みどりと高校の同窓会で再会し、不倫関係となる。だが婦人警官の帽子をかぶり、通常ではない性行為を要求するみどりに、元彦はついていけなくなる。彼女の中の変性を知るべく、母校の教頭を務める友人の染谷に会う元彦だったが、彼女は覚醒剤使用で自分の子供を虐待した過去があり、円山町で売春婦をしているという噂があったという。元彦はみどりに別れを告げるが、みどりによる執拗な嫌がらせが始まる。そんな中、みどりが再び覚醒剤で実刑を受けたあと、彼女を世話していた女性警官が行方不明であると、染谷から連絡を受ける。元彦はみどりの家に証拠となる婦人警官の帽子を探しに行くが、みどりに見つかり、首を絞められる。(エピソード「恋の星乱れ星」)

我が愛しの剣星(第15巻)

広告代理店に勤務する真野あさみは、上司との不倫が相手の妻にばれ、会社を辞める。これからは心酔する宮本武蔵一筋に生きようと考えたあさみは、武蔵の墓参りのため岡山県大原町を訪れるが、そこで過去にタイムスリップしてしまう。とまどう中、行き倒れた俵屋喜兵衛という老人を介抱したあさみだったが、彼は亡くなってしまう。彼の着物を拝借したあさみは、武蔵の偽物に襲われた際、偶然にも本物の武蔵に助けられ、道中を共にする事になる。そして武蔵は、徐々にあさみがタイムスリップしてきた未来人だという話を信じるようになっていく。そんな中、女嫌いという説のある武蔵が自分に興味を持っていると感じたあさみは、武蔵が自分の陰茎の大きさに自信がない事を知り、彼をリードして男女の仲になる。その後、岩国の岩見錦舟の家に留まる事にした武蔵とあさみだったが、あさみが消息を絶った喜兵衛の持ち物を持っている事に、錦舟の家来が気づき、拘束されそうになる。それを武蔵が阻んだものの、あさみは橋の上から飛び降り、現在にタイムスリップしてしまう。しばらくして、あさみは妊娠している事に気づく。(エピソード「我が愛しの剣星」)

走れ!彗星ランナー(第16巻)

かつて金メダリストの英恵理を育てた陸上の名コーチだった末永武は、現在は酒とギャンブルで身を持ち崩していた。しかしある日、末永は岐阜県の山間の町で、世界を狙える逸材、鮎川奈々と出会い、人生をやり直そうと決心。奈々を東京に連れ帰り、古巣である「大賀化成」の監督に就任する。そんな末永を教え子だった恵理が訪ねて来るが、奈々は恵理に対して嫉妬心をむき出しにする。だが、かつて不倫騒動を巻き起こした末永と恵理の関係は再燃。そんな中、突出した才能でチームからいじめにあっていた奈々は、寂しさから自殺未遂を起こす。末永は悩んだ末、奈々に恵理と自分の関係を正直に打ち明け、恵理は奈々に、オリンピックの女子マラソンで世界記録で金メダルを取れば、二人の関係を壊しても構わないと言い放つ。その条件をクリアすべく、奈々はマラソンランナーとしてオリンピック出場を決める。だが、奈々のアメリカでの高地トレーニング中、末永にガンが見つかる。奈々のオリンピックを病室で応援する事になった末永と恵理だが、レ―ス中、末永の容態は急変し、帰らぬ人となる。その頃、ラストの勝負をどこで仕掛けるか迷った奈々に、「上り坂だ」という末永の声が聞こえる。(エピソード「走れ!彗星ランナー」)

星がりません勝つまでは(第17巻)

外交官だった超エリートの片岡俊彦は、息子が事業に失敗した事から無一文になり、生まれ故郷にある高齢者養護施設「ほのぼのホーム」に入所。マドンナ的存在だった富田静枝と再会し、心をときめかす。だが、当時のいじめっ子、後藤完治が入所して来た事から、俊彦はいじめのターゲットとなり、屈辱的な日々を送る。そんな俊彦をいつも優しく励ましてくれる新之塚ていに、俊彦はいつしか惹かれていく。ある日、米軍のヘリコプターがホームに墜落するという事故が起き、冷静に対応した俊彦の株は一気に上がる。一方、ガンが見つかった完治を俊彦が看病するうちに、二人は心通わせていく。そんな中、俊彦はていに告白し、ホームで生きる希望を見出していく。(エピソード「星がりません勝つまでは」)

政治家をゆすって金を得ている自称ジャーナリストの倉品は、ある晩、公園で首を吊っている女性を助ける。女性は無事だったが、記憶を失くしていた。彼女にドジ子という名を付け、自分のマンションに住まわせる事にした倉品は、やがて彼女と男女の仲になる。ある日、倉品はドジ子が、国友修平という代議士秘書を殺害した強盗殺人事件の指名手配犯の福田いずみである事を知る。土木業を営んでいたいずみの父親は国友に政治献金を騙し取られ、ホステスだったいずみ自身も国友に金を貸していたのだ。記憶が戻ったいずみを自首させた倉品は、いずみの仇を討つべく、全財産を使い、国友を利用していた水戸代議士のネタを摑むのだった。(エピソード「星に祈りを」)

邂逅する惑星(第18巻)

41歳の入間川節子は、15年前に夫の入間川憲一を飛行機事故で亡くしていた。ワインが趣味の節子は、あるサイトで同じ趣味を持つ「コークスクリュー」と名乗る男性に興味を持ち、会う約束をする。亡き夫と同じ顔の男が現れて動揺した節子は、狭山哲夫というその男性が憲一かどうか確かめるため、彼とベッドを共にする。だが、憲一だという決め手となる臀部のアザはなかった。不信に思った節子は、憲一が育った児童養護施設に問い合わせると、憲一には双子の弟がいた事が発覚。節子は自分を抑える事ができずに、哲夫と付き合うのだが、彼のプレイボーイ的な一面に気づく。そんな中、哲夫の妻が節子を訪ねて来る。(エピソード「邂逅する惑星」)

不祥事を起こした「星ノ印食品」を、責任を取る恰好で辞めた月岡は、娘夫婦から厄介者扱いされていた。一念発起した月岡は料理教室に通い出し、そこで知り合った森川洋子に一目惚れする。洋子のおかげで料理の楽しさを知った月岡は、彼女に誕生日プレゼントを渡す。だが偶然、洋子が彼氏といっしょにいるところを目撃し、彼女が月岡からのプレゼントに困惑している事を知ってしまう。ある日、月岡はスーパーで「星ノ印食品」の品質のよさを見知らぬ主婦に熱く語り、共感してくれた店員に涙ながらに感謝の意を示す。そんな中、洋子から呼び出された月岡はプレゼントのお返しを渡される。だが月岡が天ぷらを揚げていたのを忘れて家を飛び出して来たせいで、家は全焼。ある日、アパートで一人暮らしをする事になった月岡のもとへ、スーパーでの出来事を耳にした「星ノ印食品」の社長が訪ねて来る。(エピソード「老星は死せず」)

星空のタンゴ(第19巻)

70歳の北野は30年来の付き合いである、愛人の苑田久美子とハワイに旅行にやって来たが、彼女のガサツな性格に辟易していた。久美子がホステスを辞め、保険の外交員になった際、北野は受取人を自分と久美子にした二口の保険に入っていたのだ。今、久美子が死ねば5000万円が自分の手に入るという思いが頭をよぎった北野は、シュノーケリングを控えた彼女に睡眠薬入りのジュースを飲ませようとするが、すんでのところで断念。その後、北野は船のデッキで転んで海に転落するが、久美子に救われる。罪の意識に耐えられなくなった北野は、自分の過ちを久美子に懺悔するが、旅行最終日、久美子も彼のデッキシューズに細工したと告白するのだった。(エピソード「星空のタンゴ」)

1982年のクリスマスイヴ。小説家希望の女子大生、宮脇照子は、デートの予定もなく、ファミリーレストランでアルバイトに励んでいた。照子は深夜に原稿を書いていた渋い中年男性客の宇津木健介と言葉を交わすうち、夜明けの海までドライブしようと誘われる。小説家志望なのに、恋愛経験がないと悩む照子に、健介は頭の中で創造して書ける人間が本物の作家だと教える。感銘を受けた照子は、思い切って彼を自宅に誘い、無事初体験を終える。時が過ぎ、2002年のクリスマスイヴ。直木賞作家となった照子は、ファミリーレストランで清掃員をしていた宇津木と再会。二人でドライブするのだが、慢心して素直さがなくなった照子に宇津木は落胆。彼は自分は天使であり、君にはもう一度人生をやり直してもらう、と照子に告げるのだった。(エピソード「トゥインクル リトル スター」)

「コメッツ」は上原ヒカルと伊藤クルミで結成されたアイドルデュオで、「恋する惑星」というヒット曲が1973年に一世を風靡した。「年忘れナツメロ大行進」という番組のオファーを受けたクルミは出演を辞退。まだ脚光を浴びたいヒカルは一人でステージに立つのだが、足がもつれて醜態をさらしてしまう。ある日、ヒカルに老人ホーム慰問の仕事が舞い込み、クルミに相談するうち、ひょんな事から二人は、昔マネージャーをしていた財部満夫からヒカルにあてたラブレターを発見する。手紙には3月9日に新宿の「二幸」で待つと書かれており、二人はその日その場所に行ってみる。待ち合わせ場所に現れた財部は、毎年ここでヒカルを待っていたのだ。(エピソード「スターのままで」)

恋する星霊(第20巻)

銀座のホステス、ケイ子は、醜い火傷の跡がある自分を抱いてくれた、ホステスの送迎ドライバーをしている稲本浩を愛し始める。ある日、浩の前に息子の矢沢大吾が、妻の勢津子が先月亡くなったと、遺骨を持って現れた。翌日、幽霊となった勢津子が浩の前に姿を見せ、大吾には天才的な数学の才能があるので、力を貸してやってほしいと頼むのだった。一方、ケイ子は昔つきまとわれていたヤクザに捕まり、屈辱的な目に遭わされる。そんなケイ子に浩は、勢津子との約束を果たせばいっしょに逃げると約束。そんな中、大吾はニューヨークの「ラローズ数学研究所」への入所を認められる。ケイ子と由布院に逃げるべく準備をする浩だったが、ケイ子はヤクザに捕まり、浩はヤクザを撲殺してしまう。自首する前に由布院に行く事を決めた二人だったが、勢津子の遺骨を取りに帰った浩は、ヤクザの手下に刺されてしまう。(エピソード「恋する星霊」)

笑う星るすマン(第21巻)

50歳の誕生日、何の変哲もなかった人生を振り返っていた独身の黒岩真美(女)のもとを、同姓同名の寝具のセールスマン、黒岩真美(男)が訪れる。彼はあの手この手で営業するが、交渉はうまくいかず、気の毒に思った真美(女)は彼を部屋に誘う。彼女に男性経験がない事に驚く真美(男)だったが、彼女はオーガズムと引き換えに、寝具一式を購入すると伝えるのだった。頻繁に体を重ねるようになった二人だが、しばらくして真美(女)はオーガズムを経験。以降、真美(男)は真美(女)の前から姿を消してしまう。ある日、腰痛が酷くなった真美(女)は、評判だという遠方の指圧院まで足を伸ばす。(エピソード「笑う星るすマン」)

小野光子の息子、小野ヒロシは、母親が菅谷という60代の男性と40年間文通している事を偶然知ってしまう。運転免許を取った光子は、菅谷に会い行くために、菅谷の妻がヨーロッパ旅行中に福岡に向かう。ヒロシが尾行する中、光子は菅谷とドライブを楽しみ、ラブホテルに入る。その後、蕎麦屋に入った二人を、由布院に不倫旅行中だった菅谷の妻が目撃。光子のレンタカーを調べた菅谷の妻は、後日、光子のもとを訪れ、二人は真っ向から対峙するのだった。(エピソード「星のペンパル」)

星の遺産(第22巻)

フリーライターの瀬戸いずみは、仕事柄セクシャルハラスメントを受ける事が多く、男性不信に陥っていた。いずみは母親の瀬戸あや子が再婚するとの連絡を受けて大いに驚く。その後、母親の結婚相手である内海幸弘に会いに行く事になるが、その途中の電車内で痴漢に遭ってしまう。その痴漢は、幸弘の息子、内海亮平であった。それでもいずみは気を取り直し、亮平と共に親の結婚式の打ち合わせをするが、テキパキと物事を進める亮平に次第に惹かれていく。だが結婚式の直前、あや子は痴呆を発症。そんな中、いずみは亮平から食事に誘われていいムードになるが、心とは裏腹に亮平を拒絶してしまう。(エピソード「誰の星でもありゃしない」)

著名な小説家だった庄野燐三は、四人の息子に奇妙な手紙を遺言として残した。そしてその内の一つには、厄介を背負い込む可能性があると前置きされていた。エリート揃いの兄弟の中で一番パッとしない三男の庄野和雄は、その貧乏くじを引いてしまう。それは父親の元愛人、流石井富貴子を探し出して印税の権利を渡すというものだった。やがて富貴子が営む小料理屋を見つけ出した和雄は、彼女の自宅に招かれる。和雄は彼女の息子の流石井健一にそっくりであり、富貴子は和雄の正体を一目見た時から見抜いていたのだ。そんな中、ほかの兄弟が譲り受けた不動産や株は価値が暴落し、富貴子と付き合った和雄には幸運が舞い降りて来る。(エピソード「星の遺産」)

崩壊する星域(第23巻)

公認会計士の野島は、司法浪人生の息子、野島修から、元不良で、修より10歳以上も年上の彼女、関谷花苗を紹介された。修を心配する野島に対して花苗は、野島が自分と付き合えば修と別れてもいいと条件を突き付け、野島はそれを受け入れる。だがその後、修は自殺騒動を引き起こすが、花苗は一命を取り留めた修と結婚。子供をもうけ、修は司法試験にも合格する。そんな中、妻の野島紀子から別れを切り出された野島は、花苗から修は精子が少ない体質だと聞かされ、彼女の真意を悟るのだった。だがそれから数年後、静脈瘤破裂で救急車に乗せられた修のうわ言を聞き、花苗は衝撃を受ける事になる。(エピソード「崩壊する星域」)

国会で強行採決を採った参議院議員の小坂田朋子は、久々に母校の大学を訪れ、当時行きつけだった喫茶店「らんぷ」に立ち寄る。「らんぷ」のマスターは男性には無縁だった朋子の初体験の相手で、朋子は彼に恋をしていた。マスターは今も健在で、朋子によく似た女子学生が彼に政治議論をふっかけていた。女子学生が帰ると、マスターは朋子に、君は純粋な気持ちをなくしつつあると説教し、朋子を抱く。そして、国民に選ばれた人間だからこそ、謙虚になるべきだと、朋子を諭すのだった。(エピソード「星界哀歌」)

攻撃する運星(第24巻)

義父の阿部奈緒次郎に愛人がいるかどうか確かめてほしい、と妻に頼まれた戸塚幸夫は、奈緒次郎を尾行していた。奈緒次郎の愛人の家を訪ねた幸夫は、愛人の女性、田中有里子から、自分はかつて幸夫と同じ中学のクラスメイトだった田中和雄だと打ち明けられる。性同一性障害が浸透していなかった18年前、有里子を快く採用したのが、当時保険会社の支店長だった奈緒次郎であり、奈緒次郎の退職後、男と女の関係になったという。思い悩んだ幸夫は、妻の疑いを解くべく、有里子を奈緒次郎のかつての部下の妻という事にして、ひと芝居打とうと思いつく。(エピソード「同星時代」)

うだつの上がらないサラリーマンの笠原哲矢は、ある日、ロトで4億円を手に入れた。自分の隠し口座に振り込まれたその金を、以前に神楽坂で出会った芸者の錦華に使おうと、笠原は料亭通いを始める。しばらく通い詰め、錦華を自分の女にした笠原だったが、彼女にはほかに政治家や大企業の社長等のパトロンが複数おり、四ノ宮淳という恋人もいた。目が覚めた笠原は、錦華から身を引こうと決意する。(エピソード「攻撃する運星」)

クリスマス・イヴの夜、和美は頑固一徹な和美の父の中華料理店を手伝っていた。和美は流れ星に願いをかけるが、父親が閉店間際に訪れた女性客と珍しく打ち解け、その女性と飲みに行く事になる。久々に見る父親の嬉しそうな姿を和美が見送る中、サンタクロースの恰好をしたティッシュ配りのアルバイトの男性が来店。和美と言葉を交わして悩みを聞いた彼が、君の幸せは今から始まると和美を励ますと、それと同時に若いサラリーマンが店を訪れる。(エピソード「星夜の贈り物」)

煌めかざる星(第25巻)

湘南市の市長、歌川哲彦は中学・高時時代を過ごした静岡県桜川市のシンポジウムに出席。そこで当時恋人だった羽熊香織と再会し、一夜を共にする。だが翌日、シンポジウムに彼女の姿はなく、のちに哲彦は彼女が夫殺しの容疑者として逮捕されたと知る。そんな中、哲彦は妻の歌川友妃子の浮気現場を目撃してしまう。香織が哲彦の不貞を隠すため、夫の死亡推定時刻のアリバイを口にしていない事を知った哲彦は、彼女を助けるべく警察に向かう。哲彦にも容疑者の疑いがかかる中、彼は市長の座を投げ出す覚悟で、懇意にしている弁護士を呼び寄せる。(エピソード「煌めかざる星」)

年金で一人暮らしを楽しむ石崎は、高橋美佐子という老女から自分達の「スケッチクラブ」のヌードモデルになってほしいと頼まれる。美佐子、木城加津、等々力洋子の三人の老女と交流を深めていく石崎だったが、ある日、美佐子と二人で食事の後片付けをした流れで、彼女に誘われ、男女の関係を持つ。彼女達が二人きりになるよう仕組んだと気づいた石崎に、美佐子は自分達のセックスの相手をしてくれる適任者を探していたと打ち明ける。こうして三人の老女と奇妙な関係になった石崎だが、次第に彼女達に嫉妬心が芽生え始める。そんな中、妻が入院した事をきっかけに、石橋は彼女達に別れを告げる。それから2年後、石橋は街で美佐子の個展が開催されているのを見かけるのだった。(エピソード「流星スケッチクラブ」)

 再星エボリューション(第26巻)

税務会計事務所を経営する辻啓介には、自分の会社の取締役、沢口雅美、銀座のママ、薗田桜子という二人の愛人がいた。ある日、右肩を重く感じる症状が気になっていた啓介は、霊能者を名乗る河合エリカから、生霊が取り憑いていると声をかけられる。事業は下り坂、家庭内では問題が多発しており、啓介は相談のため改めてエリカを訪ねるが、そこで一番好きな女性と別れなければ破滅すると告げられる。だが、啓介は誰が一番好きなのかわからず、雅美や桜子に対して嫉妬心がまったく湧かない自分に気づく。(エピソード「悪霊の星」)

テレビ局のプロデューサー、三井礼子は、不倫関係にある北村秀夫に、自身が中学時代に50代の男性からつきまとい行為を受け、それが新聞沙汰になった事を話す。北村は番組制作も兼ねてその町に行こうと言い出すが、妻に不倫がバレてしまったため、結局礼子は一人で岐阜に赴く事となった。その男性、梅垣耕三の家に住む息子の梅垣恵介は、礼子に気づいて父親の罪を謝罪するが、一方の礼子は耕三が自殺したと聞き、大きなショックを受けるのだった。そんな礼子に恵介は耕三が描いていた礼子のスケッチ画を見せ、あなたを好きになるDNAが動き出したと告げる。(エピソード「初老星春哀歌」)

鹿児島でリサイクルブティックを営む大城由美子の店に、かつて彼女の夫だった宮里晃そっくりの男性、三宮源太が頻繁に訪れるようになった。そんなある日、フリーのスポーツライターで新潟出身と語っていた源太の口から、「あがっ」という沖縄の方言が飛び出す。不信に思って沖縄に向かった由美子は、晃の実家の近所に住む下地と会い、彼が晃から自殺をほのめかした手紙を受け取った事を知る。その消印が新潟だったと聞いた由美子は、源太のいる鹿児島に駆けつける。(エピソード「再星エボリューション」)

五里霧の星域(第27巻)

県立正賀高等学校の同窓会で再会した秘密結社「五里霧中」のメンバーである瀧川幸介、久米和義、稲田撤夫、入間川宏は、後日ゴルフを楽しみ、帰り道に霧で囲まれた町に迷い込む。その奇妙な「五里霧の町」の中では、想念が実体化して独自に意思を持つのだ。「五里霧中」のアジトを思い浮かべ、そこに辿りついたメンバー達は、それぞれが初体験の相手を思い出してしまい、その相手の女性達が次々と現れる。稲田の相手は入間川の妻だった事もあり、別行動を取る事にした四組。だが、入間川の相手の立川のヤクザ者の父親が銃を持って現れ、さらには鉈で六人を殺害した有名な殺人鬼の南雲も登場し、四人はアジトに逃げ帰るのだが、凄惨な殺し合いが始まる。車の中で夢から覚めた四人だったが、後日、「五里霧の町」での出来事が実体験だったと確認し合う。そんな中、稲田は入間川の妻と駆け落ちし、現実の世界に行き詰った入間川と久米は、「五里霧の町」に戻る決意をする。(エピソード「五里霧の星域」)

再会流れ星(第28巻)

看護師歴20年の井川美智子は、入院患者で大物財界人だった曽根康三に恋をしてしまう。不毛な不倫関係にあった和歌山とも別れ、美智子は康三も自分を女として意識している事を感じ取る。だがそんな中、康三は意識をなくしてしまう。介護に当たった美智子が康三の下腹部にキスをすると、意識がないのにもかかわらず康三は勃起する。その2日後、康三は帰らぬ人となってしまう。(エピソード「輝ける晩星」)

1969年、村井麗は全共闘運動に参加していた医学生の真田満と同棲していた。二人はリルケの世界を共有し、腕に薔薇の刺青を入れていた満に習い、麗も内腿に薔薇の刺青を入れたのだった。だが満の母親が他界し、実家に戻った満は麗のもとには帰って来なかった。2006年、マンションの清掃をしていた麗は、満に似た人物を見かけて尾行を開始。そこで麗は、満に似た人物が近所の病院に務める整形外科医であり、彼の腕に薔薇の刺青がある事を知る。(エピソード「薔薇の刺星」)

夫を殺害した罪で服役している西本真里は、昔駆け落ちした水田健介が、真里ともう一度話したいと投稿したラジオ番組を偶然耳にする。出所した真里はラジオ局を訪ね、その番組のパーソナリティー、吹田邦夫に相談。吹田の計らいで、水田と真里は再会し、焼けぼっくいに火がつく事となる。その後、真里は保険会社の支店長である水田のもとでセールスレディとして働くようになるが、真里は水田に自分の前科を告白すると、水田は真里に背を向けてしまう。真里から事の顚末を聞いた吹田は、後日あらためて、彼女が働くスーパーを訪れる。(エピソード「再会流れ星」)

星を追いかけて(第29巻)

人生が面白くないと感じていた三浦は、ある日、豪邸に住む近所の人妻、峰岸に一目惚れした。後日、ホテル街で娼婦をしていた峰岸に誘われた三浦は、彼女の常連客となる。これ以降、三浦は充実した日々を過ごすようになったが、隅田川で出会う不気味な老人の存在が気になっていた。不思議な能力を持つ峰岸によると、その老人は死神であり、彼を強く拒否するようにと三浦にアドバイスをする。アドバイスに従って老人を振り切った三浦は峰岸に感謝し、真剣に付き合いたいと告白するが、彼女は三浦のもとを去って行く。後日、法事の席で、自分の祖父を生んだフジという女性の顔写真を見た三浦は衝撃を受ける事となる。(エピソード「守護星奇譚」)

タクシー運転手の加瀬洋子は、好みのタイプである客の植田を乗せ、彼の仕事の日に送り迎えするようになる。植田が独身と知ってデートに誘った洋子は、男女の仲になるが、植田の仕事はサラリーマンではないと直感していた。ある日、強盗殺人犯の達川公一を乗せてしまった洋子は、逃走資金調達のため、自宅に連れて行かれる。そこで植田の写真を見た達川は、洋子を人質にして逃走。植田が自分の嫌いな警察の人間だと知った洋子はショックを受けるが、華麗なハンドルさばきで達川の逮捕に貢献する。(エピソード「星を追いかけて」)

隣の星人(第30巻)

総合スポーツメーカー「フォーイースト」の代表取締役を務める中津川修三は、敵対的買収の危機にさらされていた。社長の座を奪われるのを覚悟した中津川は、新宿へ繰り出し、イメクラに足を踏み入れる。そこで出会ったヒロコと意気投合、店外デートする仲になる。だが、彼女が自分の会社を吸収合併しようとしている「サイキ産業」の代表取締役、斉木拓郎の娘であった。その事実を知った中津川は、ヒロコに別れを告げる。それから3か月後、斉木宅で中津川とヒロコは再会する。(エピソード「社長の星春」)

赤羽の工場で働く片山美波は、アパートのとなりの部屋に越して来た佐藤和夫を介抱した事から、彼と付き合うようになった。そんなある日、工場の班長である竹澤がホームから転落死する。その直前、美波の同僚、小倉かおりは、コーヒースタンドで竹澤のとなりに座る和夫を目撃していた。和夫が殺し屋ではないかと疑ったかおりは、彼の周辺を調査を開始するが、のちに溺死体となって発見される事となった。それからしばらく経ち、美波のもとに手紙が届く。それは生前のかおりが書いたもので、そこには和夫が名古屋の駅でホームから人を突き落とした事が記されていた。そんな中、和夫は美波を自分の働く会社に招き、結婚を申し込む。(エピソード「隣の星人」)

星空研究会(第31巻)

城北大学の仲間で結成した星オタクのサークル「星空研究会」は、メンバー全員が40代後半となった今でも、週末に集まって星の観測に出掛けていた。ある日、「星空研究会」に1通の手紙が舞い込む。それは20年前に突然消息を絶ったもう一人のメンバー、上杉かおるからだった。彼女の誘いに乗り、清里にふたご座流星群を見に行く事にした風間俊介、山田修三、肥田透、林健太郎だが、彼らの前に現れたのは、かおるの娘、上杉綺羅だった。(エピソード「星空研究会」)

外食産業トップを誇る東郷ホールディングスの会長、東郷が急逝し、お抱え運転手の見城は長兄の東郷一郎の専属運転手となった。欲望が渦巻く東郷家で、見城は一郎の妻、東郷美鈴の孤独な立場を理解し、彼女と距離を縮めていく。そんな中、切れ者の三男、東郷省三と、次男、東郷秀次の妻で野心家の東郷礼子は、東郷グループを支配しようと、次男の秀次と省三の妻、東郷はるかを排除していく。ある日、美鈴の部屋からコンドームのパッケージの切れ端を見つけた礼子は、盗聴器を仕掛ける。それをネタに省三は一郎を引きずり下ろす。美鈴と見城も一郎に追い出されそうになるが、見城は一郎の浮気の証拠が入ったボイスレコーダーを突きつけ、立山の別荘を譲り受ける。(エピソード「ある一族の星域」)

星楽のマドンナ(第32巻)

仕事人間の時田亨介は心筋梗塞の発作を起こし、幽体離脱する。家族は自分の保険金が下りる事を期待しており、深く傷ついた亨介は町をさ迷う。ある時、自分と同じ状況にいる女性、村尾多津子に出会う。彼女はダンプカーに飛び込んだ事から、自分の体がどこにあるかわからずにいた。彼女の体をいっしょに探した二人は一夜を共にするが、幽体での行為は現実感が伴わないものだった。二人は自分の体に戻り、1年後に浅草雷門のもとで再会する約束を交わす。(エピソード「さ迷う惑星」)

お笑い芸人「イカドックリ」がコンビを解散する事となり、付き人だった柿崎真理子は才能のあるイカヤマではなく、さえないゲソスケを選んだ。20年後、イカヤマは人気司会者となり、ゲソスケについていった真理子は憂鬱な日々を送っていた。そんなある日、真理子の勤める歯科医院にイカヤマが現れ、真理子を口説く。ホテルに誘われた真理子は最後の最後で逃げ帰るが、その後、イカヤマが別の女性も呼び寄せていた事を知る。イカヤマの行為に愕然とした真理子はゲソスケに詫び、彼の底知れぬ優しさに心打たれる事となる。(エピソード「帰らざる星春」)

ボート場の管理人の園田拓郎は、オペラ歌手の押高葉子の大ファン。だが、園田の仕事は7月末で終了、おまけにガン宣告を受けており、失意のどん底にあった。葉子の愛人、松崎は7月末にオペラ界の要人と葉子を会せる食事会をセッティングするが、葉子は自分を利用して金儲けを企む松崎に嫌気がさし、同日に申し込みのあった余興のオファーを受ける。園田が退任する日、葉子は彼と船に乗り、プッチーニを歌う。それは職場が園田に用意したプレゼントだった。すると葉子は足を滑らせて池に転落、園田に助けられるが、その様子が美談としてニュースで流された事により、二人の運命は大きく変化する。(エピソード「星楽のマドンナ」)

流星メール劇場(第33巻)

警視庁を退職した小日向透は「日本犯罪研究所」に再就職し、日本の凶悪犯罪のフィールド別データを作る作業を任される。ある日、小日向は大阪の「守口中央産婦人科」で1961年6月19日に生まれた五人の内、四人が殺人事件を起こしている事実に気づく。そんな中、小日向は屋台のおでん屋で意気投合し、いっしょに住み始めた青木美加が、その病院で1961年6月19日に生まれた五人目の人物であると知る。小日向はその五人の出産時と、四人が起こした殺人事件の現場の写真に写り込んでいるある人物を発見するが、その夜、美加に襲われる。オカルトに詳しい研究員の小山によると、その人物は悪魔であり、マオウという薬草が弱点だという。おでん屋の主人が悪魔だと気づいた小日向は、悪魔を退治すべく直接対決に挑む。(エピソード「星鵠を射る」)

朝岡源六の妻、朝岡初子はガンで余命6か月と宣告される。仙台に行きたいという妻を旅行に連れ出した源六は、20年前、仙台の神社で「朝岡源六と別れられますように」と書かれた絵馬を偶然見つけていたのだ。その事を問い質せないまま、妻は亡くなってしまう。2か月後、朝岡は自宅を窺う一人の女性を目撃する。(エピソード「星になる前に」)

週刊誌の副編集長を務める緒方亮は、取材で知り合った上松友紀子と、カメラマンの宮本多久郎を交えてよく飲みに行くようになるが、多久郎が結婚し、亮は友妃子と付き合うようになった。それから5年が過ぎ、亮と友妃子の仲はマンネリ化。友妃子が自分に物足りなさを感じているのではないかと勘ぐった亮は、携帯電話のメールアドレスを新たに取得。多久郎になりすました亮は友妃子とメールのやりとりを始め、やがて友妃子から会いたいとのメールが送られてくる。(エピソード「流星メール劇場」)

 武士の星空(第34巻)

大川原藩の三日月藤十郎の養子となった三日月矢太郎は、藤十郎の手掛ける土木治水建築を継ぐため、江戸の「昌平坂学問所」で学ぶ事になる。矢太郎は大川原藩の武士が江戸に勤番する際に滞在する中屋敷で過ごし、剣の達人、宇多川象山に目をかけられる。だが、世話になった中内遠馬が藩の名を汚したとして自害させられるという事件が起こり、矢太郎は武士の世界の理不尽さを痛感、耐えきれずに故郷に帰る。藤十郎はそんな矢太郎を受け入れ、自分と宇多川陸が不義密通の間柄だと打ち明ける。そんな中、藤十郎が「甲斐の小天狗」と異名を持つ剣の手練だったと突き止めていた象山は、藤十郎に果たし状を送りつけ、矢太郎は二人の勝負を見届ける事になる。(エピソード「武士の星空」)

游星萌ゆ(第35巻)

喫茶店と間違えて、秋葉原のメイドカフェに入った東都大学の教授、南原春彦は、接客してくれたミュウこと堀井マキに恋してしまう。マキは彼が置き忘れた手帳を春彦宅に届けた際、春彦をベッドに誘う。春彦との関係を続けていたマキは、悪い仲間にそそのかされ、春彦とのSEX写真を盗撮させる事に同意。仲間は春彦から金を騙し取り、写真を大学の掲示板に張ってしまう。申し訳ない思いを抱えたマキに、春彦はマキの写真が人目に晒された事を謝罪する。春彦の人のよさにあきれながらも、仲間を許せなくなったマキは、警察に駆け込む。(エピソード「游星萌ゆ」)

ファミリーレストランの厨房で働く安藤明日香は、自分の作ったオムレツを食べに通っている男性が、高校時代から思いを寄せている澤田雅之だと知る。彼と付き合い、無事結婚する事ができた明日香だが、中々職が見つからないストレスで、雅之はアルツハイマーを発症してしまう。ある日、雅之の遺産相続の件で高知に行った明日香と雅之だが、ストレスからか雅之の様子がおかしくなる。心配する明日香をよそに、健忘がひどくなった雅之は明日香に結婚を申し込むのだった。(エピソード「嫌われ星 好かれ星」)

惑星同期会(第36巻)

四谷大学卒業式の日、SFオタクの奥田今日子、高部亜希、村江香織は卒業後も定期的に会おうと「惑星同期会」を結成。それから30年、久々に集まった三人は未だ独身で、亜希と香織は不倫中だった。三人は次回はボーイフレンドを連れて来る、という約束をして別れる。亜希は不倫相手の秋元治夫と船旅に出るが、彼から大手企業の社長になる事が決まったと別れを切り出される。船に一人残された亜希は、太極拳講師の風間成彦と出会い、親交を深めていく。一方、仕事一筋だった広告制作会社の社長の今日子は、ひょんな事から女性経験のない眼科の医師、長谷川と食事をし、男女の仲になる。また、小さなオフィスを切り盛りするフリーライターの香織は、不倫相手の巻田公一を監修人として雇う事になり、大企業の体質が抜けきらない彼の仕事のやり方に苦悩する。そしてボーイフレンドを連れて集まる日、それぞれが、別の場所ですれ違い、また出会っていた巡り合わせに驚く。その帰り道、香織は次回の「惑星同期会」は9月の「月のない夜」に、女性の方からプロポースをしようとメールで提案するのだった。(エピソード「惑星同期会」)

深夜の双星(第37巻)

勝俣は最愛の息子、勝俣正太を村瀬俊介という男性に殺され、復讐に生きる事を決意した。勝俣は、村瀬が入所する岡山県緑南市の刑務所近くに引っ越し、職を得た。彼女は刑務所内で村瀬に書を教えている高見澤星雲に近づき、交際する。村瀬の出所日、包丁を手に待ち構える勝俣を高見澤が押しとどめる。特別な能力を持つ高見澤は勝俣が息子に会えるよう取り計らい、勝俣は眠っているあいだ、正太と再会する。後日、勝俣は夢で息子からプレゼントされた銀の耳かきを、コートのポケットから見つけるのだった。(エピソード「許されざるホシ」)

妻の田渕遼子に愛想をつかされた報道カメラマンの田渕雄介は、雨の夜、ワインバーで魅力的なロシア人女性と出会う。彼女と一夜を共にした雄介は、翌日の先進国蔵相会議で、昨晩の女性がロシアの蔵相、キプレンコの妻のエレーナだと知る。彼女からメールで、明日のホテル出発時にとっておきのネタを提供する、との連絡を受けた雄介は、エレーナが夫を張り倒す場面を激写する。(エピソード「雨夜の惑星」)

西新宿の食堂のマスターは、深夜にやって来た客の浮世美砂子と賭けをし、彼女を抱く事になる。彼女の正体がベストセラー作家と知ったマスターは、美砂子から八ヶ岳の別荘の管理人兼料理人を任される。しばらくして、体調を崩した美砂子は別荘へ来なくなり、マスターは彼女が自殺したと聞いて驚く。美砂子からの手紙で彼女の真意を知ったマスターは、彼女が自分に遺贈してくれた別荘を売り、西新宿の食堂を買い取るのだった。(エピソード「深夜の双星」)

裏切る星界(第38巻)

過激派グループ「赤き狼」のメンバーの一員で、15年前に警察官の小田垣を殺害して逃亡中の菊地圭子は、「滝川由加」という偽名で「船木屋旅館」で仲居として働いていた。圭子は従業員の梶山悟郎と一線を越え、二人は親密な関係になる。彼女は悟郎に自分の過去を告白するが、彼は殺された小田垣の直属の部下で浅沼という元刑事だった。悟郎は彼女が自首するというのを止め、時効が成立。二人は旅館を継ぐ事を決め、つぐないとして小田垣の息子を養子に迎える。(エピソード「星の住処」)

東大法学部から大蔵省を経て、議員秘書をしながら政界進出を目論む足柄は、絵に描いたようなエリート人生を送って来た。だが、愛人のホステス、篠原優子が妊娠し、また、秘書を務める小山大臣の身替りとして汚職事件での出頭を命じられる。そんな折、包丁を持ち出した妻の足柄雅子が足柄ともみ合いになって死亡。足柄は妻の作為によって、妻殺害の犯人として実刑を言い渡される。6年後に出所した足柄は、人生をやり直そうと、「鈴木実」として小さな製本会社に勤める。ある日、子供にサッカーを教えるようになった足柄だが、彼の母親がほかならぬ優子その人であると知る。(エピソード「裏切る星界」)

C-46星雲(第39巻)

4年前、川口咲平は新潟県の萬代橋の上でドキッとするような女性に出会った。三田大学理工学部の同窓会が開かれ、二次会でその事を戸田信介と入間に語り、三人は新潟旅行に出掛ける事になる。その女性がスナック「シークレット」で働く与野ゆかりというホステスである事が判明。店を訪れた3人は、3組に別れて焼肉屋に行こうと女性達に提案される。その道すがら、咲平はゆかりにホテルへ誘われる。帰京した咲平はゆかりから、韓国で働かないかと好条件の仕事を持ち掛けられる。ゆかりと韓国へ立った咲平だったが、彼女達が北朝鮮のスパイだと気づいた入間達は、咲平の携帯に「ソウルより北へ行くな」とメールを送信する。(エピソード「萬代星の女」)

名古屋の大手銀行をリストラされ、東京の中堅企業に拾われた飛島健太だが、ワンマン社長に叱責される屈辱的な日々を送っていた。そんなある日、かつて健太が「伝説の学生バンド」と呼ばれた「シューティングスターズ」のボーカル「ショウ」だった頃の恋人、植松ひとみとの会話が録音されたカセットテープが、段ボール箱から見つかる。やりきれない気持ちを抱えて「シューティングスターズ」という店に入った健太は、当時からファンだったという宮部志乃ぶと出会う。一方、女性誌の編集長だったひとみは閑職に回され、後任には志乃ぶが選ばれた。同じ頃、健太は妻から離婚を切り出される。そんな中、「シューティングスターズ」のメンバーだった内藤哲夫が、飛び降り自殺したというニュースが流れる。(エピソード「C-46星雲」)

星と死の狭間で(第40巻)

自分を無駄な存在だと卑下している河瀬まみは、好きだった主任の伊奈田遼にも冷たくされるようになり、死を決意して沖縄に向かう。竹富島の海でアルコールと睡眠導入剤を飲んだまみは、みやげ屋の男性に助けられる。帰京し、再びその男性のもとに戻ったまみは、男性との自由な暮らしの中で癒されていく。みやげ屋の男性は実はレオナルドという天使であり、まみが立ち直ったので次の使命を言い渡される。だが、彼は地上に堕ちて人間となり、彼女を見守る道を選ぶのだった。(エピソード「天使に星の砂」)

定年退職後、田舎暮らしを始めた大澤義一だが、妻の大澤静枝が亡くなる。しばらくして、義一はとなりに住んでいた歌川照夫が、ミイラ化した遺体で発見された事を知る。義一は照夫から妻へあてた封筒を発見するが、中身は入っていなかった。照夫の娘の歌川恭子と共に、二人のあいだに何らかの出来事があったのではないかと推理しながら、義一は恭子と交流を深めていく。だが、恭子は静江が照夫に渡したと思われる手書きの「つくしのレシピ」と、照夫が静枝あてに書いた手紙の中味を見つける。(エピソード「星謐の庭」)

愛人の宮崎ちひろ宅で倒れ、チューブにつながれたまま植物状態となっていた横澤功太は、半年後、意識が戻るのだが、周りの人間は誰一人気づかない。妻の君枝やちひろ、腹心の秘書、松浦の裏切りを目の当たりにする中、看護師のマスヤマだけが功太を優しく扱う。功太は嫌われ者として孤独な末期を迎えた自分の人生を振り返るが、駄菓子屋のおばあちゃんと、同じ中学だった小俣志津子にまつわる悲しい出来事のせいで、自分が心を閉ざしてしまった事に気づく。そんな中、楽になった功太はマスヤマに導かれて天国に向かうが、その途中、会いたかった人達が功太を待っていた。(エピソード「星と死の狭間で」)

星子(せいし)のロンド(第41巻)

同性愛カップルの祝田宣子と真山きよ美は、精子提供サービスに入会した。そして日本人医師の矢内透から精子提供を受ける事を決め、きよ美は妊娠の可能性が高い自然受精を選ぶ。だが、きよ美と矢内は自然受精する内に、異性に対するトラウマを克服し、愛し合うようになる。二人から結婚を告げられた宣子は、失意に暮れる中、チンピラに強姦されて妊娠してしまう。2030年、息子の健太から歯医者を紹介されたきよ美は、そこで助手として働いていた宣子と再会。きよ美は矢内と別れ、2回目の結婚にも失敗していた。さらに、宣子の娘の妊娠が発覚。その相手はきよ美の息子の健太だと判明する。(エピソード「星子(せいし)のロンド」)

「泰平薬品」で次期社長候補と目されている南山広志は、経費削減に燃え、週末には下町で節約トレーニングとして、1000円で過ごす遊びを実行していた。だが、お金が底をつき、寒さに震えていた南山は、もんじゃ焼屋の女将、田崎貴美子に優しくもてなされる。彼女に恋した南山は、次の週ももんじゃ焼屋を訪れ、貴美子の家で二人は結ばれる。しかし貴美子の息子が、南山の会社が起こした薬害で亡くなっていたと聞かされ、南山は自分の正体を明かせなくなる。そんな中、南山の行動を不審に思っていた妻は、貴美子に夫と別れるようにと手切れ金を渡す。(エピソード「もんじゃ座の星」)

星降るホテル(第42巻)

ピアニストとしてクラッシック音楽に固執する高澤侑子は、輝かしい経歴の持ち主だったが、今はリサイタルのため、ホテルでピアノを弾くアルバイトに甘んじていた。侑子と、侑子と同じ大学のピアノ科だった稲田麻美、麻美の高校時代の先輩、関本潤は学生時代から三人でよく遊んでいたが、侑子は潤と隠れて付き合っていた。だが、野心家の潤はベンチャー企業を立ち上げるため、大企業の社長令嬢である麻美と結婚してしまう。その潤が、交通事故に遭い、意識不明となった時、「侑子許してくれ」とうわ言を言った事から、麻美は二人の関係を怪しむ。一方、ホテルのマネージャーの仰木の好意を受け入れた侑子は、ジャズを演奏に取り入れていく。ある日、侑子のジャズピアノコンサートに関本夫婦が現れ、侑子は二人のために、リクエストされたダンスナンバーを見事に演奏する。(エピソード「星降るホテル」)

定年退職してヒマを持て余していた三浦は、公園で謎の美少女、水森美生と出会う。そしてヘビースモーカーの三浦は、タバコをやめたらもっとかっこいいのに、と告げた美生に恋してしまう。三浦は彼女に会う事を待ち焦がれるようになり、やがて彼女が財閥の令嬢で、学校に通えない病弱な少女だと知る事になる。だが、ある日を境に美生は姿を現さなくなり、しばらくして三浦は彼女の家庭教師を名乗る女性から、手紙を受け取る。(エピソード「金星症候群(きんぼしシンドローム)」)

タクシー運転手の兼子健一は、母親が亡くなった事で、介護生活から解放された。そんな時、府中刑務所まで乗せた老婦人が、40年ぶりに再会する立花だと気づく。彼女は兼子が宅配の仕事をしていた頃、20歳の兼子に性を教えてくれた人妻であり、当時二人は「性生活の知恵」という本を参考に、セックスに励んでいた。立花の息子はマリファナで捕まり、現在は刑務所に入っているという。二人は昔のように体を重ね、彼女は兼子に息子の本当の父親はあなただと打ち明けるのだった。(エピソード「性星活の知恵」)

星霊の巨石(第43巻)

イラストレーターの高村は、7年付き合った篠塚あやにふられたショックで、埼玉県K市の洋館に移り住む事を決める。庭にある巨大な石が気になった高村だが、その正体はわからず、石の上で瞑想するようになる。すると、高村の周りで、オカルト現象のような不思議な出来事が起き始める。高村は、彼に好意を寄せてオカルト現象に巻き込まれた河合千鶴と共に、古い寺に助けを求める。そこで、洋館の主人に横恋慕し、あてつけに自殺したお手伝いの加根子の存在を知る。洋館ではその後、不審死が相次いだ事で、加根子が身投げした井戸を巨石で封じ込めたというのだ。そこで、小滝一郎という凄腕の霊能者の手を借り、高村は加根子の悪霊と対峙するのだった。(エピソード「星霊の巨石」)

中学時代の恩師、徳山周の傘寿を兼ねた同窓会に向かう道中、結婚相談所勤務の田之原慶子は勤務医の長塚公介に再会。慶子は友人の鮎川かなの死に徳山が絡んでいると疑っていた。同窓会のメンバーは、中学時代に埋めたタイムカプセルを掘りに行き、そこで慶子はかなの「未来の自分へ向けた手紙」を手にする。ホテルに戻った慶子は、何かを払拭するかのように、長塚を求め、かなの手紙の内容を打ち明ける。それは、かなが徳山への抗議のために自殺するという意思表明であり、彼女は徳山から日常的に性的いたずらを受け、川原で徳山から犯されたのだ。二人は徳山を呼び出すが、徳山はかなの手紙を飲み込んでしまう。東京に帰った二人は、感情的になった慶子のせいで、気まずい別れ方をする。その後、長塚は徳山が腸閉塞で亡くなったとの知らせを受ける。(エピソード「タイムカプ星ル」)

 オーロラ星空シンデレラ(第44巻)

天使達は、本人次第で幸せが訪れるというプレゼントを、しがないタクシー運転手の大田に与える。大田は、金星(美人)を降ろしたあとに乗せた男性客から、30分前に時間を戻せるというタバコを受け取る。そのタバコを使い、有り金すべてを有馬記念に賭けようと決めた大田だが、同僚の山崎が女の子を轢き殺してしまう。苦渋の末、大田は例のタバコを吸う。時間が戻り、大田は女の子が轢かれないよう捕まえようとするが、不審者として取り押さえられてしまう。(エピソード「冬の金星」)

銀座のバーのママ、松木あかねは、パトロンの竹之内にオーロラツアーに誘われるが、竹之内の妻に二人の関係が知られ、あかねは一人でツアーに参加する事になる。ツアー中、始終むっつりしていたあかねは、ガイドの梅澤に一喝される。それを新鮮に感じたあかねは、彼の部屋に押しかける。梅澤は背中に彫り物のある元ヤクザ者だった。翌日、ツアー客にまぎれた徳永翔が梅澤の部屋を訪れ、肉切り包丁で切りかかり、梅澤は刺されてしまう。あかねに発見された梅澤は、一命を取り留める。安堵したあかねは梅澤が退院するまでアラスカに留まり、あわよくば永久就職しようと目論むのだった。(エピソード「オーロラ星空シンデレラ」)

上品な老婦人の真矢里於子は、イケメン店員の郡山に会うため、近所のイタリアンレストランに通っていた。愛のない結婚生活を送って来た里於子は、郡山との妄想恋愛を楽しみ、控え目に彼との交流を楽しんでいた。暑い夏の日、食が進まなかった里於子を送った郡山は、彼女の家で飲み物をご馳走になるのだが、自分は若い娘には欲情しないと、突然里於子を抱きしめる。(エピソード「3つ星ピッツェリア」)

俺の明星(第45巻)

上の命令に従わないアウトローの刑事、戸丸は、死亡した父親の戸丸辰五朗の遺言状から、父親が三木洋子という家政婦が好きだった事を知り、彼女に興味を抱く。父親の家に移り住み、家政婦派遣会社に洋子を指名した戸丸は、心のこもった仕事をする彼女に次第に惹かれていく。だが、突然洋子が辞めてしまう。自分が警察の人間だと明かしたからではないかと直感した戸丸は、彼女が指名手配犯の笹森健一を匿っているのを目撃。洋子の部屋へ乗り込み、笹森を逮捕する。後日、洋子は笹森を本当に愛しているのかわからなくなった時期に、辰五朗と関係を持ったと戸丸に告白するのだった。(エピソード「家政婦の三木」)

辰巳三郎が会長を務める暴力団「日本国土会」は、中国マフィアと抗争中だった。そんな中、三郎はアイドルグループ「ASK45」の高藤愛にトキメキを感じるようになる。ある晩、愛人のチャコの浮気に感づいた三郎が張り込んでいると、愛がチャコと同じマンションに住んでいる事を知る。以降、愛に夢中になった三郎は、暴力団同志の抗争にも興味を失っていく。チャコを追い出した三郎は、愛と同じマンションの住人となり彼女に接触し、愛から慕われるようになる。だが、チャコが中国マフィアに三郎の住所を密告した事から、三郎に魔の手が忍び寄る。(エピソード「俺の明星」)

白色矮星のあなた(第46巻)

妻の麗子が若年性アルツハイマーを発症し、葛城邦彦は施設に通う毎日だったが、ある日、兄の葛城辰彦が亡くなったとの連絡を愛人の村上由美から受ける。航空会社の副社長まで上りつめた兄は、25年前に家を出て、彼女と暮らしていたのだ。兄の遺品整理に由美のもとへ通うようになった邦彦は、次第に彼女のそこはかとない魅力に惹かれていく。そんな中、兄が邦彦に残した「青島軍事」という切手に破格の値段がついている事が判明。喜んだ邦彦と由美は、勢いで一線を越えてしまう。だが、邦彦が由美と暮らそうと決意したその時、妻の麗子は一瞬正気を取り戻す。(エピソード「白色矮星のあなた」)

加古川照夫は印刷会社をリストラされ、故郷の旭川でラーメン屋の皿洗いとして出稼ぎに出た。ある日、照夫が働くラーメン屋にバイオリニストの柴崎未来が現れる。彼女は照夫が大学3年生の頃、2か月間同棲していた30歳の女性で、21世紀からタイムスリップしたと語っていたのだ。照夫は彼女に声を掛け、彼女のコンサートに行く事になる。コンサート中、未来は失踪していた昔の記憶を取り戻す。照夫は未来が忘れて行ったバイオリンを手渡し、二人は再び結ばれる。そんな中、照夫は妻の加古川美沙子から離婚を言い渡され、未来にもさまざまな困難が降りかかり、二人は八方塞がりとなる。今の生活に未練のなくなった二人は、未来が昔タイムスリップした赤塚の乗蓮寺へと向かう。(エピソード「未来(みく)の星」)

死神ほうき星(第47巻)

大企業の課長職を捨て去り、こだわりの野菜を作っていた堀田浩二だが、経営に行き詰まってしまう。そんな時、住み込みで働きたいという若い女性の江部香織が現れる。彼女はヤケになっている堀田を励まし、やがて二人は男女の仲になる。ある晩、自分はアイソン彗星に乗って来た死神で、あなたの命と引き換えに望みを叶えてあげる、と香織は真顔で言う。堀田は冗談と受け流すのだが、自分の野菜が全国区になり、かわいい嫁がほしいと答えた。その後、香織の尽力で堀田は一流シェフとの契約を結び、商売は順調そのものとなる。そんな中、アイソン彗星が消滅したとのニュースが流れ、香織は姿を消してしまう。(エピソード「死神ほうき星」)

容姿にコンプレックスを抱く相良房枝は、男性と付き合った事がなかった。大人になり、房枝は自身の意識が生み出した夢魔のインキュバスと性的な関係を持つようになる。インキュバスを憎からず思っていた房枝は、ある日、彼に似た人気俳優の三田慶太郎に一目惚れし、彼の追っかけとなる。月日が経ち、55歳になった房枝は、引退した慶太郎が住む武蔵野市に引っ越し、幸運にも彼の家で住み込み介護士として働く事になる。彼女の献身的な介護により、まだらボケだった慶太郎は正気を取り戻していき、ついには房枝に夜這いをかけるまでになる。だが、二人が同じベッドにいるところを慶太郎の息子に目撃され、房枝は解雇されてしまう。(エピソード「一途の星」)

2030年の東京。斎場の総務部長、稲田遼介は、パートナーを御見送りに来た山城可奈子に、ゲイだと見抜かれ、所得税減税対策に偽装結婚しようと持ちかけられる。承諾した遼介の新居のとなりに、浜岡夫妻が引っ越して来る。浜岡は遼介が以前付き合っていた男性だった。可奈子は浜岡いずみが潜在的なレズビアンと見て、積極的にアタックし、彼女と体の関係を持つ。事態を理解した四人は奇妙な共同生活を始めるのだが、性行為は興奮度合いにより、時には男女のペアで行われる時もあった。そんな中、いずみの妊娠が発覚する。(エピソード「未来予想図 星団」)

天空の星花(第48巻)

5年前に妻の岸和田久枝が出て行き、小説家の岸和田隆士の家はゴミ屋敷と化していた。そこで、家政婦の戸部すず子が住み込みで働く事になる。すず子の優しい心遣いに、隆士は次第に癒されていく。そんな中、突然帰って来た久枝により、隆士とすず子の生活は壊される。財産分与を提示して久枝と離婚した隆士は、広いマンションを借り、再びすず子と暮らし始め、やがて男女の仲になる。だが、青春時代を母親の介護に捧げたすず子は、自身も母親と同じ糖尿病で右目が見えなくなる。家政婦を辞める決心をしたすず子を、隆士は長岡の花火大会に誘う。(エピソード「天空の星花」)

テレビ界に君臨し、女帝と呼ばれるテレビプロデューサーの岩田マサ子は、ひいきにしている売れない役者の尾上耕平を自分の部屋に呼び出す。マサ子は耕平が自分を抱くよう、プレッシャーを与えるが、耕平はクビを覚悟で逃げ帰る。その後、役を降ろされる事もなく、安堵した耕平だったが、半年後マサ子は飛び降り自殺する。マサ子のマネージャーから渡された耕平あての手紙には、彼に恋していたマサ子の真摯な気持ちが綴られていた。(エピソード「巨星のプライド」)

結婚20年で離婚し、知らない町で新生活をスタートさせた小川昌代は、「たたら歯科クリニック」で歯科医の鑪純平から治療を受ける。だが彼が昔、妊娠した自分を捨てた男性だと気づいた昌代は、倍返ししてやろうと、彼に接近する。純平と関係を持つ事に成功した昌代だが、純平に冷たくされたクリニックの受付、石橋が昌代をつけ狙っていた。(エピソード「新生活を求めて」)

人生再星の詩(第49巻)

万年係長の野村伸一は、ある日、妻の不倫現場を目撃。二人の娘もろくでもない人間に育っていたと気づいた伸一は、会社を辞めて軽自動車で家を出る。コンビニ店員となった伸一は、夜中にいつも訪れる神野顕子にあこがれを抱くようになる。ある朝、大学時代に剣道の選手権で闘った広岡に再会。その夜、広岡からもらった竹刀で、コンビニ強盗を小手打ちし、伸一は顕子を守った。後日、伸一は自分は神様だという顕子から、人生をやり直すチャンスを貰う。(エピソード「人生再星の詩」)

派遣で現場監督をしている得野健介は、父親の得野文二郎の訃報を受けて上越新幹線で駆けつけ、ゴミ屋敷となった家の遺品整理にとりかかる。その夜、健介が入った小料理屋は、かつて同じクラスだった齋藤まゆみが、女将として切り盛りしていた。健介は文二郎と付き合っていたというまゆみから、意外な事実を聞かされる。文二郎には多額のタンス預金があったという。また、健介の母親である得野和子の自殺は、不倫した恋がうまくいかなくなり、うつ状態となったが故の不幸な出来事だったというのだ。まゆみと一夜を共にした健介は、翌日二人で家の片づけをするが、そこへ健介の妹、得野美樹が帰って来る。美樹はまゆみが健介に語った内容を疑っていたが、文二郎のタンス預金と、和子の日記が見つかった事から、不倫の話が本当だったと知る。その後、三人は和子の不倫相手、哲夫を探しだす。(エピソード「星の絆」)

君こそ星(スター)だ(第50巻)

温泉郷の旅館「濱屋」のステージに立つ往年のアイドル、七星新也は、仲居の矢部京と男女の関係になる。京は暴力を振るう夫の矢部悦男から逃れて、息子の東とこの旅館の女子寮で暮らしていた。だが、京を追って来た悦男が寮に居座り、京と東は暴力を受ける。京は新也に助けを求め、新也の大ファンである友原警察署長の尽力で、悦男は警察に捕まり、街を追われる。しかし、新也を逆恨みした悦男は新也の顔を傷つけ、金を奪って逃走する。(エピソード「君こそ星(スター)だ」)

夫と死別した75歳の水原桜子は、倉持というインテリ老人から俳句の会に誘われる。桜子は俳句の楽しさに目覚めると同時に、倉持との恋愛関係を楽しんでいた。二人の仲が深まるにつれ、俳句仲間の女性達は桜子をやっかみ、近所の住人達は彼女を好奇の目で見る。そんな中、倉持は桜子との性交のあと、ラブホテルで亡くなってしまう。別れたと聞かされていた倉持の妻に罵倒された桜子は、世知辛さを感じ、八ヶ岳に移り住む。(エピソード「星光耿耿(せいこうこうこう)」)

星々流転(第51巻)

田舎の数学教師、平仲圭介は、生活のために嫌々教師をしている一風変わった60代の男性で、職場では浮いた存在だった。ある日、圭介はひょんな事からストリッパーの吹原凛子と出会い、人生初となる性行為を体験する。彼女と交際中、圭介は取り組んでいたカンバーバック予想を完全に証明し、一躍時の人となる。一方、妊娠した凛子は、圭介が手の届かない存在になったと感じ、子供を堕ろすため病院へ向かう。(エピソード「交錯する流星」)

専業主婦の鈴木麻紀は、小学校の同窓会に出席。当時、貧乏で皆からいじめられていた船村健太は、ナノテクノロジーを扱う「船村製作所」の代表取締役会長としてマスコミで話題の人物となっていた。そんな船村から一途な思いを打ち明けられた麻紀は、夫の鈴木良平の浮気現場を目撃した事もあり、船村と結ばれる。ある日、銀行の支店長だった良平は不祥事の責任を取らされ、「船村製作所」に出向になる。河内社長から罵倒され、プライドを傷つけられた良平は、発作的にマンションから飛び降りる。連絡を受けた麻紀は、船村が自分の夫にわざと厳しく当たったのではないかと誤解する。奇蹟的に軽傷だった良平だが、麻紀は良平の愛人、高橋小百合と鉢合わせし、彼女から良平と別れてほしいと懇願される。(エピソード「星々流転」)

游誘惑星(第52巻)

洋画家の梅山龍夫は、自分の住む洋館を描いていた専業主婦の佐藤みどりにヌードモデルを依頼し、彼女と体の関係を持つ。そして龍夫は、自分といっしょになってくれたら、地下のワインセラーにある3億円をプレゼントすると、みどりに求婚するのだった。かつての弟子が、彼女が資産家を狙う女詐欺師だと龍夫に知らせた時は、すでに後の祭りだった。だがその後、この一件がニュースにもならない事を不審に思ったみどりは、龍夫に連絡を入れる。(エピソード「游誘惑星」)

パッとしない漫画家の綾小路翔は、履歴書を書くため立ち寄った証明写真のボックスで、OLの笠井友理と出会う。ある晩、友理は綾小路の前で、親友が不倫相手からニューヨーク旅行を断られて自殺したと泣き崩れ、二人は一線を越える。その後、友理からニューヨーク旅行に誘われるが、貯えのない綾小路は断らざるを得なかった。その日から、友理は姿を現さなくなり、綾小路は彼女の親友の話を作品にし、売れっ子作家となる。そんなある日、綾小路は懐かしさから、友理と出会った証明写真のボックスに立ち寄る。(エピソード「星空怪談」)

月岡進は娘の月岡千明の恋人、下田直己を紹介されるが、軽薄そうな言動に苛立ちを隠しきれず、勢い余って骨折してしまう。直己の計らいで、直己の母親、下田玲子が身の回りの世話にやって来るが、進は家事をテキパキこなす下町タイプの玲子に新鮮さを感じる。ある晩、転んでしまい、情けない姿を晒した進は、玲子にベッドへ運ばれ、関係を持つ。玲子に夢中になった進は、名門家に生まれたばかりに、本当の幸せを見つけられずにいた事に気づくのだった。(エピソード「星食に逢う」)

星の流れのように(第53巻)

カフェで派遣のアルバイトとして働く28歳の河野さくらは、おしゃれな老紳士の手島耕二を意識するようになる。恋人で議員秘書の亮太にふられたさくらは、映画監督だったという手島にますます惹かれていく。しばらくして、汚職事件で失職した亮太にストーカーされたさくらは、手島のアパートに転がり込み、彼と男女の仲になる。だが、さくらの母親、河野典子が大部屋女優だった頃、手島と寝た事があると発覚。典子は複数の男性と同時進行しており、さくらは誰の子かわからないと言うのだった。そんな中、手島のアパートが亮太に放火され、フィルムを失って、気落ちした手島は入院。退院した手島に、さくらは親子であろうがなかろうが、ヒモとして居座ってほしいとDNA鑑定を拒否するのだった。(エピソード「星の流れのように」)

大企業を退職した掘信一郎は、便利屋「オジサン貸します商会」を立ち上げる。ある日、小泉晋太の父親として結婚式に参加したのをきっかけに、晋太の母親、小泉聖子からクルーズトレインのツアー「ななつ星の旅」への参加を頼まれる。快諾した信一郎は、そのツアーで10年前に家出した妻の掘千賀子と再会。その夜、信一郎から事情を聞いた聖子は、彼が妻に未練がない事を確認し、信一郎と関係を持つ。翌日、聖子は離婚届をツアー中に出すべきだと、信一郎のために奔走する。1か月後、失踪した夫の保険金を手にした聖子は、離婚が成立した信一郎のもとを訪れる。(エピソード「恋のななつ星」)

星田一夫さんの幸福(第54巻)

整形外科のパートで働く筒井菅子は、痴呆の母親、筒井みどりを抱え、苦労が絶えなかった。そんな中、同じく苦労人である洋食屋の大将、田所徹平と恋愛関係になる。年が明け、みどりは宝くじが当たったと周囲に触れ回り、菅子を困らせる。落ち込むみどりのために、徹平は菅子の家で料理を振る舞うのだが、みどりはその味に反応。若い頃、みどりと徹平は体の関係を持っていた事実が明らかになる。ある日、デマを信じた強盗に襲われたみどりは施設に入り、ほどなく亡くなる。正月になり、菅子はみどりが大切に抱えていたポーチから、去年の宝くじを見つける。(エピソード「虚星の真実」)

売れない漫画家のオダ家康は自分をお役御免のロートル(老人)だと、黄昏れていた。ある晩、今描いている漫画「新宿ラブストーリー」の登場人物が現実世界に現れ出す。家康が、理想の女性、キャバ嬢の三波さつきを描くと、彼女もリアルな人間として動き出す。記憶のないさつきだったが、家康を大事な客だと思っているようで、二人はベッドを共にする。漫画のストーリーを知る家康は、殺し屋リッチーから追われているさつきを連れて、現世から逃げる決心をする。(エピソード「厭星(えんせい)漫画家」)

星田一夫は、施設育ちで女性と縁がなく、何もいい事がない人生を送って来たが、5年前からリカと暮らすようになり、今までにない幸福感を味わっていた。ある日、星田は末期の胃癌と診断される。欠勤した星田の部屋を訪ねた社長の中島と従業員は、リアルラブドールであるリカを見て嘲笑う。だが、この人が自分の愛する人だと言い放つ星田の真剣な様子に、二人は態度を改める。その夜、リカとドライブに行った星田はオヤジ狩りに遭い、入院。リカが燃やされてしまったと知った中島達は、もう一度星田にリカを会せてやりたいと、リカのモデルとなったAV女優の立花ゆかりのもとへ駆けつける。(エピソード「星田一夫さんの幸福」)

嶺上(リンシャン)恒星(第55巻)

夫の13回忌で家を売った吉沢麗子は、下町で一人暮らしを始める。同じマンションの望田みつ代に誘われ、老人麻雀サークルに参加した麗子は、ワケありな雰囲気の薗田長治といい仲になる。また、みつ代の男だという金子からも、積極的にアプローチされ、麗子はモテ期を迎える。だが、若い頃プロ雀士だった長治と金子は、因縁の間柄であった。負けた方がこの街を去るという条件で二人は勝負し、長治が出て行く結果となる。一方、金子との関係をみつ代に誤解された麗子は、麻雀サークルから追い出され、長治からのハガキを頼りに和歌山へと向かう。(エピソード「嶺上(リンシャン)恒星」)

昭和32年、東京の下町に住んでいた金山サトルは、家が貧乏な事から、みんなにいじめられていた。梶谷勝彦だけはそんなサトルのそばにいた。サトルは勝彦を誰よりも慕い、クラス委員の戸倉衣里には強いあこがれを抱いていた。それから1年後、両親が北朝鮮に渡る事になり、サトルは親戚のいる和歌山に引っ越した。月日は流れ、小説家となった勝彦にヒット作品が生まれる。すると32年ぶりにサトルから連絡が入り、勝彦と彼の妻となった衣里は、サトルと再会する。サトルは和歌山で魚の養殖業を成功させており、勝彦夫婦とサトルは親交を深める。だが、勝彦の仕事が下り坂になったと同時に、勝彦は衣里に離婚を切り出される。ある日、高齢となった勝彦のもとにサトルの後妻、金山優花という女性が訪ねて来る。(エピソード「不輝の星」)

 星霊の森(第56巻)

30年前、ゲームソフトの行列に並んだ縁で、片桐久美子と徳田周一はランチをする間柄になる。久美子は周一と一度だけ関係を持つが、罪悪感にかられていた。あきらめきれない周一は、30年後の敬老の日に会おうと約束し、二人は別れる。ゲーム好きな孫を見て、徳田との約束を思い出した久美子は、9月の第3月曜日に約束の場所に向かうが、敬老の日を勘違いしていた徳田は遅れてしまい、間一髪で久美子を見つける事となった。二人は近況を報告し合い、メールアドレスを交換して別れる。だが、息子の会社の社長が徳田だと気づいた久美子は、やるせない思いに駆られる。(エピソード「星霜の彼方」)

軍艦島クルーズに参加した草加登は、1966年に端島で起こった出来事を思い出していた。高校生の登は、島で評判の美人だった倉橋照子と、貯炭ベルトコンベアーの第三支柱の下で密会を重ねていた。彼女は島の酒場で働いていたのだが、ある晩、照子はしつこい客を殺してしまい、コンクリートの亀裂に凶器となった包丁を隠したのだ。偶然出会った昔の友人によると、照子は今、伊豆辺りの温泉宿で占い師をしているという。しばらくして、妻に誘われた船旅のパンフレットに、占い師となった照子の姿を見つけた登は、クルーズに参加する。(エピソード「過去から星還」)

福井県に帰省中の松井は、雪山に入って行く男のあとを追う。そこで男の命を奪った雪女に遭遇した松井は、雪女の温情で助けられ、この事を他言したら命をもらうと釘を刺される。その後、松井は入山自殺した男の娘、桑原君枝と結婚。ある日、二人の息子、康介が友人夫婦を助けようとして雪山で遭難。松井は36年前に雪女と出会った場所へ行き、息子を助けてほしいと懇願する。康介は無事生還するが、一方の松井はすい臓癌を宣告される。モルヒネも効かなくなった松井は、早く殺してほしいと弱音を吐くのだが、そんな松井に君枝は昔出会った雪女について、質問するのだった。(エピソード「星霊の森」)

登場人物・キャラクター

盛本 芳春 (もりもと よしはる)

52歳。芙蓉銀行富士見台支店支店長。入社以来30年間、銀行員として仕事一筋に生きてきた。しかし、突然肩たたきにあい、小さい会社への転職をいい渡される。自分の人生に疑問を持ち、スイスへマッターホルンを見に行ったところ、誠子と名乗る中年女性と出会う。

国分 みゆき (こくぶ みゆき)

27歳。群馬県T市の市立博物館勤務。2日間の休みを取って、東京の古書店めぐりをしているところで、初老の老人、北村修一と出会う。

田村 修平 (たむら しゅうへい)

63歳。機械工として長年勤めあげ、一昨年、工場を辞めて年金暮らしに入った。真面目で酒もばくちも女もやらなかったが、ある日の早朝、ソープランドへ。姫貝という源氏名の女性に出会い、恋に落ちるのだった。

小早川 稔 (こばやかわ みのる)

50歳。人口十万人の地方都市で、父親の跡を継ぎ内科医院を営んでいる。ある日、高校時代の同級生、袴田美保が医院を訪ねてきた。寝たきりの母親を診察してほしいという袴田とともに、家に行くと、彼女の義母に惚れられてしまうのだった。

目黒 誠子

エピソード「不惑の星」に登場する。西部給食センターの調理師の女性。年齢は43歳。盛本芳春とはマッターホルンへ向かうロープウェイで出会ったが、お互いが恋愛慣れしていなかったせいで、気まずい別れ方をした。半年後、芳春の会社の社員食堂で再会し、男女の仲になる。OLだった25歳の時に同僚と結婚し、3年で離婚。大学で栄養学を専攻しており、迷わず今の仕事に就いて15年が経つ。郊外でイタリアンレストランを開くのが夢。

盛本 美紀

エピソード「不惑の星」に登場する。東京女学苑大学文学部で近代西洋美術史を専攻する女性。盛本芳春の娘。大蔵省に勤める東大卒のエリート男性との結婚を控えている。一方で、結婚式の主賓を頼んだ大澤教授とは肉体関係にあるなど、心の中に二人の自分を同居させており、その棲み分けを器用にこなす事ができる。ブランド志向が強い。

東郷 美鈴

エピソード「ある一族の星域」に登場する。東郷一郎の妻。年齢は48歳。新橋の芸者だった8年前に一郎に見初められ、後妻となる。東郷礼子、東郷はるかからは、学歴がなく品性が卑しい女と見下されて距離を置かれており、東郷家で孤立している。唯一心を許せる存在が、運転手の見城であり、のちに男女の仲になる。

風間 成彦

エピソード「惑星同期会」に登場する。渋谷で道場を開き、太極拳の講師をしている男性。年齢は73歳。高部亜希と船旅で出会い、親交を深めるうちに男女の仲となる。視力が異常によく、真昼にも星が見えるという特殊な能力を持つ。

石崎

エピソード「流星スケッチクラブ」に登場する。鉄鋼会社で37年間勤め上げ、年金生活者となった60代前半の男性。妻は息子夫婦と暮らしているので、アパートで貧乏な一人暮らしを漫喫している。目元がキリッとした好男子で、好奇心旺盛な面があり、高橋美佐子から「スケッチクラブ」のヌードモデルになってほしいと頼まれ、承諾する。

水原 桜子 (みずはら さくらこ)

エピソード「星光耿耿(せいこうこうこう)」に登場する。夫と死別した女性。年齢は75歳。不思議と寂しさはなく、解放感を楽しんでいる。遊び心で俳句をつぶやいていたところ、倉持から俳句の会に誘われる。同時に、彼と恋愛関係になる。無学だが、俳句のセンスを持つ。

植松 ひとみ

エピソード「C-46星雲」に登場する。人気バンド「シューティングスターズ」のボーカルの「ショウ」こと飛島健太の恋人だった女性。当時は女子大学生で、健太より3歳年下。現在は「あすなろ出版」で女性誌の編集長として、仕事漬けの日々を送っているが、編集長を降ろされ、閑職に異動させられた。

錦華 (きんか)

エピソード「攻撃する運星」に登場する。神楽坂の芸者で、とびきりの美人。笠原哲矢が顧客に謝罪に出向いた際に出会った。某メーカーのオーナー社長が旦那だったが、数年前亡くなった。ほかの男性がよりつかぬよう、その旦那に下腹部から臀部にかけて蛇の刺青を入れられた過去がある。大金を使ってくれる笠原と男女の仲になるが、政治家や大企業の社長などのパトロンが複数おり、四ノ宮淳というスポーツライターの恋人もいる。

鷹取 美智子

エピソード「我が星の果てるまで」に登場する。佐竹の高校時代のマドンナだった60代の女性。6年前にサラリーマンだった男性と死別し、鹿児島で小料理屋の女将をしている。当時はロングヘアの美人で、品があり頭がよかったが、今はショートカットでフェロモンを漂わせる熟女。訪ねて来た佐竹と男女の関係になる。施設で一生を終えるのは嫌だと店を開業した、明るく楽天的な性格の持ち主。

大澤 静枝

エピソード「星謐の庭」に登場する。大澤義一の妻。65歳の時に心筋梗塞で死去した。夫の独断で始めた田舎暮らしに背を向け、都会の刺激を求めてしょっちゅう東京に遊びに行っていた。夫の知らぬ間にとなりに住んでた歌川照夫となんらかの交流を持っていた事が発覚する。

真田 満 (さなだ みつる)

エピソード「薔薇の刺星」に登場する。医学部の学生だった男性で、全共闘運動に参加していた。詩集を売っていた村井麗を助けた事から彼女と同棲。詩人・リルケのファンで、この刺青が不都合だと思われるような「世界」には行きたくないと、腕に薔薇の刺青を入れていた。母親が他界したとの連絡を受けて実家に帰り、麗のもとには戻らなかった。のちに、麗の近所の病院で整形外科医をしている事が判明する。

大塚 英之

エピソード「煮星メンのかほり」に登場する。関西の一流企業「新日本製鉄」に務める男性。年齢は51歳。妻とのあいだには専門学校に通う娘がいる。リストラで地方の関連会社への出向を命じられ、落ち込んでいた際、司法浪人時代にアルバイトしていたラーメン屋「永楽」の奥さんで、当時毎日密会を重ねていたセツ子に再会。彼女に今から司法試験を受けても遅くないと励まされ、一念発起する。セツ子からは「ヒデ君」と呼ばれている。

立松 一平

エピソード「星のレストラン」に登場する。一人暮らしの年金生活者の男性。ひょんな事から、今村美奈の家で、ヒロミの作った料理を口にし、彼らと交流するようになる。実は、フランス料理界の頂点に立つミシェル・ソフマンという男性が師と仰ぐ伝説の料理人。フランスで過酷な状況下で何年も修業し、小さな料理店「ラ・プラージュ」でシェフとして迎えられるまでになった。だが生ガキが原因で人を死なせてしまい、当時の恋人、ソフィーと別れて帰国し、料理の道もあきらめた過去がある。

望田 みつ代

エピソード「嶺上(リンシャン)恒星」に登場する。吉沢麗子が引っ越して来たマンションに住む独身女性。年齢は68歳。ロングヘアを後ろで一つにまとめており、性格は仕切り屋で、男性が絡むとキツイ一面を見せる。老人麻雀サークルの主催者で、顔見知りになった麗子を誘った人物。サークルの金子と男女の仲であり、金子が麗子に接近した事から、麗子をけん制し出す。

友広 泰三

エピソード「我が星の果てるまで」に登場する。大学時代に佐竹と親友だった男性。観光ホテルを経営していたが、6年前にホテルは倒産した。インテリで気位が高かったが、責任感が強く、倒産する直前にはなりふりかまわず金策に走り回っていた。東京の大学時代は佐竹と同じ下宿館に住み、佐竹の妻となった和光説子を取り合った仲。佐竹が訪ねた日は、酒が原因で肝不全で亡くなった友広泰三自身の葬式の日だった。

ソフィー

エピソード「星のレストラン」に登場する。フランスの小さな料理店「ラ・プラージュ」の接客係をしていたフランス人女性。当時、フランスに修業に来ていた立松一平と恋人関係にあり、結婚も考えていた仲だった。接客の技術はもとより、仕事に対する情熱を持ち、人柄もよく、品格も兼ね備えていた。現在は、白い食器で世界的に有名な会社の社長夫人となっている。

大澤 義一

エピソード「星謐の庭」に登場する。8年前に40年間勤めた会社を定年退職した男性。妻の大澤静枝と田舎暮らしをしようと中古住宅を購入したが、妻は嫌がり田舎暮らしに背を向けていた。日中はほとんど釣りに出掛け、妻と交流がない状態だったが、妻が病死し、遺品整理をしていた際、となりに住んでいた歌川照夫が妻にあてた封筒を見つける。照夫より自分の方が男っぷりはいいと自負しており、妻の浮気疑惑には懐疑的。照夫の娘である歌川恭子と共に、静枝と照夫のあいだにあった出来事を推理し合うようになる。

インキュバス

エピソード「一途の星」に登場する。大人になった相良房枝の意識の中に出現した夢魔。彼女のマイナスエネルギーが生みだした男性。前髪が短く揃ったショートボブヘアで、口ヒゲと顎ヒゲを生やし、前衛的なメイクをしている。当初は房枝の性の相手をするだけだったが、段々図々しくなり、房枝の側でよからぬささやきを繰り返すようになる。だが、房枝をアシストする頼れるパートナー的存在でもある。

西山 源介

エピソード「極北に星光る」に登場する。網走刑務所の看守だった男性。模範囚だった真崎茂に目をかけ、彼に仕事を紹介したりと面倒を見ていた。網走にやって来た藤田奈々枝を自宅の一室に泊めるが、彼女を追いかけて来たレイプ犯に襲われ重傷を負ってしまう。奈々枝を思う真崎を気遣う思いやりのある性格。

齋藤 まゆみ

エピソード「星の絆」に登場する。小料理屋「のぶ」の女将。得野健介と同じクラスだった事がある知り合い。30歳の時に離婚し、35歳の時に得野文二郎と付き合っていた。文二郎から2000万円のタンス預金があると聞いていた事を、息子の健介に打ち明け、彼とも男女の仲になる。800万円の借金を抱えており、得野美樹には金目当てで、健介に近づいたと疑われている。

梅垣 耕三

エピソード「初老星春哀歌」に登場する。元大学教授の男性。梅垣恵介の父親で、妻は恵介が小学校の頃に他界している。体調を崩して早期に退職し、岐阜で生活していた。59歳の時、三井礼子に恋をし、つきまとい行為をして新聞沙汰になったせいで、60歳で命を絶った。まじめで堅物な人物であり、礼子に迷惑をかけた事を気に病んでおり、礼子への心からの謝罪を、死ぬ直前まで日記に記していた。

藤田 奈々枝 (ふじた ななえ)

エピソード「極北に星光る」に登場する。東京で小料理屋「なな」の女将をしている女性。ショートカットの髪型でぽっちゃりした美人。25年前に焼津でスナックの雇われママをしていた時に、二人組の客にレイプされそうになったところ、魔法のようなカードマジックができる真崎茂に助けられた。当時のレイプ犯につきまとわれるようになり、なじみの客、森尾英介の絵葉書を頼りに網走へ向かい、滞在する事になる。死ぬまでに一度はオーロラを見たいという夢がある。

歌川 哲彦 (うたがわ てつひこ)

エピソード「煌めかざる星」に登場する。湘南市市長を務める男性。年齢は49歳。妻は歌川友紀子で、みつるという男の子の父親。元銀行員で、正義感が強い。中学・高校時代を過ごした静岡県桜川市のシンポジウムに参加する事になり、昔付き合っていた羽熊香織と再会して一夜を過ごすが、翌日彼女が夫殺しの容疑をかけられたため、彼女を救うべく奔走する事になる。

東郷

エピソード「ある一族の星域」に登場する。外食産業トップの東郷グループを一代で築き上げた会長の男性。エネルギッシュな豪傑だったが、脳出血で急死する。男気があり、情が深い性格で、生前、長年仕えた見城に「いいもの」が隠してあるからと、立山の別荘を譲る約束をしていた。

鈴木 麻紀

エピソード「星々流転」に登場する。専業主婦の女性。年齢は50歳。夫は大手銀行に勤める鈴木良平で、息子は商社勤務。医者の家庭で育ち、25歳で結婚。変化のない毎日を送っている。同窓会で再会した船村健太から求愛され、一線を越える。昔、健太の家に招かれ、想像を絶する家の汚さに驚き、貧しい夕食に手をつける事ができなかったトラウマが、自分の中に色濃く残っている。

飛島 健太

エピソード「C-46星雲」に登場する。27年間務めた名古屋の大手銀行をリストラされ、取引先だった東京の中堅企業に務めている男性。家族は名古屋に残り、一人暮らし。オーナー社長のワンマンぶりに振り回され、屈辱的な日々を送っている。実は80年代の伝説の学生バンドと呼ばれた「シューティングスターズ」で、「ショウ」の名でボーカルを担当していた。当時は植松ひとみと付き合っていた。昔はサングラスをかけロングヘアだった事もあり、「ショウ」であった事を知る者は周囲にほとんどいない。

菅谷の妻

エピソード「星のペンパル」に登場する。菅谷武彦の妻。混成合唱団のサークルに熱中する中年女性。週に1回しか夫の見舞いに来ない事から、看護婦達には感じが悪いと嫌われている。サークル仲間の男性と不倫の関係にあり、サークルでのヨーロッパ旅行を隠れ蓑にした由布院での不倫旅行中、菅谷と小野光子を目撃する。

足柄 雅子

エピソード「裏切る星界」に登場する。旧財閥系銀行の頭取の娘。足柄の妻。家をあけがちで、仕事に口を挟むなという夫に不満を持っている。夫が浮気している事にも感づいており、自分はエリートの人生のお飾りじゃないと、ヒステリー状態に陥ってしまう。挙句の果てに精神が崩壊し、夫への嫌がらせで、夫が自分から奪い返した包丁に自ら突進して行き、死亡する。

加瀬 洋子

エピソード「星を追いかけて」に登場する。タクシーの運転手をしている女性。年齢は43歳。独身で、仕事から帰って寝るだけの生活をしている。昔、女暴走族(レディース)だったため度胸はあるが、恋には奥手。高校を中退した不良で、警察を毛嫌いしている。自称サラリーマンの植田を駅から辺鄙な町まで送り迎えするようになり、思い切って植田をデートに誘い、男女の仲になる。

セツ子

エピソード「煮星メンのかほり」に登場する。ラーメン屋「永楽」の店主の妻。当時、司法浪人生で「永楽」でアルバイトしていた大塚英之と毎日密会しており、美人ではないが肉感的な魅力あふれる女性。現在も同じ場所でラーメン屋をしており、英之と再会。彼を励まし、司法試験に再チャレンジさせるなど、掛け値なしで彼を応援する心優しい性格の持ち主。

小坂田 朋子 (おさかだ ともこ)

エピソード「星界哀歌」に登場する。少数野党の女性参議院議員を務める独身女性。年齢は46歳。男性と付き合った事はなく、ギスギスした男みたいな性格だと自負している。28年前、西北大学の学生だった頃、喫茶店「らんぷ」のマスターと数回セックスをした経験があり、彼に恋をしていた。

浜岡 いずみ

エピソード「未来予想図 星団」に登場する。浜岡の妻。稲田遼介夫婦のとなりに引っ越して来た。ウェーブがかかったロングヘアの女性で、潜在的にレズビアン嗜好があると山城可奈子に見抜かれている。バツイチで、前夫は性欲が強く、自身は淡白な方なので結婚生活に困難を感じていた。だが、前夫の女遊びが激しくなり離婚。再婚した浜岡に悪いところはないのだが、何かしら満たされない気持ちを抱えている。

藤 ルミ子

エピソード「死滅する星」に登場する。元ラジオ局のアナウンサーだった女性。未婚だが、35年間不倫関係だった男性が一昨年亡くなり、一人暮らしをしている。アナウンスに定評があったが、ラジオ局でも容姿のよさが求められるようになり、仕事がなくなるという憂き目に遭う。見た目は地味だが積極的な性格であり、今後の人生を悲観して、快楽を感じながら死ねる薬「パライソ」を購入するが、その際に出会った塚原鉄平が自分のタイプだった事から、いっしょに死にませんかと声を掛けた。

中川 さとみ

エピソード「脆い星光」に登場する。気楽な一人暮らしをしている専業主婦。夫は福岡に単身赴任中で、息子の勇太はロンドンに留学中。年齢は44歳。親友の一木加寿子に誘われたカリフォルニア旅行で、「鈴木実」と名乗るカメラマンと一線を越える。そのカメラマンが一木加寿子の夫に雇われた探偵・藤岡卓だったと判明するも、夫の浮気が発覚した事もあり、自分に本気だという藤岡と付き合う事になる。

辰巳 三郎

エピソード「俺の明星」に登場する。暴力団「日本国土会」の会長を務める男性。年齢は70歳手前。「ASK45」というアイドルグループの高藤愛にトキメキを感じ、隠れファンとなる。愛人のチャコが住まわせていたマンションに愛も住んでおり、浮気していたチャコを追い出したあと、自分がそこを秘密部屋として使い、愛と顔見知りになっていく。

立花 ゆかり

エピソード「星田一夫さんの幸福」に登場する。AV女優の若い女性。リカのモデルとなった人物。すれっからしで態度もそっけないが、実は情に厚い一面があり、リカになりきり、臨終間近の星田の前で渾身の演技を見せる。

谷村 緋沙子

エピソード「星よりの使者」に登場する。銀座のクラブのママを務めている女性。年齢は41歳。江口とは10年の付き合いで、彼の父親、江口英之にアプローチしてほしいとけしかけられる。おじいちゃん好みであったため、英之の男らしさに惚れて結婚するに至る。明るい性格で、財産目当てだと疑っていた江口の家族ともすぐに打ち解ける。

鮎川 かな

エピソード「タイムカプ星ル」に登場する。滋賀県の朝比中学校で田之原慶子と仲がよかった女の子。知的障害があるようで、勉強ができず進学も就職もできなかった。担任の徳山周から日常的に、性的ないたずらを受けており、口外しないよう脅されていた。徳山に仕事を紹介すると騙されて、川原で犯された事から、自殺。当時は事故死とされていたが、中学時代に埋めたタイムカプセルの「未来の自分へ向けた手紙」に鮎川かなが徳山から受けた一連の出来事を書き記していた。

戸塚 幸夫

エピソード「同星時代」に登場する。妻と義父と暮らしている会社員の男性。年齢は48歳。自称、永遠のサッカー小僧で、マイペースのB型。妻から義父の阿部奈緒次郎に愛人がいるようなので調べてほしいと頼まれ、奔走する。のちに、奈緒次郎の相手の田中有里子が自分の中学時代のクラスメイトだった「田中和雄」だった事と、二人のいきさつを知り、二人の仲を応援するようになる。

小倉 美智子

エピソード「同窓会星団」に登場する。シングルマザーの女性。紳士服売り場で働いている。地元の国立大学出身。小倉正彦の母親だが、離婚が原因で息子が登校拒否になり、進学もせずにブラブラしている事を気に病んでいる。高校時代に付き合っていた砂川と同窓会で再会し、恋愛関係になる。砂川とは初体験が未遂に終わり、お互い気まずくなって自然消滅した過去がある。

鮎川 奈々

エピソード「走れ!彗星ランナー」に登場する。岐阜県の山間の町に住む10代の女の子。5年前、アルコール中毒の父親が車にはねられ死亡した。母親は勤めている建材店の社長と不倫関係にあり、高校にも行かず荒れていた。気晴らしに走っている姿を見た末永武に、長距離走の才能を見出される。末永を慕い、男としても意識するようになる。

社長

エピソード「裏切る星界」に登場する。早稲田にある小さな製本会社の社長を務める男性。年齢は63歳。明るく気さくで涙もろい性格で、自宅のキッチンで従業員に昼食を振る舞うアットホームな人物。のちに鈴木と名乗っていた足柄の正体に気づくが、彼の身の上に同情し、父親の不動産の管理の仕事を回すなど、情が深い。

柴崎 未来

エピソード「未来(みく)の星」に登場する。21世紀からタイムスリップしてきたという自称バイオリニストの女性。加古川照夫が大学3年生の時に突然現れ、照夫の部屋で同棲する事になる。2か月後、赤塚の乗蓮寺で消えてしまう。当時の年齢は30歳で、髪型はショートカットだった。現在42歳で、バイオリニストとして活動しており、再び、照夫の前に現れた。現在の髪型はロングヘア。

梅垣 恵介

エピソード「初老星春哀歌」に登場する。梅垣耕三の長男の独身男性。年齢は59歳。母親は小学生の頃に他界している。耕三が三井礼子へのつきまとい行為で新聞沙汰になった時は大阪の証券会社で働いていたが、事件以降ふさぎ込む父親を心配し、岐阜の観光局に転職した。父親に代わり礼子に謝罪した誠実な人物。実は、父親が描いた礼子のスケッチを30年間見続けていたので、以前から礼子に対して父親同様、好意を持っていた。

東郷 省三

エピソード「ある一族の星域」に登場する。東郷ホールディングスの常務取締役の男性。「カトラリーTOGO」の社長を務める。年齢は45歳。東郷の三男で、東郷はるかの夫。パワフルで、先代会長の性格をそのまま受け継いでいる。頭脳明晰で実行力もあり、何事もそつなくこなす。行動はすべて計算ずくで、冷酷非情。東郷礼子とは男女の関係であり、彼女と組んでグループを支配しようとしている。

鬼塚

エピソード「崩れる星霜」に登場する。樋口ミツ子の父親が殺された事件を担当した警部の男性。退職した現在も屋久島で暮らしている。妻は10年前に亡くなり、現在一人暮らし。かつて、ミツ子に犯人はきっと捕まえてやると約束し、それを果たせなかった事が心残りであったため、カメオのブローチを捜しに島を訪れたミツ子に同行する事になる。

風間 俊介

エピソード「星空研究会」に登場する。都内に会計事務所を持つ会計士の男性。年齢は48歳。城北大学1982年卒業の仲間で結成した星オタクのサークル「星空研究会」の一員で、サークルの幹事役を引き受けている。サークルのメンバー達から人気のマドンナ、上杉かおるに、当時自分が一番好かれていたと思っている。

長谷川

エピソード「惑星同期会」に登場する。大学病院で眼科医を務める独身男性。年齢は50歳。ファミリーレストランで奥田今日子のパソコンを壊した事から、食事に行き、今日子と男女の関係になる。そこそこイケメンだが、臆病でデートを断ってばかりいた学者バカであり、恋愛経験がない。

高村

エピソード「星霊の巨石」に登場する。イラストレーターをしている50代の男性。7年間付き合った篠塚あやに別れを切り出されたショックから、埼玉県K市の洋館に移り住む事を決める。少々ナルシストで未練がましいところがある。庭にある巨大な石の上で瞑想を始めてから、何かが自分の中に入ってコントロールされているような体験をしたり、周囲でオカルト現象が起き始める。

中内 遠馬

エピソード「武士の星空」に登場する。大川原藩の下級武士の男性。年齢は21歳。江戸に勤番する武士が滞在する大川原藩江戸中屋敷で、三日月矢太郎の後見人となった人物。性格は穏やかで面倒見がいい。吉原の遊女と遊んだ際、その遊女が中内遠馬の小刀で自殺した事から、藩に汚名を着せたとして切腹を言い渡される。だが、切腹しきれず、毒薬で苦しみ抜いて死ぬ事となった。

田崎 貴美子

エピソード「もんじゃ座の星」に登場する。下町のもんじゃ屋の女将。きっぷのいい女性で、自称・ホームレスの南山広志にもんじゃをご馳走したり、家に泊めたりと世話を焼く。結婚していたが子供が3歳の時、「泰平薬品」の薬害で亡くなり、夫は外に女を作って出て行ったという過去がある。

吹田 邦夫 (ふきだ くにお)

エピソード「再会流れ星」に登場する。ラジオパーソナリティーを務める男性。年齢は56歳。妻が実家へ子供を連れて帰ってしまい、離婚した。自分の番組で水田健介が西本真里に会いたいという投稿を取り上げた事を機に、真里の相談に乗るようになり、真里の行く末を気にしている。ウナギが好物で、部下を誘っては毎回断られている。

小倉 かおり

エピソード「隣の星人」に登場する。「ヤマト電業株式会社」の赤羽工場で働く女性。年齢は50歳。顔が長く分厚い唇をしており、長い髪を一つに束ねている。ミステリー好きで探偵の真似事をするのが趣味。佐藤和夫が殺し屋である証拠をつかみ、その後、謎の死を遂げる。

勝俣

エピソード「許されざるホシ」に登場する。最愛の息子、勝俣正太の復讐のために生きる女性。35歳で夫が病死し、45歳の時に正太が村瀬俊介に殺害された。村瀬に復讐するために、3年前に岡山県緑南市に引っ越し、刑務所近くの工場で働いている。高見澤星雲が村瀬に書を教えている事を知り、彼に近づき、交際するに至った。村瀬を殺害したあとは、自害すると決めている。

稲本 浩

エピソード「恋する星霊」に登場する。銀座のクラブでホステスの送迎ドライバーをしている男性。年齢は57歳。15年前に妻の勢津子が息子の矢沢大吾を連れて家を出て離婚した。以降、酒浸りになり、金が尽きると日雇い仕事をするという日々を送って来た。世を拗ね、普段は愛想のない態度を取っているが、心根は優しい人物。

笠井 友理

エピソード「星空怪談」に登場する。若いOLの女性。綾小路翔とは証明写真のボックスで知り合い、綾小路のアパートで話をする間柄になる。美人で気さくであり、話が面白く、綾小路に原作者への道を勧められるほど。実は、10年前に不倫相手にニューヨーク旅行を断られ、証明写真のボックス内で手首を切って自殺した女性。

下田 玲子

エピソード「星食に逢う」に登場する。栃木県在住で、骨折した月岡進の身の回りの世話をしにやって来た。下田直己の母親で、年齢は46歳。料理上手で家事をテキパキこなす働き者。大雑把で男っぽい気質であり、スナックのママをしていたが、現在は直己の仕送りで生活している。バツ2であり、最初の夫である直己の父親はバイクで事故死した。転んで無様な姿を見せた進をベッドに運んだ事から、彼と性的な関係になる。

得野 健介

エピソード「星の絆」に登場する。派遣で現場監督をしている男性。ガッチリした体軀で、顔が濃い。得野文二郎の息子で、得野美樹の兄。大学の建築科を出ており、インテリアのセンスはいいと自認している。文二郎と付き合っていた小料理屋の女将、齋藤まゆみから、父親が多額のタンス預金を持っていた事と、母親の得野和子の自殺原因を聞かされる。

流石井 富貴子 (さすがい ふきこ)

エピソード「星の遺産」に登場する。小料理屋「さすが」の女将。30年前、赤坂のクラブのホステスで、庄野燐三の愛人だった。燐三とのあいだに子供ができたが、燐三に自分の子かと疑われた事で、彼の前から姿を消した。息子の流石井健一は飛行機事故で亡くなる。明るくて芯の強い性格で、父親の遺言で自分を訪ねて来た庄野和雄の正体を一目で見抜いた。一人では幸せになれないが、いっしょにいる男性の運気を上げる「あげまん」体質。

林 健太郎

エピソード「星空研究会」に登場する。大手出版社に勤める男性。年齢は47歳。優しさが災いしてか、出世競争から取り残された、うだつの上がらない編集者。城北大学1982年卒業の仲間で結成した星オタクのサークル「星空研究会」の一員。

東郷 はるか

エピソード「ある一族の星域」に登場する。東郷省三の妻。年齢は37歳。大手食品会社のオーナー会長の娘で、名門音楽大学のピアノ科を卒業した、絵にかいたようなお嬢様。留学先のアメリカで省三と出会って結婚。わがままな性格で、家をあけがちな夫に不満を持ち、夜遊びを繰り返している。だが、夫と東郷礼子にはめられ、浮気現場を押えられて、東郷家から放り出されてしまう。

三日月 矢太郎

エピソード「武士の星空」に登場する。白兼新八郎の三男。学問の成績がよく、大川原藩の三日月藤十郎の養子に入った少年。運動神経がよくないため、剣術より学問で生きるべきだと、兄の白兼弓太郎から言い聞かされていた。大川原藩で藤十郎が手掛ける土木治水建築技術を継ぐため、15歳で江戸の「昌平坂学問所」に入所、江戸に勤番する武士が滞在する大川原藩江戸中屋敷で過ごす内に、武家社会の不条理を痛感する事になる。顔が童顔でかわいく、衆道という噂のある宇多川象山に目をかけられている。宇多川陸が初恋の人であり、その娘である宇多川ぬいと将来夫婦になる。

小滝 一郎

エピソード「星霊の巨石」に登場する。霊能者の若い男性。メガネをかけた小柄な体軀で、見た目の印象とは異なり、物凄い霊能力を持っている。高村の知り合いの編集者からの紹介で、加根子の霊を封じ込めるために駆けつけた。普段は需要がないため、アルバイトで食いつないでいるという、ひょうひょうとした人物。

マスター

エピソード「深夜の双星」に登場する。西新宿の食堂「大屋」の店主の男性。年齢は48歳。昔はヤンチャで暴走族だった事もあり、般若の刺青を背中に入れている。世捨て人のように生きているが、男っぷりはいい。賭けをして、店の客の浮世美砂子を抱く事になり、その後、彼女の別荘の管理人兼料理人にスカウトされる。付き合っているような間柄のマキからは「コーちゃん」と呼ばれている。

梶谷 勝彦

エピソード「不輝の星」に登場する。小説家の男性。妻は戸倉衣里。センター分けのヘアスタイルで黒縁メガネをかけている。「時間の領分」という小説がやっとヒットし、暮らし向きが向上する中、幼なじみの金山サトルと再会した事で、運命が狂い出す。サトルと恋仲になった衣里から離婚を切り出され、サトルの死後、彼の後妻、金山優花から身の回りの世話を受けるようになる。サトルからは「勝ちゃん」と呼ばれている。

イカヤマ

エピソード「帰らざる星春」に登場する。お笑い芸人「イカドックリ」のメンバーだった男性。コンビ解散後、努力して一流司会者となった。好感度が高い人気者だが、バツ2の独身で、過去に自分をふった柿澤真理子に執着している。女性関係は今も昔も派手であり、真理子が来たホテルの部屋にほかの女性を呼び寄せるなど、無神経な面がある。

田村 敏子

エピソード「星の王女様」に登場する。田村修平の妻。姉さん女房。年齢は68歳。子供はなく、40年夫婦二人の生活を続けている。夫に従順でおとなしい性格だが、夫の兄嫁だったという引け目を感じていた節もある。性欲もなく、夫の要求に応えられない自分を申し訳なく思っており、磯貝洋子と付き合う修平の幸せを続けさせてあげたいと自殺を図るが、未遂に終わる。

薗田 長治

エピソード「嶺上(リンシャン)恒星」に登場する。ラーメン屋「来々軒」で働く独身男性。年齢は65歳。男っぷりのいい訳アリな雰囲気の人物。若い頃はヤクザでプロの雀士であり、イカサマをした金子の右手をドスで刺した過去がある。吉沢麗子とはコンビニで知り合い、その後、老人麻雀サークルが開かれている望田みつ代の家へ出前に行った事からサークルに参加するようになる。みんなから「長さん」と呼ばれている。

松井

エピソード「星霊の森」に登場する。会社員の男性。福井県に帰省中、雪山で入山自殺しようとした男性を助けようと追いかけたところ、雪女に出会い、雪女の温情により助けられた過去がある。その時、雪女の事を他言したら、命をもらうと言われていた。自殺した男性の娘、桑原君枝と結婚。我慢強い性格だが、のちにすい臓癌になり、モルヒネが効かなくなった際には、君枝に殺してほしいと弱音を吐く。

緒方 亮

エピソード「流星メール劇場」に登場する。雑誌「週刊ゴールド」の副編集長を務めるバツイチの男性。年齢は48歳。覇気がなく、優柔不断な性格で、5年間付き合っている上松夕紀子との仲はマンネリ化している。当時、取材で知り合った友紀子とカメラマンの宮本多久郎と三人で集まっていたが、多久郎が結婚してグループを抜けてから、友妃子と付き合うようになった。

村尾 多津子

エピソード「さ迷う惑星」に登場する。幽体離脱して町をさ迷っていた40代の女性。15年付き合っていた男性がほかの女性と結婚したショックで、ダンプカーに飛び込み自殺を図った。自分と同じく幽体離脱状態でさ迷っている時田亨介と出会うが、自分の体がどのような状態になっているかわからず、自分の体に戻る決心が中々つかない。

広岡

エピソード「人生再星の詩」に登場する。警視庁に就職し、警察学校の教官を務めている男性。八王子大学出身で野村伸一とは剣道の大学選手権で戦った仲。女性にはよくもて、結婚したのは35歳。順風満帆に見える人生だが、妻が男性と駆け落ちした事から一転、男手一つで育てた息子はグレて、コンビニ強盗を働き、伸一に小手を決められて警察に捕まった。

吉沢 麗子

エピソード「嶺上(リンシャン)恒星」に登場する。情緒あふれる下町に移り住み、一人暮らしを始めた女性。年齢は64歳。夫を亡くして13回忌に家を売り、渋谷区の高級住宅地から引っ越して来た。息子は商社マンと銀行員。望田みつ代に誘われて老人麻雀サークルに参加した事から、人生最高のモテ期を味わい、訳アリな雰囲気のラーメン屋の店員、薗田長治と恋仲になる。

亮太

エピソード「星の流れのように」に登場する。河野さくらと付き合っていた男性。年齢は36歳。一流会社を辞め、野村厚生大臣の公設第二秘書として国会議員を狙っている。大臣の一人娘との結婚話が浮上したため、さくらをふったが、大臣が失脚して職を失った事から精神的に異常をきたし、さくらのストーカーと化す。

松浦

エピソード「星と死の狭間で」に登場する。横澤功太の20年来の腹心で、秘書を務める男性。功太の妻である君枝に接近し、男女の関係に持ち込むが、功太の財産を狙っての事であり、実は宮崎ちひろと組んでいる。

東郷 一郎

エピソード「ある一族の星域」に登場する。東郷ホールディングス社長を務める男性。年齢は53歳。東郷の長男で、東郷美鈴の夫。頭はいいが優柔不断な性格で、グループを引き継ぐほどの才覚はない。お人好しで押し出しが弱く、酒が好きで複数の愛人がいる。

砂川 和馬

エピソード「同窓会星団」に登場する。砂川の息子。フィリピンで母親を交通事故で亡くした小学生の男の子。肌が浅黒い事で、同じ小学校の子供達から仲間外れにされている。交通事故に遭った際、バイクで通りがかった小倉正彦に助けられ、彼を慕うようになり、入院中勉強を教えてもらう仲になる。

徳山 周

エピソード「タイムカプ星ル」に登場する。滋賀県の朝比中学校の教師だった男性。年齢は80歳。生徒達には熱血先生として慕われていたが、いつも鮎川かなに補習を強いており、かなの不審死に何か関係していると思しきいわくありげな人物。かなのタイムカプセルから、補習を口実にかなに性的ないたずらをし、仕事を紹介すると騙してかなを犯していた事が判明。田之原慶子に証拠となるかなの手紙を突き付けられ、それを飲み込んでしまう。のちにそれが原因となり腸閉塞で死亡した。

稲田 麻美

エピソード「星降るホテル」に登場する。東京芸術大学で高澤侑子と同じピアノ科だった女性。東京の大企業の社長令嬢。高校の先輩だった関本潤を侑子に紹介し、三人でよく遊んだ仲だったが、15年前に関本潤と結婚した。夫が交通事故で重体となった時、うわ言で「ユウコごめん、許してくれ」と言った事から、侑子と夫の関係を怪しむようになる。旧姓は稲田。

伊藤 クルミ

エピソード「スターのままで」に登場する。アイドルデュオ「コメッツ」のメンバーだった女性。「恋する惑星」というヒット曲が一世を風靡した。現在は当時上原ヒカルのマネージャーをしていた男性と結婚、酒屋の女主人となった。ヒカルに比べると、地味なルックスだが、我儘なヒカルの事を今でも気に掛けている優しい性格。

河合 千鶴

エピソード「星霊の巨石」に登場する。高村がよく行くスーパーでレジ係をしている女性。年齢は30歳位。積極的な性格で、高村にメモを渡して飲みに誘うが、当日、わけのわからないまま右足をねん挫してしまう。幼い頃、祖父から、現在高村が住んでいる洋館には近づくなと言われていた。悪霊の加根子から遠ざけるために、一旦は高村から別れを告げられるが、加根子の事件が一件落着し、高村と共に東京で暮らす事になる。

辻 啓介

エピソード「悪霊の星」に登場する。大きな税務会計事務所をヒルズに持つ男性。辻礼子の夫で、娘二人と息子一人の父親。料金を値上げしてから事業は下り坂で、右肩が重いという症状に悩まされている。同じ事務所の沢口雅美を愛人にしているほか、銀座のママとも付き合っている。

宇多川 陸 (うだがわ りく)

エピソード「武士の星空」に登場する。大川原藩の中流武士である宇多川象山の妻。宇多川ぬいの母親。キリッとした顔だちの美人だが、夫婦仲は悪い。夫の暴力に耐えかね、三日月藤十郎と5年間不義密通の関係にある。

篠塚 あや

エピソード「星霊の巨石」に登場する。百貨店に勤務する女性。高村と7年間付き合っていたが、あなたに興味がなくなったと、あっさり別れを告げるクールな性格。のちに、ガスコンロの爆発により、顔に大ケガを負っていた事が判明する。

河瀬 まみ

エピソード「天使に星の砂」に登場する。「あしたば銀行」に勤める女性。年齢は25歳。ブスなうえにドジで、すべてにおいて鈍臭い自分を卑下している。彼氏いない歴25年であり、同じ職場の伊奈田遼と何度か肉体関係を持ったが、まったく相手にされていないと悟り、自分は無駄な存在だと、沖縄で死ぬ事を決意する。

梶山 吾郎

エピソード「星の住処」に登場する。「船木屋旅館」でボイラーマンとして働く男性従業員。年齢は63歳。実は菊池圭子の仲間に殺された小田垣警部の直属の部下の「浅沼」という刑事で、現在は退職している。妻と別れて一人暮らしをしており、圭子を追って旅館に張り込んでいたのだが、やがて圭子を愛するようになる。

東郷 礼子

エピソード「ある一族の星域」に登場する。東郷秀次の妻。年齢は44歳。化粧品輸入販売会社の社長を務めている。バリバリのキャリアウーマンで、野心家。半ば強引に秀次と結婚し、東郷グループに入って来た。姉御肌で、東郷家の色んな事を仕切りたがる。東郷省三と男女の関係であり、彼と組んでグループを支配しようとしている。

河野 典子

エピソード「星の流れのように」に登場する。河野さくらの母親。栃木県でスナックを営んでいる女性で、左の口もとにほくろがある。母性愛が薄く、さくらに寂しい思いをさせていた。大部屋女優だった若い頃、手島耕二監督の作品に出演していた事があり、手島と関係を持っていたが、複数の男性とも同時進行していたので、自分でもさくらは誰の子かがわかっていない。

樋口 ミツ子

エピソード「崩れる星霜」に登場する。ファミリーレストランで働く独身女性。屋久島出身。年齢は48歳。老人介護の団体に登録し、土日に幸田源蔵の世話をする事になる。職業柄と趣味のトレッキングにより、足腰に自信があり、腕力もある。ハンサムな源蔵にときめくものの、彼の背中の刺青から、過去に父親を殺して母親の形見であるカメオのブローチを奪い、さらに中学生だった自分を犯した男だと知る。その時の流産の経験から子供が産めない体になった。

徳永 翔

エピソード「オーロラ星空シンデレラ」に登場する。20年前に梅澤に殺された暴力団「泉州誠美会」組長の息子。年齢は30歳。オーロラツアーに「高橋」という偽名でもぐり込み、一般人を装いつつ、梅澤の命を狙っている。

白石 美代子

エピソード「星のペンパル」に登場する。東京の女子大学の寮でいじめに遭って帰郷した若い女性。田舎では美人で頭がいいと評判だったが、東京では鈍重だとバカにされ、内心傷ついている。だが、幼なじみの小野ヒロシの飾らない性格に癒されていく。

内藤 哲夫

エピソード「C-46星雲」に登場する。80年代の伝説の学生バンドと呼ばれた「シューティングスターズ」で、「テツ」の名でキーボードを担当していた男性。バンド解散後、勤めていた広告代理店を辞め、作曲活動に専念するが、行き詰まり、自宅のベランダから飛び降り自殺した。「ショウ」こと飛島健太を慕っていたが、もう一人のメンバーである塚本の事は嫌っていた。内藤哲夫の葬式で、植松ひとみと健太は再会する事になる。

福田 いずみ

エピソード「星に祈りを」に登場する。公園で首吊り自殺をしていた女性。ショートカットの美人。倉品に助けられるが、記憶を失っており、「ドジ子」という呼び名で倉品のマンションで暮らす。倉品と男女の仲になるが、水戸代議士の秘書、国友修平を殺して金を奪った強盗殺人犯として指名手配されている事が発覚する。当時クラブホステスであり、国友と男女の関係にあったが、土木業を営んでいた父親は国友から政治献金を騙し取られ、自身も借用書を作らず金を貸していた。

歌川 友紀子

エピソード「煌めかざる星」に登場する。歌川哲彦の妻で、年齢は43歳。みつるという男の子の母親。地元の有名な造り酒屋のお嬢様で、美人で外面がいい。づけづけ物を言うタイプで、みつるの世話を哲彦に押し付け、よく家をあける。

宮本 武蔵 (みやもと むさし)

エピソード「我が愛しの剣星」に登場する。江戸時代の剣術家の男性。仕官して軍事に長けた兵法者として大名に仕える、という夢を持っている。頭がよく器用で、素直な性格の持ち主。真野あさみが未来からやって来た事を徐々に信じるようになり、彼女のアドバイスを受け、絵や詩歌の腕を上げる。自分の陰茎が小さすぎる事がコンプレックスであり、人前で裸になる事すらできないほど。あさみにリードされ、初めて女性の体を知る事になる。実在の人物、宮本武蔵がモデル。

金星 (きんぼし)

エピソード「冬の金星」に登場する。10年前に資産家の夫を亡くした未亡人。貸しビル業を営む上品な女性。年齢は48歳。温厚な性格でオペラ鑑賞が趣味。同僚を助けるため、30分前に戻れるタバコを吸ってしまった大田を気の毒に思った天使達が、大田を好きになるようコントロールした。

松岡 英三

エピソード「パルサーのように」に登場する。会社を定年退職した男性。5年前に妻を亡くして一人暮らし。町の小さな運送会社からスタートした会社の経理係として入社し、40年間勤め上げてきた。会社で古い人間扱いされるようになり、同時に、息子家族からも厄介者扱いされ始め、退職した今も気が晴れない。そんな中、商店街の福引でオーストラリア旅行が当たり、菅原真理子と出会った事で、人生が一変する。天体観測が趣味。

肥田 透

エピソード「星空研究会」に登場する。日の目を見なかった劇団員の独身男性。最近テレビに出始めた俳優で、へそまがりで理屈っぽく、女好きで酒好き。城北大学1982年卒業の仲間で結成した星オタクのサークル「星空研究会」の一員。

富田 静枝

エピソード「星がりません勝つまでは」に登場する。高齢者養護施設「ほのぼのホーム」に入所している高齢の女性。片岡俊彦の幼なじみでマドンナ的存在だった人物で、少々ボケている。美人で頭がいいため異性受けがよく、強いポジションの男性に節操なくすり寄っていくタイプ。

押高 葉子

エピソード「星楽のマドンナ」に登場する。オペラのソプラノ歌手。将来を嘱望されている女性。松崎と8年間、不倫の関係にある。度胸があり、はねっかえりな性格で、松崎が自分を利用して金儲けしようとしているのが面白くなく、彼が用意したオペラ界の要人との会食をキャンセルする。

久世 貞子

エピソード「鈍色の星」に登場する。袴田美保の義母。78歳の高齢女性。夫が亡くなったショックでうつ状態となり、少々ボケてきている。体の具合が悪く寝たきりだったが、往診に訪れた小早川稔に恋をし、見る見る元気を取り戻す。昔、教師だった事もあってプライドが高い。

磯貝 洋子

エピソード「星の王女様」に登場する。「姫貝」という源氏名のソープ嬢。田村修平と店外デートする間柄になる。年齢は30歳。小さい頃から両親がおらず、祖父に育てられたおじいちゃん子。中学生から非行に走り、18歳で少年院に入れられた。待っていてくれた祖父も出所後1年で亡くなったので、謝る事もできなかった苦い後悔の思いを抱えている。のちに田村夫婦と暮らすようになり、介護と家事いっさいを担当して献身的に二人に尽くす。

末永 武

エピソード「走れ!彗星ランナー」に登場する。名コーチの男性。女子マラソンの金メダリストの英恵理を育てた。恵理との師弟関係が不倫に発展し、離婚した。その後、ギャンブルと酒で身を持ち崩した。素晴らしい素質を持つ鮎川奈々と出会った事から、古巣の「大賀化成」の陸上チームの監督に就任。末永武本人は意識していないが、フェロモン全開のモテ男である。

杉田 みどり

エピソード「恋の星乱れ星」に登場する。野田元彦と野田マリ子の愛知県立緑風高等学校時代の友人の女性。美人だが感情が不安定で、性的嗜好は少々奇抜。当時、元彦に好意を寄せており、彼に貸した本にラブレターを忍ばせていた。元彦とは同窓会で再会し不倫関係になる。京都外語大学ではスワヒリ語を専攻、大阪の小さな商社に入社した。結婚後は一児をもうけたが、覚醒剤に手を出し、子供を虐待するという事件を起こす。上京し、円山町で売春婦をしていた事もあり、再び覚醒剤を使用し実刑となる。出所後、自分の世話を親身に焼いてくれた女性警察官を、覚醒剤のフラッシュバックのせいで殺害していた。

麗子

エピソード「流星美人劇場」に登場する。シャンソン・バー「ラ・メール」のママを務めている女性。年齢は63歳。30年以上もみゆきといっしょに水商売をしている。現在はみゆきとアパートで二人暮らしをしており、掃除も洗濯も料理も苦手で、家事はみゆきに頼っている。若い頃は器量好しで、今もその名残がかすかに残っている。店に通うようになった東大教授の鈴木秀人と、みゆきに隠れて付き合う事になる。

水森 美生

エピソード「金星症候群(きんぼしシンドローム)」に登場する。三浦が公園で出会った美少女。年齢は15歳。旧財閥の会長の娘であり、大豪邸に住んでいる。3か月前に引っ越して来たのだが、病弱で学校には通っていない。三浦の事が気になるようで、タバコをやめたらもっとかっこいいのに、と意味深な言葉を投げかける。

関谷 花苗

エピソード「崩壊する星域」に登場する。ファミリーレストランのアルバイトで野島修と付き合うようになった女性。年齢は35歳。高校中退後、六本木界隈で遊びまわっていた不良で、30歳まで定職にもつかなかった。野島に自分と付き合うなら修と別れるとの条件を出していたが、修が自殺未遂事件を起こしたあとに、修と結婚した。のちに生まれた子供は、その経緯から修との子である可能性が低いが、その事を本人には知らせていない。

小野 光子

エピソード「星のペンパル」に登場する。農協でアルバイトしている50歳代の女性。小野ヒロシの母親で、夫はヒロシが小学校の時に他界。菅谷武彦は40年来の文通相手であり、お互いの子供が大人になったら会おうと約束していた。しかし、彼が糖尿病になったと知り、彼を連れ出そうと自動車教習所に通い出す。頭がよく機転が利き、行動力がある。

下田 直己 (しもだ なおみ)

エピソード「星食に逢う」に登場する。化学薬品の会社のドライバーの男性。下田玲子の息子。仕事を通じて知り合った月岡千明と結婚した。「ちゅいーっす」と挨拶するチャラそうな人物で、面長で鼻も長い。馬鹿で粗野で礼儀知らずだと、月岡進を憤慨させるが、意外に機転が利き、頼りがいがある。

上松 夕紀子

エピソード「流星メール劇場」に登場する。新エネルギー開発会社の社員の女性。年齢は42歳。原発予定地を巡って電力会社と地域住人が揉める中、取材に来た緒方亮と知り合い、カメラマンの宮本多久郎を交えて集まる仲になる。多久郎が結婚してから、亮と付き合うようになり5年が経つ。昔から、亮より多久郎が好きだった素振りを見せており、仕事一辺倒の亮に物足りなさを感じているふしがある。

迫田

エピソード「京都星宿」に登場する。桧垣大造が京都に単身赴任していた時、直属の部下だった男性。10年前に妻と離婚しており、独身。京都に旅行に来た桧垣光子に呼び出され、光子の小鴨探しに協力する。夫に仕返ししてやろうという気持ちで自分をホテルに誘った光子に実意を尽くし、たしなめる誠実な性格。

佐竹

エピソード「我が星の果てるまで」に登場する。「和光被服」の会社社長を務める60代の男性。息子が専務を務めている。妻の説子の実家の縫製工場に自分のすべてを注ぎ込んで、会社を大きくした実績の持ち主。胃癌で余命半年の宣告を受け、死ぬまでに会っておきたいと、高校時代の恩師、片岡、大学時代の親友、友広泰三、高校時代のマドンナ、鷹取美智子の三人に会うために旅に出る。

田之原 慶子

エピソード「タイムカプ星ル」に登場する。五菱グループの結婚相談所「ダイヤモンド倶楽部」に勤める独身女性。大学を卒業し、普通のOLを経て、今の仕事に就いて30年になる。中学時代はマドンナ的存在だった美人。気が強く、感情を抑制するのが少し下手。滋賀県の朝比中学校時代に仲がよかった鮎川かなの不審死に、担任だった徳山周が絡んでいると睨んでおり、同窓会で真実を確かめたいと思っている。

戸田 信介

エピソード「萬代星の女」に登場する。重電の会社で原発の設計技師だった男性。白髪で丸顔で小柄。昭和45年度卒の三田大学理工学部の同窓会に主席し、その時に川口咲平が一目惚れした女性を探そうという話になり、入間も含めた三人で新潟旅行に行く事になる。旅行後、与野ゆかりの仲間の一人に韓国での原発建設の仕事に誘われ、2週間後に旅立つ準備をしていた。

竹内 和義

エピソード「隣の星人」に登場する。片山美波のアパートに引っ越して来た西北大学の大学生。野暮ったい雰囲気の男性。結婚して引っ越しした佐藤和夫と美波の前にも現れる。駅のホームで和夫の背中を押した殺し屋と思しき人物。

代表 (だいひょう)

エピソード「星の交差点」に登場する。「夫婦交際組織(サークル)」の「ペガサス・ソシアル・クラブ」の代表を務める男性。都内で会計事務所を開いている上品な初老の人物。自分の履歴を偽って入会した桜田に厳しいペナルティを課すが、あくまで社会的に地位の高いサークルメンバーを守るためのものだった。桜田に津島麗子が夫婦交際にまったく乗り気でなかった事を教える。

鈴木 良平

エピソード「星々流転」に登場する。大手銀行築地支店長を務める男性。年齢は52歳。鈴木麻紀の夫で、息子は商社勤務。絵に描いたようなエリート人生だったが、不祥事の責任を取らされ、「船村製作所」の経理部長へ出向。そこでプライドを激しく傷つけられ、発作的に自殺を図る。高橋小百合という若いOLと不倫している。

手島 耕二 (てしま こうじ)

エピソード「星の流れのように」に登場する。河野さくらが勤めるカフェに毎朝やって来る老紳士。年齢は85歳。英語雑誌を片手に、パイプをくわえるおしゃれな人物。元有名な映画監督で、3回離婚しており、放蕩人生の成れの果てとして、ボロアパートで生活している。さくらをきれいな顔立ちだと誉めた事から、さくらとの交流が始まり、男女の仲に発展。だが、昔にさくらの母、河野典子と関係を持った事を思い出し、さくらへの思いに歯止めをかける。のちに、ドバイから映画の権利を買い取りたいとの連絡を受ける。

鈴木 秀人

エピソード「流星美人劇場」に登場する。東京大学で教授を務めるインテリ男性。ママの麗子が一人の時に店にやって来て、身元が分かる封筒を置いて帰る。こっそり麗子にアプローチし、恋愛関係になるが、意外に床上手で麗子を驚かせる。のちに結婚詐欺師の常習犯だと判明するが、麗子への気持ちは真剣だった事が明らかになる。

青木 美加

エピソード「星鵠を射る」に登場する。大阪で飲食店を転々としていたが、職を求めて上京して来た女性。年齢は46歳。屋台のおでん屋で小日向透と意気投合し、そのまま彼の家に居候する。のちに、小日向が調べている、大阪の「守口中央産婦人科」で1961年6月19日に生まれた五人目の人物だという事が判明。ちなみに、同日に同病院で生まれた四人はすべて殺人犯。悪魔にあやつられ、小日向を殺そうとする。

井川 美智子

エピソード「輝ける晩星」に登場する。「玉田会病院」に20年勤務する主任の女性看護師。年齢は41歳。未婚で、病院に出入りする製薬会社の和歌山純一と17年間不倫の関係にある。入院患者の老人、曽根康三に恋をし、和歌山と別れる。康三が亡くなり、気持ちを整理するべく、地方都市の小児科に転職する。以前、同僚に占いをしてもらい、次に寿司に誘ってくれる人と結婚すると言われていた。

徳元

エピソード「貴男と星と潮騒と」に登場する。安藤ひとみが故郷に帰った時に、一度見合いした男性。濃い顔立ちで、漁師をしている。粗暴な雰囲気で、無神経に振る舞っているように見えるが、スキャンダルが原因で帰って来たひとみに以前と変わらない態度で接した唯一の人物。他人とはあまり話さないので世事に疎い。20年以上前、北海道で北洋漁業の船に乗っていた時、結婚していた妻に子供ができず、それを不満に思って不倫相手を妊娠させてしまう。妻が臨月の不倫相手を刺し殺し、その後、海で投身自殺したという壮絶な過去を持つ。

流石井 健一

エピソード「星の遺産」に登場する。流石井富貴子が女手一つで育てた息子。父親は庄野燐三。高校の頃から、誰かの役に立ちたいとボランティア活動に興味を持ち、卒業後、海外で活動していた。飛行機事故で亡くなり、その新聞記事を見た燐三が、自分の愛人だった富貴子を探して印税の権利を渡す、という内容の遺言を息子達に託す事になった。

宇多川 ぬい

エピソード「武士の星空」に登場する。宇多川陸の娘。父親は三日月藤十郎。のんびりしていて、大陸的な性格は父親譲り。また、母親譲りの美貌の持ち主で、のちに三日月矢太郎の妻になる。

稲田 徹夫

エピソード「五里霧の星域」に登場する。クレジット会社に勤務する男性。小学校の頃はガキ大将で、陸上のインターハイでは三段跳びで全国3位になった肉体派。県立正賀高等学校の昭和41年の卒業生で、当時、仲のいい友人で結成した秘密結社「五里霧中」のメンバー。想念が現実化してしまう「五里霧の町」に「五里霧中」のメンバー達と迷い込み、初体験の相手にして、現在は入間川宏の妻となった亜希子と再会。その後、現実世界では会社が経営不振になり、亜希子と駆け落ちする事になる。

葛城 邦彦

エピソード「白色矮星のあなた」に登場する。会社を定年退職した男性。妻の麗子は若年性アルツハイマーで入院している。葛城辰彦の弟で、兄の愛人だった村上由美から兄の死を告げられ、彼女と兄が暮らした家に遺品整理に通う事になる。次第に由美のそこはかとない魅力に引き込まれていく。

一木 加寿子

エピソード「脆い星光」に登場する。中川さとみの大学時代の親友の女性。夫が洋食器輸入の会社で成功し、贅沢な暮らしを漫喫している主婦。ワインスクールの講師、長崎洋一と恋愛中であり、彼との旅行のカモフラージュとして、さとみをカリフォルニア旅行に誘う。その後、夫から離婚を切り出され、自分を裏切った長崎に襲いかかり拘置所に入る。だが、夫も愛人に騙されていた事を知り、夫とやり直す道を選ぶ。

菅谷 武彦

エピソード「星のペンパル」に登場する。福岡県在住の60代の男性。小学校の教師をしていた。小野光子は40年来の文通相手だが、妻子がある事から、お互い電話番号も知らない分別のある付き合いをしていた。糖尿病を患って入院しており、目はほとんど見えない。お互いの子供が大きくなったら一度会うという約束を光子と交わしており、彼女とドライブデートをする事になる。

藤倉 みどり

エピソード「七夕七年会」に登場する。藤倉澄子の娘。司法試験に向けて勉強中の法学部の大学4年生。46歳になった母親の藤倉の代わりに「七夕七年会」で寺坂泰人の目前に現れた。初めは正体を明かさず、シナリオライター養成専門学校に通う「設楽ナツミ」と名乗っていた。両親は10歳の時に離婚し、本当の父親は寺坂だと、死を目前とした母親から聞かされた。独立心が強く、大人びた性格の持ち主。

石田 咲子

エピソード「贖罪の星」に登場する。31年前、群馬県A市で梶山が担当した事件の関係者の女性。当時クラブホステスをしており、13歳の息子と山菜獲りに行き、息子が転落死したため、2000万円という保険金を手にした。梶山とは男女の関係になったが、突然姿を消した。現在はA市に隣接するB市で、「大坪平治郎」という市議会議長の妻になり、慈善活動に参加する名士となっている。

高橋 美佐子

エピソード「流星スケッチクラブ」に登場する。元高校の美術教師で未婚の女性。老女三人で結成した「スケッチクラブ」のリーダー的存在。年齢は66歳。石崎に「スケッチクラブ」のヌードモデルになってほしいと声を掛けた人物。のちに石崎をモデルに描いた絵が評価され、個展を開くほどの人気画家となる。

矢部 京 (やべ みやこ)

エピソード「君こそ星(スター)だ」に登場する。美波浜温泉郷の旅館「濱屋」の仲居をしている女性。小学5年生の息子と旅館の女子寮に住んでいる。暴力夫の矢部悦男から逃げ出して来たので、仲居の時は「綾部」という源氏名を使っている。東京へのあこがれが強く、息子を「東(あずま)」と名付けた。七星新也に差入れを持っていった際、男女の仲になる。

寺嶋

エピソード「汝が星は永遠に煌めく」に登場する。年金暮らしの男性。年齢は75歳。妻は2年前に入院し、シルバー人材派遣センターの家政婦、新庄テイ子に家事を頼む事になるが、あまりにも親切にしてくれるテイ子の様子に、気持ちが乱れていく。しかし彼女が大豪邸の女主人であり、さらに寺嶋家の小作人の娘だった事が明らかになる。今でも自分を恋慕するテイ子を受け入れたい気持ちはあるものの、死期が迫った妻への申し訳なさから彼女の申し出を断ってしまう。

宮里 晃

エピソード「再星エボリューション」に登場する。沖縄で大城由美子と同じ観光ホテルにアルバイトとして入社した男性。由美子より2歳年上だが、小説家になる夢を持っていた。いつも周りの女性からキャーキャー言われていたモテ男。由美子と離婚後、失踪し新潟から遺書ともとれる手紙を下地あてに出していた事が判明。

倉持 (くらもち)

エピソード「星光耿耿(せいこうこうこう)」に登場する。かつては新聞社に勤めていた高齢男性。年齢は80歳を超えている。モダンで知的であり、自身が主催する俳句の会では女性からの人気が高い。20年前に妻と離婚し、息子が一人いる。水原桜子を俳句の会に誘い、やがて恋愛関係になる。

小倉 正彦

エピソード「同窓会星団」に登場する。小倉美智子の息子。10代の男の子。本来なら高校2年生だが、両親の離婚で登校拒否になり、進学も就職もせず毎日ブラブラするようになってしまった。バイクを乗り回していた時、交通事故に遭った砂川和馬を助けた事から、入院する和馬に、見舞いがてら勉強を教えるようになる。のちに、和馬の家庭教師をする代わりに、忌み嫌っていた母親の交際相手、砂川からボクシングを習い、生きる意欲を取り戻していき、大学検定にチャレンジする。

篠原 康

エピソード「裏切る星界」に登場する。篠原優子の息子。刑務所から出所した足柄にサッカーを教わるようになった男の子。優子と足柄が7年ぶりに再会するきっかけを作った。

宮部 志乃ぶ

エピソード「C-46星雲」に登場する。「あすなろ出版」で女性誌の副編集を務める女性。編集長だった植松ひとみと折り合いが悪く、局長に接近して、編集長の座に就いた野心家。「シューティングスターズ」のボーカルの「ショウ」のファンであり、行きつけの「シューティングスターズ」という店で飛島健太の歌う姿を目撃し、健太に近づこうとする。

石橋

エピソード「新生活を求めて」に登場する。「たたら歯科クリニック」で受付をしている女性。既婚者で子供がいる。2年前から鑪純平に好意を寄せていたが、段々それがエスカレートし、執拗に純平にラブレターを渡すようになる。純平にその行為を咎められた事から、ストーカーと化し、純平に近づいた小川昌代をつけ狙うようになる。

筒井 菅子

エピソード「虚星の真実」に登場する。整形外科のパートで働く女性。年齢は48歳。母子家庭で、痴呆症の母親、筒井みどりを抱えて苦労している。カツカツの生活を送り、結婚を考える事もできずに今に至る。なじみの洋食めし「田所」の大将、田所徹平と恋愛関係になる。

秋元 謙一

エピソード「六芒星奇譚」に登場する。「週刊ミステリー」の編集長を務める50歳手前の男性。仕事が多忙を極め、結婚する機会がなく今に至る。見た目は優男風。気弱な性格で、向かいのマンションに越して来た生田ひとみを「妖女」だと思い込み、彼女から自宅でのパーティに誘われた際は、内心怯えていた。

田渕 遼子

エピソード「雨夜の惑星」に登場する。田渕雄介の妻。3年連続、自分の誕生日を報道カメラマンの夫にキャンセルされたせいで、孤独な生活に耐えられないと離婚を決意する。家庭的な生活を欲しており、ヒステリー状態になるまで、我慢に我慢を重ねてきた。

北野の妻

エピソード「星空のタンゴ」に登場する。北野の妻。連れ添って40年になる。腰痛で入院している。慎み深く穏やかな性格で、家庭に波風立てぬよう平凡な妻を演じ、彼の女性関係を問い詰めた事もない。

宇津木 健介

エピソード「トゥインクル リトル スター」に登場する。宮脇照子がアルバイトするファミリーレストランで原稿を書いていた渋い中年の男性。照子をドライブに誘い、彼女の初体験の相手となる。実は天使であり、人間の人生を好きなように変える力を持っている。

田中 有里子

エピソード「同星時代」に登場する。世田谷の一軒家に住む40代の女性。阿部奈緒次郎と付き合っている。実は男性で、本名は「田中和雄」。20年前に性転換手術をし、水商売から足を洗おうと面接を受けた会社で奈緒次郎に採用され、彼とは10年前から付き合うようになった。妻に頼まれて奈緒次郎を尾行していた戸塚幸夫が訪ねて来た際、中学時代に幸夫のクラスメイトだった事を告白する。

関本 潤

エピソード「星降るホテル」に登場する。会社の副社長を務める男性。稲田麻美の夫。外資の広告代理店勤務を経て、30歳でインターネットを利用した広告会社を立ち上げた。交通事故で意識不明の重体となり、うわ言で「ユウコごめん、許してくれ」と言った事から、麻美が高澤侑子と夫の関係を怪しむようになる。当時は麻美と侑子の三人で遊ぶ仲であり、麻美に内緒で侑子と付き合っていたが、麻美とも関係はあった様子。野心家であり、本当は侑子を愛していたが、ベンチャービジネスを立ち上げるため、大企業の社長令嬢である麻美を選んだ。

小野 ヒロシ

エピソード「星のペンパル」に登場する。小野光子の息子。母親が腰を痛めたので農業を継ぐ事にしたイケメンの青年。帰郷した幼なじみの白石美代子と付き合っている。小学校の頃に父親を亡くしており、母親を思う気持ちが強く、素朴で飾らない性格。

大城 由美子

エピソード「再星エボリューション」に登場する。リサイクルブティック「コメットさん」を経営するバツイチの独身女性。年齢は48歳。沖縄の観光ホテルの受付で働いていた時、アルバイトで入って来た宮里晃と恋に落ち、結婚。離婚後上京し、東京のデパートの婦人服フロアで15年間勤務。5年前に高級住宅地の一角で、隣接する普通の住宅街の主婦向けにリサイクルブティックを立ち上げた。晃そっくりの三宮源太が頻繁に来店するようになり、デートする仲になる。新潟出身の源太から沖縄の方言がとっさに出た事で、源太が実は晃ではないのかと本格的に調べ出す。

足柄

エピソード「裏切る星界」に登場する。小山一夫大臣の議員秘書をしながら、政界進出を狙う男性。足柄雅子の夫。エリート中のエリートで、ストレートで東大法学部に合格し、上級公務員試験をパス、大蔵省を経て議員秘書となる。スポーツ万能でもあり、サッカー部ではエースストライカーだった。30歳で旧財閥系銀行の頭取の娘、雅子と結婚。自分は日本を背負って立つ男だと自負している。だが、愛人の篠原優子が妊娠し、堕ろしてほしいと頼んだ事から人生は急落し、雅子殺害の犯人として逮捕される。出所後、早稲田の製本会社に「鈴木実」という偽名で就職する。

朝岡 初子

エピソード「星になる前に」に登場する。朝岡源六の妻。年齢は58歳。余命6か月のガン宣告を受け、抗がん剤治療を拒否して自宅療養に入る。20年前、夫が単身赴任中、生保レディのアルバイトをしていたが、当時不倫関係にあった男性と仙台に旅行した事がある。その思い出をずっと胸に秘めていたようで、夫との旅先に仙台を選んだ。のちに、不倫の相手は生命保険会社の支店長だった人物であると判明、彼から「ハッチ」と呼ばれていた。

国友 修平

エピソード「星に祈りを」に登場する。実力派の政治家、水戸代議士の秘書の男性。ホステスだった福田いずみと男女の仲になり、彼女の父親が土建業を営んでいる事に目をつけ、父親から政治献金を騙し取り、いずみからも金を借りていた。返済を求めるいずみに、借りた覚えはないとシラを切った事から、殺害される。

奥山

エピソード「貴男と星と潮騒と」に登場する。TV番組のディレクターの男性。既婚者だが、経済学者の安藤ひとみと8年間不倫関係にある。妻とは離婚すると言いながら、ひとみとふしだらな行為に及んだ。この事が週刊誌に出た際には、妻に二人の関係を知られる事を何より恐れ、自己保身に走った。

今村 美奈

エピソード「星のレストラン」に登場する。大学の図書館に勤務する女性。ヒロミの恋人。明るく親切な性格で、立松一平を部屋に招き入れた事から、一平とヒロミの交流が始まる。フランス語が堪能で、フランス出張にいった際、一平のかつての恋人、ソフィーの近況を調べてきた。

矢沢 大吾

エピソード「恋する星霊」に登場する。稲本浩と勢津子の息子。昨年高校を卒業し静岡県の化学工場に就職したが、勢津子が亡くなり、遺言通りに遺骨を浩に届け、彼の近くのアパートを借りて住むようになる。天才的な数学の才能があり、NYの「ラローズ数学研究所」にアプローチし、入所を認められる。ぶっきらぼうだが根が優しく、しっかり者。

綾小路 翔 (あやのこうじ しょう)

エピソード「星空怪談」に登場する。漫画家の独身男性。年齢は51歳。高校卒業後、漫画家のアシスタントとなり28歳でデビューしたため、世間の事を何も知らない。以前はスマッシュヒットをとばした事もあるが、現在面白いネタに事欠いている。証明写真のボックスで知り合った笠井友理の話を勝手に作品にしてしまい、のちに悲劇を迎える。

北野

エピソード「星空のタンゴ」に登場する。出版社の編集長を務めていた男性。年齢は70歳。同い年の妻は腰痛のため入院中。ホステスだった苑田久美子と30年来の愛人関係にある。久美子がホステスを辞めて保険外交員になった時、受取人が自分と久美子の保険二口に入った。久美子と共にハワイ旅行に行った際、保険金目当てで久美子に殺意を抱いた。だが久美子も自分に殺意を抱いていたと知り、逆に絆が深まる。

俵屋 喜兵衛

エピソード「我が愛しの剣星」に登場する。真野あさみが1632年にタイムスリップした際、道で行き倒れていた高齢の男性。裕福な町人で、お伊勢参りに筑前から出て来たが、志半ばで息絶える。介抱してくれたあさみに、持ち物を譲り、死んだら埋めてくれるよう頼んだ。

藤倉 澄子

エピソード「七夕七年会」に登場する。弁護士の女性。昨年病気で亡くなった。寺坂泰人と7年間付き合っていたが、彼のロンドン赴任を機に、25歳の時に別れた。しかし寺坂に未練があり、7年ごとの七夕の日に再会する「七夕七年会」を提案した。寺坂との別れのショックから、自分と同じく司法浪人生だった男性と結婚。娘の藤倉みどりは寺坂の子供だったが、夫には内緒にしていた。その後、自身も司法試験に合格。寺坂への愛を一度目の「七夕七年会」で確認し、浮気疑惑のあった夫とは離婚した。亡くなる前、娘に自分と寺坂の関係を打ち明けていた。

大田

エピソード「冬の金星」に登場する。タクシー運転手で50代の男性。勤めていた証券会社が倒産し、妻が男を作って逃げたため、アパートで一人暮らしをしている。競馬好きで万馬券を当てるのが夢。人がよく、損をしがちな性格。

東郷 秀次

エピソード「ある一族の星域」に登場する。東郷ホールディングスの専務取締役の男性。レストラン「ロマーノ」の社長を務める。年齢は50歳。東郷の次男で、東郷礼子の夫。三人兄弟の中では一番ダメ男で、プライドばかり高いが、騙されやすく気が弱い。ほかの兄弟に仕事を取り上げられてしまい、泥酔してチンピラに殴られ、雨に長時間打たれたせいで衰弱死してしまう。

木城 加津

エピソード「流星スケッチクラブ」に登場する。元総合病院の看護婦長で、離婚歴ありの女性。老女三人で結成した「スケッチクラブ」の一員。年齢は64歳。現在はマンションで一人暮らし。長い髪を一つに結んでいる。料理が得意。

得野 美樹

エピソード「星の絆」に登場する。油絵を描いている女性。年齢は40歳。得野文二郎の娘で、得野健介の妹。健介に似た濃い顔をしている。アルバイトで金を貯め、自分の個展「ROPE」を開き、夢を追い続けている。母親の得野和子が父親のせいで自殺したと思い込んでおり、父親を嫌っていた。のちに、自身の絵画に買い手がつき、銀座に個展を開くチャンスを手にする。

長塚 公介

エピソード「タイムカプ星ル」に登場する。大学病院の勤務医をしているバツイチの男性。皮膚科で末期患者に美容整形を施している。滋賀県の朝比中学校の同窓会に向かう道中、田之原慶子と再会する。中学時代はモテモテだった好人物。東京に帰ってからも慶子と付き合いたいと思っているが、鮎川かなの自殺の原因を知り、感情的になっていた慶子に拒否されてしまう。

加古川 照夫

エピソード「未来(みく)の星」に登場する。30年間務めた印刷会社をリストラされた男性。年齢は54歳。加古川美沙子の夫で、息子の翔は高校生で受験を控えている。ラーメン屋の皿洗いのアルバイトをするため、地元の旭川に出稼ぎに出る事になる。そのラーメン屋で、大学3年生の時に2か月間同棲していた柴崎未来を目撃する。

マスヤマ

エピソード「星と死の狭間で」に登場する。横澤功太が入院している病院の女性看護師。唯一、功太に優しく接している。ぽっちゃりした二重アゴで、髪の毛を二つに結んでいる。その正体は、次に誰を天国に連れて行くかを決めるために、病院にいる神様。功太をおばあちゃんと小俣志津子に会わせ、天国に導いた。

ヒロミ

エピソード「星のレストラン」に登場する。青山のフランス料理店で働く料理人の男性。仕事の際はロングヘアを一つに束ねている。料理を作る事だけに生きがいを感じており、本場の一流シェフのもとでみっちり修業したいという夢を持つ。伝説の料理人の立松一平と出会い、自分の未熟さを痛感する。料理の次にマンガが好き。

伊奈田 遼

エピソード「天使に星の砂」に登場する。「あしたば銀行」で主任を務める独身男性。年齢は33歳。河瀬まみに優しく対応する唯一の男性であり、まみと何度か肉体関係を持つ。だが、彼女と家で過ごしていた休日に、まみが突然訪ねて来た事から、彼女を無視するようになる。

中島

エピソード「星田一夫さんの幸福」に登場する。星田一夫が勤める「ナカジマ製材」の社長を務める男性。一夫がリカといっしょに住んでいるのを目撃し、はじめはバカにしていたが、真剣な星田の言動から、態度を改める。星田の命が長くないと知り、もう一度リカに会わせてやりたいと、奔走する。

浮世 美砂子

エピソード「深夜の双星」に登場する。ベストセラー作家の女性。年齢は63歳。西新宿の食堂「大屋」のマスターを、「深夜食堂」のマスターに似ていると気に入り、週一回自分を抱く事も込みで、八ヶ岳の別荘の管理人兼料理人の仕事を任せる。自殺後、実は半年前にガンの余命宣告を受けており、西新宿の食堂が居心地よく一番好きな場所だったと、彼宛ての遺書に記していた。

野田 マリ子

エピソード「恋の星乱れ星」に登場する。野田元彦の妻。都議会議員を4期務めるキャリアウーマン。気性のさっぱりした親分肌の女性で、問題を解決する能力が高い。杉田みどりとの火遊びで、危険な目に遭った夫を笑って許せる器の大きい人物。

羽熊 香織

エピソード「煌めかざる星」に登場する。静岡県桜川市の割烹居酒屋でパートをしている女性。年齢は49歳。結婚は3度目で、現在は左官業の夫の酒乱と暴力に悩まされている。歌川哲彦と高校時代に同じクラスだった恋人であり、シンポジウムで地元を訪れた哲彦と再会し、一夜を共にする。だがその翌日、夫殺しの容疑者として逮捕されてしまう。旧姓は「村井」。

倉橋 照子 (くらはし てるこ)

エピソード「過去から星還」に登場する。端島出身の女性で、島では評判の美人だったが、家の事情で、中学を卒業して島の酒場で働いていた。23歳の時、高校生だった草加登と貯炭ベルトコンベアーの第3支柱の下で密会を重ね、彼に女の体を教えた。だが、粗暴な客を包丁で殺害してしまい、登にその事を告白するが、事件は迷宮入りとなる。炭鉱が閉山したあと、関西に行ったが、最近は伊豆周辺の温泉宿で、占い師「テルコ・バレンシア」として活動しているとの噂がある。

曽根 康三

エピソード「輝ける晩星」に登場する。「五井物産」の元会長で超大物財界人だった男性。年齢は84歳。品のいいハンサムな老人で、井川美智子の勤める病院に移って来た。腰が低く、落ち込む美智子に優しく接する紳士的な人物。

堀井 マキ

エピソード「游星萌ゆ」に登場する。秋葉原のメイドカフェでアルバイトしている若い女性。店での源氏名は「ミュウ」。田舎から上京して専門学校に通っていたが、辞めてしまいブラブラしている。悪い仲間と付き合っているが、根は親切で、正義感の強い一面がある。

船村 健太

エピソード「星々流転」に登場する。「世界のフナムラ」と呼ばれるナノテクノロジーの製造会社「船村製作所」の代表取締役会長を務める男性。小学生の頃は貧乏で、皆から「フナムシ」といじめられていたが、30歳の時に父親が交通事故死し、その保証金で事業を立ち上げた。学歴はないが、昔から創意工夫が好きだった事もあり、今や世界中から引く手あまたの製品を作っている。昔、自分に優しくしてくれた鈴木麻紀への恋慕から、独身を貫いている。

桧垣 光子

エピソード「京都星宿」に登場する。桧垣大造の妻。35年連れ添った夫を亡くした未亡人。大造が死ぬ5日前につぶやいた「小鴨さん、ありがとう」という言葉が頭から離れない。夫を信頼していたが、京都に小旅行に行った際、夫と小鴨の間に子供がいる事を知り、納得できない思いを抱える事になる。その後、小鴨に遺骨を分配する事で自分の気持ちにけりをつけ、自分といっしょに小鴨を探してくれた夫の部下、迫田との恋に走り出す。

尾上 耕平 (おのえ こうへい)

エピソード「巨星のプライド」に登場する。脇役専門のパッとしない男性俳優。細身で頰がこけており、30代の頃は輝いていたが、50代の今はオーラもなくなってきている。長年連れ添った妻に三下り半を突き付けられ、離婚。岩田マサ子からの性的な誘いを断った事で、唯一の生命線である「木曜サスペンス劇場」の出演も見込めなくなり、危機に立たされている。

梅山 龍夫 (うめやま たつお)

エピソード「游誘惑星」に登場する。二水会所属の洋画家の男性。年齢は74歳。自分が住む洋館を描いていた佐藤みどりにエロスを感じ、ヌードモデルになってほしいと依頼する。40年前、バルセロナでフラメンコダンサーと結婚していたが離婚。海の見える高台の別荘でみどりと暮らしたいと、彼女に求婚する。地下のワインセラーに現金3億円の資産を有している。

小山

エピソード「星鵠を射る」に登場する。「日本犯罪研究所」の研究員の男性。オカルトに興味があり、小日向透が追っている大阪の「守口中央産婦人科」で1961年6月19日に生まれた五人の内、四人が殺人事件を起こしている事象に興味を示す。悪魔はマオウという薬草が苦手な事を教え、小日向の悪魔退治を見届ける。のちにミステリー作家となり大成する。

笠原 哲矢

エピソード「攻撃する運星」に登場する。南部百貨店新宿店の消費者センターに勤める、うだつの上がらない中年男性。実直で気がいい性格だが、家のローンと娘達の教育費がかさみ、月の小遣いは3万円。ギャンブルで小遣いを増やす事を楽しみとしており、4億円をロトで当ててしまう。大金の使い道に困り、以前神楽坂で見かけた美しい芸者の錦華に使う事を思いつく。

久米 和義

エピソード「五里霧の星域」に登場する。大手自動車メーカーのエンジニアを務める男性。学校一の秀才であったが、東大受験に2度失敗している。県立正賀高等学校の昭和41年の卒業生で、当時、仲のいい友人で結成した秘密結社「五里霧中」のメンバー。想念が現実化してしまう霧に囲まれた「五里霧の町」に「五里霧中」のメンバー達と迷い込み、初体験の相手だった水商売のあけみに癒されたため、ささくれた自分の妻に嫌気がさす。また、殺人鬼の南雲を殺害してしまった感触に苦しめられ、現実世界でも老人を車で轢き殺してしまい、「五里霧の町」に戻る事を決意する。

和彦

エピソード「聖夜の星」に登場する。向井家の前の公園に一人で座っていた少年。静岡の養護施設から抜け出して来た。年齢は13歳。向井夫婦の家でクリスマス・イヴを過ごす事になり、向井優子を笑顔にさせる。実は、14年前に流産した向井夫婦の息子だと名乗り、両親にずっとなかよくしてほしくて、天国からやって来た。

後藤 完治 (ごとう かんじ)

エピソード「星がりません勝つまでは」に登場する。高齢者養護施設「ほのぼのホーム」に入所して来た高齢の男性。大工の棟梁の息子で、片岡俊彦の幼なじみであり、当時いじめっ子だった。ホームでも俊彦をバカにするが、実は幼い頃貧乏で、裕福で頭がよかった俊彦を羨んでいた。癌が発覚してから、アクが抜け、看病する俊彦と打ち解けた仲になる。

三日月 藤十郎

エピソード「武士の星空」に登場する。大川原藩で土木治水建築工事を担当する二百石取りの中流武士の男性。町奴に絡まれ土下座した事から宇多川象山に制裁を加えられ、腰抜け侍として有名になった。実は15歳の頃から天下に比べる者なしと呼ばれた「甲斐の小天狗」との異名を持つ剣の達人であり、その時の名は「丸山藤十郎」。血を見るのが嫌になり、甲斐の小俣藩を脱藩した過去がある。どんな事でもサラッと笑い飛ばす器の大きい人物で、時代に捉われない新しい感覚を持つ。象山の妻、宇多川陸と愛し合っており、最終的に象山に決闘を申し込まれる。三日月矢太郎には家を継ぐ者として、陸との関係も包み隠さず打ち明けた。

江口

エピソード「星よりの使者」に登場する。会社員の男性。部長を務めている。年齢は49歳。江口英之の息子で、妻と息子の俊彦と英之といっしょに暮らしている。銀座のママ、谷村緋沙子と不倫しており、元気がない父親にアプローチしてみてほしいと緋沙子に持ち掛けた事から、父親の男としての姿を垣間見る事になる。

吹原 凛子 (ふきはら りんこ)

エピソード「交錯する流星」に登場する。関西ストリップ「ダリア劇場」を一人で切り盛りするストリッパーの女性。もうすぐ40歳の自称・オバちゃんダンサー。少し太めで、人懐っこい性格。いっしょにサンマを焼いて食べたあとに、ストリップを見に来た平仲圭介と結ばれる。

田所 徹平

エピソード「虚星の真実」に登場する。洋食めし「田所」の大将。56歳の男性。常連客の筒井菅子と恋愛関係になる。死んだ父親の借金を返すために結婚は考えられなかったという苦労人。一流ホテルの厨房で働いていた事があり、コックの見習い時代に、ホテルの地下でアクセサリーショップを経営していた筒井みどりと体の関係を持っていた。ホテル時代に整理整頓を叩きこまれたため、一人暮らしだが部屋はきれいに片付いている。

入間川 憲一 (いるまがわ けんいち)

エピソード「邂逅する惑星」に登場する。入間川節子の夫。1987年に飛行機事故で亡くなった男性。臀部の右側にアザがある。児童養護施設出身であり、節子の調べで、入所して半年で養子にもらわれた弟の狭山哲夫がいた事が発覚する。

藤岡 卓

エピソード「脆い星光」に登場する。カメラマンの男性。カリフォルニア旅行で中川さとみと知り合い、一線を越えた。当初は「鈴木実」と名乗っていた。実は一木加寿子の夫に雇われた探偵であり、自分の身分を明かしたあと、さとみを本気で好きになったと打ち明ける。以前は普通のサラリーマンで、結婚して子供もいたが、カメラにハマり本気で写真家を目指したため、妻子に逃げられたという過去がある。

月岡

エピソード「老星は死せず」に登場する。食品メーカー「星ノ印食品」の営業部長だった男性。会社が大量の食中毒患者を出す不祥事を起こし、責任を取る恰好で会社を辞める。その後、妻を亡くして娘夫婦と暮らしているが、厄介者扱いされている。料理教室で知り合った森川洋子に一目惚れした事で、料理が好きになり生活にハリが出る。

朝岡 源六

エピソード「星になる前に」に登場する。大手自動車メーカーを定年退職し、年金暮らしをしている男性。朝岡初子の夫で、長女は結婚し、東京の郊外で妻と二人暮らし。妻がガン宣告され、自宅で療養する事になり、妻を気遣って仙台に旅行に連れて行く。実は妻がある男性と仙台を訪れた事実を知っているのだが、妻が亡くなるまで問い質せないでいた。

三木 忍

エピソード「嫌われ星 好かれ星」に登場する。安藤明日香と同じファミリーレストランでパートをしている既婚の中年女性。明日香の恋を応援していたが、澤田雅之に興味を持っていたようで、明日香に頼まれてアルツハイマーを発症した雅之に昼食を届けに行った際、彼と体の関係を持っていた事が発覚する。

戸丸 辰五朗

エピソード「家政婦の三木」に登場する。亡くなった戸丸の父親。繊維会社に勤めていたサラリーマンの男性で、10年前に妻を亡くし一人暮らしをしていた。遺言状に、好きな女性として三木洋子の名前を記していた事から、興味を盛った戸丸は彼女が「ニコニコハウスケア」の家政婦という事をつき止める。

砂川

エピソード「同窓会星団」に登場する。商社マンの男性。5年間のフィリピン勤務を経て、日本に戻って来た。砂川和馬の父親で、フィリピン在住時に妻を交通事故で亡くしている。高校時代に初体験が未遂に終わった相手の小倉美智子と同窓会で再会し、恋愛関係となる。父子家庭となり、和馬の世話が行き届かない中、和馬が交通事故に遭い、入院してしまう。東京の大学ではボクシング部に所属し、インターカレッジで優勝するほどの実力の持ち主。

北村 秀夫

エピソード「初老星春哀歌」に登場する。三井礼子と同じテレビ局に務める40代前半の男性。礼子と不倫関係にある。礼子から中学時代に梅垣耕三からつきまとい行為にあった話を聞き、当人に会ってみようと言い出した人物。だが、妻に不倫がバレてしまい、言われるがまま礼子に別れを切り出すという軽薄な面がある。

レオナルド

エピソード「天使に星の砂」に登場する。沖縄県の竹富島でみやげ屋をしている男性。年齢は65歳。自殺しようとした河瀬まみを助けた事から、再び訪ねてきたまみと同棲するようになる。大学で宇宙工学を勉強していたインテリだが、日中は海に出て釣った魚を民宿に売るという自由な生活をしている。実は天使であり、まみに恋し、地上に堕ちる道を選ぶ。

黒岩 真美(女) (くろいわ まさみ)

エピソード「笑う星るすマン」に登場する。特定郵便局に25年間勤務する女性。年齢は50歳。容姿にコンプレックスを抱いている事から、これまで男性を自ら遠ざけて来た事を後悔している。何の変哲もない人生を変えたいとの強い思いから、自分を抱いてくれた磁気マットレスの営業マン、黒岩真美(男)に思い切って、寝具一式購入するので、オーガズムを感じさせてほしいと哀願する。

食堂の女将 (しょくどうのおかみ)

エピソード「死神ほうき星」に登場する。大衆食堂「さくら」の女将。村で唯一の堀田浩二の理解者であり、偏屈な堀田を陰ながら心配している。江部香織と堀田の仲を少し妬いていたが、のちに堀田の押しかけ女房となる。

宮脇 照子

エピソード「トゥインクル リトル スター」に登場する。東京の国立大学に通う4年生の女性。仕送りがないため、アルバイトと勉強に明け暮れる日々を送っている。作家を志望している。ずんぐりむっくりした体型で、自他共に認めるさえない容姿をしている。深夜のファミリーレストランに来ていた宇津木健介とドライブに行く事になり、彼が初体験の相手となる。

平仲 圭介 (ひらなか けいすけ)

エピソード「交錯する流星」に登場する。田舎の私立高校の数学教師を務める独身男性。年齢は66歳。京都大学出身だが、生活のためにいやいや教師をやっており、個人的にカンバーバック予想の証明に取り組んでいる。ストリッパーの吹原凛子と初めて性行為を経験し、彼女と付き合うようになる。

岸和田 久枝

エピソード「天空の星花」に登場する。5年前に出て行った岸和田隆士の妻。50代の女性。夫の浮気が激しかった事もあり、テニスコーチと駆け落ちし、関西で暮らしていた。突然、家に帰って来て、自分の権利をふりかざす自分勝手な人物。のちに、土地と建物の権利書を受け取り、隆士との離婚に応じる。

小泉 聖子

エピソード「恋のななつ星」に登場する。小さな洋服仕立て屋を営む女性。夫は失踪して行方不明で、息子の晋太の結婚式の父親役を掘信一郎に頼んだ事がきっかけとなり、彼をクルーズトレインのツアー「ななつ星の旅」に誘う。きっぷのよい、行動的な人物。

掘 千賀子

エピソード「恋のななつ星」に登場する。掘信一郎の妻。10年前に、すべてを捨てて違う人生を送りたいと家を出て行った。別のパートナーとクルーズトレインのツアー「ななつ星の旅」に参加し、信一郎と再会する。

三井 礼子

エピソード「初老星春哀歌」に登場する。テレビ局の女性プロデューサー。年齢は45歳。独身だが同じ局の北村秀夫と不倫関係にある。岐阜県に住んでいた中学時代に、当時50代だった梅垣耕三につきまとわれ、新聞沙汰になった過去がある。

チャコ

エピソード「俺の明星」に登場する。辰巳三郎の愛人だった女性。テニスコーチとの密会が三郎にばれてしまい、現場に踏み込まれ、マンションを追い出される。噓がうまい性悪女で、腹いせに中国マフィアに三郎の住所を密告する。

安藤 明日香

エピソード「嫌われ星 好かれ星」に登場する。ファミリーレストランの厨房で働く女性。年齢は50歳。高知の高校時代に恋した澤田雅之を一途に思っており、当時は雅之が好きなオムレツを猛烈に練習し、現在その腕を買われてファミリーレストランの正社員となった。気の利いた事は言えないが、大胆なところがある。雅之と再会して無事結婚するが、彼がアルツハイマーを発症してしまう。

桑原 君枝 (くわはら きみえ)

エピソード「星霊の森」に登場する。福井県の山中で入山自殺した桑原哲夫の娘。父親を見つけてくれたお礼に松井を訪ね、その後、彼と結婚。実は雪女が桑原君枝の中に入り、雪女の事を松井が他言しないよう見張っていた。君枝と雪女は別の人格だったが、長い時を経て、君枝と雪女の意思は一つになった。末期癌でモルヒネが効かなくなった松井を楽にしてあげたく、雪女と出会った事を、松井に告白させる。

園田 拓郎

エピソード「星楽のマドンナ」に登場する。鯉ヶ池ボート場の管理人を務める男性。年齢は70歳。オペラ歌手の押高葉子の大ファンで、コンサートは毎回最前列で鑑賞している。仕事は7月末日で終了し、またガン宣告を受けており、行く先に不安を抱えている。

菅原 真理子

エピソード「パルサーのように」に登場する。オーストラリアのケアンズ旅行で松岡英三と同行する事になった女性。バンジージャンプで予行演習する自殺志願者で、末期癌を患っている。当時2歳だった息子の和也が船の上から鳴門海峡のうず潮にあやまって転落した過去があり、鳴門海峡から飛び降りる事が自分にとっての贖罪だという思いが強い。10年前に夫を交通事故で亡くし、現在は独身。星を見るのが趣味。

金山 サトル (かなやま さとる)

エピソード「不輝の星」に登場する。和歌山県で魚の養殖業で成功した男性。年商5億の「金山水産」の社長を務める。両親が廃品回収の仕事をしており、貧乏だったため、皆にいじめられていた卑屈な少年だった。両親が北朝鮮に渡り、東京から和歌山県の親戚の家に引き取られた。仲良くしてくれた梶谷勝彦を慕っており、学級委員長だった戸倉衣里にあこがれていた。勝彦の小説がヒットした事で、勝彦と衣里と再会するが、勝彦から奪う形で衣里と結婚。その後、衣里が病死してから、金山優花という女性と再婚する。

祝田 宣子

エピソード「星子(せいし)のロンド」に登場する。外資系の会社に勤める女性。ぽっちゃりした体型で、髪型はショートカット。同性愛者で、かつて38歳の頃に真山きよ美と同棲していた。生まれつきの同性愛者であり、きよ美と別れてからは誰とも付き合っていない。きよ美と矢内透の結婚を知らされ、失意のどん底にいる時にチンピラに強姦され妊娠してしまうが、今後の人生の支えとなるかもしれないと出産を決意する。現在は浅草の歯科医院で助手をしており、娘と二人暮らし。

横澤 功太

エピソード「星と死の狭間で」に登場する。会社を経営者する男性。年齢は76歳で、君枝という妻がいる。昼夜問わず働き、会社の経営に成功して多くの資産を成した。愛人である宮崎ちひろのマンションで倒れ、チューブでつながれた植物状態となる。半年後に突如として意識が戻ったものの、誰にも気づかれないでいる。ケチで、人の痛みをわかろうともしない傲慢な性格だと自負している。死ぬ間際に自分の人生を振り返り、駄菓子屋のおばあちゃんと、同じ中学だった小俣志津子に関する悲しい出来事のせいで心を閉ざしてしまい、こんな孤独な末期を迎える事になったのだと、しみじみ思うと同時に、二人への思慕を募らせる。

ユカリ

エピソード「パパは優等星」に登場する。銀座でホステスをしている女性。吉村和良といっしょに暮らしている。和良の事が好きだが、学生の身分でヒモのような生活をする男性をカッコ悪いと思っており、和良にもう一度司法試験を受けさせるべく、裏で手を引いていた人物。

水田 健介

エピソード「再会流れ星」に登場する。「西部生命」新宿店の支店長を務める男性。年齢は56歳。既婚者で二人の子持ち。37年前に駆落ちした相手の西本真里ともう一度話したいと、吹田邦夫のラジオ番組に投稿し、結果的に真里と再会。自分の会社のセールスレディにスカウトし、不倫関係になる。保守的な性格で、真里が前科を告白すると手の平を返し、彼女のもとから去って行った。

南山 広志

エピソード「もんじゃ座の星」に登場する。一流企業「泰平薬品」で副社長を務める男性で、次期社長候補と目されている。年齢は58歳。群馬の乾物屋の息子で庶民出身であり、資産家の妻とは根本的にソリが合わない。経費節減に燃えており、節約トレーニングのため、週末に下町でホームレスになりきる事を思いつき、もんじゃ屋の女将、田崎貴美子と出会う。彼女には咄嗟に「北山弘」という偽名を使ってしまう。

加古川 美沙子

エピソード「未来(みく)の星」に登場する。加古川照夫の妻。息子の翔は高校生で受験を控えている。夫がリストラにあい、スナックのホステスの仕事を見つけるが、段々派手になっていき、客と浮気するようになる。

森川 洋子

エピソード「老星は死せず」に登場する。月岡と同じ料理教室に通う女性。年齢は28歳。食品メーカー「星ノ印食品」の商品で食中毒となり入院していた事から月岡の顔を覚えていた。料理教室で彼の人となりを知り、悪い人ではないと判断する。父親を早くに亡くした事から、年上の月岡に優しく接し、悪気はないが思わせぶりな態度を取ってしまう。

草加 登 (くさか のぼる)

エピソード「過去から星還」に登場する。定年後の人生を過ごしている男性。二人の子供は社会人で、妻と二人暮らし。端島出身で、成績がよかったため、外の県立高校に通っていた。当時、貯炭ベルトコンベアーの第3支柱の下で、年上の倉橋照子と密会を重ねていたが、照子が人を殺してしまい、彼女とはそれきりになった。学生運動で刑務所に入っており、その後、職を転々として中古車販売の会社に落ち着き、結婚。今でも照子の事が気に掛かっており、一人端島を訪れる。

金子

エピソード「嶺上(リンシャン)恒星」に登場する。警備会社で夜警の仕事に就いている独身男性。ダンス教室で望田みつ代と知り合って男女の仲になるが、老人麻雀サークルでいっしょになった吉沢麗子に猛アタックを開始する。昔は「名古屋のカネケン」と呼ばれたプロの雀士で、薗田長治にイカサマを見破られ、ドスで右手を刺された過去がある。

中津川 修三

エピソード「社長の星春」に登場する。総合スポーツメーカー「フォーイースト」の代表取締役を務める男性。年齢は59歳。団塊の世代の人間で、硬派。会社が敵対的買収の危機に瀕し、社長の座も長くはないという気持ちで訪れた夜の街で、イメクラ嬢のヒロコと出会い、店外デートする間柄になる。専務の前田洋介の裏切りにより、自社が「サイキ産業」に吸収合併されてしまう。

戸倉 衣里

エピソード「不輝の星」に登場する。梶谷勝彦の妻。小説家として売れなかった夫をスーパーのパートで支えていた。勝彦と金山サトルとは幼なじみであり、当時は学級委員を務めていた。気が強く、仕事が忙しいという理由で人の気持ちをわかろうとしない勝彦に嫌気がさし、ずっと自分を思っていたサトルに自ら迫って関係を持ち、勝彦と別れる。

野田 元彦

エピソード「恋の星乱れ星」に登場する。事務機メーカーに勤める一般的な会社員の男性。都議会議員の野田マリ子の夫。マリ子とは愛知県立緑風高等学校時代の友人であり、大学で付き合い始めた。マリ子が多忙なので、コンビニ弁当かカップラーメンというわびしい食生活を送っている。もっと違う人生があったのではと黄昏ていた時、返し忘れていた本から同じ高校だった杉田みどりからのラブレターを発見、彼女と同窓会で再会し不倫関係となる。

高澤 侑子

エピソード「星降るホテル」に登場する。東京芸術大学ピアノ科を首席で卒業したピアニストの女性。数々のコンクールで賞を取った実力者。クラッシックにこだわりが強く、ホテルでピアノを弾くアルバイトをしながら、年に1度のリサイタルにすべてを賭けている。25年前、同じピアノ科の関本麻美に紹介された関本潤と、麻美には内緒で付き合っていたが、30歳の頃に別れた。ホテルのマネージャー、仰木と付き合うようになり、彼の勧めで演奏にジャズを取り入れるようになる。

郡山 (こおりやま)

エピソード「3つ星ピッツェリア」に登場する。真矢里於子の家の近所のイタリアンレストランで働く若い男性。さわやかな外見のイケメンで、店の従業員からは、里於子に気に入られている事をからかわれている。

稲田 遼介

エピソード「未来予想図 星団」に登場する。斎場の総務部長を務める男性。年齢は55歳。ゲイで、大学生時代の彼と20年近く付き合っていた。その彼がバイセクシュアルで結婚してから、パートナーはいない。レズビアンの山城可奈子と所得税減税対策として、偽装結婚する事になる。のちに、となりに越して来た浜岡が以前付き合っていた男性だった事に驚く。浜岡の前ではオネエ言葉になる。

戸丸

エピソード「家政婦の三木」に登場する。定年まであと3年の警部の男性。戸丸辰五朗の息子。上からの命令を平気で無視するアウトローで、強引に事件を解決する優秀な刑事。問題行動を起こさないようにと、犯人護送の仕事に回される。父親の辰五郎が好きだった三木洋子という家政婦に興味を持ち、自分も洋子に来てもらうよう手配するが、彼女の心のこもった仕事ぶりに感心し、次第に惹かれていく。警察の同僚からは「トマさん」と呼ばれている。

哲夫の妻

エピソード「邂逅する惑星」に登場する。狭山哲夫の妻。地味で優しそうな女性。夫の愛人だった鶴間良子が哲夫の不倫写真を送りつけた事から、夫と入間川節子の関係を知ってしまう。その後、節子に半年以内に別れてくれたらいっさい不問にすると通告する。

河野 さくら

エピソード「星の流れのように」に登場する。カフェで派遣のアルバイトとして働く独身女性。年齢は28歳。河野典子の娘で、水商売のシングルマザーの子供として育った。恋人の亮太にふられ、才能やキャリア、お金もなく、若さも失いかけていると落ち込んでいる。だが、カフェに毎朝現れるおしゃれな老紳士の手島耕二に心癒され、彼を男として意識するようになる。だが、母親が昔に手島と関係があった事を知ってしまう。

前田 洋介

エピソード「社長の星春」に登場する。総合スポーツメーカー「フォーイースト」の専務取締役を務める男性。中津川修三のワンマンな経営を嫌い、彼を陥れるべく「サイキ産業」の代表取締役、斉木拓郎に「フォーイースト」の吸収合併を持ちかけた人物。

宮本 多久郎

エピソード「流星メール劇場」に登場する。雑誌「週刊ゴールド」の契約カメラマンの男性。長めの髪に丸メガネをかけた穏やかな人物。緒方亮の仕事仲間で、取材で知り合った上松夕紀子と亮と三人で集まる仲になる。だが、結婚してグループから抜けるものの、友妃子とのあいだに何があったかは明らかではない。

マリアン

エピソード「家政婦の三木」に登場する。戸丸のなじみのソープ嬢。年齢は36歳。戸丸を気に行っており、店外デートする間柄になる。警官の仕事を心底尊敬しており、のちに戸丸にプロポーズする。自分の本名「菅原ヨネ」は古臭いので身内にしか明かさないと決めている。

マスター

エピソード「星界哀歌」に登場する。喫茶店「らんぷ」のマスターを務める男性。いつも競馬新聞を読みふけっており、小坂田朋子が店によく通っていた28年前は40歳位だった。毎回、政治論争をふっかけてくる朋子を軽々と論破してしまうほど頭がよく、朋子の初体験の相手でもある。参議院議員となった朋子が訪れた際には、朋子の慢心を諭して体の関係を持ったが、後日、10年前に亡くなっていた事が判明する。

江口 英之

エピソード「星よりの使者」に登場する。広大な土地を保有する資産家の男性。元公務員で、年齢は77歳。息子の江口の家族と同居している。1年前に妻を亡くし、元気をなくしていたが、息子が仕掛けた谷村緋沙子との出会いにより、男として心身共に復活する。ただの堅物だと息子には思われていたが、紳士的かつ男らしい態度で緋沙子のハートを摑み、結婚に至る。

宇多川 象山

エピソード「武士の星空」に登場する。大川原藩の中流武士の男性。宇多川陸の夫。剣の腕は無双という自負を持つ達人で、何よりも面子を気にする性格。以前に町奴に絡まれ土下座した三日月藤十郎に制裁を加えようとした際の、彼の身のこなしを相当な手練だと見て、藤十郎の過去に興味を抱く。夫婦仲は悪く、妻に手を上げる事も多い。また衆道という噂があり、のちに三日月矢太郎への好意を打ち明ける。

池澤

エピソード「星の交差点」に登場する。桜田の大学時代の友人の男性。西北経済大学の教授をしている。25年ぶりに会った桜田に「夫婦交際組織(サークル)」の存在を教えた人物で、夫婦でお互いの性行為を見て興奮する事に生きがいを見出している。

等々力 洋子

エピソード「流星スケッチクラブ」に登場する。フランス語の翻訳業をしている女性。老女三人で結成した「スケッチクラブ」の一員。年齢は67歳。公務員の夫と20年前に死別し、現在はアパートで一人暮らしをしている。頭がいい事を自慢する一面がある。

梅澤

エピソード「オーロラ星空シンデレラ」に登場する。アラスカでツアーガイドをしている男性。オーロラを見て人生観が変わった事から、20年この地に住んでいる。男っぷりがよく、若い頃は関西の暴力団の一員だった。当時、若頭と共に敵対する組長の命を取りに行ったが、組長を殺害した若頭は、拷問されて殺害された。その事から、敵の組に梅澤の名前を吐いた可能性があり、逃亡の末アラスカにたどり着いた。

野島 修

エピソード「崩壊する星域」に登場する。司法浪人生の男性。野島と野島紀子の息子。年齢は24歳。ファミリーレストランのアルバイトで知り合った関谷花苗と付き合っている。父親の事が大好きで、母親の不倫現場を目撃したせいで母親を忌み嫌っている。花苗に別れを告げられ、飛び降り自殺を試みるが、命に別状はなく、左足を切断。その後、花苗と結婚して康介が生まれ、司法試験にも合格。数年後、静脈瘤破裂で急死するが、その際、父親と花苗がいっしょにいたのを知っているとのうわ言をつぶやいた。

狭山 哲夫

エピソード「邂逅する惑星」に登場する。入間川節子がワインのサイトを通じて知り合った既婚男性。節子の夫だった入間川憲一と瓜二つであり、のちに児童養護施設で先に養子にもらわれた憲一の弟であった事が発覚する。節子と不倫関係になるが、節子への本気度に気づいた鶴間良子の嫉妬により、節子の存在を哲夫の妻にばらされる。

歌川 恭子

エピソード「星謐の庭」に登場する。歌川照夫の娘。母親は12年前に亡くなっている。バツイチの女性。ロングヘアの美人で、ドイツ人と結婚し、15年間ドイツに住んでいた。離婚の際、父親と連絡がつながらなかった事をきっかけに警察が調査を開始し、ミイラ化した遺体となった照夫が発見された。父親の遺品の整理で、大澤静枝を隠し撮りした写真を見つけ、大澤義一と共に、二人のあいだに何があったのかを調べる事になる。

従業員 (じゅうぎょういん)

エピソード「星田一夫さんの幸福」に登場する。星田一夫が勤める「ナカジマ製材」で働く若い男性。中島と共に行動する事が多い。口は悪いが優しい性格で、命が長くない星田にもう一度リカに会わせようと、中島に提案した人物。さっぱりしたしょうゆ顔で、語尾に「ッス」と付ける話し方をする。

村井 麗

エピソード「薔薇の刺星」に登場する。マンションの清掃の仕事に就いている中年女性。若い頃、喫茶店でアルバイトしながら詩集を売っていた時に医学生の真田満と出会い、同棲する。詩人のリルケが好きで、満と同じ「世界」に入って行きたいと、内腿に薔薇の刺青を入れるほど、満を愛していた。仕事中に満に似た男性を見つけ、彼が近所の病院の整形外科医である事をつき止める。

瀬戸 いずみ (せと いずみ)

エピソード「誰の星でもありゃしない」に登場する。フリーライターの女性。年齢は43歳。瀬戸あや子の娘で、母一人娘一人で暮らして来たが、母親が高齢者ホームに入居し、一人暮らしとなる。20代後半の頃より、たびたびセクハラまがいの扱いを受けており、男性不信でやや被害妄想が強い。

三木 洋子

エピソード「家政婦の三木」に登場する。家政婦派遣会社「ニコニコハウスケア」に所属する中年女性。戸丸辰五朗の家に家政婦として派遣されていた。父親の家に引っ越した戸丸に指名され、彼の世話をする事になる。美形に加えて、きめ細やかな仕事ぶりで料理上手。のちに、あるカルト教のメンバーで指名手配されている笹森健一という男性を匿っている事が判明する。

田渕 雄介

エピソード「雨夜の惑星」に登場する。腕のいい報道カメラマンで、精悍な顔立ちの中年男性。仕事が忙しすぎるという理由で妻の田渕遼子に愛想をつかされ、妻を待っていたワインバーでエレーナと出会って一夜を共にする。

瀬戸 あや子 (せと あやこ)

エピソード「誰の星でもありゃしない」に登場する。瀬戸いずみの母親。母一人娘一人で暮らして来た。年齢は72歳。東映の時代劇に出ていた大部屋女優だった事で、他人に囲まれて暮らす方が性に合っていると、高齢者ホームに入居。ホームでいっしょだった内海幸弘と結婚する事になるが、式の直前に痴呆状態になってしまう。

麦藁帽子の女性

エピソード「星になる前に」に登場する。青い麦藁帽子をかぶった女性。朝岡源六の家をのぞき込んでいた。朝岡初子と不倫関係にあった男性の妻。夫が亡くなり遺品整理していた時に、初子からの手紙を見つけ、その住所を訪ねて来た。夫が手紙を大切に保管していた事をくやしがっているが、源六とはお互い好印象だったようで、その後、食事に行く事になる。

鑪 純平

エピソード「新生活を求めて」に登場する。「たたら歯科クリニック」の院長の歯科医の男性。感じのいいハンサムな歯医者で独身。若い頃はプレイボーイで、小川昌代と何度か関係を持ち、彼女の妊娠を知って彼女の前から去った過去がある。昌代とは、歯科医と患者という形で再会。

月岡 千明

エピソード「星食に逢う」に登場する。大学の研究員の女性。月岡進の娘で、国立大学の理学部に進学した才女。母親を高校3年生の時に亡くしている。利発でおとなしく、心の優しい人物。研究室に化学薬品を届けてくれる会社のドライバー、下田直己と結婚した。

巻田 公一

エピソード「惑星同期会」に登場する。大手出版社「集学社」で敏腕編集長だった男性。パワフルでワンマンな性格で、不倫関係にあった村江香織に会社を作らせ、仕事をまわしていた。退職し、香織の会社に監修人として無理やり参入したが、大企業の体質が抜けきらず、社員に不快な思いをさせてしまう。それを自覚し出した頃、脳梗塞で倒れる。

立花

エピソード「性星活の知恵」に登場する。70歳手前の老婦人。21歳で立花造船の二代目でバツイチの男性と結婚するが、夫婦関係がほとんどなかったので、淋しい思いをしていた。その頃、宅配の仕事をしていた兼子健一を自宅に連れ込み、「性生活の知恵」という本を参考に性関係を楽しむようになる。夫は外に子供がいたため、自分が女性を妊娠させる能力がないとは露ほども思っておらず、それが幸いして、兼子の子供を育てていた。その息子が入っている府中刑務所に向かうタクシーで兼子と再会する。

上杉 かおる

エピソード「星空研究会」に登場する。家電メーカーのショウルームで調理器具の実演販売をしていた女性。城北大学1982年卒業の仲間で結成した星オタクのサークル「星空研究会」に、3年間属していたマドンナ的存在だった人物。風間俊介達の3年後輩。美人で性格がよく、サークルの四人の男性全員に好かれていたが、ある日突然消息を絶った。

漆原 元彦

エピソード「ミザリーの星」に登場する。超売れっ子のハードボイルド作家の男性。年齢は50歳。締め切りを守らない作家として編集部では有名。数年前から男としての機能が果たせなくなり、気落ちしている。自身のファンを名乗る横井ひとみとの一夜で、性的不能が改善された事から、彼女に夢中になる。

植田

エピソード「星を追いかけて」に登場する。加瀬洋子が運転するタクシーの客となった独身男性。50歳過ぎの寡黙でダンディーな人物で、自称サラリーマン。駅から辺鄙な町に下りるルートを洋子が送り迎えするようになり、洋子からデートに誘われ男女の仲になる。実は脱獄犯の達川公一を捕まえるべく張り込みをしている刑事。

新庄 テイ子

エピソード「汝が星は永遠に煌めく」に登場する。シルバー人材派遣センターから寺嶋の家に家政婦としてやって来た女性。年齢は60歳。寺嶋のために、時間を度外視してかいがいしく世話を焼く。実は寺嶋家の世話になっていた小作人の娘で、小作人を差別しない寺嶋を恋慕していた。その気持ちは今も変わっていない。結婚した新庄光五郎が働き者のやり手だったため、中堅の工作機材メーカーの会長夫人となり、豪邸で暮らしている。

三田 慶太郎

エピソード「一途の星」に登場する。当代フェロモンナンバー1と呼ばれた人気俳優の男性。本名は「平松建一」。インキュバスと顔が似ており、相良房枝が追っかけをするようになる。引退後、武蔵野市の一軒家で息子と生活を送るが、介護が必要な身となってしまう。スターだったので、わがままな態度を取りがちだが、房枝が介護士として住み込みで働き、献身的に尽くした事で、徐々に優しくなり活気を取り戻していく。

新之塚 てい (しんのづか てい)

エピソード「星がりません勝つまでは」に登場する。高齢者養護施設「ほのぼのホーム」に入所している高齢の女性。いつもうさぎの世話をしている慎み深く穏やかな人物。後藤完治にやり込められて落ち込む片岡俊彦を優しく励ますが、先の事を見通しているようなアドバイスをする不思議な面がある。

石原 昭彦

エピソード「星霊の巨石」に登場する。「石原クリニック」の院長を務める男性。高村の友人であり、彼からオカルト現象についての相談を持ち掛けられる。彼の洋館で実際には考えられない事態に遭遇し、医者の自分が解決できる領域ではないと恐れをなしてしまう。

江部 香織

エピソード「死神ほうき星」に登場する。東京で栄養士の学校に通っている女性。年齢は22歳。農業体験をしたいと休学しており、住み込みで堀田浩二の「堀田ファーム」で働く事になる。星好きで彗星に詳しい。やがて堀田と男女の仲になるが、実は、その正体はアイソン彗星に乗ってやって来た死神。堀田の命と引き換えに彼の望みを叶えたが、彗星が消滅してしまい、堀田の命を取る事なく去って行った。

片岡

エピソード「我が星の果てるまで」に登場する。佐竹の高校時代の恩師の男性。山口県に住んでいる。頭頂部が禿げたユーモアに富んだ老人。多感な高校時代の佐竹をよく家に招いていた。妻が佐竹と一度だけ間違いを犯した事を知っているようで、佐竹を自殺した妻の仏壇に案内した。

矢内 透

エピソード「星子(せいし)のロンド」に登場する。精子提供サービス「パーフェクトカップルドットコム」の会員の男性。内科医院を開業している医者で、そこそこのイケメン。祝田宣子と真山きよ美のカップルへの精子提供者となったが、自然受精する内に、きよ美を愛するようになり、結婚する。女性不信から恋愛できなかったが、トラウマを克服したのちに外に女性を作り、きよ美とは2年で離婚した。

入間川 節子 (いるまがわ せつこ)

エピソード「邂逅する惑星」に登場する。丸の内で働くOL。年齢は41歳。15年前に夫の入間川憲一を飛行機事故で亡くしている。以降、亡き夫に操を立てていた。だが、趣味のワインのサイトで知り合った「コークスクリュー」という男性が夫と瓜二つだった事から、真相を探るため、狭山哲夫と名乗るその男性と男女の仲になる。

片桐 久美子

エピソード「星霜の彼方」に登場する。息子夫婦と同居する女性。年齢は62歳。左眼もとにホクロがある。夫は脳梗塞で倒れ寝たきりになり入院している。32歳の時、息子のゲームソフトを購入するために行列に並んだのがきっかけとなり、徳田周一とランチを楽しむ間柄になる。一度だけ彼と関係を持つが、罪悪感に苛まれ、30年後の敬老の日に会う約束をして別れた。

片岡 俊彦

エピソード「星がりません勝つまでは」に登場する。外交官だったエリートの男性。順風満帆の人生だったが、息子の事業の失敗により、無一文になる。妻も亡くし、息子とアパート暮らしをしていたが、息子の彼女が同居する事になり、故郷の栃木県で高齢者養護施設「ほのぼのホーム」に入所。そこで幼なじみの後藤完治から理不尽ないじめに遭い、優しくなぐさめてくれた新之塚ていに惹かれていく。完治から「トシ」と呼ばれている。

時田 亨介

エピソード「さ迷う惑星」に登場する。ある会社の部長を務める男性。年齢は53歳。仕事人間である事が災いし、怒った勢いで血圧が上がり、心筋梗塞で倒れる。その際、幽体離脱してしまい、家族が自分の保険金が下りる事を期待している様を見て、ひどく失望し、町をさ迷う事になる。その時、自分と同じく幽体離脱した村尾多津子と出会う。彼女との再会を約束し、自分の体に戻り、新たに生き直す道を選択する。

野島 紀子

エピソード「崩壊する星域」に登場する。野島の妻。野島修の母親。能楽師の観生元彦と不倫関係にあり、修が学生時代に不倫現場を目撃されている。修が弁護士になったのを機に、野島に離婚を切り出す。家族に関心がなく、なぜ修に毛嫌いされているのかも理解していない様子。

山城 可奈子

エピソード「未来予想図 星団」に登場する。レズビアンの女性。勘がするどく、男勝りな性格。斎場で知り合った稲田遼介を一目でゲイだと気づき、彼に所得税減税対策として偽装結婚を持ち掛け、結婚する。以前は銀座のホステスで、店のママと恋人関係にあった。店を辞め、ママと蕎麦屋を始めるに至ったが、ママが亡くなり現在休業中。

入間川 宏

エピソード「五里霧の星域」に登場する。小さな広告代理店を経営している男性。昔は女性にモテた好男子だったが、今では見る影もなくなっている。県立正賀高等学校の昭和41年の卒業生で、当時、仲のいい友人で結成した秘密結社「五里霧中」のメンバー。想念が現実化してしまう「五里霧の町」に「五里霧中」のメンバー達と迷い込み、初体験の相手・立川のヤクザ者の父親に銃で追いかけ回される。現実世界では自分の会社が不渡りを出してしまい、「五里霧の町」に戻る事を決意する。

苑田 久美子

エピソード「星空のタンゴ」に登場する。銀座のクラブのチーママだった女性。年齢は65歳。北野とは30年来の愛人関係にある。少々無神経でガサツな性格だが、相手に負担を掛けないよう気遣いできる優しい一面がある。40歳でホステスを辞めて一時的に保険の外交員となり、北野をはじめ、多数の客から契約を取り付けた。アクティブでゴルフや水泳も得意。

ヒロコ

エピソード「社長の星春」に登場する。新宿でイメクラ嬢のアルバイトをしている大学4年生の女性。昭和の雰囲気漂うアパートの一室という設定で、客として訪れた中津川修三に出会い、店外デートする間柄になる。大嫌いな父親の斉木拓郎に反発する意味合いで、イメクラのアルバイトをしている。本名は「斉木めぐみ」。

真山 きよ美

エピソード「星子(せいし)のロンド」に登場する。私立の女子高校の女性教諭。髪型はロングヘア。35歳の時、祝田宣子と同棲していたが、医師の矢内透から精子提供を受けるために確実な自然受精を選び、矢内を愛するようになる。もともとは祖父に性器をのぞき見られていた事がトラウマとなり、異性恐怖症に陥った。宣子と別れ、矢内と結婚し、健太という子供ができたが離婚。その後も再婚に失敗している。現在の姓は大島。

峰岸

エピソード「守護星奇譚」に登場する。三浦の近所の豪邸に住む女性。目元にホクロのある美人妻。新宿のホテル街で売春しており、三浦はその常連客となる。未婚だが子供を生んだ事があるという謎の人物で、自分にとって敵か味方か判る能力を持ち、邪悪な気持ちの権化である死神を見分ける事もできる。実は、三浦家の法事の際、三浦の曽祖父である藤右エ門の家に雇い入れられ、三浦の祖父を生んだフジという女性だと判明する。三浦にとっては曽祖母にあたる人物。

七星 新也 (ななほし しんや)

エピソード「君こそ星(スター)だ」に登場する。アイドル歌手としてデビューして40年になる男性歌手。独身で、年齢は58歳。美波浜温泉郷の旅館「濱屋」で1か月間ステージに立っている。頭頂部は薄くなっているので、ステージ上ではカツラをかぶっている。本名は田中実。仲居の矢部京と男女の仲になり、彼女を暴力夫から守るべく奔走する。

老人

エピソード「守護星奇譚」に登場する。隅田川の側にいる三浦の前にいつも現れる不気味な男性。髪が薄く、黒目だけの瞳をしている。峰岸によると、老人は死神で、死にたい気持ちを持っている者を積極的に死に誘い込もうとし、三浦をターゲットにしている。

野々山 徹夫

エピソード「ソドムの星」に登場する。大企業「オリエンタル総合」の人事部長を務める男性。年齢は53歳。既婚者で子供もいるが、妻とは20年近く性交渉がない。新宿のゲイバー「安野」のホステス、滝満夫に誘われゲイの道に足を踏み入れた事で、本当の自分を見つけた喜びを感じ、「安野」のバーテンダーとなる。しかし自分の人生を取り戻そうとして暴走し、タイでゲイのダンサーに騙され重傷を負う。

与野 ゆかり

エピソード「萬代星の女」に登場する。新潟県のスナック「シークレット」のホステス。ショートカットの美人で、在日韓国人を自称している。実は北朝鮮のスパイであり、技術畑のエンジニアを韓国で働かないかとスカウトし、ソウルから北朝鮮へ送る使命を担っている。性技に長けており、色仕掛けで日本人男性を誘惑するのが常套手段ながら、川口咲平だけは北へ拉致する直前に逃がした。

真崎 茂

エピソード「極北に星光る」に登場する。25年前、藤田奈々枝にカードに手を触れないで、頭に浮かんだカードを当てるというマジックを披露した男性。奈々枝をレイプ犯から守り、犯人を一人殺してしまい網走刑務所に服役していた。その後も網走で暮らしている。実は相手に幻覚を見せ、自在にあやつる事ができる超能力者であり、17歳の時にその能力を封印し、以降、能力は試すために使う程度に抑えていた。当時から奈々枝を思っていたが、レイプ犯と格闘したあとに奈々枝を犯してしまい、自身の能力を使ってその事を奈々枝の記憶から消したという秘密を抱えている。

悪魔

エピソード「星鵠を射る」に登場する。屋台のおでん屋の主人の男性。その正体は悪魔であり、顔が長く、額が広くアゴが出ている。大阪の「守口中央産婦人科」で1961年6月19日に生まれた五人の内、四人の人間が殺人事件を起こしている、と気づいた小日向透に挑戦するかのように、五人目の人物、青木美加を巡り合わせた張本人。1961年6月19日生まれの人間が誕生した時や、殺人事件を起こした現場の写真に、同じ姿で写り込んでおり、歳をとった様子がない。

沢口 雅美

エピソード「悪霊の星」に登場する。辻啓介が経営する税務会計事務所で取締役を務める女性。23歳で入社し、26年間愛人として啓介の側にいたが、最近、取引先の社長と付き合っている様子。

吉村

エピソード「パパは優等星」に登場する。県庁勤めのまじめな男性。吉村和良の父親。東京で和良が「カズ子」というホステスとして働く店に行き、カズ子に一目惚れする。その後もカズ子に紳士的に接しつつ、ふがいない自分自身を赤裸々に語り、息子への思いを吐露する誠実な人物。

小鴨 (こがも)

エピソード「京都星宿」に登場する。京都の芸者だった女性。本名は「菊元和美」。芸妓だった時に、桧垣大造の愛人となり、優子という子供を生んだ。現在は京都でバー「DUCK」のママを務めている。誠実な大造を本気で愛していたが、昨年大造に安井金毘羅宮という縁切り神社で別れを告げられていた。桧垣光子と京都で会い、のちに大造の新盆に誘われ酒を酌み交わす内に、奇妙な友情で結ばれる。

おばあちゃん

エピソード「星と死の狭間で」に登場する。駄菓子屋を営んでいた高齢女性。植物状態となった横澤功太が、死に際に人生を振り返った時に思い出した人物。キャラメルを万引きした10歳の功太を優しく許してくれた事がある。東京大空襲の際に梁の下敷きになり、助けようとした功太の尽力むなしく亡くなった。

三波 さつき

エピソード「厭星(えんせい)漫画家」に登場する。オダ家康の漫画の女性主人公。ロングヘアの美人。殺し屋とキャバ嬢の古色蒼然とした恋愛ドラマ「新宿ラブストーリー」から現実世界に現れた。以前の記憶がなく、アフターの誘いを受けたのは家康を本当に好きだったからだと思い込み、彼と体の関係を持つ。

戸部 すず子

エピソード「天空の星花」に登場する。岸和田隆士の家の家政婦となった50代半ばの女性。商業高校を卒業し、金融機関に勤めていたが。早くに父親を亡くしており、働き詰めとなった母親が糖尿病となり、介護のために会社を辞めた。生活のため、近くのスーパーでパートとして働いていたため、結婚はおろか恋愛する暇もなかったという苦労人。隆士と初めての性体験を持つ事になる。

入間

エピソード「萬代星の女」に登場する。携帯端末の会社に勤務していた男性。額が薄くなりかけており、アゴが長い。昭和45年度卒の三田大学理工学部の同窓会に主席し、その時に川口咲平が一目惚れした女性を探そうという話になり、戸田信介も含めた三人で新潟旅行に行く事になる。旅行ではロシア帽をかぶるなど、ユニークなところがあるが、旅行後にいち早く与野ゆかり達のスパイ活動に気づいた、勘の鋭い人物。

見城 (みしろ)

エピソード「ある一族の星域」に登場する。外食産業トップである東郷グループの会長、東郷のお抱え運転手の男性。年齢は50代半ば。26歳から30年間、会長の運転手を務めたが、会長の死後、東郷一郎の運転手となった。慎重で用心深く、大事な用件はボイスレコーダーで録音している。東郷家の人間を距離をおいて観察しており、東郷家の異様な空気の中、東郷美鈴とは同じ位置にいるように感じ、彼女に惹かれていく。美鈴と男女の関係になり、のちに立山の別荘で暮らす事になる。

三浦

エピソード「金星症候群(きんぼしシンドローム)」に登場する。定年退職して1年が経った男性。ヘビースモーカーであり、同年代の友人達から禁煙を勧められている。公園のベンチで出会ったミステリアスな美少女の水森美生に恋してしまう。

村上 由美

エピソード「白色矮星のあなた」に登場する。航空会社で葛城辰彦の秘書を務めていた女性。のちに彼の愛人となり、いっしょに暮らし出した。一見、普通のおばさんだが、控え目でそこはかとない魅力がある。辰彦が亡くなった事を、弟の葛城邦彦に連絡して以降、遺品整理に訪れるようになった邦彦と交流を深めていく。

山田 修三

エピソード「星空研究会」に登場する。中小企業の経理部長を務める男性。バリバリ働くタイプではなく、大手金融機関をリストラされた。城北大学1982年卒業の仲間で結成した星オタクのサークル「星空研究会」の一員。3年前に妻に逃げられ、高校生の息子と二人暮らしをしており、「星空研究会」では料理を担当している。

内海 幸弘 (うつみ ゆきひろ)

エピソード「誰の星でもありゃしない」に登場する。内海亮平の父親。年齢は74歳。高齢者ホームで瀬戸あや子と知り合い、結婚する事になった。女優だったあや子の大ファンだったため、あや子の面倒を見る事が自分の幸せだと、痴呆状態となった彼女と予定通り結婚する。

高藤 愛 (たかとう あい)

エピソード「俺の明星」に登場する。「ASK45」というアイドルグループに所属する若い女性。髪型をツインテールにしている目の大きな美少女。純粋で正直であり、ファンを名乗る紳士的な辰巳三郎に好感を持つようになる。

黒岩 真美(男) (くろいわ まさみ)

エピソード「笑う星るすマン」に登場する。磁気マットレスなどの健康グッズを扱う「アルデバラン商事」に勤務する男性。以前は中堅の金融機関に勤めていたが、倒産して妻とも離婚した。人がよく、市場価格よりかなり割高な商品を売りつけるセールスに罪悪感を持っている。自分と同姓同名の客、黒岩真美(女)を抱いた事により、寝具一式を購入するので、オーガズムを感じさせてほしいと懇願され、彼女にセックスの手ほどきをする事になる。

松木 あかね

エピソード「オーロラ星空シンデレラ」に登場する。カウンターバー「あかね」のママを務める女性。30歳の頃、パトロンの竹之内と知り合い、15年以上関係は続いていたが、オーロラツアー直前に竹之内の妻に関係が知られてしまう。あっけらかんとした明るい性格で、喜怒哀楽が激しく、我がままで大胆。ツアーガイドの梅澤に厳しく叱咤された事から、彼に惚れてしまう。

竹之内

エピソード「オーロラ星空シンデレラ」に登場する。頭が禿げた高齢男性。松木あかねが店の権利を買う時の保証人となったパトロン。店では1か月で100万円ほど使っていく。あかねのためにオーロラツアーに申し込むが、直前に妻に関係を知られ、自分は欠席する。

森尾 英介

エピソード「極北に星光る」に登場する。赤坂でマジシャンをしている男性。藤田奈々枝の小料理屋「なな」の常連客。奈々枝から魔法のようなカードマジックをする真崎茂についての話を聞き、マジックの秘密を探るべく彼の住む網走へと向かった行動派。網走のスナック「ぜんぜん」でマジシャンとして働きながら、「ぜんぜん」のママの部屋で同棲し、真崎や西山源介と交流を深めていく。

滝 満夫

エピソード「ソドムの星」に登場する。女装したオカマ。新宿のゲイバー「安野」のホステス。年齢は45歳。源治名は「セバスチャン」。年を食ったオカマの悲哀を日々感じていたが、ゲイバー初体験の野々山徹夫が潜在的な同性愛嗜好だと気づき、ゲイの世界に引き込む。徹夫が失われた自分を取り戻しにタイへ旅立ち、重傷を負った事から、昼間の仕事に転職してまで彼の面倒を見る献身的な性格。

柿澤 真理子

エピソード「帰らざる星春」に登場する。歯科医院でアルバイトしている女性。左眼の下にホクロがある。年齢は45歳。お笑い芸人「イカドックリ」の付き人をしていた人物で、イカヤマと付き合っていた事もあったが、女性が複数いるイカヤマより、最終的に不器用なゲソスケを選んだ過去がある。イカヤマには「カッキー」と呼ばれている。

熊代

エピソード「輝ける晩星」に登場する。小さな地方都市で「熊代小児科」を経営する医師。10年前に離婚している独身男性。口ひげを蓄えた、温厚で気遣いのできる人物で、医院で働くようになった井川美智子を寿司に誘う。

南原 春彦

エピソード「游星萌ゆ」に登場する。東都大学の教授を務める独身男性。年齢は50歳。実家は古くからの資産家で、母親が教育熱心すぎたせいで、女性に苦手意識を持つ。世間知らずで、人を疑う事を知らない純粋な面があり、喫茶店だと思い入ったメイドカフェで堀井マキに恋してしまう。

ゲソスケ

エピソード「帰らざる星春」に登場する。町工場に勤めている男性。お笑い芸人「イカドックリ」のメンバーだったが、コンビ解散後に芸能界を引退した。パチンコが唯一の楽しみで、仕事が長続きしないダメ男。社会で上手く生き、金を稼ぐ事が苦手。勘のするどいところがあり、控えめな優しさが持ち味でもある。

小川 昌代

エピソード「新生活を求めて」に登場する。結婚生活20年で、夫からいきなり離婚を切り出された女性。知り合いのいない町で一人暮らしを始めた。ぽっちゃり体型で、嫌な事はすべて忘れる性格。若い頃、何回か体の関係を持ち、自分を捨てた男、鑪純平と、歯科医と患者という形で再会する。彼との間にできた子供を堕胎したせいで、子供の産めない体となった。

小日向 透

エピソード「星鵠を射る」に登場する。警視庁を定年退職した男性。年齢は63歳。「日本犯罪研究所」に再就職した。捜査一課の元敏腕刑事であり、拳銃の腕は確かで、オリンピックのフリーピストル銅メダリストとなった過去がある。妻を亡くしてから、一人暮らしだったが、屋台のおでん屋で出会った青木美加と意気投合し、同棲を始める。殺人事件のデータ作業中、大阪の「守口中央産婦人科」で1961年6月19日に生まれた五人の内、四人が殺人事件を起こしている事に気づき、同棲相手の美加が同じ日に同じ病院で生まれた五人目の人物だと知る事になる。

英 恵理 (はなぶさ えり)

エピソード「走れ!彗星ランナー」に登場する。末永武に育てられた女子マラソン選手。オリンピックの金メダリスト。現在はマラソン解説者をしている。末永との師弟愛が不倫関係となり世間をにぎわせた過去がある。鮎川奈々を育てている末永を訪問した際、彼と再び男女の仲になる。

三宮 源太 (さんのみや げんた)

エピソード「再星エボリューション」に登場する。フリーのスポーツ記者の男性。衣装持ちのプロ野球選手から大量のブランド服を譲り受けるので、大城由美子のリサイクルブティックに通うようになった。サングラスにスカーフェイスであり、一見怪しい人物に見えるが、サングラスを外すと由美子の元夫の宮里晃にそっくり。由美子とデートする間柄になり、新潟出身だが沖縄の方言がとっさに出た事で、由美子は三宮源太はやはり晃ではないかとの確信を深めていく。

金山 優花

エピソード「不輝の星」に登場する。金山サトルの後妻となった女性。梶谷勝彦のファンだった事からサトルと意気投合し、結婚するに至った。元看護師であり、サトルからは自分が死んだら勝彦の世話をしてほしいと頼まれており、サトルの遺言状を手に、勝彦のもとを訪れた。サトルがどれほど勝彦を慕っていたかをよく知る人物。

真野 あさみ (まの あさみ)

エピソード「我が愛しの剣星」に登場する。広告代理店「帝国広告社」に勤務する40代の女性。上司との不倫が妻にばれた事から、会社を辞め、大好きな宮本武蔵一筋に生きようと決心。武蔵の墓参りに行った際、1632年(寛永9)にタイムスリップして武蔵と出会い、いっしょに過ごすうちに、男女の仲になる。美術大学出身であり、武蔵の書や絵にアドバイスをする。武蔵には「あさ」と呼ばれている。

財部 満夫

エピソード「スターのままで」に登場する。新宿の靴店に勤務する男性。既婚者で、アイドルデュオ「コメッツ」のマネージャーを務めていた。実直で穏やかであり、我儘な上原ヒカルの事をすべて受け止めてくれる包容力がある。今でもヒカルを思い続けている。

高部 亜希

エピソード「惑星同期会」に登場する。電力会社を経て、特殊法人「新エネルギー開発」の広報部長を務める50代前半の女性。メガネをかけた色気のある女性で、初芝重工の社長になる秋元治夫と長く不倫関係にあったが、身辺整理のために別れを切り出された。失意の中、出会った太極拳講師の風間成彦と親交を深めていく。昭和53年度に四谷大学を卒業したSFオタクの仲間で定期的に会おうと結成した「惑星同期会」のメンバー。

浜岡

エピソード「未来予想図 星団」に登場する。保険会社に勤めるサラリーマンの男性。妻は浜岡いずみ。稲田遼介夫婦のとなりに偶然引っ越して来た、遼介の元彼。優しく穏やかなだが、流されやすい性格。遼介と別れて結婚した相手とは子供ができたが離婚し、専務の娘で出戻りの浜岡いずみを押し付けられ、断る理由もないので再婚した次第。

掘 信一郎 (ほり しんいちろう)

エピソード「恋のななつ星」に登場する。38年勤めた大手企業「ダイマス工業」を退職した男性。妻の掘千賀子は家出し、離婚届けは未提出のまま。娘の小百合は大学病院で勤務医を務めている。退職後、「オジサン貸します商会」という便利屋を始める。少しバタ臭い顔立ちをした穏やかな人物で、結婚式で小泉晋太の父親役を務めた事から、小泉聖子と出会う。

篠原 優子

エピソード「裏切る星界」に登場する。銀座の高級クラブのホステス。足柄の愛人。足柄の子供を妊娠したが、本当に俺の子かと問われ、足柄から去って行く。検察には妻を殺害した疑いが持たれている足柄をかばい、彼の子ではないと証言していた。息子の篠原康を一人で生んで育て、現在はスーパーのレジ係として働いている。

梶山

エピソード「贖罪の星」に登場する。8年前に県警を退官した男性。31年前、群馬県A市で起きた、石田咲子の息子が崖から転落死した事件を担当していた。当時保険金目当てに子供を殺すという発想は世間的にもなく、息子の指にある傷を怪しんではいたが、咲子と男女の仲になった事もあり、事件性はないという意見に従ってしまう。正義感は強いが流されやすい性格で、31年前の事件の真相を探るべく行動するが、自分の不始末を精算したいという思いに自分では気づいていない。

寺坂 泰人

エピソード「七夕七年会」に登場する。貿易会社に勤務する男性。既婚者の息子、哲雄がいる。年齢は50歳。大学4年生の時に知り合った藤倉澄子と7年間付き合い、ロンドン赴任を口実に澄子と別れた。澄子が提案した7年ごとの七夕の日に再会する「七夕七年会」では、澄子が若い頃よりも魅力的になったと感じ、次に会うのを楽しみにするようになる。3度目の「七夕七年会」で澄子の娘、藤倉みどりに会い、澄子が自分に対して抱いていた思いを知らされる。

村瀬 俊介

エピソード「許されざるホシ」に登場する。勝俣正太を殺害した男性。当時21歳の無職で、正太を使い走りにしていた。反省の色がなく、裁判で勝俣に暴言を吐いた事で、彼女の復讐心を煽る事になる。岡山県緑南市の刑務所で高見澤星雲から書を習っている。出所後しばらくして交通事故で死亡する。

庄野 燐三

エピソード「星の遺産」に登場する。庄野和雄を含む四人兄弟の父親。著名な小説家の男性。82歳で亡くなる。酒と女性をこよなく愛し、「火宅」の人を貫き、晩年は古い一軒家で一人細々と暮らしていた。自分の死後、息子達へのプレゼントとして、一つには厄介事が含まれているという前提で、四つの封筒を残す。自分の愛人だった流石井富貴子の息子、流石井健一の死亡記事を目にし、富貴子への懺悔の気持ちを抱えていた事から、富貴子を探して印税の権利を渡してくれ、と遺言を残す。

星田 一夫

エピソード「星田一夫さんの幸福」に登場する。「ナカジマ製材」に勤務する男性。年齢は58歳。丸メガネをかけており、小太りな体型。両親がおらず、施設で育った。勉強もスポーツもダメで、背も低く、女性とはまったく縁のない人生を送って来たが、リアルラブドールのリカと出会った事から、人生で初めて幸福を感じるようになる。だが、末期の胃癌だと診断されたうえ、オヤジ狩りに遭ってリカを燃やされてしまい、自身は重傷を負う。

達川 公一

エピソード「星を追いかけて」に登場する。北上刑務所から脱獄した強盗殺人犯の男。年齢は52歳。スーパーの金庫から5000万円を盗み、守衛を殺害した事件の主犯として植田に逮捕された。しかし、二人の仲間に裏切られて金を持ち逃げされたので、脱獄してかつての仲間を狙っている。加瀬洋子のタクシーに乗り、洋子を人質にして逃走する。

南雲

エピソード「五里霧の星域」に登場する。地元では有名となった殺人事件の犯人の男性。近所から無視されて逆上し、夜中に鉈で3家族を襲撃し、六人殺害した。瀧川幸介の近くで電気屋を営んでおり、幸介の家にテレビを運んで来た事がある。想念が現実化してしまう「五里霧の町」で、実際に南雲に会った事がある幸介が想念で呼び出してしまい、幸介達を襲うべく鉈を持って大暴れする。

中村 ゆかり

エピソード「六芒星奇譚」に登場する。アパレル関係の会社に勤めるパタンナーの女性。生田ひとみの友人。面長で、ロングヘアを後ろで三つ編みにしている。ひとみの恋を積極的に応援する気のいい人物。実は喜多川公洋が興味を持つ千葉県柿沼村の「妖女」であり、喜多川と男女の関係になったあとに、その事を打ち明ける。

加根子

エピソード「星霊の巨石」に登場する。高村が住んでいる洋館を作った実業家のもとで、住み込みのお手伝いとして働いていた女性。実業家に横恋慕した挙句、モテる実業家への嫌がらせとして井戸に身を投げて自殺した。その後、悪霊となり、彼を取り巻く女性達に次々と不幸を与えたので、加根子の悪霊は古井戸に入れられ、巨石で封じ込められた。だが、貼られた護符が打ち壊されてしまい、高村にとり憑き、彼の周囲の女性に害を与えた。

桑沢 仙二

エピソード「贖罪の星」に登場する。31年前、暴力団関係者であり石田咲子のヒモ的存在だった男性。現在は公立の養護施設に入所している。まだらボケの状態だが、訪ねて来た梶山に時効だと言われた事もあり、咲子と咲子の息子、自分の三人で山菜採りに行き、保険金はギャンブルで使ったと証言した。

内海 亮平

エピソード「誰の星でもありゃしない」に登場する。損保会社の広報課長を務める男性。内海幸弘の息子。年齢は50歳。瀬戸いずみから電車内で痴漢をされたと騒がれてしまう。のちに父親の結婚式の打ち合わせでいずみと再会する。テキパキしてそつがない仕事人間であり、それ故に結婚に縁がなく独身。

菊池 圭子

エピソード「星の住処」に登場する。「船木屋旅館」で「滝川由加」という名で仲居をしている女性。年齢は53歳。過激派グループ「赤き狼」のメンバーで、15年前に警察官を殺害し、指名手配犯となって逃亡している。当時は運転手役であり、殺害する事は知らなかった。働き者であり、10年前から旅館の経営も任され、色々なアイディアで客足を増やした。時効間近に、従業員の梶山吾郎と親密な関係になり、自身の罪を告白する。

高見澤 星雲

エピソード「許されざるホシ」に登場する。書道家の男性。年齢は58歳。岡山県緑南市の刑務所で、村瀬俊介に書を教えている。勝俣とは2年以上付き合っているが、お互いの事はあまり詮索しない間柄でもある。不思議な能力を使い、復讐が果たせずに落ち込む勝俣を、夢の中のような状態で、息子の勝俣正太に会わせた。

得野 文二郎

エピソード「星の絆」に登場する。新潟県で一人暮らしをしていた80代の男性。得野健介と得野美樹の父親で、妻の得野和子は健介が小学生の頃、自殺している。欄間の透かし彫りを生業としていた腕のいい職人だった。無口で気難しい性格だが男の色気があり、70歳の時には35歳の齋藤まゆみと付き合っていた。

徳田

エピソード「星より秘かに」に登場する。ラーメン屋「らーめん一番」の店主の男性。九州の田舎町の工場で働いていた頃からアイドル歌手の渚エリカの大ファンで、彼女が住む東京に移り住み、10年前にラーメン屋を手に入れた。エリカが偶然店に通うようになり、一度だけ彼女と体の関係を持った事から、これ以上ないほどの幸福を感じる。とにかくエリカ一筋の人生を送っており、彼女がどんな性格であっても、自分の目の前にいてくれればいいと考えている。エリカの身代りとなって殺人の罪をかぶり、服役する。

松崎

エピソード「星楽のマドンナ」に登場する。帝都音楽大学の教授を務める男性。長めのヘアスタイルでキザに決めており、メガネをかけている。押高葉子と不倫関係にあり、彼女を利用して金儲けをしようとしているのがミエミエで、オペラ界の要人に葉子を売り出そうと会食の席を設ける。

片山 美波

エピソード「隣の星人」に登場する。「ヤマト電業株式会社」の赤羽工場で働く女性。年齢は47歳。控えめだが親切な性格で、アパートの前でうずくまっていたとなりの住人、佐藤和夫を介抱したのがきっかけで、彼と付き合うようになる。

向井

エピソード「聖夜の星」に登場する。勤めていた小さな証券会社が倒産し、職を失った男性。年齢は47歳。売れっ子キャスターの向井優子の夫。妻とは収入格差があり、仕事一筋の妻と同じ空間にいると息苦しさを感じてしまい、離婚も考えている。

真矢 里於子 (まや りおこ)

エピソード「3つ星ピッツェリア」に登場する。もうすぐ80歳になる上品な老婦人。夫は商船会社オーナー社長で、5年前に死亡した。親の勧めで見合い結婚し、殺伐とした50年を夫と二人で過ごしたので、恋とは無縁の人生だった。だが近所のイタリアンレストランのイケメン店員、郡山に恋をして、秘かに妄想の世界で遊ぶ事で、恋の楽しさを味わっている。控え目な性格で、若い郡山に自分の思いを気づかれてはいけないと自戒している。

澤田 雅之

エピソード「嫌われ星 好かれ星」に登場する。職安通いをしている男性。年齢は51歳。実家は高知の資産家。高校時代は学校のプリンス的存在であり、安藤明日香から告白され、手ひどくふった過去がある。自動車メーカーの下請け会社で経理の仕事をしていたが、47歳でリストラされ、妻と離婚。その後、派遣で会計業務をしていたが、派遣切りにあって現在に至る。明日香と再会して結婚するが、職が見つからないストレスからか、51歳でアルツハイマーを発症。

幸田 源蔵

エピソード「崩れる星霜」に登場する。全国を転々としていた木工職人の男性。ハンサムで、年齢は80歳。寝たきりとなり、老人介護の団体から派遣された樋口ミツ子の世話を受ける事になる。ミツ子の父親を殺害し、カメオのブローチを奪い、さらに中学生だったミツ子を犯した人物。代々屋久島で伐採を生業としていた家の出身で、成長してからは工芸品等に利用する古い残材を探し回る仕事をしていた。ミツ子に懺悔し、奪ったカメオのブローチは、誰にも発見されていない巨大杉の根本に埋めたと告げ、最終的には自害する。

佐藤 みどり

エピソード「游誘惑星」に登場する。梅山龍夫が住む洋館を描いていた裕福な専業主婦。年齢は60歳。龍夫に請われてヌードモデルとなり、彼に求婚される。実は、独り身の高齢者に取り入って盗みを働く詐欺師で、前科持ち。本名は「中西綾子」。

村江 香織

エピソード「惑星同期会」に登場する。大手出版社「集学社」を経て、編集プロダクション「ムラエオフィス」の社長兼ライターを務める50代前半の女性。細身で神経質そうに見えるが、アレコレ考えていてもしょうがないという大雑把な性格。「集学社」の上司だった巻田公一と20年来の不倫関係にある。昭和53年度に四谷大学を卒業したSFオタクの仲間で定期的に会おうと結成した「惑星同期会」のメンバー。

オダ 家康

エピソード「厭星(えんせい)漫画家」に登場する。売れない漫画家の男性。20代の頃は人気漫画家だったのでバブルを謳歌したが、今は友人・恋人・仕事なしで孤独を感じている。せめて売れている時に結婚しておけばよかったとの後悔を抱えている。自分が描いた「新宿ラブストーリー」から現実世界に飛び出して来た三波さつきと恋愛関係になる。

和美の父

エピソード「星夜の贈り物」に登場する。中華料理店「酔龍」のマスターの男性。和美の父親であり、男手一つで和美を育ててきた。60歳に近く、頑固一徹で無口だが、クリスマス・イヴに来店した女性客には愛想よく振る舞う意外な一面を見せる。

塚原 鉄平

エピソード「死滅する星」に登場する。食品会社に勤務していた男性。年齢は70歳。妻と熟年離婚し、現在は一人暮らし。自分の存在が息子夫婦の邪魔になっているのを感じ、熊谷修から聞いた、快楽を感じながら死ねる薬「パライソ」を購入する。同じ密売人から購入した藤ルミ子と出会い、いっしょに死のうと約束した事で、人生が変化する。

向井 優子

エピソード「聖夜の星」に登場する。テレビで人気のニュースキャスターの女性。年齢は40歳。失職した向井の妻。14年前、妊娠7か月で流産して以降、仕事に打ち込み、スター的な存在にのし上がった。家では笑顔を見せる事なく、夫への気遣いもおざなりになっている。

桧垣 大造

エピソード「京都星宿」に登場する。上場企業の役員の男性。桧垣光子の夫。70歳で亡くなったが、死の5日前、「小鴨さん、ありがとう」とつぶやいた事から、光子に疑念を抱かせる。生前は勤勉で実直だが面白みに欠ける性格だった。20年前、京都に単身赴任していた時に、小鴨という芸妓とのあいだに子供がいた事が発覚する。

勢津子 (せつこ)

エピソード「恋する星霊」に登場する。稲本浩の元妻。矢沢大吾の母親。脳出血で倒れて亡くなった。死に際に、遺骨は浩のもとに持って行く事と、大吾は浩の近くに住んでほしいと、大吾に遺言を残した。勢津子の遺骨に涙ながらに詫びた浩を見て、幽霊となって浩の前に現れる。浩にしか姿を見る事ができないが、SEXする事もできる。霊体エネルギーの持続時間は3時間位だが、霊体エネルギーが溜まれば再び現れる事も可能。

安藤 ひとみ

エピソード「貴男と星と潮騒と」に登場する。テレビで活躍する経済学者の女性。有名な総合研究所に研究員として務めている。年齢は40歳。TV番組のディレクター、奥山とは8年間不倫関係にある。奥山の子供を妊娠したが、彼とのふしだらな行為が明るみになり、仕事を失って故郷の島に帰る。島でも好奇な目にさらされる中、一度見合いした徳元の変わらぬ態度に、心癒されていく。

歌川 照夫

エピソード「星謐の庭」に登場する。大澤義一夫婦のとなりに住んでいた男性。歌川恭子の父親。妻を12年前に亡くしている。2年ほど前から姿が見えなくなり、恭子が連絡がつかなくなったと警察に相談した事から、ミイラ化した死体で発見される。遺品から大澤静枝を隠し撮りした写真が見つかるなど、二人のあいだになんらかの交流があった事が徐々に解き明かされていく。

熊谷 修 (くまがい おさむ)

エピソード「死滅する星」に登場する。塚原鉄平と同じ食品会社に勤務していた男性。塚原と同じく、妻と離婚し一人暮らしをしている。昨年、ガンの宣告を受けており、快楽を感じながら死ねる薬「パライソ」を購入し、塚原に「パライソ」の存在を教えた人物。塚原と藤ルミ子に見守られながら「パライソ」を飲むが、悶絶して苦しみながら死亡する。

葛城 辰彦

エピソード「白色矮星のあなた」に登場する。葛城邦彦の兄。東京大学を卒業、航空会社の副社長まで上りつめたが、社長の娘である妻の美砂子とはソリが合わず、専務の時に家を出て、村上由美と暮らし出した。歳の離れた邦彦を気に掛けており、希少価値のある「青島軍事」という切手を邦彦に残した。

レイプ犯 (れいぷはん)

エピソード「極北に星光る」に登場する。25年前、焼津で藤田奈々枝をレイプしようとした二人組の男の一人。弟はその時、助けに来た真崎茂と格闘になり殺された。長身でやせ型の体型で、ハゲタカのような顔をした蛇のようにしつこい人物で、奈々枝を網走まで追って来る。

得野 和子

エピソード「星の絆」に登場する。得野文二郎の妻。得野健介と得野美樹の母親。健介が小学生の頃、哲夫という男性と不倫し、その恋がうまくいかず、うつ状態となって自殺した。夫が家庭的でないのでストレスを溜めていた事が発端となったと考えられ、文二郎は生前、得野和子が不倫の末に自殺したという事実を齋藤まゆみにだけ打ち明けていた。

堀田 浩二

エピソード「死神ほうき星」に登場する。「堀田ファーム」を運営する独身男性。年齢は53歳。大会社の課長職を捨て、理想の農業を志して10年になる。多少高くても、味の濃い美味い野菜作りを念頭にやってきたが、従業員がいなくなり、契約も打ち切られたりと行き詰っている。村では変わり者扱いされており、食堂の女将だけが唯一の理解者。住み込みで働く事になった江部香織とやがて男女の仲になる。曽祖父も父親も、ハレー彗星が接近した年に亡くなっており、父親からいつも「死神はほうき星に乗ってやって来る」と聞かされていた。

上杉 綺羅

エピソード「星空研究会」に登場する。上杉かおるの娘。20歳手前の女性。清里でかおるが手掛けていたケーキ作りの仕事を受け継いで生活している。高校2年生の時、母親が他界。母親が所属していた「星空研究会」の写真を見て、この中に自分の父親がいるのではないかと、かおるの名前で、「星空研究会」あてに手紙を送り、彼らを自宅に招いた。

鶴間 良子

エピソード「邂逅する惑星」に登場する。グルメ雑誌の有名編集長を務める中年の女性。ワイン会を通じて狭山哲夫と知り合い、彼に貢いでいる節がある。ワイン会に哲夫に連れられてやって来た入間川節子に嫉妬し、哲夫の妻に哲夫と節子の写真を匿名で送りつける。

みゆき

エピソード「流星美人劇場」に登場する。シャンソン・バー「ラ・メール」のママを務めている女性。年齢は63歳。30年以上も麗子といっしょに水商売をしている。現在はアパートで麗子と二人暮らしをしており、家事労働いっさいを引き受けている。面長な顔で、若い頃はかわいらしい雰囲気だったが、今ではすっかり老け込んでいる。みゆき自身も好意を持っていた鈴木秀人と麗子の結婚を祝福するなど、性格は優しい。

サンタクロース

エピソード「星夜の贈り物」に登場する。ティッシュ配りのアルバイトをしている男性。仕事終わりに中華料理店「酔龍」に立ち寄り、和美の話し相手になり、孤独な彼女を励ました人物。実は本物のサンタクロース。

和美

エピソード「星夜の贈り物」に登場する。和美の父が営む中華料理店「酔龍」を手伝っている女性。年齢は34歳で、父親と二人暮らし。地味な容姿をしており、父親が結婚には厳しい事もあり、恋人が欲しいと思っているものの半ばあきらめている。一方で、父親にも幸せになってほしいと願う優しい性格。

三浦

エピソード「守護星奇譚」に登場する。会社員の男性。年齢は50歳。会社では社長に怒鳴られてばかりで、家庭も冷え込んでおり、人生が面白くないと感じている。だが、近所の人妻である峰岸に一目惚れして、人生が好転する。死神である老人から救ってくれた峰岸に、真剣に付き合いたいと告白するが、別れを告げられてしまう。のちに出席した法事で、峰岸との出会いの意味を知る事になる。

リカ

エピソード「星田一夫さんの幸福」に登場する。星田一夫と5年間同棲しているリアルラブドールという人形。星田のパートナーでもある。若くて色白で無口だが、星田には何を考えているかがわかる。朝の連続ドラマがお気に入り。「アキバドール」という店で売られていたが、今はもう売り切れ状態となっている。モデルとなったのはAV女優の立花ゆかり。

野村 伸一

エピソード「人生再星の詩」に登場する。「五洋電器」に勤めている万年係長の男性。年齢は53歳。家族は妻と娘二人。仕事もうまくいかず、妻は浮気。娘は二人共チャランポランに育った事に愕然とし、会社を辞めて家を出る。コンビニの店員となり、軽自動車で暮らす中、客の神野顕子にあこがれを抱くようになる。国土院大学では剣道部で大学選手権に出るほどの腕前で、「国土院の子天狗」と呼ばれ、小手が得意だった。

野島

エピソード「崩壊する星域」に登場する。新宿で大きな事務所を持つ公認会計士の男性。野島紀子の夫で、野島修の父親。妻とは冷え切っており、修の恋人の関谷花苗から、自分と付き合えば修と別れると言われた事から、花苗と関係を持つうちに、彼女を愛するようになる。

友原

エピソード「君こそ星(スター)だ」に登場する。美波浜警察署の署長を務める中年女性。独身で、小太りで背が低い。引っ込み思案で友達もいなかった少女時代、あこがれのスターの七星新也が将来の夢を応援してくれた事から、はっきりした目標が持てたため、彼を人生の恩人と思っている。時間がある時は旅館「濱屋」へ行き、最前列から新也のステージを応援している。

北村 修一 (きたむら しゅういち)

エピソード「鎌倉星座」に登場する。鎌倉に住む著名な建築家の男性。年齢は73歳。元東京大学の名誉教授で、数々の有名な近代建築を手掛けた。マケドニア文明の建築物に関する書物を探している国分みゆきに一目惚れし、彼女のボーイフレンドの一人となる。実はみゆきが探す「アーキテクチュア・オブ・マケドニア」を所有していたが、彼女と会いたいがために黙っていた事を、亡くなる前にしたためていたみゆきへの手紙で明らかにした。

相良 房枝 (さがら ふさえ)

エピソード「一途の星」に登場する。容姿にコンプレックスを持つ女性。小学校の頃から「ブサ枝」と呼ばれ続けていた。自身のマイナスエネルギーが生み出したインキュバスと性的関係を持ち、彼を憎からず思っているが、俳優の三田慶太郎の存在を知り、彼一筋の追っかけとなる。慶太郎を介護するという夢を持ち、介護の資格を取った。55歳の時、慶太郎が住む武蔵野市に移り住み、慶太郎の家に住み込みの介護士として働く。

徳田 周一

エピソード「星霜の彼方」に登場する。大企業「楽市バンク」の社長。運転手付きの男性。妻は入院中で、結婚している娘が二人いる。30年前に、片桐久美子に一目惚れし、一度だけベッドを共にするが、関係を続けるのは断られ、30年後の敬老の日に会おうと約束する。のちに自身の会社の役員が久美子の息子だと知る。

喜多川 公洋

エピソード「六芒星奇譚」に登場する。ミステリー作家の男性。70歳を越えているが、エネルギッシュで好奇心が強い。千葉県柿沼村の「妖女伝説」に非常に興味を持っており、それをテーマに新作を書こうとしている。秋元謙一から生田ひとみが「妖女」かもしれないと聞き、好奇心から自分もパーティに参加。しかし、中村ゆかりと男女の関係になったあと、彼女から「妖女」だと打ち明けられる。自分が死んだあとは死体を食べてもいいという条件で、いっしょに暮らしながら彼女の経験を小説に書くという取引をする。

宮崎 ちひろ

エピソード「星と死の狭間で」に登場する。横澤功太の愛人の女性。8年間功太の世話になっていた。功太の腹心である松浦と組み、横澤家の財産を手に入れようとしている。

庄野 和雄

エピソード「星の遺産」に登場する。小さいデザイン会社に勤務するグラフィックデザイナーの男性。バツイチで、年齢は46歳。庄野燐三の3番目の息子で、長兄は一流会社の取締役、次兄は弁護士、弟は外科医という華麗な経歴の兄弟の中では、一番パッとせず貧乏な生活を送っている。父親の仕掛けたミステリアスなプレゼントを意気に感じる度量の広い人物。父親の愛人だった流石井富貴子と付き合った事から、大きな幸せが舞い込んで来る。

袴田 美保

エピソード「鈍色の星」に登場する。小早川稔の元恋人の女性。25年ぶりに帰郷した。年齢は50歳。夫は脳溢血で亡くなり、娘は商社マンと結婚してシンガポール在住しているので、義母の久世貞子を連れて、両親が生前暮らしていた家に舞い戻って来た。高校時代の仲間で集まった飲み会をきっかけに、中学校の数学教師をしている大友正男と結婚する事になる。

女性客 (じょせいきゃく)

エピソード「星夜の贈り物」に登場する。クリスマス・イヴに中華料理店「酔龍」に来店した50歳手前の女性。少し太めで明るい性格であり、自分のタイプである和美の父に積極的に話し掛け、いっしょに飲みに行く事に成功する。

阿部 奈緒次郎

エピソード「同星時代」に登場する。大会社の役員まで出世した70代の男性。娘夫婦と同居している。40代の女性といっしょにいるところを娘の友人に目撃された事から、義理の息子、戸塚幸夫に尾行される事になる。50代の時、保険会社の支店長として田中有里子を面接し、戸籍が男性だった有里子を快く採用した誠実で心の広い人物。現在は有里子と真剣に交際している。

渚 エリカ

エピソード「星より秘かに」に登場する。映画やテレビで活躍する大女優。昔はアイドル歌手だった女性。偶然、徳田のラーメン屋を訪れた事から、なじみの客となる。彼女の好物で作られた「渚ラーメン」は店のヒット商品である。かなり激しい気性の持ち主で、気まぐれでもある。徳田と一夜を共にし、のちに恋人だった男性を殺害。身代りとなって罪をかぶった徳田に結婚を誓うものの、ほかの男性と結婚した。

エレーナ

エピソード「雨夜の惑星」に登場する。ロシア人の上品な中年女性。雨の夜、ワインバーで田渕雄介と出会い、一夜を共にする。夫の女性関係に悩んでおり、手首に躊躇(ためら)い傷がある。のちに、ロシアのキプレンコ蔵相の妻である事が発覚する。

吉村 和良

エピソード「パパは優等星」に登場する。東京の大学に通う男子学生。ホステスのユカリのヒモのような生活をしている。身長は165センチと小柄で、薄い顔立ちな事から女装が似合い、遊び心から、ユカリが勤める店でホステスのアルバイトを始める。源治名は「カズ子」。以前は勉強が好きで、大学生になって司法試験を受けるつもりだったが挫折。ホステスとして父親の吉村の人生の悲哀と息子への真摯な思いを聞き、もう一度司法試験にトライする気持ちになる。

月岡 進

エピソード「星食に逢う」に登場する。会社の部長を務める男性。月岡千明の父親で、妻を7年前に亡くしている。大事に育てた娘がチャラそうな下田直己というドライバーと結婚する事になり、憤慨の余り骨折。彼の母親で、今まで出会った事もない下町タイプの大田玲子から世話を受ける事になり、ひょんな事から性的関係を持ち、彼女を愛するようになる。名門の出身で、家系には医者や公務員など、堅物が多い。女性に免疫がなかった自分が、玲子のおかげで性的に奔放な人間になれた事を誇らしく思うようになる。

神野 顕子 (じんの あきこ)

エピソード「人生再星の詩」に登場する。野村伸一の勤めるコンビニに毎晩来る40代半ばの女性。フリーのイラストレーターで、比較的質素な服装をしているが、妙に色っぽいところがある。その正体は神様であり、人間の運命を変える事ができ、やり直せる人にはチャンスを与えている。ちなみに、今の姿は、伸一の妻が結婚していなかったバージョンだという。

桜田

エピソード「星の交差点」に登場する。工作機械の会社「久保山工業」の部長代理を務める男性。年齢は47歳。妻と別れて5年になり、一人暮らしのわびしさを感じている。夢や目標もなく、生きる意味を見失いかけていた時、大学時代の友人の池澤から「夫婦交際組織(サークル)」の話を聞き、好奇心に抗えなくなり、結婚前の恋人の津島麗子を誘い、自分の妻と偽って入会。自分の気持ちに鈍感で、サークル活動する中、麗子への愛情に気づき始める。

倉品

エピソード「星に祈りを」に登場する。表向きはフリーのジャーナリストの男性。実は政治家のネタを拾ってゆするゴロツキのような生活をしている。年齢は50歳。公園で首を吊っていたドジ子こと福田いずみを助け、彼女と男女の仲になる。恋愛に関してはピュアで、強盗殺人の罪で刑務所に入る事になったいずみに、20年後まで愛し続けるとプロポーズする。

店主

エピソード「煮星メンのかほり」に登場する。司法浪人生だった大塚英之がアルバイトしていたラーメン屋「永楽」の店主の男性。当時50歳位で、頑固一徹でギャンブル好き。ランチタイムが終わると午後5時までパチンコに出かけていた。15年前に借金を残し死亡した。

生田 ひとみ

エピソード「六芒星奇譚」に登場する。アパレル関係の会社に勤めるデザイナーの女性。年齢は45歳。黒づくめの服装をしており、分解したマネキンを部屋に置いていた事から、秋元謙一に「妖女」だと怪しまれてしまう。自身はそんな事とは知らず、見た目がタイプの秋元を思い切って自宅のパーティに誘う。

兼子 健一

エピソード「性星活の知恵」に登場する。タクシー運転手の男性。独身の55歳。小柄で頭頂部が禿げている。寝たきりの母親と二人暮らし。中学卒業後に集団就職で上京し、運送屋の仕事を皮切りに、仕事一筋で生きてきた。ローンで車を購入し、母親の介護のため時間が自由になる個人タクシーを運転している。宅配の仕事をしていた20歳の頃に、立花という人妻と1年にわたり性関係を持っていた。

奥田 今日子

エピソード「惑星同期会」に登場する。大手広告代理店勤務を経て、広告制作会社「アドバ・クリエイト」の社長を務める50代前半の女性。仕事一筋で15年間恋愛していなかったが、ファミリーレストランで出会った医者の長谷川とデートする仲になる。昭和53年(1978)度に四谷大学を卒業したSFオタクの仲間で定期的に会おうと結成した「惑星同期会」のメンバー。高部亜希が不倫関係にあった秋元治夫と、少しだけ付き合っていた過去がある。

筒井 みどり

エピソード「虚星の真実」に登場する。筒井菅子の母親。痴呆症が進み、よく迷子になっている。宝くじが好きで、7億円が当たったというデマを周囲に吹聴し、菅子に迷惑をかけている。帝都ホテルの地下アーケードで、アクセサリーショップを経営していた40代の頃、夫との関係が悪かった事もあり、20代のコック見習いの田所徹平と不倫していた。

岩田 マサ子

エピソード「巨星のプライド」に登場する。テレビ界に君臨する大物プロデューサーの女性。年齢は72歳。「木曜サスペンス劇場」を手掛けているが、最近では視聴率は下り坂。髪型はショートカットで、太めの体型をしており、メガネをかけている。「レズの女王様」と陰口を叩かれているが、実は容姿にコンプレックスを持ち、傷つきたくなく虚勢を張っていた面がある。尾上耕平に遺書で自身の恋心を打ち明けた。

河合 エリカ

エピソード「悪霊の星」に登場する。霊能者を名乗る女性。蕎麦屋で辻啓介に、右肩に生霊がのっかっていると声を掛けた人物。実は辻礼子の友達の劇団員で、礼子の企みに協力している。

津島 麗子 (つしま れいこ)

エピソード「星の交差点」に登場する。桜田の取引会社である「品川物産」の海外営業部に勤める女性。年齢は44歳。美形でコケティッシュな魅力にあふれているが、頭の回転が速く気が強い性格。昔付き合っていた桜田をずっと思い続けているが、気の強さが災いして告白できずにいる。桜田と接点を持てるというためだけに、「夫婦交際組織(サークル)」への参加を快諾した。

小俣 志津子

エピソード「星と死の狭間で」に登場する。横澤功太と同じ中学に通っていた女性。植物状態となった功太が、死に際に人生を振り返った時に思い出した人物。がっしりとした体形で、外見が余りよくなかったせいでみんなにからかわれていた。しかし、学校のリーダー的存在だった功太が、小俣志津子と行動を共にした事によりいじめがなくなった。以降、功太を慕うようになり、功太に告白するものの断られてしまい、1年後に自殺した。

岸和田 隆士 (きしわだ たかし)

エピソード「天空の星花」に登場する。小説家の男性。年齢は64歳。5年前、妻の岸和田久枝が出て行き、掃除が苦手で家はゴミ屋敷状態。そのため、家政婦として戸部すず子を雇った。ぶっきらぼうだが、実は口下手で恥ずかしがり屋な面がある。すず子の気遣いにより、日常生活に小さな幸せを感じるようになる。

西本 真里

エピソード「再会流れ星」に登場する。度重なる暴力に耐えかねて夫を殺害し、刑務所に7年間服役していた女性。昔、自分と駆け落ちした水田健介が吹田邦夫のラジオ番組に、自分に会いたいと投稿したのを耳にする。その後、邦夫の計らいで健介と再会し、不倫関係になる。健介が支店長を務める「西部生命」のセールスレディとなるが、噓をついているのに耐えられず、健介に自分の犯した罪を告白してしまう。得意な料理はビーフストロガノフ。

横井 ひとみ

エピソード「ミザリーの星」に登場する。漆原元彦のファンの女性。上品な美人。漆原の印象に残るべく、自分が小説のモデルだと錯覚したような手紙を何枚も送り、結果的に漆原に会う事に成功。性的不能だった漆原をよみがえらせ、彼に自分の家で作品を書いてほしいと持ち掛ける。自分の意見が受け入れられないと激高し、暴力も厭わない危ない本性があらわになっていく。10年前に突然死した作家の梶村敏明の保険金の受取人となっていた事が、編集部長により明らかになる。

女性警察官 (じょせいけいさつかん)

エピソード「恋の星乱れ星」に登場する。警察官の女性。覚醒剤に手を出し実刑となった杉田みどりを、出所したあと、親身に世話を焼いていた。5年前、勤務中に行方不明となり、未解決事件になっている。野田元彦は事件の証拠品となる婦人警官の帽子を、みどりがをかぶっていた事を思い出す。

仰木

エピソード「星降るホテル」に登場する。高澤侑子がピアノを弾いているホテルのマネージャーを務める男性。妻とは10年前に離婚し、独身。侑子の偏狭なプライドを心配している落ち着いた人物で、ジャズを勧めるなど、侑子と積極的にかかわり、やがて男女の仲になる。

瀧川 幸介

エピソード「五里霧の星域」に登場する。鉄鋼会社に勤めるサラリーマンの男性。年齢は58歳。県立正賀高等学校の昭和41年(1966)の卒業生で、当時、仲のいい友人で結成した秘密結社「五里霧中」のメンバー。想念が現実化してしまう霧に囲まれた「五里霧の町」に「五里霧中」のメンバー達と迷い込み、初体験の相手である40代の音楽教師、志村と再会。ほかのメンバーと異なり、家庭は平和であり、「五里霧の町」に再び戻ろうと決意した入間川宏と久米和義を見送る事になる。

辻 礼子

エピソード「悪霊の星」に登場する。辻啓介の妻。穏やかで上品な良妻賢母タイプの女性。啓介が右肩が重いという症状に悩まされているのを見て、ちょっとしたいたずら心から友人の河合エリカに芝居を頼んだ。

川口 咲平

エピソード「萬代星の女」に登場する。電力会社を退職した男性。年齢は62歳。4年前、新潟県の萬代橋の上で見知らぬ女性にドキッとして一目惚れする、という初めての経験をする。昭和45年(1970)度卒の三田大学理工学部の同窓会に主席し、その時に一目惚れした女性を探そうという話になり、戸田信介、入間と共に新潟旅行に行く事になる。孫が難病のため金が掛かる事もあり、まだまだ働きたい気持ちを持っている。慎重で冷静なタイプだが、一目惚れした女性の与野ゆかりとの恋に溺れそうになる。彼女の口利きで紹介された技術職を得るべく、彼女とソウルに向かう。

下地 (しもじ)

エピソード「再星エボリューション」に登場する。大城由美子の先輩であり、沖縄の宮里晃の実家の近所に住む男性。薬局を経営している。離婚後の晃の様子を知っており、晃が沖縄を出て半年後に自殺をほのめかす手紙を受け取っているが、その消印は新潟だった事を由美子に教える。

勝俣 正太

エピソード「許されざるホシ」に登場する。食品会社に勤務していた男性。勝俣の息子で、母親思いの優しい性格。高校時代の友人に誘われて村瀬俊介のグループに入り、使い走りをさせられていた。村瀬に会社の商品を盗んでくるよう命令され、それを拒んだ事から殴る蹴るの暴行を受けて殺害された。当時の年齢は21歳。高見澤星雲の特殊能力により、母親と再会した際、彼女に銀の耳かきをプレゼントした。

上原 ヒカル

エピソード「スターのままで」に登場する。アイドルデュオ「コメッツ」のメンバーだった女性。「恋する惑星」というヒット曲が一世を風靡した。派手な美人だが我儘な性格が災いし、今では仕事も私生活もうまくいっていない。他人の神経を逆なでする事を平気で言うタイプ。

服部

エピソード「老星は死せず」に登場する。月岡が通う料理教室の講師を務めている女性。親切で物わかりのいい大人の女性であり、一人暮らしをする月岡に料理教室で作った料理を持って行くなど、彼に気がある様子を見せる。

ケイ子

エピソード「恋する星霊」に登場する。銀座のクラブホステスの女性。ショートカットの美人で、上半身に醜いやけどの跡がある。その跡は母親の再婚相手に折檻され熱湯をかけられた事によるもので、その両親も10年前に亡くなっている。優しい男性がタイプで、送迎ドライバーの稲本浩を部屋に誘い男女の仲になる。

斉木 拓郎

エピソード「社長の星春」に登場する。「サイキ産業」の代表取締役を務める男性。「フォーイースト」の専務取締役、前田洋介から持ちかけられ、運動靴部門の実績が高い中津川修三の会社「フォーイースト」を吸収合併した。ヒロコこと「斉木めぐみ」の父親。

佐藤 和夫

エピソード「隣の星人」に登場する。50代位のサラリーマン。片山美波のアパートのとなりに引っ越して来た独身男性。パッとしない地味な風貌だが、鍛え抜かれた肉体をしている。美波と付き合うようになり、一流企業「花鳥建設」の課長である事が判明。合理主義である事から安アパートに住んでいる。小倉かおりからは殺し屋だと疑われている。

書誌情報

黄昏流星群 70巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(1996-06-29発行、 978-4091842619)

第2巻

(1996-12-19発行、 978-4091842626)

第3巻

(1997-04-30発行、 978-4091842633)

第4巻

(1997-10-30発行、 978-4091842640)

第5巻

(1998-03-30発行、 978-4091842657)

第6巻

(1998-08-29発行、 978-4091842664)

第7巻

(1998-11-30発行、 978-4091842671)

第8巻

(1999-04-27発行、 978-4091842688)

第9巻

(1999-08-30発行、 978-4091842695)

第10巻

(2000-01-29発行、 978-4091842701)

第11巻

(2000-05-30発行、 978-4091856418)

第12巻

(2000-09-30発行、 978-4091856425)

第13巻

(2001-01-30発行、 978-4091856432)

第14巻

(2001-06-30発行、 978-4091856449)

第15巻

(2001-12-25発行、 978-4091856456)

第16巻

(2002-04-26発行、 978-4091856463)

第17巻

(2002-10-30発行、 978-4091856470)

第18巻

(2003-03-29発行、 978-4091856487)

第19巻

(2003-05-30発行、 978-4091856494)

第20巻

(2003-11-29発行、 978-4091856500)

第21巻

(2004-06-30発行、 978-4091873118)

第22巻

(2004-11-30発行、 978-4091873125)

第23巻

(2005-03-30発行、 978-4091873132)

第24巻

(2005-07-29発行、 978-4091873149)

第25巻

(2005-10-28発行、 978-4091873156)

第26巻

(2006-03-30発行、 978-4091802354)

第27巻

(2006-07-28発行、 978-4091805898)

第28巻

(2006-12-26発行、 978-4091810045)

第29巻

(2007-03-30発行、 978-4091811790)

第30巻

(2007-09-28発行、 978-4091814685)

第31巻

(2008-02-29発行、 978-4091817662)

第32巻

(2008-05-30発行、 978-4091820068)

第33巻

(2009-01-30発行、 978-4091822130)

第34巻

(2009-02-27発行、 978-4091822796)

第35巻

(2009-06-30発行、 978-4091825230)

第36巻

(2009-11-30発行、 978-4091827784)

第37巻

(2010-07-30発行、 978-4091833679)

第38巻

(2010-11-30発行、 978-4091835260)

第39巻

(2011-01-28発行、 978-4091836441)

第40巻

(2011-06-30発行、 978-4091838636)

第41巻

(2011-11-30発行、 978-4091841834)

第42巻

(2012-06-20発行、 978-4091845061)

第43巻

(2012-09-28発行、 978-4091846792)

第44巻

(2013-02-28発行、 978-4091848994)

第45巻

(2013-07-30発行、 978-4091853875)

第46巻

(2013-11-29発行、 978-4091856807)

第47巻

(2014-04-30発行、 978-4091861771)

第48巻

(2014-10-23発行、 978-4091864284)

第49巻

(2015-03-30発行、 978-4091868237)

第50巻

(2015-08-28発行、 978-4091871879)

第51巻

(2016-02-29発行、 978-4091874788)

第52巻

(2016-06-30発行、 978-4091876485)

第53巻

(2016-12-28発行、 978-4091892713)

第54巻

(2017-05-30発行、 978-4091895202)

第55巻

(2017-09-29発行、 978-4091896551)

第56巻

(2018-01-30発行、 978-4091897916)

第57巻

(2018-06-29発行、 978-4091898975)

第58巻

(2018-09-28発行、 978-4098601080)

第59巻

(2019-02-28発行、 978-4098602353)

第60巻

(2019-07-30発行、 978-4098603725)

第61巻

(2019-12-26発行、 978-4098604753)

第62巻

(2020-05-29発行、 978-4098606276)

第63巻

(2020-10-30発行、 978-4098607570)

第64巻

(2021-03-30発行、 978-4098608768)

第65巻

(2021-09-30発行、 978-4098611416)

第66巻

(2022-02-28発行、 978-4098612567)

第67巻

(2022-08-30発行、 978-4098614059)

第68巻

(2023-01-30発行、 978-4098615766)

第69巻

(2023-06-29発行、 978-4098617326)

第70巻

(2023-11-30発行、 978-4098626076)

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