小林さんは地味だけど。

第1巻

製菓会社であるTMK株式会社に勤める菅井隆司は、この春に企画課から総務課に異動した。そこで菅井は、同期の小林千伽子と再会し、新たな慣れない仕事を彼女にサポートしてもらうこととなる。地味で印象が薄く、同期会に参加したこともない彼女のことをほとんど忘れていた菅井だったが、異動初日、小林の姿勢の悪さを指摘したことをきっかけに、彼女がとんでもない巨乳の持ち主であることを知るのだった。後日のお昼時、仕事をひと段落させて大きく伸びをした小林は、菅井が心配そうに見守る中、案の定、大きな胸でブラウスのボタンを弾けさせてしまう。菅井は即座に小林に上着をかけて、ボタンの修復をさせるために会議室に避難させ、そのあいだに彼女の分も含めて昼食の買い出しへと向かう。だが、菅井が弁当を買って戻った時点でも、小林はまだ針に糸すら通せていない状態だった。器用な菅井は小林に代わってボタンをブラウスに縫い付け始め、そのあいだの何げない会話から、小林が大きな胸のためにさまざまな苦労をしてきたことを知る。そんな会話を交わすうちに二人は打ち解け合うが、そこに先輩の榊が会議室の予約をするためにやって来る。二人は慌てながらも、榊を会議室の外に締め出したまま、小林が服を着るための時間稼ぎを開始する。(第1話。ほか、7エピソード収録)

第2巻

ある日、菅井隆司と小林千伽子は、上司に百貨店での銘菓物産展の販売員を命じられ、二人で出張することとなった。さまざまなトラブルに遭いつつもようやく迎えた物産展初日、人と接することが苦手な小林は緊張して暗い雰囲気を漂わせていたが、菅井の励ましを受けてアルバイトへの業務説明や接客業務を的確にこなしていく。だがそんな中、菅井は小林の周りに自社製品には似つかわしくない中年の男性客ばかりが、群がっていることに気づく。自分の内面を変えようと小林ががんばって苦手な業務に臨んでいるにもかかわらず、いやらしい目で彼女の外見だけに注目する彼らに苛立ちを覚えた菅井は、一度小林を裏へと退避させる。そして菅井は、さんざん悩みながらも、自分の真意を素直に小林に伝える。それを聞いた小林もまた、感謝しながら菅井の気遣いを受け入れ、カーディガンを着て体のラインを出さない格好で売り場に立つのだった。以後はスケベ親父が集まることもなく、小林の真心込めた接客もあって、物産展の初日は成功裏に終了。すると小林は、宿泊先のホテルに戻ってきたところで、菅井を自分の部屋へと誘う。(第10話。ほか、6エピソード収録)

第3巻

榊の巧みなバックアップにより、菅井隆司と小林千伽子は初めてのデートをしたが、結局小林に告白できずに終わってしまったことに、菅井は強い後悔を覚えていた。榊にも発破を掛けられ、決意を新たにした菅井は、小林を金曜日の夜に二度目のデートに誘う。そして迎えた金曜日、落ち着かない様子の二人は仕事を早めに切り上げようとするが、そんな時に限って就業間際に先輩OLに仕事を頼まれてしまう。そろって残業を断る菅井と小林に対し、先輩OLは一瞬、二人で出かけるのかと言いかけるが、小林を見ながら「そんなことがあるわけがない」と、暗に小林では菅井に見合わないとでも言いたげにつぶやくのだった。その残業は榊が代わりに引き受けてくれたことで、菅井と小林はデートに向かうが、就業間際の先輩OLの言葉にショックを受けた小林はどこかいつもの調子ではなく、菅井は告白どころではなくなってしまう。まるで口癖のように自分を卑下する小林の姿を見た菅井は、行きつけのきどらない焼き鳥屋へと彼女を誘う。(第17話。ほか、6エピソード収録)