島根の弁護士

島根の弁護士

新米弁護士の山崎水穂は小泉八雲が好きなことから、彼にまつわる地である島根県に所属する弁護士になる。彼女は、自身の所属する秋田法律事務所に舞い込む法律相談を親身になって解決していく。弁護士業界のあり方や、身近に起こりうるさまざまなトラブルを1話~数話完結のエピソードで描く。

正式名称
島根の弁護士
ふりがな
しまねのべんごし
作画
原作
ジャンル
ヒューマンドラマ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

幼少時より小泉八雲に憧れ、高校時代の出来事から弁護士を志していた山崎水穂。彼女は念願かなって日本でも特に弁護士の少ない島根県弁護士会に所属する新米弁護士となり、敏腕弁護士の秋田良市が所長を務める秋田法律事務所で働くようになる。水穂は、遺言状の作成といった小さな案件から、徐々に懲役なども絡む大きな訴訟を手がけていく。

そのなかで法律を毛嫌いする炎樹卓也との出会いや、死んだといわれていた元検事である母との再会などを経て、20数年前に起こった、水穂の一家が離婚するきっかけになった製薬会社と病院をめぐる大スキャンダル劇が浮かび上がってくる。

登場人物・キャラクター

山崎 水穂 (やまざき みずほ)

日本一弁護士の少ない島根県にやってきて秋田法律事務所に入所した新人の女性弁護士。横浜出身。幼いころから小泉八雲好きで、そのことも島根を選んだ一因。まだ未熟なところはあるが、明るく前向きな性格で依頼者の気持ちをくみ取り、さまざまな訴訟の解決に携わる。事件解決のためなら自分の労をいとわない誠実な人柄と行動力を持ち合わせており、小さなアクセサリーを探すため数日ドブさらいをやりきって、頑迷な遺族の信頼を勝ち取ったこともある。 プライベートでは酒を愛し、かなりの酒豪。

秋田 良市 (あきた りょういち)

秋田法律事務所の所長で山崎水穂の上司である弁護士。熊を思わせるいかつい風貌だが、実際は気さくで面倒見もよい好人物。初めての法律業務に挑む水穂に対して、人間心理の複雑を匂いに例えて伝えるなど、兄や父親のような優しさと厳しさで彼女を指導し、水穂からはボスと呼ばれる。仕事を優先するあまり、病気だった妻の最期をみとれなかったという過去を持ち、それを悔いる気持ちから妻の出身地である島根で弁護士事務所を開く。

炎樹 卓也 (えんじゅ たくや)

悪用され、正しい者を守れない法律を虚しいという男性。弁護士資格は持っていないが、さまざまなトラブルを個人的に解決している。あるアパートで、家賃を滞納している住人に督促に赴いた山崎水穂の前に現れ、不誠実な態度を取っている住人を一喝して従わせる。法律などなくても日本は義理と人情で回していけると主張するが、水穂に弁護士は法律に情を差し込んでトラブルを良い方向に解決するものだと反論され、彼女に興味を持つ。 医療過誤のスキャンダルから人生を狂わせた尼子卓郎の息子で、その際の思いが法律への敵愾心の原因となっている。

桜井 秀子 (さくらい ひでこ)

「虫の音」という小料理屋を営む中年の女性。炎樹卓也とは旧知の仲で、彼を介して山崎水穂や店の常連客と温泉旅行に出かける。その際、自分が死別したはずの水穂の母と告げる。小料理屋を開く前は検事であり、ある製薬会社のスキャンダルがらみで医療過誤を起こした病院を追求しきれなかったことを後悔して職を辞し、家族との幸せな生活を捨てることが贖罪と考え、水穂や夫である山崎春雄と別れた過去を持つ。 後に自らも弁護士となり、法曹界に再起する。

山崎 春雄 (やまざき はるお)

横浜で理容店を営んでいる山崎水穂の父親。ふとした偶然で桜井秀子と知り合い、まだ若く、精神的にもろかった彼女をさりげなく助けたことで交際が始まり、やがて結婚し水穂を設けた。読書家だった秀子が店にたくさん本を置いていったため、彼の店は理容店でありながら小泉八雲や法曹関係の書籍が積まれている状態になっている。 秀子と出会った時だけでなく、彼女が贖罪の道を選んだ時にも理解を示し、彼女を死んだものとして水穂を男手ひとつで育てた。

島津 茜 (しまづ あかね)

山崎水穂よりも半年ほどあとに秋田法律事務所に入所した、島根出身の女性弁護士。温かい雰囲気を持つ水穂とは対照的に、メガネをかけたやや冷たい雰囲気を持つ人物。人の気持ちを重視する水穂に対して、法のあり方を優先する考えを持っており、彼女と対立することもある。

秋田 真央 (あきた まお)

秋田良市の娘で、大学生。仕事を優先し、母親の最期を見とれなかった父と弁護士という職業を嫌悪している。大人に対しては生意気な態度を取ることが多いが、同年代の友人には友達思いの面を見せ、友人の母親の手術のため、自分の母親の形見である指輪を売って代金をカンパするなど、心根は優しい。質屋に入れてしまった指輪を買い戻すため、後に秋田法律事務所にアルバイトとして入所する。

尼子 卓郎 (あまご たくろう)

桜井秀子のかつての恋人。製薬会社に勤務していたが医療過誤のスキャンダルで矢面に立たされ、ストレスで交通事故を起こし、重度の障害者となる。その後は検事という立場上企業の責任を負わされた、恋人でもあった彼を守れなかったことを悔いて職を辞した秀子の手引きで障害者施設に入所して暮らしていた。 この施設が閉所したことで秀子は彼を養うため法曹界に復帰することを決意する。

早野 玉枝 (はやの たまえ)

秋田法律事務所で働く事務員。秋田良市以外のメンバーではもっとも入所が早い古参。かつて、ひき逃げ事件を起こして人を殺した過去を持つ。その際に弁護を担当したのが秋田であり、服役を終えた後は彼のススメで秋田法律事務所で働くようになった。後に秋田からプロポーズされて結婚する。

小泉 八雲 (こいずみ やくも)

知日派でギリシャ生まれの作家。作中ではすでに故人だが山崎水穂をはじめ桜井秀子、尼子卓郎など彼のファンも多く、秀子と尼子が図書館で知り合い、交際を始めるきっかけになったり、後に秀子の影響で水穂が島根で弁護士を志すきっかけになるなど、重要なワードとなっている。

クレジット

協力

島根県弁護士会

SHARE
EC
Amazon
logo