少年のアビス

少年のアビス

家族や地元のしがらみを抱える高校生・黒瀬令児はある日、アイドルの青江ナギと出会う。ナギとの心中未遂をきっかけに変化していく令児の日常や周囲との関係を描いたスーサイドラブストーリー。集英社「週刊ヤングジャンプ」2020年13号から掲載の作品。2022年9月実写ドラマ化。

正式名称
少年のアビス
ふりがな
しょうねんのあびす
作者
ジャンル
その他恋愛・ラブコメ
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊16巻
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あらすじ

その町の少年

何もない田舎町で生まれ育った男子高校生の黒瀬令児は、看護助手の母親・黒瀬夕子、引きこもりの兄・黒瀬一正、認知症の祖母との四人で暮らしていた。祖母の介護と仕事で忙しい夕子に早く楽をさせるために、高校卒業後は大学に進学せずに就職を考えていた令児は、この町から出ることを心の底では願いつつも、半ばあきらめていた。そんな令児は自分が地元と家族、そして幼なじみに縛られているのを実感し、女子高校に通う幼なじみの秋山朔子との交流をささやかな楽しみにしながら、漠然とした毎日を過ごしていた。だが、朔子の影響で最近好きになったアイドルグループ「アクリル」のメンバーである青江ナギが、町のコンビニでアルバイトをしているのを偶然目撃したことで、令児の人生に大きな変化が訪れる。ナギと親しくなって心を躍らせる令児は身の上の話をしながら、彼女に頼まれて町を案内することになるが、彼女は唐突に「情死ヶ淵」を話題に出す。情死ヶ淵は、江戸時代に村に住んでいた男女が川で心中したという伝説が有名な、自殺の名所だった。さらにナギは、令児の複雑な事情と心情を察したかのように、二人で心中しようと持ちかけてくる。何も変わるはずのなかった令児の町と日常と心情は、この出来事をきっかけに大きな変化が訪れる。

あらしのよる

閉鎖的な田舎町と家族に縛られながらただ生きているだけだった黒瀬令児は、アイドルの青江ナギと出会ったことで人生にさまざまな変化が訪れていた。それはこれまで変わるはずもなかった令児の日常と、周囲との関係性を大きく変えるほどの変化だった。この町を抜け出したいと願いながらも叶わないとあきらめていた令児にナギが差し出した救いの手は、二人だけで心中し、お互いの人生を終わらせることだった。台風で大荒れの夜、自殺の名所・情死ヶ淵で心中しようとナギに持ちかけられた令児は、彼女の手を自ら握って川へ向かった。だが、近くを車で走っていた令児の担任・柴沢由里に発見されたことで、二人の心中は失敗に終わる。由里に保護された令児は彼女のマンションに行くことになり、由里は令児が自殺未遂をしたことに戸惑いながらも、事情を聞くことになる。由里は家庭に複雑な事情を抱える令児を必死に励まして説得を試みるが、家族からの連絡に気づいて嘔吐する令児の様子がふつうではないことに気づき、彼をさまざまな危険から守ることを決意。令児をしばらく自宅で匿うことになった由里は、複雑な事情を抱える彼を心配しながらも、心のどこかで嬉しさを感じながら夕食のための買い物に出かける。一晩寝たことで落ち着きを取り戻した令児は家に帰ると言い出すが、由里は必死な様子で彼を引き止めようとする。

朔に待つ

青江ナギとの心中が未遂に終わった黒瀬令児は、彼らの心中を止めた担任の柴沢由里を頼ることが多くなっていた。令児を惹きつけるナギ、令児に縋る黒瀬夕子、令児に異様な執着を見せる由里。それぞれの思いが交差する中で、令児とその周囲の人々は暗く淀んだ深淵に心を沈めていく。そんなある日の放課後、令児は由里の家の合鍵をもらい、困ったときはいつでも来ていいと言われるが、彼の表情はいつも以上に暗かった。家族と何かあったことを察して家に来るように誘った由里だったが、令児は新月の夜に友人と会う約束があるという理由で断る。一方、大きな川の橋に来ていた秋山朔子は、川辺に咲いた彼岸花を見ながら胸を躍らせていた。朔子は先日、あこがれの小説家・似非森耕作と出会い、彼岸花をくれた彼とこの橋で待ち合わせをしていたのである。耕作の自宅兼仕事場に招かれた朔子は、予想以上に小説家らしい執筆部屋を見て胸を躍らせながら、彼の作品への思いを語る。だが、ベッドに座ったままの耕作が取ったのは、朔子が予想もしていなかった行動だった。複雑な怒りと危機感を覚えた朔子は、携帯電話が鳴ったのに気づき、耕作に幻滅の言葉を吐き捨てて急いで部屋を抜け出す。電話の相手は令児で、彼の声に安心感を覚えた朔子は、後日に彼と会う約束を交わす。

部外者の独白

似非森耕作の作品の感想文を持って彼の家まで来ていた秋山朔子は、彼とそこに来ていた黒瀬令児の会話を耳にしてしまう。それは耕作の妻である青江ナギを、令児が寝取ったという内容だった。予想外の出来事に戸惑った朔子が封筒を落とした音を聞いた令児は、彼女が来ていたことに気づき、すぐに連れて帰ろうとするものの拒絶される。令児は何も言わないままその場から朔子を連れ出し、耕作は二人がまた来ることを察知しながら静かに扉を閉める。耕作との会話内容に混乱する朔子は、すっかり令児のことを信じられなくなっていた。反論できない令児は、ナギと知り合ったあとに自殺の名所「情死ヶ淵」で心中を図り、未遂に終わった出来事を正直に話す。令児が自殺未遂をするほどに追い詰められていたことを実感した朔子は、あらためていっしょに東京へ行こうと誘うが、彼は自分のような男は朔子にふさわしくないと断る。もうただの部外者のままでいたくない、たとえ傷ついても当事者でありたいと願う朔子は、ナギに直接会わせてほしいと令児に頼み込む。それはあこがれのアイドルへの好奇心だけではなく、ナギに直接会って令児を心中に誘わないでほしいと告げるためであった。

救いの手

故郷をいっしょに出ると約束を交わした黒瀬令児秋山朔子は、久しぶりに二人きりでネットカフェに来ていた。だが、令児に固執し続ける教師・柴沢由里の執着は、彼らの知らないうちにより深く濃くなっていた。ネットカフェから出て来た令児を大声で呼ぶ由里に気づき、令児と朔子は思わず足を止める。なぜ由里がここにいるのか戸惑う二人に対し、彼女は車で家まで送ると言い出す。教師とは思えないほどに暗い目を向けてくる由里に恐怖心を覚えた朔子は、以前令児が青江ナギ以外に肉体関係を持ったと言っていた女性が、由里のことだと察する。いくつかの会話を交わしたあとに朔子を降ろした由里は、令児だけを車に残そうとするが、朔子はデート中だと主張しながら、彼を連れて降車する。車から離れ、あらためて話を聞いた朔子は、令児が由里に家庭や進路の悩みを相談し、助けを求めていたことを知る。一方、一人で車に残された由里は、静かな怒りをぶつけるかのようにハンドルを叩いていた。令児に困ったことがあれば相談してほしいと告げたうえで帰宅した朔子は、彼を救う力のない自分の無力感に苛まれていた。令児との会話を思い返し、由里が彼を一日中つけ回していたのであれば、家に向かっているかもしれないと気づいた朔子は、強い危機感を覚える。朔子の予想どおり、由里は令児の家に先回りして彼を待ち受けていた。

実写ドラマ

2022年実写ドラマ化。9月1日よりMBS「ドラマ特区」枠にて放送。主人公の黒瀬令児を荒木飛羽、青江ナギを北野日奈子、秋山朔子を本田望結が演じる。

登場人物・キャラクター

黒瀬 令児 (くろせ れいじ)

向津高等学校に通う2年生の男子。情死ヶ淵のある田舎町のアパートで、看護助手の母親・黒瀬夕子、引きこもりの兄・黒瀬一正、認知症の祖母と四人で暮らしている。灰色の短髪と瘦せ型の体型で、顔は母親似。暴力的な一正と祖母の介護によるストレスを抱える夕子に楽をさせるために、進学ではなく就職を希望している。母親の代わりに家事や祖母の世話、一正のための買い物などを務めながら表面上はふつうに振る舞っているが、本音では家族と閉鎖的で何もない故郷に絶望しており、いつかこの町から出たいと強く願っている。しかし、家族や幼なじみをはじめとする周囲の者に精神を縛られ、家族を見捨てる勇気もないために、町からは一生出られず何も変わらない灰色の人生を送るだけだとあきらめ、諦観と悲観を抱えたような日常を送っている。幼なじみの一人である峰岸玄には、会うたびに使い走りを強要されており、幼少期に彼にいじめから救ってもらった借りがあるためになかなか断れずにいる。もう一人の幼なじみである秋山朔子とは別々の学校となったが、定期的に連絡を取って遊んだりするなど、仲がいい。朔子の影響でアイドルグループ「アクリル」にはまっており、特に青江ナギにあこがれを抱いている。コンビニに買い出しに行った際に、アルバイトとして働くナギと出会い、親しくなる。町の案内をする中でナギに情死ヶ淵伝説の話題を出され、心中を持ちかけられたのをきっかけに本気で死を考えるようになり、彼女に誘われて肉体関係を持つようになった。嵐の夜にナギと二人で情死ヶ淵に行って心中を図るが、巡回中だった柴沢由里に止められ、彼女の家に招かれて相談したことにより、彼女とも肉体関係を持つようになった。これらの出来事をきっかけに日常や周囲との関係が大きく変化し、穏便に町から出る方法を模索しながら、救いを求めてもがき続けている。

青江 ナギ (あおえ なぎ)

アイドルの女性で、アイドルグループ「アクリル」のメンバーの一人。年齢は20歳。ミステリアスな雰囲気をまとった青髪の美女で、喫煙者。アイドル活動をしているときは明るく振る舞っているが、本来はクールな性格で淡々と話す。黒瀬令児がよく買い物をしているコンビニでアルバイトをしており、似非森耕作に廃棄弁当を渡していたところを、令児に目撃されたのをきっかけに知り合った。令児に町の案内を依頼する中で彼の身の上話を聞き、自殺の名所である情死ヶ淵の心中伝説を話題に出して彼を心中に誘い、肉体関係を持つようになる。この際に、生きている理由もなければ死にたい理由もないことを、令児に打ち明けている。令児に出会う頃には、すでに病気の治療を理由にアイドル活動を休止していた。冷淡に見えるが勘が鋭く、令児にとっては初めて救いの手を差し伸べてくれた相手であり、彼を強く惹きつけている。実は耕作とは婚姻関係にあり、マンションの一室で同居しているが、彼は仕事場にいることが多く、結婚してからもなぜか肉体関係はなかった。耕作から「凪」と名づけた一匹の熱帯魚をプレゼントされ、自室で飼っている。嵐の夜に情死ヶ淵で令児と心中を図ったが柴沢由里に止められ、失敗に終わる。その後も令児と何度か会って相談に乗ったりしていたが、心中未遂の件を知った秋山朔子から、二度と令児に心中を持ちかけないように念を押される。これを機に令児とはほとんど会わなくなり、アイドル活動にも復帰した。

秋山 朔子 (あきやま さくこ)

紫葉女学院高等学校に通う女子で、黒瀬令児の幼なじみ。家族と共に情死ヶ淵のある田舎町で暮らしている。黒のロングヘアを二つのお団子にまとめており、眼鏡をかけているのが特徴。巨乳の持ち主ながら太った体型にコンプレックスを抱いている。実家の「秋山茶舗」にちなんで友人からは「チャコ」の愛称で呼ばれており、祖父に付けられた「朔子」という名は古臭いという理由で嫌っている。令児と同様に、家族にも故郷にも絶望しており、早稲田大学に進学し、東京で暮らすことを望んでいる。また、峰岸玄の幼なじみでもあり、令児と同様にいじめから守ってもらった過去があるが、現在は極力かかわらないようにしている。漫画やアイドルを中心にオタク趣味を持ち、青江ナギの大ファンでもある。さらに、小説家・似非森耕作の大ファンでもあり、作品をすべてそろえている。店番をしていた際に耕作と出会い、彼に本名を褒められたことで感動し、朔の夜に待ち合わせをして自宅兼職場に招かれる。ところが、耕作がベッドに誘ってきたことで幻滅し、その場から離れるものの、心の底では彼への未練を抱え続けていた。後日、小説の感想文を渡そうと耕作の家に再び訪れた際には、耕作と令児の会話を聞いてしまい、令児がナギと不倫関係にあったことを知ってショックを受ける。一時は令児に幻滅しながらも、彼といつか町を出るという約束を交わし、思いを寄せるようになる。その後、令児とデートした時にネットカフェの部屋で、令児に体の関係をせまろうとした。しかしそのことを柴沢由里に知られてしまい、さらには彼女が事の一部始終を学校に報告して両親にも知られたことで、早稲田大学への進学が危うくなる。

柴沢 由里 (しばさわ ゆり)

向津高等学校に勤務する女性教師。黒瀬令児の担任を務めている。年齢は29歳で、生徒からは「柴ちゃん先生」と呼ばれている。学生時代は国体卓球選手として活躍していた。生徒たちからは優しい先生と親しまれているが、毎年同じことを教える教師の仕事には心底苛立っており、結婚願望もなく何もない退屈な生活に麻痺していた。また、学生時代のある出来事がトラウマで祖父としがらみを抱えており、友人から愚痴を聞かされたり子守を押し付けられたりすることにもうんざりしている。それでも割り切って生きてきたが、青江ナギと心中しようとしていた令児を発見して助けたことで、人生が大きく変わることとなる。心中未遂をした令児が家族と進路のことで深刻な悩みを抱えていると知り、彼に直接助けを求められたことで、彼を救うという使命感に目覚める。しかし、令児に頼りにされるたびに快感や優越感を覚えるなど、その使命感はどこか歪んでいる。令児と肉体関係を持ったことで、さらに歪んだ恋愛感情と執着心、そして彼をあらゆるしがらみから救い出すという使命感で暴走するようになる。一時はすべての貯金を東京への進学を望む令児に託し、彼の望みを全力でサポートしようとしたこともあった。重過ぎる愛情と暴走を感じ取った令児からは距離を置かれるようになるが、彼が秋山朔子と楽しそうにデートをしていたのを目撃してからは、さらに執着心を暴走させてストーカーと化している。

峰岸 玄 (みねぎし げん)

黒瀬令児と秋山朔子の幼なじみの青年。黒髪短髪で、喫煙者。情死ヶ淵のある町の有名な建設会社・峰岸建設の社長の息子で、幼少期は幼なじみの朔子がいじめられているところを令児が助け、令児が攻撃されるようになってからは彼のことを助けていた。令児には貸しがあるという理由で、タバコを買わせるなど彼を使い走りにしている。高校には通っておらず、すでに働いているが時折舎弟や友人、女性を連れて遊び回っている。父親の会社は建設会社でありながら実態は半ば暴力団体であり、町中に顔が利くなどかなりの権力を持つ。自分が決して町を出ることが許されないことを悟っており、令児や朔子が町を出るのを快く思わず、特に令児には異様な執着を見せる。のちに青江ナギが令児を誑(たぶら)かしていると知り、彼女に直接会って令児に近づかないように告げている。いつもクールで不機嫌そうな表情ながら、朔子に対しては昔のような無邪気な笑顔を見せることがある。実は父親と黒瀬夕子が何年も前から肉体関係を持っていること、父親の情婦として彼女が峰岸建設の寮に通っていることを知っている。町から出ようとしている令児にその件を教えて、この町から出るのは許さないとあらためて念を押した。

黒瀬 夕子 (くろせ ゆうこ)

黒瀬令児の母親で、灰色ロングヘアの中年女性。令児とは血がつながっているが、夫(令児の父)の連れ子である黒瀬一正とは血がつながっていない。引きこもりの一正と認知症の母親(令児の祖母)の面倒を見ながら看護助手の仕事をしており、夜勤などもあって疲労やストレスに追われている。職場などでは疲れや弱音を見せずに気丈に振る舞っているが、実際は一正や母の世話を令児に押し付けていることが多く、令児にまともな愛情を向けられていない。かつて、暴力を振るう夫から令児を守るために峰岸玄の父親を頼ったことがあり、玄の父親の根回しを通して夫を町から追い出している。この件の見返りとして玄の父親の情婦となり、仕事の合間などに峰岸建設の寮に通っている。玄はこのことを知っていたが、令児にはいっさい知らされていなかった。似非森耕作とは学生時代の同級生だが、彼のことは悪い男と評しており、彼とかかわらないようにと令児に念を押している。

似非森 耕作 (えせもり こうさく)

人気小説家の中年男性で、本名は「野添旭」。喫煙者で、黒髪でヒゲを生やしている。飄々としているがどこか影のある、謎めいた人物。情死ヶ淵の心中伝説をモチーフにした小説「春の棺」がベストセラーとなるなど、小説家としては人気があるものの、結婚と離婚を繰り返すなど、私生活においては悪い噂が多い。情死ヶ淵のある町の生まれではないが、中学生の時に東京から引っ越したあと、高校時代までは町で暮らしていた。しばらく町を離れていたが、実家の母親の介護のためという名目で町に戻り、実家を仕事場にしている。東京で出会った青江ナギと結婚し、町に戻ってからは彼女とマンションの一室で同居しているが、仕事場で寝泊まりすることが多い。コンビニでアルバイトしているナギから、廃棄弁当をもらうことがあり、ナギが既婚者と知らずに不倫していた黒瀬令児にホームレスとカンちがいされた。ナギとは年も離れている微妙な関係で、結婚後も肉体関係はない。黒瀬夕子とは中学時代からの同級生だが、夕子からは悪い男と評されている。秋山茶舗で出会った秋山朔子が自分のファンと知り、彼女の本名を褒めて橋の下に咲いていた彼岸花をプレゼントした。のちに朔子を仕事場に招いたが、軽々しくベッドに誘ったことで幻滅される。令児たちと同じ年の頃に、情死ヶ淵の心中伝説に見立て、とある女子高校生と心中を図った過去があり、「春の棺」はその体験を基に書いた私小説である。

黒瀬 一正 (くろせ かずまさ)

黒瀬令児の腹違いの兄で、令児の父の連れ子。成人しているが無職の引きこもりで、家族の前にも姿を見せることはほとんどない。短気な性格でいつもイライラしており、怒ると暴言を吐きながら部屋の壁を何度も蹴るなど、かなり粗暴な人物。偏食気味で、好物のコンビニの唐揚げをいつも令児に買いに行かせている。

令児の父 (れいじのちち)

黒瀬令児と黒瀬一正の父親で、黒瀬夕子の夫。昔は令児たちと共に暮らしていたが、幼い令児には暴力を振るっていた。見かねた夕子が峰岸玄の父親を頼ったことで、峰岸建設の根回しによって町を追い出され、現在は行方不明となっている。

場所

情死ヶ淵 (じょうしがふち)

黒瀬令児たちの住む田舎町にある自殺の名所。場所は町に流れる神月川の上流辺りで、江戸時代に男女が心中したという伝説がある。また、十数年前にはこの伝説になぞらえるかのように高校生の男女が心中を図っており、男子高校生の遺体が発見され、女子高校生は生き残っている。近くには溝沢神社の跡地がある。

書誌情報

少年のアビス 16巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(2020-07-17発行、 978-4088916019)

第9巻

(2022-06-17発行、 978-4088923390)

第10巻

(2022-09-16発行、 978-4088924281)

第11巻

(2022-12-19発行、 978-4088925639)

第12巻

(2023-03-17発行、 978-4088926285)

第13巻

(2023-06-19発行、 978-4088927176)

第14巻

(2023-09-19発行、 978-4088928197)

第15巻

(2023-12-19発行、 978-4088930527)

第16巻

(2024-03-18発行、 978-4088931630)

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