少年宇宙

少年宇宙

人形たちが息づく街トイズ・ヒルを舞台にしたオムニバス短編集。昭和63年の「増刊ララ オータムクラブ」、「ララDX」平成4年10月10日号と平成5年7月10日号に掲載された作品。コミックス刊行にあたり、書きおろしの詩「時計仕掛けの黄昏」が掲載されている。

正式名称
少年宇宙
ふりがな
しょうねんうちゅう
作者
ジャンル
バレエ
 
ファンタジー
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概要・あらすじ

ミュリエル・ユグナーンはバレエが上手な人間の女の子。だが半年前に両親を交通事故で亡くして以来、自分を人形だと思い込むようになり、ところかまわず眠ってしまうようになる。ある日の夢の中で、人形たちが住む街、トイズ・ヒルに迷い込んだミュリエルはコンラッドと出会い、自分も本物の人形になりたいと懇願する。

登場人物・キャラクター

コンラッド

アンリ・フレアマン(博士)によって作られた自動人形。少年の姿をしており、自分が人形だということを知らない。不思議な魅力を持っており、緑色の瞳をしている。幼くして亡くなった博士の息子がモデル。20世紀の最高傑作といわれている。

アンリ・フレアマン (あんりふれあまん)

トイズ・ヒルの人形師。20世紀最大にして最後の人形師と言われているが、若い頃は父親から譲り受けたトイズ・ヒル人形工房の3代目として未熟な自分を恥じていた。幼くして亡くなった息子をモデルにして作った自動人形のコンラッドを発表し世間から絶賛を浴びたあと、ほどなくして亡くなる。『ラヴェンダーの軌跡』『フラクタル・メモリー』にも登場する。

ジャン・ジャリー・レニエ (じゃんじゃりーれにえ)

アンリ・フレアマン(博士)のたった1人の助手を務める青年。身寄りのない博士の技術を唯一受け継いだ人物。博士亡き後、ヨーロッパ中の人形工房、時計会社、オルゴール会社、おもちゃ工場から引く手あまたの誘いを受けたが、山あいの小さなアンティークショップに身を寄せる。

マドレーヌ

女性の人形。アンリ・フレアマンが大昔に作った試作品第1号。ダンスが上手。ジャン・ジャリー・レニエの恋人で、ちょっぴりやきもち焼き。綱渡りとチェスが得意。昔は自分が自動人形だと知らなかった。

カノープス

黒猫の人形。おしゃべりで、ちょっぴり口が悪い。いつもコンラッドと行動を共にしている。

ルグリ

ウサギの人形。ヴァイオリンが得意。口調は丁寧で礼儀正しい。カノープスとは犬猿の仲。

ミュリエル・ユグナーン (みゅりえるゆぐなーん)

スイスに住むバレエが上手な14歳の少女。半年前に両親を交通事故で亡くして以来、ところかまわず突然眠ってしまう病気になってしまった。そのうえ、自分のことを人形だと思い込んでいる。夢でトイズ・ヒルに行き、コンラッドと親しくなった。

レオン

ミュリエル・ユグナーンの通うバレエ教室の向かいにある時計屋の息子。ミュリエルのことが好きで、夢の世界に逃げようとする彼女を救い出すために奔走する。周囲からどんなにからかわれてもミュリエルを庇い続けていた。

占い師のおじいさん (うらないしのおじいさん)

浮浪者のような格好をして町をさまよっている老人。ミュリエル・ユグナーンの魂がこの世から離れたがっていることを見抜き、離れかけた魂を取り戻そうとするレオンに助言する。

マリユーズ

ジャン・ジャニー・レニエが身を寄せた山あいの小さなアンティークショップの娘。ジャンとは恋人同士だが、コンラッドに導かれてトイズ・ヒルに行ってしまうジャンに取り残されてしまう。

コンラッド(人間)

アンリ・フレアマンの息子。生まれつき身体が弱く、学校にも行っていない。その代わり豊かな想像力を持ち、両親からは空想癖があると思われているが、時空を超えて現れた人形コンラッドの声を本当に聞くことができる。森で雨にぬれ、肺炎をこじらせて死んでしまう。飼い猫のカノープスが友達。

場所

トイズ・ヒル (といずひる)

人形たちが住んでいる街。アンリ・フレアマンの工房の名前でもある。昼と夜は入れ替わるものの、時間という観念はなく、トイズ・ヒルに住む者は年を取らない。街はずれにある水晶林は磁力が強く星がたくさん降りてくるので、流れ星を拾うことができる。星はお茶に入れるとスパークリングティーになる。

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