のらみみ

のらみみ

子供の家に住む居候であるキャラが一般的に存在する現代日本を舞台とした作品。主人公・見習い小坊主・のらみみくんが居候する居候紹介所・ハローキッズ59号店を中心に、ほのぼのとした日常が描かれる。1話完結型のストーリーで、毎回種類の異なる様々なキャラがゲストとして登場する。原一雄の代表作。

正式名称
のらみみ
ふりがな
のらみみ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

見習い小坊主・のらみみくんは、子供の家に居候することを本能とするキャラでありながら、子供のいないハローキッズ59店に居候している、一風変わった存在。やがては自身も子供の家に居候することを夢見ながら、半田トマゴメら仲間達と共に、ハローキッズ59号店の業務を手伝う毎日を送っている。ハローキッズ59号店には、毎日大勢のキャラが次なる居候先を探してやってくるのだが、のらみみは自身の居候先が決まっていないにも関わらず、他のキャラ達の居候先を探す手伝いをしていくことになる。

登場人物・キャラクター

見習い小坊主・のらみみくん (みならいこぼうず のらみみくん)

子供の元に居候せず、居候紹介所に居候している珍しいキャラ。元々の名前は「カミナリ小僧のらみみくん」で、大きな角を生やした鬼タイプのキャラであったが、思うように人気が出なかったことから忍者や怪獣など様々なタイプを模索していた。居候先の候補であった子供の印象をよくするため、自作自演を行った結果、角を折られてしまい、トマゴメによるイメージチェンジで見習い小坊主の姿となる。 半田とはカミナリ小僧であった頃からの付き合いで、一緒に働くことを希望してハローキッズ59号店に居候することになった。イラついた時など「チェッ」と舌打ちするのが口癖だが、照れ隠しとして使うこともある。好物は水あめで、チョコバットが作る水あめの入った壺を常に持ち歩き、暇さえあれば水あめをこね回している。

半田 トシオ (はんだ としお)

新入社員としてハローキッズ59号店で働く男性。キャラに対する思い入れが強く、居候先を紹介する仕事への情熱は人一倍強い。かつてはニコニコ紹介所という居候紹介所に勤めていたが、のらみみを居候させるために手段を選ばない社長の方針に嫌気が差し、のらみみを連れて逃走。逃げた先にあったハローキッズ59号店で共に働くことになる。 子供の頃に自身の家に居候していたドッタリ君のことを溺愛しており、以前の居候先の子供はキャラと会ってはならないというルールを無視し、こっそり何かと理由をつけて会っているほど。同期入社である小鉢とはキャラに対する思い入れを語り合った仲で、恋人同士の関係となる。

あまのじゃく・シナモン (あまのじゃくしなもん)

あまのじゃくタイプのキャラで、かつてのらみみが居候していた頃に周囲に住んでいた、のらみみにとっての妹分のような存在。関西弁で話す。現在は居候はしておらず、キャラ芸人を目指して旅をしていたところをのらみみと再会する。あまのじゃくであるため常に相手と反対の反応をしてしまい、本当の意図とまったく異なる行動をしてしまうことも。 そのため周囲とのトラブルも絶えないが、付き合いの長いのらみみはその性格をうまく利用し、居候先を見つけてあげていた。

トマゴメ

ハローキッズ59号店の所長を務める男性。非常に温厚な性格で人当たりもよく、社員やキャラ達からも慕われている。仕事への情熱は強く、キャラや子供達1人1人を大切にする営業方針をとっているため、業績が伸びず本社から注文をつけられることもある。家は何人も子供がいる大家族で、全員にキャラがおり非常に騒がしい。 のらみみをキャラとして迎え入れようとしたこともあったが、環境の過酷さから辞退されている。

更科 (さらしな)

ハローキッズ59号店に勤める女性社員。上昇志向が強く、所長になるための勉強を怠らない。仕事面でも優秀らしく、更科がいつか店を離れることを聞いたのらみみが店の存続を不安視していたほど。中学生まで一緒に育ったキャラであるナユタの居候先を自分の手で探し出した経験から、居候紹介所での仕事を志すことになる。 異性にもてるらしく、作中ではキャラやチョコバットから求愛を受けるというシーンも見受けられた。

銀閣寺 ナオミ (ぎんかくじ なおみ)

ハローキッズ59号店に勤める女性社員。更科よりも先に入社した古株だが、仕事に対する姿勢はいい加減。つかみ所のない性格で、あまりプライベートの話もせず、ハローキッズ59号店の社員やキャラ達からもナゾの多い人物として知られている。他人の影響を受けやすく、その時に付き合っている男性によってファッションがガラリと変わる。 銀閣寺という苗字を恥ずかしく思っているらしく、入社時に書いた履歴書の苗字の欄だけを塗りつぶすほど徹底して隠していたが、本店の情報を持つ小鉢によって暴露された。

ドッタリ君 (どったりくん)

かつて半田の家に居候していたキャラ。非常に物忘れが激しい、いわゆるバカキャラで、半田へのプレゼント探すために出かけ、そのまま用件を忘れて行方不明となり、半田自身のこともすっかり忘れてしまっていた。まともに会話をすることも困難でよくまめぺんなどをいらつかせているが、半田や現在の居候先の子供である斉藤タイなど一部とは意思疎通がとれ、溺愛されている。 頭頂からは草のようなものが生えており、数年周期で新しく生え替わる。ズタブクロというたくさんのガラクタが収められた大きな袋を常に持ち歩いている。

チョコバット

水あめ売りの男性で、彼の作る水あめは非常に美味しく、遠くから買いに来る客もいるほどで、のらみみの大好物。ただし特殊な製造法をしているらしく、1度売り切れてしまうと3ヶ月は作ることができない。「チョコバット団」なる、子供達が学校に行っている間にキャラ達が一緒に遊ぶためのグループのリーダーでもあり、団員からは絶大な信頼を寄せられている。 好意を寄せていた更科にふられた際はショックで活動を一時中止し、しばらく旅に出ていた。

まめぺん

自称・スーパーオールマイティなキャラ。全国の居候紹介所を回り、居候候補の検索にひっかかりやすいよう、こっそりいくつものキャラタイプを増やしていた。イカのキャラタイプで居候先を見つけるが気に入られるか自信がもてず、のらみみと同じ小坊主タイプに変装する。以降は同じ小坊主仲間としてのらみみとよく行動を共にするようになる。 性格はずる賢く、のらみみのふりをして詐欺まがいの商売をしたり、共に悪だくみをすることもしばしば。ただし居候先の子供に対する愛情は他のキャラ達と変わらないようで、儲けたお金でプレゼントを買っていた。

小鉢 (こばち)

半田と同期でハローキッズに入社した女性。特別調査員として業務実態を調査するため、ハローキッズ59号店を訪れる。大した目的もなく入社したが、半田がのらみみの居候先を探すため仕事に情熱を燃やす姿に影響され、自身も仕事に誇りをもつようになる。仕事に忙殺されていたことから当時の思いを忘れてしまうが半田との再会をきっかけに思い出し、やがて恋人同士となる。 後にハローキッズ60号店の所長へと抜擢された。

集団・組織

居候紹介所 (いそうろうしょうかいじょ)

『のらみみ』に登場する、キャラの居候先を紹介する会社の総称。居候を希望するキャラ達を登録し、その中から家庭の希望に沿ったキャラを紹介するという仕組み。今やどこの街でも見かける競争の激しい業界となっており、作中に主に登場するハローキッズ59号店の他にも、かつて半田が務めていたニコニコ紹介所やライバル会社である業界2位のキャラワールドなど、様々な居候紹介所が存在している。 また個人紹介所と呼ばれる会社ではなく個人や知り合いからキャラ仲介を受けるというケースもあるが、長い居候生活によるトラブルが起こると居候紹介所を頼る者は多い。

ハローキッズ59号店

『のらみみ』に登場する会社。居候中ののらみみや半田、更科といったメインキャラクター達の多くが勤めている。ハローキッズは居候紹介所の業界シェア1位を誇る大手だが、キャラと子供達の思い出を大切にしたいという所長のトマゴメの方針から、長期間に渡って滞在できる家庭を紹介するため、さほど業績はよくない。 そのため。本社から方針に関する注文をつけられることもある。キャラの別れをファンタジーに演出し、次の居候先まで送り届ける「おまかせパック」や、居候中のハプニングに際し代役のキャラを派遣する「代キャラ」など、他店では行っていない様々な独自サービスを展開しており、日夜大勢のキャラ達がつめかけている。

その他キーワード

キャラ

『のらみみ』の用語。「かつて誰もが憧れた、生活を共にし、日常をユカイに演出してくれる」存在の総称。キャラはそれぞれに特殊な能力をもっているが、その力のほとんどは社会に影響を及ぼさない些細なもの。見た目も標準的な動物タイプから人間、果てはロボットやサイボーグまで様々な種類が存在するが、どのキャラも居候本能をもっており、子供と一緒に過ごすことを好んでいる。 ただし、子供と一緒に過ごすことができるのは小学生の期間だけで、その後は居候紹介所などに登録し、必ずその家を出て次の居候先を探さなくてはならない。居候先が見つからなかった場合はキャラホテルというキャラ専用の宿泊施設に滞在している者が多い。

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