珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-

珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-

常識はずれの暴れ者・山田太郎が徳の高い法師・玄じょうに調伏され、彼と共に天竺を目指していく様を描いたギャグ漫画。中国四大奇書の一つ、『西遊記』を下地にしているが原作の要素は殆ど残っておらず、中盤から完全にオリジナルのストーリーが進行していく。漫画太郎の代表作。最初に発行されたジャンプ・コミックス版に加えて、廉価版、不完全版、新装版など4種類の単行本が発売されており、内容は微妙に異なっている。同作者の『まんゆうき ~ばばあとあわれなげぼくたち~』と同じ世界観を持ち、続編・『珍遊記2~夢の印税生活編~』は共通の続編として位置づけられている。ゲーム・『ドラゴンクエストシリーズ』や、『ドラゴンボール』などのパロディも随所に見られる。

正式名称
珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-
ふりがな
ちんゆうき たろうとゆかいななかまたち
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
下ネタ
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概要・あらすじ

舞台は漫成2年食の国。身の丈は3メートルに及ぶ乱暴者・山田太郎は、その強力な力を振るって傍若無人な行動を繰り返しており、育ての親であるじじいとばばあも手を焼いていた。そこに天竺を目指して旅を続ける坊主・玄じょうが現れ、じじいとばばあは彼に太郎を更生させるよう懇願。玄じょうは法力を持って太郎を下し、彼の妖気を封印することに成功するが、太郎の性格は治らなかったため、天竺への旅に同伴させることに。

そうして、二人の珍道中が始まるのだった。

登場人物・キャラクター

山田 太郎 (やまだ たろう)

巨大な体と強力な妖力を持ち、天井天下唯我独尊を地で行く傍若無人な暴れ者。賞金首であり、懸賞金は1億円。元は子供に恵まれなかったじじいとばばあの元に雷と共にやってきた赤子だったが、成長するに連れて次第に凶暴化、山田夫妻の手に負えないほどになっていった。 天竺を目指す坊主・玄じょうに妖力を吸い取られて、子ざるとのような姿と化してしまい彼の旅に連れて行かれることになる。妖力を失い、凶悪な人相もアホ面へと変化したが、性格は元の凶暴なままであり、強靭な肉体も健在。玄じょうのことを隙あらば殺害しようとしている。

玄じょう (げんじょう)

天竺を目指して旅をする坊主で、途中で立ち寄った村で山田太郎を調伏、旅に同行させることとなる。どんな病気でも治せるほどの高い法力を持ち、知名度も非常に高い。また、肉体も強靭。普段はおねえ言葉で話すが、キレた時などには非情に汚い言葉遣いになる。

じじいとばばあ

苗字は「山田」だが、名前は不明。子宝に恵まれずに二人で長い間暮らしていた農民夫婦。13年前、突如雷と共にやってきた赤子を太郎と名付けて育てるも、次第に凶暴化していく彼に手を焼くようになり、たまたま家を訪れた坊主・玄じょうに山田太郎の更生を依頼する。 己の不幸を嘆いてはいるものの、太郎が持ち帰る財宝には目の色を変える強欲な性格でもある。

珍珍 (ちんちん)

山田太郎と玄じょうが訪れたまちでラーメン屋・珍珍亭を営む男性。どんぶりを頭に被っているのが特徴的。腕の立つ料理人なのだが、体臭が異常にきついせいで客が寄りつかず暇を持て余している。しかし、玄じょうの法力により体質が改善された後は大繁盛する。

中村 たけし (なかむら たけし)

山田太郎と玄じょうが訪れたまちに住む少年。同年代のやすし、きよしとつるんでおり、仲間内ではリーダー格。責任感が強く、男気も持ち合わせる。ゲーム感覚で万引きを繰り返しているため、本屋のばばあから強く恨まれている。今までに盗んだ本は全部で125冊。 父親は世界最強と謳われた格闘家・中村泰造。

中村 泰造 (なかむら たいぞう)

中村たけしの父親で、世界最強と謳われた格闘家。ドラゴンを倒したという伝説もあるが、現在では酒に溺れた生活を送っている。優れた動体視力、腕力を持つが寝ぼけた玄じょうには歯が立たなかった。ジャンプ・コミックス版以外では表記が異なり、中村タイ造となっている。

ガンス

山田太郎を倒すために西洋からやってきた外国人チームのリーダー。額に「壱」という文字が書かれている。頭が悪い上にリーダーシップもないため、部下が言うことを聞かないのが悩みの種。聖剣ナマクラーという剣が武器。太郎との戦闘中に部下のカイカイの下敷きとなり、厚みが全くない紙のような体になってしまった。

ザーマス

山田太郎を倒すために西洋からやってきた外国人チームの一人。1人称は「ミー」で、語尾に「―ざます」と付けるが、極度に興奮すると荒っぽい口調になる。肉体は貧弱だが、扱う魔法の種類は豊富。

カイカイ

山田太郎を倒すために西洋からやってきた外国人チームの一人。肥満体系で醜い顔をした女性。僧侶という職業に似合わず、肉弾戦を得意とする。額に第三の眼があり、呪文を唱えることで開眼、対象の戦闘力を測ることが出来る。

フンガー

山田太郎を倒すために西洋からやってきた外国人チームの1人。「フガフガ」としか喋れない大男で、状況によって身長を変えることが出来る。元はザーマスが掛けた呪術・野獣家来化呪文により従順となっていた超下等生物野獣ヒババゴンであり、人肉を好む凶暴な性格。 食事の邪魔をされると怒り、戦闘力が急上昇するが、知能は極めて低い。

本屋のばばあ (ほんやのばばあ)

本名は不詳。山田太郎と玄じょうが訪れたまちで本屋を営む老婆で、万引きを繰り返す中村たけしらに手を焼いていた。玄じょうの法力により足を治した後には復讐のためにたけしらを追いかけ回し、殺害しようとした。

まり男 (まりお)

山田太郎と玄じょうが訪れたまちで酒場を営む男性。店構えは中華風だが、店内は西洋風。来店した太郎に並々ならぬ貫録を感じ、彼を「ダンナ」と呼ぶ。太郎と賞金稼ぎ達の戦闘によって店を破壊されてしまうも、フンガーの首を自らの首と偽って懸賞金を手に入れた太郎から大金を渡される。

電撃グルーヴ (でんげきぐるーゔ)

ピエール瀧と石野卓球の二人組で、まちで1番のかぶき者。かぶき者の道に則り、着用している靴やパンツ、ブラジャーのような下着もすべて虎柄。ピエール瀧は2本、石野卓球は1本の角を生やしている。実在するバンド、電気グルーヴをモデルとしており、彼らが本作のファンであったことから特別出演という形で登場した。 新装版では、ピエール瀧はアダーチ、石野卓球はモトヤースと、グループ名は雷ブラザーズと変更されている。

場所

まち

『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』に登場する地名。山田太郎と玄じょうが訪れた町で、物語の大半を占める舞台。高額賞金首である太郎の実家が近いということで、多くの賞金稼ぎが集う。

続編

まんゆうき ~ばばあとあわれなげぼくたち~ (まんゆうき ばばあとあわれなげぼくたち)

大仙人・萬々の弟子である少女の娘々が、妖怪退治を強引に頼まれるなどしたあげく、最終的に主に萬々によってひどい目に遭わされるさまを主に描くギャグ漫画。キャラクターは、作者の後の作品『珍遊記2』で再登場す... 関連ページ:まんゆうき ~ばばあとあわれなげぼくたち~

珍遊記2 夢の印税生活編 (ちんゆうきつー ゆめのいんぜいせいかつへん)

漫☆画太郎の『珍遊記 -太郎とゆかいな仲間たち-』『まんゆうき ~ばばあとあわれなげぼくたち~』の続編。最強の仙女である萬々の弟子の娘々と、猿の妖怪である山田太郎および彼と因縁のある初代漫☆画太郎が、... 関連ページ:珍遊記2 夢の印税生活編

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