居留守の勇者アリシア

居留守の勇者アリシア

3年前、魔王コルチカムは勇者・アリシアの手によって封印されたが、世間にはその事実は伏せられていた。そうとは知らずアリシアを魔王討伐の旅に誘う仲間たちを、平和な隠遁生活を送るため、トラップで撃退していくアリシアの姿を描いたファンタジーコメディ。

正式名称
居留守の勇者アリシア
ふりがな
いるすのゆうしゃありしあ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
ファンタジー
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あらすじ

勇者・アリシアは、魔王コルチカムを星のアミュレットの力で封印することに成功した。だが、魔王コルチカムが封印されたのはペットのイッヌの体の中であり、アリシアもまた魔王コルチカムの呪いにより、巨乳化してしまったのである。自分の体型の変化が恥ずかしく、人前に出られなくなったアリシアは、それから3年間、一連の事実を隠したままシマ村で隠遁生活を送っていた。そんなある日、幼なじみの戦士・ミアが、魔王討伐の旅に出ようとアリシアを誘いに来る。居留守も通用せず、アリシアは伝説の勇者の剣を扉の閂にしたうえで、扉に穴をあけて中を覗き込んでくるミアに「水魔法(アクアショット)」という魔法をかけて対抗する。その後、ミアはひとまず退散するものの、翌日も懲りずにまたやって来ることは明白だった。アリシアは、一晩で家の周りに毒の沼や自動床など渾身のトラップを設置。翌日、アリシアの危惧していたとおりに姿を現したミアは、アリシアの家の周りに張り巡らされたトラップを魔王コルチカムの仕業と断じ、アリシアを助けようと果敢にトラップに挑む。(Defence.1「この平和な世界の片隅で…」)

登場人物・キャラクター

アリシア

勇者の少女。今から3年前、シンワ歴986年5ノ月にペットのイッヌと共に魔王コルチカムを倒した。その際に魔王の呪いを受けて巨乳化しており、アリシア自身はそんな自分の体型にコンプレックスを感じて人前に出られず、現在はシマ村で引きこもり生活を送っている。またアリシアが恥ずかしがって、そのいきさつを誰にも話していないこともあり、実際は魔王コルチカムはすでに封印され、世界が平和になっていることは周囲に伝わっていない。そのため、さまざまな人物から魔王討伐の誘いを受けており、そんな人々を体よく追い払うことに頭を悩ませている。ちなみに、アリシアが勇者だと気づいていなかった幼い魔法使い・ルルネに対しては、当初は勇者に仕えるメイドの「シア」を名乗っていた。

イッヌ

イッヌ科モフモフ属の動物。外見は犬そのもの。飼い主のアリシアとだけ、会話による意思の疎通ができる。アリシアが魔王コルチカムと戦った際にも、彼女の傍らにいた。アリシアが星のアミュレットの力で魔王コルチカムを封印しようとした際、魔王コルチカムも同時にアリシアに向けて呪いを放ったが、アリシアが装備していた勇者の鎧の効果でその呪いが反射され、イッヌを直撃。これらの複合効果により、イッヌの体内に魔王コルチカムの精神が封印されることとなった。意識こそ魔王コルチカムのものだが、基本的にただの動物であるためになんの力も持っておらず、また自ら呪いを解くこともできない。

魔王コルチカム

人々に恐れられている魔王。実は今から3年前、シンワ歴986年5ノ月にアリシアに敗れたが、世間にはそのことは知られておらず、未だ恐怖の対象であり、同時に功名心あふれる者のターゲットとなっている。アリシアと戦った際、彼女が使った星のアミュレットの力で封印されそうになったが、同時に魔王コルチカム自身もアリシアに呪いを放った。この呪いがアリシアの装備していた勇者の鎧の力で反射され、近くにいたイッヌを直撃。これらの複合効果により、イッヌの体内に魔王コルチカムの精神が封印されることとなった。現在はイッヌの意識を完全に支配下に置いているが、あくまでただの動物にすぎないためになんの力も持っておらず、また自ら呪いを解くこともできない。

ミア

戦士の少女で、アリシアの幼なじみ。明るい性格で容姿もかわいらしいが、何かと力押しで物事を解決しようとするところがある。また能天気で危機察知能力に欠け、簡単なトラップにもあっさりとひっかかる。さらに思い込みも激しく、何か不可解なことがあるとすぐに魔王コルチカムの仕業だと断定する。性的な意味も含めてアリシアに対する執着心は非常に強く、魔王コルチカム討伐に誘うために彼女の家に日参しているだけでなく、いつの間に調べたのか下着をアリシアとおそろいにしたり、アリシアとの情事を妄想したりと、すでに危険なストーカーの域にまで達している。アリシアには、何かとモンスターを使った性的なトラップを仕掛けられることが多く、毎度快楽堕ちしては撃退されている。

ルルネ

魔法使いの少女。まだ幼いが、8歳になったら旅立って勇者に仕え、修行をしないと村に帰れないというしきたりに従い、アリシアを魔王コルチカム討伐の旅に誘いに来た。勇者とは大きくて強い者と考えており、胸が大きいだけのアリシアのことを、当初は勇者だとは思っていなかった。魔法の腕は未熟で魔導書も満足に読めず、うまく制御もできないものの、「開錠魔法(フルオープン)」一発でアリシアの家のドアを片っ端から蝶番ごと外したり、そのドアを修復しようとしてアリシアの家の前にセーブポイントを作成したりと、秘めた実力は相当なもので、魔王コルチカムであるイッヌには神の領域の魔法の使い手として警戒されている。

ユリィ

僧侶の女性。かつて魔の城で迷子になっていたところを、アリシアに助けてもらった過去がある。それ以来アリシアを心から慕い、魔王コルチカム討伐の「愛の旅」に出るため、彼女を誘いに来た。魔王コルチカムであるイッヌすらも驚く光魔法の使い手。清楚な外見で言葉遣いも非常に丁寧だが、重度のメンヘラで、郵便物を届けた際のサインと偽って自分との婚姻届にアリシアの名前を書かせるなど、言動が常軌を逸しており、アリシアにも一番の危険人物として警戒されている。ちなみに光魔法を使う際には、まず地面を掃いて綺麗にし、ハンカチを敷いてその上に跪くほどの極度の潔癖症で、汚いものが大嫌い。

ルミネ

ルルネの母親。「最強魔導士」の肩書を持ち、最強の神話防具とされる「アイギスの盾」を、「圧縮振動氷刃(ウォーターカッター)」一発で真っ二つに切り裂くほどの常軌を逸した実力を誇る。かつて魔王コルチカムもルミネ一人を相手に、まるで歯が立たずに何度となく敗北した過去があり、彼にとって恐怖の対象となっている。現在は魔導士を引退して主婦となり、小さな村でひっそりと暮らしている。ルルネが勇者のアリシアに旅の仲間として認められなかったことで怒りを覚え、抗議のためにアリシアのもとを訪れた。ルルネのことを溺愛しており、ルミネにとっては、すべてにおいてルルネの言うことが優先される。

その他キーワード

勇者の鎧

勇者にしか装備できない鎧。勇者・アリシアが魔王コルチカムと戦った際に身につけていた。妖精の加護の力により、呪術を反射することができる。アリシアが星のアミュレットの力で魔王コルチカムを封印しようとした際、魔王コルチカムはアリシアに向けて呪いを放ったが、勇者の鎧の力で反射され、呪いは近くにいたイッヌを直撃。これらの複合効果により、魔王コルチカムの精神が、イッヌの体内に封印されることとなった。なお、魔王コルチカムの呪いを受けた際に勇者の鎧の一部が破損したため、胸が大きくなる呪いのみアリシアに効力を発揮している。これにより、アリシアの体型が変わったこともあって、現在アリシアは勇者の鎧を身につけることができなくなっている。

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