風光る

風光る

プロ野球選手のモノマネが得意な少年・野中ゆたかが、新しく赴任してきた監督・君島の下で実力を発揮し、仲間と共に甲子園優勝を目指していく野球漫画。甲子園に出場した、28巻以降のタイトルは『風光る~甲子園~』と変更されている。タイトルの『風光る』とは春の情景を指す俳句の季語であり、何か新しいものが始まるのではないか、という気持ちから付けられたものである。原作は七三太郎が担当。第16回講談社漫画賞を受賞した川三番地の代表作。

正式名称
風光る
ふりがな
かぜひかる
漫画
原作
ジャンル
野球
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

弱小の多摩川高校野球部に所属する少年・野中ゆたかは、プロ野球選手のモノマネが得意だが実戦では振るわずに補欠に甘んじていた。しかし、ゆたかは新しく赴任してきた監督・君島によって四番かつピッチャーに指名される。君島の意図が読めずに困惑する多摩川高校野球部の面々だが、強豪・千束高校との練習試合でゆたかの活躍により接戦へと持ち込んだことで評価を改める。

他校試合に敗北し続け、自信もやる気も喪失していた多摩川高校野球部だが、ゆたか君島の存在により甲子園優勝を目指すようになる。

登場人物・キャラクター

野中 ゆたか (のなか ゆたか)

多摩川高校野球部に所属する小柄な高校一年生。野球選手のモノマネを得意としているが、実力は振るわずに補欠。しかし、新監督・君島により四番かつピッチャーへと大抜擢。プロ野球選手の形態模写で攻守ともに活躍。モノマネをするために練習を繰り返していたため基礎能力は高く、君島の指導により頭角を現して名実共に多摩川高校のエースとなっていく。 鋭い観察眼を持ち、他の部員の悪癖などを指摘することもある。プロ野球選手のモノマネのバリエーションは広く、相手に対策を練らせない効果もある。

君島 (きみしま)

多摩川高校に赴任してきた国語教師で、野球部の監督を務めることとなった男性。学生時代に数々の記録を残した名選手。野球の楽しさを伝えるために母校の多摩川高校にやって来たが、部員達の熱意に応えて彼らを強くするため厳しく指導に当たる。観察眼が鋭く、野中ゆたかの才能をいち早く見抜いた他、選手の癖を的確に指摘する。 カリスマ性も非常に高く、部員たちの信頼を短期間で勝ち取っている。

石川 (いしかわ)

多摩川高校野球部のキャプテンでポジションはキャッチャー。やや短気で、最初は後輩で元補欠だった野中ゆたかの忠告に反発していたが、次第にゆたかを信頼していく。チームの司令塔として活躍し、部員からの信頼も厚い。当初は大振りの長打狙いでローボールが苦手という弱点があったが、ゆたかや君島の指摘により改善した。

小暮 (こぐれ)

多摩川高校野球部部員で、野中ゆたかの前に四番を担っていた三年生。チーム一の野球センスを持ち、長打からバントまでこなすす万能選手。以前はエースという重圧から思うようなプレイが出来なかったが、三番となってから実力を発揮していく。

岡田 (おかだ)

多摩川高校野球部部員。体格が良く、腕力も強いが力任せにスイングする癖があり、下位打線に甘んじていた。しかし、野中ゆたかの指摘に従いスイングを変化させたところ打率が上昇。フルスイングでなくとも長打が撃てる剛腕を生かしクリーンナップへと格上げされた。

坂本 英一 (さかもと えいいち)

多摩川高校野球部の部員で、トップバッターを任される俊足の持ち主。当初はアッパースイング気味で打ち上げてしまうことが多かったが、野中ゆたかの指摘を受け入れてダウンスイング気味に変更。安定したバッティングと足の速さで安打を稼ぐ。

野中 美奈子 (のなか みなこ)

多摩川高校に通う女子生徒で、野中ゆたかの姉。多少見栄っ張りな所があり、最初はゆたかが自分の弟であると言い出せなかった。しかし、ゆたかが活躍すると思わずカミングアウトし、その後はゆたかの活躍を心配しながらも見守っている。

団長 (だんちょう)

多摩川高校応援団・団長を務める男子生徒。口ひげを生やしており、やや老け顔。試合では野中ゆたからを応援し、またそれ以外でも相手チームのビデオを手に入れてきたりと何かとサポートしている。

集団・組織

多摩川高校 (たまがわこうこう)

『風光る』に登場する学校。野中ゆたからが通う高校。君島が現役時代の野球部は名門と呼ばれるほどの強豪校だったが、現在では連敗が続き堕落しきっていた。しかし、監督として戻ってきた君島の指導やゆたかの活躍によって奮起、甲子園優勝に向けて実力を大幅に伸ばしていく。

千束高校野球部 (せんぞくこうこうやきゅうぶ)

『風光る』に登場するチーム。南東京地区でベストフォーという成績を残し、シード権を獲得している強豪校。老練の監督・小野の下、速球を得意とする大城やパワーヒッターの熊野などの選手を有す。君島が多摩川高校野球部の監督となって真っ先に組んだ練習試合の相手。遥か格下であるはずの多摩川高校を侮り、接戦へと持ち込まれてしまう。 その後、南東京地区大会準決勝で再び戦うことになる。

尾山台高校野球部 (おやまだいこうこうやきゅうぶ)

『風光る』に登場するチーム。多摩川高校野球部が南東京地区大会の初戦に当たった高校。多摩川高校には練習試合、公式試合共に負けたことがなく、頭から舐めてかかった所コールド負けという惨敗を喫してしまう。

昭文館高校野球部 (しょうぶんかんこうこうやきゅぶ)

『風光る』に登場する部活。多摩川高校野球部が南東京地区大会で戦った高校。例年シード権を争う程の強豪校であり、格下の相手をも見くびらない姿勢を貫く。エースの宇童はキレの良い変化球と速球を武器とする。選手個人の能力もさることながら戦略にも長けており、「じらし戦法」という相手のピッチャーを焦らしてミスを誘う作戦も使う。

本郷高校野球部 (ほんごうこうこうやきゅうぶ)

『風光る』に登場するチーム。南東京地区大会で多摩川高校野球部が対戦した相手。140kmを超える速球を投げるピッチャー・佐久間をエースとしたシード校。体格の良く俊足の選手が揃う。

京浜高校野球部 (けいひんこうこうやきゅうぶ)

『風光る』に登場するチーム。南東京地区第一シードで、甲子園の常連校。多摩川高校野球部が南東京地区大会準々決勝で戦うことになる。勝つことだけを目標とせずに野球を楽しむ気持ちを持っており、そこが強さの秘訣でもある。各ポジションの選手の能力が高く、隙のないチーム。

SHARE
EC
Amazon
logo