神の子供

神の子供

生まれる前から恐怖という感情に支配され、便器に産み落とされたわたしが、倒錯した性と殺人を通して、世界への復讐につきすすむ。全編を通して具体的な説明は少なく、抽象的な台詞やイラストによって描かれる。残虐で暴力的な殺害シーンも、細かで独特なタッチで描かれたアート作品のような漫画。

正式名称
神の子供
ふりがな
かみのこども
作者
ジャンル
ホラー
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概要・あらすじ

便器に産み落とされたわたしは、世界へ復讐をするために成長する。わたしは幼少時代から歪んだ性癖と殺人への衝動をもっており、小学校のクラスメイトたちを猟奇的な方法で次々に殺害。しかしわたしは狡猾で、社会では目立たないようにふるまっていた。やがて自分より幼い子供たちにカリスマ性を発揮するようになったわたしは、戦争ごっこや性的な興奮を子供たちに教え、支配し、殺人の代替行為とする。

しかし、ある日少年を殺害したことから、子供たちのグループを組織し、再び殺人を繰り返すようになる。

登場人物・キャラクター

わたし

まだ生まれる前、胃のなかで目覚め、恐怖を感じたことが最初の感情であり、生涯にわたって唯一の感情となる。冷徹で残虐。大人や世界を常に冷めた目で観察している。一部の少年たちからカリスマ的な存在となり、彼らの絶対的な支配者となる。粘土人形を破壊したり、可愛がっていた猫を殺すなど、幼少時から殺害に興味を抱く。 サークルで出会った女の死体との性的接触により、歪んだセックス観を持つ。小学校時代から殺人をはじめ、17才の誕生日に両親も殺してしまう。

両親 (りょうしん)

わたしの母と父。二人はほぼセットで両親という記号として語られる。わたしを二才すぎまで女のコのように育てる。わたしの人格に不安をもちサークルに連れて行くが小学校で社会での振る舞いを学んだわたしの芝居を見抜くことができず、安心しわたしが猟奇的殺人を続けていることには気付かない。 17才のわたしの誕生祝いに家で待っていたところをわたしの計画により、少年たちのグループの手で殺害され、家ごと焼き払われる。

(おんな)

小学生になったわたしが通わさされたサークルで働くボランティア。大学生だが、年齢より若く見える。他の子供たちとなじめないわたしを気にかけている。わたしにとって屈辱的でしかないサークルのなかで、唯一好む時間が女との身体的接触である。暴行を受けて殺害されるところをわたしに発見される。

彼女 (かのじょ)

わたしの小学校のクラスメイト。クラス全体から壮絶ないじめにあい、恐怖のどん底で表情を失っている。わたしは彼女に興味をもち「助けてやる」という名目で、クラスのいじめっ子たちを猟奇的な方法で殺していくが彼女はそれを止めようとする。後に自殺。

少年 (しょうねん)

家出をしたが親に探してもらえず、腹をすかせていたところ廃工場でたむろしていた14才のわたしのもとに連れて来られた。薄汚れているが、美しい顔をして、男になりきらないしなやかな関節をもつ。わたしに食べ物を与えられ、抵抗する力もなく、殺害されることを受け入れる。

(かれ)

廃工場でたむろしていた子供たちのグループの一員。しかし好きな女の子ができて、グループを抜けたいと申し出る。わたしに女の子を殺され、復讐をするためにグループに戻ってくる。

女の子 (おんなのこ)

わたしを崇拝するグループの一員である彼の恋人。わたしによって、理由も目的も関係もなく殺される。

場所

サークル

情緒障害児や知的・人格的に障害のある子供たちの入るサークル。小学校に入ったわたしが週一回日曜日に通う場所。わたしはサークルの子供たちを嫌悪して接触を避けていたため、協調性がなく、自閉的な性格と疑われる。

小学校 (しょうがっこう)

小さな社会のひとつとして描かれ、社会は獲物を見つけて成り立っているというわたしが気付く場所。わたしにとっては自分と関係のないものとして位置づけられている。社会に適応するため、子供たちの生活のなかで目立たないように振る舞う術を学ぶ。

廃工場 (はいこうじょう)

町外れにある古い工場。中学生になってからのわたしの遊び場。小学校5〜6年生の少年たちがわたしを信奉して集まっている。

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