Superサブ

Superサブ

サッカーの実力はプロにも引けを取らない小柄な小サブこと小三郎、目立ちたがりのムードメーカー中サブ・則武沙武、そして巨体から繰り出すパワーが自慢で総番長の大サブ・尾上玉三郎。全く異なる個性の3人が運命の糸に引き寄せられるように名門塔京高校に入り、レギュラーの座を賭けて厳しい練習や先輩からのしごきに耐えながら成長していく姿を描いた学園サッカー漫画。

正式名称
Superサブ
ふりがな
すーぱーさぶ
作者
ジャンル
サッカー
 
青春
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概要・あらすじ

八ヶ岳で練習をしていた日本サッカーリーグのハマヤ発動機サッカー部の選手たちの前に小柄な少年が現れる。中学生の小三郎の持つ実力とプロを相手に競り負けて涙を見せる根性に監督の釘山は未来のスーパースターの素質を見出す。同じ頃東京の中学に通っていた則武沙武は、目立ちたがりの性格が監督に認められずほとんど試合に出場できぬまま3年生になっていた。

そんな中でひょんな事から地元の総番長尾上玉三郎に惚れ込まれ、不良達を従える兄弟分にされてしまう。そして中学最後の公式戦で、監督もさじを投げた強豪一柳中学を相手に、サッカー未経験者の尾上玉三郎や子分達を率いて常識を超えた活躍を見せる事になる。やがてサッカーの名門塔京高校に入学した則武沙武小三郎だったが、待ち受けていたのは休む事のない過酷な練習と先輩達からの厳しいしごきの日々だった。

3人がそれぞれの持ち味を活かしつつ、全国から集まった80人もの新入生とのし烈なレギュラー争いを繰り広げながら成長していき、チームを勝利へと導いていく。

登場人物・キャラクター

則武 沙武 (のりたけ さぶ)

目立ちたがりで自己中心的な部分があり、サッカーの実力も一流の選手達には劣るものの、ピンチを乗り切る知恵と周りの人間を明るくする持ち前の才能が武器。その行動で教師や先輩に目を付けられさまざまなトラブルを巻き起こす。不良達に追われて飛び込んだ川で猫に抱きついた姿を、溺れた猫を救う男の中の男と勘違いした総番長の尾上玉三郎に見込まれて付きまとわれるようになってしまう。 中学時代はほとんど選手として起用される事はなかったが、監督とのトラブルが発端となり、中学最後の公式戦となる都大会の一回戦で対決した格上の一柳中学を相手にキャプテンとして活躍し、鼻骨が折れてもボールを恐れず最後まで戦い抜くガッツを見せた。卒業後は名門塔京高校に入学するが、ライバル達とのし烈なレギュラー争いに加え、お調子者の性格が災いして先輩には他の部員よりも過酷なしごきを受ける事になる。 部室で野球部の高秋との掛け合いがウケた事に感動を受け、後に芸能界で活躍する事になる。実家は祖師ヶ谷大蔵の商店街で自転車店のりたけサイクルを経営。

小三郎 (こさぶろう)

九州出身で小柄ながらプロにも引けを取らないサッカーセンスの持ち主。八ヶ岳で練習をしていた日本サッカーリーグのハマヤ発動機の練習を見学をしている時に見せたプレイと、競り負けて涙を見せた根性で選手達を驚かせる。負けず嫌いの性格で、自分に勝った石の浴室に青大将を投げ込み、その後も深夜に九州の宿泊先に現れ一対一の対決を挑む。 九州選抜として東京に来るが、監督が暴力バーに遠征費を脅し取られた為にチームはろくな食事も取れず、準々決勝でスタミナ切れとなり惨めな負け方をしてしまう。出場停止になるのを避けて泣き寝入りをした為チームメイトからは根性なしと呼ばれるが、試合後は人知れずしっかりと落とし前をつけている。 塔京高校入学後もその実力を小熊監督に認められ入部早々に1年でレギュラー入りを果たす。ボールの速さと針の穴を通すコントロールを活かして、夜中に走る貨物列車の連結部分に蹴ったボールを通して壁に跳ね返す秘密特訓を一人で行い、その様子はライバル校も注目して偵察に来ていた。100m11秒の俊足。

尾上 玉三郎 (おのえ たまさぶろう)

中学の頃から沿線を仕切る総番長として名が知られる、巨体で怪力が自慢の男。逃げ回る中で川で猫に抱きついた則武沙武を、溺れる猫を救う為にバスから身を投げた男の中の男と勝手に惚れ込み兄弟分にしてしまう。その後も何かと則武沙武の行動を都合よく勘違いした上に、強引に物事を決めてしまう性格から多くの騒動を引き起こす事になる。 試合に出場できない則武沙武の為に喧嘩好きな子分達を集めてトーテンコップFCを結成してしまったことも。パワーを活かした遠投の正確さを買われてキーパーに抜擢された。東部高校の巨漢4人組が則武沙武を襲った時には、呼び出して落とし前をつけようとした為に止められていた。 怒りに耐えて勝負はグラウンドでつけると言った則武沙武の力になろうと塔京高校に転校してきて、サッカー部に入部をすると試合前に勝手に用紙を書き変えてメンバー登録までしてしまう。

釘山 (くぎやま)

日本サッカーリーグで静岡のハマヤ発動機サッカー部の監督を務めている。黄金の足と言われた名選手。八ヶ岳の五光牧場で、チームが練習してる所を見学しながら選手達を相手にその実力を見せた小三郎に、相手を食い殺す狼の眼ような強い光を放つのを感じ、磨けば光る素質と住み込んでいたペンション糸車までスカウトに訪れるた。 しかし怒鳴り込みに来たと思った小三郎は一足先に逃げ出していた。自分が仕込めば日本のマラドーナにできる逸材だったと惜しんだ。一か月後に九州の旅館で再び小三郎に遭遇し、壁に残ったボールの跡と足跡から一定のスピードとコントロールを保ちながら蹴る高度なキックである事を見抜き、僅かな期間での進歩に驚いた。

(いし)

日本サッカーリーグで静岡のハマヤ発動機サッカー部所属。八ヶ岳の五光牧場に現れた小三郎とのプレイで競り負けそうになり、大きな体で腰を入れた本格的なカットで跳ね飛ばす。泣き出した小三郎を見て痛みに耐えられない泣き虫の根性なしと思うが、実際には同等レベルに評価されていた為の悔し涙だった。 その後小三郎から敗けた腹いせに入浴中に青大将を投げ込まれる嫌がらせを受けてしまう。一か月後九州の旅館に再び現れた小三郎がボール蹴って睡眠の邪魔をした為に怒鳴り込むと、顔に目掛けてボールを蹴られ、不意を突いてとっさにヘディングで返す実力を見せた。取り逃がしたものの、自分の姿を見てシュート性の高いボールに切り替えた一瞬の判断力は評価している。 小三郎の事は、一対一の勝負に負けた事をいつまでも根に持ってしつこい狼小僧と思っている。

八中監督 (はっちゅうかんとく)

則武沙武が通っていた都立八中学校の国語教師でサッカー部の監督。目立ちたがりで自分の事しか考えずチームプレーに向かない則武沙武を認めず、1年2か月ぶりのスタメン起用も僅か5分で引っ込めてしまう。教育の一環として試合を行い、勝ちにこだわらないやる気のない姿勢がチームを三流に留まらせる。 名監督と呼ばれる一柳中の監督とは大学の同期で、自慢の友人の為に格下の自分のチームを練習台として使わせ、控えの選手であれば怪我をしても影響ないと笑って見逃し、選手達の前でも平気で暴言を吐く。3年生最後の公式戦となる都大会一回戦の相手が一柳中となり、試合をする前から勝負が見えていてみっともないベンチには座りたくないと、「溺死の先生」に監督を押し付け、当日はトヨタカップを観に行ってしまう。

溺死の先生 (できしのせんせい)

八中監督の格下の選手を痛めつけるやり方を見兼ねて苦言を呈したが、自分もサッカーは素人。ただしテレビを見ていて選手の名前には詳しい。歴史の教師だが、色白でブクッと太っていて生気のない顔で授業をする事から、生徒達からは「溺死の先生」と呼ばれている。監督が代われば同じ選手でも一流校を相手に勝てる可能性があると訴え、3年生最後の公式戦、都大会の監督として登録される。 前日の晩に徹夜でサッカーの本を読破して研究するが、試合当初は則武沙武達から試合をする為だけの名目上の監督として全く当てにされていなかった。幻の城壁、ハンニバルのアルプス越え、明智光秀作戦など歴史の時間の様なネーミングの数々の奇襲を考案し、さらに天候や芝の具合まで計算に入れた戦術で見事な成果を上げた為、観客の不良達も涙を流す程の感動的な試合となった。

海音寺 (かいおんじ)

則武沙武が通っていた都立八中学校で予選敗退常連の弱小サッカー部のキャプテンをしていた。当初はレギュラーにもなれないくせに口だけは立派な則武沙武の事をのけ者にするなど小馬鹿にし、一柳中との公式戦も怪我をするだけ損だと出場を辞退しようとしていた。その後、諦めずに尾上玉三郎に声を掛けてトーテンコップFCの中から選手を探している則武沙武の姿を見て、キャプテンの腕章を与え新生八中チームを託し協力をする。 塔京高校に入学してからはレギュラーになれず厳しい練習に耐え続けていたが、練習試合にやって来たライジング高校で中学の頃にはパッとしなかったマツやペッカーが選手として活躍している姿を見ると、このまま3年間試合に出られない苦しさに耐えきれなくなり転校していく。

正岡 (まさおか)

則武沙武が通っていた都立八中学校のサッカー部員。一柳中との公式戦では八中監督に勝負は見えているとさじを投げられ一度は出場を辞退するが、例え見放されても野良犬には野良犬の意地があるとキャプテンと共に則武沙武の元に帰ってくる。アルバイトで則武沙武と一緒にアイス屋サブティ王に勤めたり、喫茶店コーヒーとパスタ AC.ミランでウェイターをしている。 塔京高校を受験し、合格までは毎晩心配で眠れず縁起を担ぎノイローゼ気味になっていたが晴れて入学、サッカー部に入部する。

一柳中監督 (いちりゅうちゅうかんとく)

サッカーの強豪一柳中で監督を務める。名門を指揮している事で他者を見下し、実力差のある他校の生徒を練習台として使ってはわざとキーパーの顔にぶつけて跳ね返ってきたボールをシュートさせるなど非道なプレーを選手達に教え込む。都大会の一回戦で八中と対戦する。格下相手に選手を温存する為にレギュラーを外してきたが、則武沙武達の常識を超えたプレイと「溺死の先生」の見事な戦術に翻弄されてレギュラーの小早川を投入する羽目になる。 自分の采配ミスを棚に上げ選手達に平手打ちで制裁を加えた。二回戦に進出した八中に対して、ハンデとして承知していたはずの特例措置だった、休学や停学中の生徒の出場を協会に訴えて抗議した。

小早川 (こばやかわ)

都内のサッカーの強豪校一柳中でグランドのチェッカーズと呼ばれるスター選手。一歩グラウンドに出れば他の選手達は全て引き立て役に回ると言われる存在。八中との試合ではスタメンから外れていたが、則武沙武達の猛攻に吉川と出場する事になる。父親は警察署長で、検察庁勤めの父を持つ吉川と共に尾上玉三郎の子分らの脅しは通用しない。 都内随一の足技で、2分以上も周りを敵に囲まれたゴール前にも拘らずたった一人でボールをキープし続ける様子が、まるで無人の砂漠で一人でプレイするように見える事から、「砂漠の舞」と呼ばれる秘技を使う。塔京高校に進学し則武沙武とレギュラーを争うライバルとなる。

小熊 (こぐま)

サッカーの名門塔京高校のサッカー部監督。スカウトの為に八中と一柳中の試合を観戦に来ていたため、則武沙武はいいプレーを見せようと張り切った。小早川が出場するとその圧倒的な実力にさっさとスタンドを後にしてしまうが、試合後にはしっかり則武沙武の名前もメモしていた。 80名の新入生の中では俊足の夏戸が名前を記憶され、則武沙武を羨ましがらせた。さらに小三郎と2人だけは特別にレギュラーと一緒に練習をさせた。3年生が闇討ちに遭い他の教師がレギュラーになれない裸潮を疑う中で、乱暴な男でもそこまで汚い事はしないと生徒を信じた。

裸潮 (らじお)

サッカーの名門塔京高校のサッカー部3年生で、1年の教育係をしている。則武沙武は初対面でサモハンキンポーの様な体型とレギュラーから外されている事から、1年をいびって憂さ晴らしをしている嫌味なタイプとして目を付けられないようにしようと思うが、ウケを狙った言葉を発した為に真っ先に標的となってしまう。 さらに背後から飛んできた野球のボールを蹴り返す見事な瞬発力とバットの芯で捕らえたような正確なキックを行う実力の持ち主だった。尾上玉三郎に対しても物怖じする事無くスポーツ世界の掟を教え、命令通りに丸刈りにしてこなかった則武沙武には上級生から何倍もしごかれる覚悟と自信の高さに期待すると、その根性を買った。 勝つ為には私情は禁物と、母校の勝利の為に一年であっても容赦なくしごく代わりに、自分よりもふさわしい者がいれば進んでレギュラーに推薦をする。

廊馬 (ろうま)

サッカーの名門塔京高校のサッカー部で、同じ2年の三蘭、鳥野と共に裸潮の下で1年の教育係をする。学校の周りを約1キロ走らせ、11位までが休み、それ以降はさらにもう1周させて延々と競わせる「恐怖の夕日」のような過酷な練習で1年を鍛え、練習後は説教という名の厳しいしごきで苦しめる。 自分達を差し置いてレギュラーとなった小三郎の足を引っ掛けた仕返しとして、試合であればファールだと、フリーキックに見立てた死角からのキックでコーラの瓶を頭に直撃された。則武沙武がレギュラー選手の闇討ち犯は裸潮だと噂を広めていると信じ、制裁を加えるべく放課後の校内を追いつめていく。

夏戸 (なつと)

サッカーの名門塔京高校のサッカー部で埼玉出身の1年生。全国中学大会優勝で決定的となった1点を入れた実力は則武沙武の耳にも入っていた。小三郎と共に入部早々小熊監督に認められレギュラー入りをする。裸潮や廊馬からは上級生を差し置いてレギュラーとなり丸刈りも免れたエリートとして、他の1年よりも厳しい特訓を受ける。 小三郎や則武沙武が練習後に先輩達の靴磨きを命じられて愚痴る中で、スポーツ部はこんなものだろうと一人腹を立てないおおらかさを見せる。

高秋 (たかあき)

サッカー同様に名門の塔京高校野球部に入部した新入生。両部の200人以上が合同で使用するグラウンドで、サッカー部の指導している所へ打球を拾いに来た為に裸潮に絡まれ、とっさに貧血で倒れ、まるで蜘蛛が死んだふりをするような手で切り抜ける。元演劇部だった則武沙武に、先輩に買うパン代を集める為に金を取って部室で行うプロレスのレフリー役として声を掛けた。 即興で息の合った掛け合いをすると場内が沸き、その時ウケた感動が則武沙武にとってシュートを決めた感動と同じだった事から、卒業後二人でコンビを組み、芸能界で活躍する。

集団・組織

塔京学園高等部 (とうきょうがくえんこうとうぶ)

『Superサブ』に登場する高校。3人のサブが通う全国に知られたサッカーの名門校。全国優勝3回の名将小熊監督の下、日本中から大物の入部希望者が集まり、則武沙武が入学した年には新入生が80人にもなった。その中の一握りとなるレギュラーには、強烈なヘッドを武器にする高校生離れした体格の3年バックス小猫、超高校級の鋭い3年フォワード汗田、3年ミッドフィルダー宮藤、80人の1年生部員の中から選ばれた大物ミッドフィルダー夏戸らがいる。

一番高校 (いちばんこうこう)

『Superサブ』に登場する高校。高校サッカー選手権の4回戦で塔京高校と対戦する。強力な新人と噂される小三郎の秘密特訓を偵察する。反復練習から左ウィングである事が分かり、対策として体力を奪う為に一対一のマークをせず10人が1分ごとに代わる代わるマークに当たり、攻撃を捨てて全員がバックに徹する事で一対十の格闘技をするような「車がかり」と名付けたディフェンス策を編み出す。 則武沙武の投入はPK要員で攻撃を諦めたと読み、防御の力を弱めた。

東部高校 (とうぶこうこう)

『Superサブ』に登場する高校。高校サッカー選手権の準決勝で塔京高校と対戦する。九州から来た新人小三郎の秘密特訓を偵察した。コンピューターと呼ばれるキャプテン西乃の指示により、190センチ100キロ近い巨漢4人が、敵のゴール前でキーパー相手に飛び上がりシュートと共に崩れ落ちて襲い掛かってくる「ナイアガラ落とし」を武器に多くの故障者を出してきた。 試合前に小三郎と則武沙武を相手に街で揉め事を起こし、尾上玉三郎を巻き込んだ因縁の試合となった。巨漢4人組は暴力団員相手に喧嘩で勝った。頭突きは車の窓ガラスを割る破壊力を持つ。

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